Pixel 6 レビュー:大きさと重さで人は選ぶがスペックや機能は文句ない新しい時代のPixelスマートフォン
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Googleが初めて独自SoCを搭載したスマートフォン「Pixel 6」を購入し、2週間ほど使ってきました。搭載するSoCだけでなく、端末の外観からしてこれまでのPixelとはかなり違うものがあります。
Android 12でOSとしても見た目が変わり、端末もデザイン含め大きく変化しました。好みの問題も大きいですが、気にいる部分やイマイチな部分もあったので、実際に使って感じたものをそれぞれ紹介していきます。
- Android 12のMaterial Youと合わさったデザイン
- 日本語の文字起こしや自動翻訳など最新の機能が使える
- フラットで見やすい6.4インチのディスプレイ
- ボケがより美しくなったカメラ
- 重く大きい、そして角が当たる
- 指紋センサーは微妙に難あり
概要と外観
Pixel 6はGoogleの2021年秋における最新のスマートフォンです。Android 12が最初からインストールされ、SoCにはGoogle初のチップ「Google Tensor」が搭載されています。
開封の様子などは別記事でも紹介しているのでどうぞ。
背面は大きなカメラバーで3つに分けられているのが特徴的です。このカラーはAndroid 12のMaterial Youのカラーパレットに合わせられたものですね。
背面カメラバーの出っ張りはかなり大きく、3mm弱あります。ただ、これは横一直線に幅いっぱいあるので、机の上においたときなどにまったくガタガタしません。安定します。また若干角度がつくので画面が見やすくなるくらいです。
下側面にUSBポートとスピーカーなど、上にはマイク穴。どちらにもアンテナ線があります。
左側面の下の方にSIMスロット。カメラバーで傾斜が付きます。
右側面の上側から電源ボタンと音量ボタン。
端末サイズが大きいというのもあるのですが、Pixel 6はさらに四隅の角がわりと四角く、片手で持った時に手の腹に突き刺さって痛いです。Pixel 5くらいの丸みがあるとそうでもないのですが、Pixel 6は突き刺さります。
私の場合はこの大きさもあって、自然と両手持ちになります。片手持ちはちょっと辛いサイズです。
全体的なデザインは好みが分かれるところでしょう。私は背面がテカテカしたガラスでちょっと(むしろ)安っぽく感じるなと思いましたが低反射フィルムを貼って、あとは慣れました。慣れてくるとなかなか気に入ってきました。
スペックとパフォーマンス
Pixel 6はSoCにGoogle独自の「Google Tensor」を搭載し、RAMは8GB、ストレージは128GBと256GBの2種類あります。スペックとしてはハイエンド寄りのスマートフォンです。
ディスプレイは6.4インチでアスペクト比20:9、リフレッシュレートは90Hzに対応。バッテリーは4614mAhでワイヤレス充電対応し、IP68の防水防塵性能やおサイフケータイもあります。
主なスペックは以下の通りです。
OS | Android 12 |
---|---|
CPU | Google Tensor |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB / 256GB |
外部メモリ | – |
ディスプレイ | 6.4インチ 1,080×2,340(FHD+) 20:9 有機EL リフレッシュレート最大90Hz |
メインカメラ | 50MP ƒ/1.85 82° 12MP ƒ/2.2 114°(超広角) |
フロントカメラ | 8MP ƒ/2.0 84° |
バッテリー | 4,614mAh 急速充電/急速ワイヤレス充電 バッテリー シェア |
サイズ | 約158.6 × 74.8 × 8.9 mm |
重量 | 約207g |
防水防塵 | IP68 |
ネットワーク | GSM/EDGE: クアッドバンド(850、900、1,800、1,900 MHz)
UMTS / HSPA+ / HSDPA: 対応バンド 1、2、4、5、6、8、19 LTE: 対応バンド B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 8 / 12 / 13 / 14 / 17 / 18 / 19 / 20 / 25 / 26 / 28 / 29 / 30 / 32 / 38 / 39 / 40 / 41 / 42 / 46 / 48 / 66 / 71 5G Sub-6: 対応バンド n1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 14 / 20 / 25 / 28 / 30 / 38 / 40 / 41 / 48 / 66 / 71 / 77 / 78 |
それぞれのキャリアで対応してるバンド(タップで開きます。)
4G |
ドコモ | au | ソフト |
楽天 |
---|---|---|---|---|
1 | ◯ | ◯ | ◯ | |
3 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
8 | ◯ | |||
11 | ◯ | ◯ | ||
18(26) | ◯ | △ | ||
19(26) | ◯ | |||
21 | ◯ | |||
28 | ◯ | ◯ | ◯ | |
41 | ◯ | ◯ | ||
42 | ◯ | ◯ | ◯ |
5G |
ドコモ | au | ソフト |
楽天 |
---|---|---|---|---|
n77 | ◯ | ◯ | ◯ | |
n78 | ◯ | ◯ | ||
n79 | ◯ | |||
n257 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク結果
各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v9.1.9)が710,587点、Geekbench 5がシングルで1,039点、マルチで2,900点、3DmarkはWild Lifeで6,821点、PCMarkのWork 3.0 performanceは10,430点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | PERF | BATT | |||
ROG Phone 5 | SD 888 16GB |
810721 | 1123 | 3636 | 5712 | ||
OnePlus 9 Pro | SD 888 12GB |
801664 | 1099 | 3433 | 1529 | 9h 12m | |
Pixel 6 | Tensor 8GB |
710587 | 1039 | 2900 | 6821 | 10430 | 14h 3m |
POCO F3 | SD 870 8GB |
671206 | 924 | 2960 | 1117 | ||
Mi 11 Lite 5G | SD 780G 6GB |
523616 | 806 | 2438 | 3126 | 10712 | 11h 36m |
そのほか、当サイトでレビューしてきた端末のベンチマーク結果は以下のページにまとめています。こちらも参考にどうぞ。
動作はサクサク、普通に使えば熱さも気にならない
これだけのスペックがあれば通常の動作は問題ありませんね。通常のアプリや操作で引っかかりを覚えることはあまりありません。Twitterが時々固まる気がするのですが、ほかのアプリで見られないのでTwitter固有の問題かもしれません。
重いゲームについては普段プレイしてないのであまり違いがわかりませんが、『原神』で少し動き回った程度では違和感なくプレイできました。もっと軽いゲームであれば、大抵は問題ないでしょう。
Pixel 6 / 6 Proは発売前に店頭展示されていた端末が熱いことで話題となりました。実際私も展示機を触って熱いとは思ってました。実際に入手して普段の生活で使っていると、そういった熱はほとんどありません。ただ、ゲームのプレイやダウンロード、動画撮影などで高負荷を長時間続けていると熱くなっていきます。
ディスプレイ
Pixel 6のディスプレイは6.4インチの有機ELです。中央上端にパンチホール型の前面カメラがあります。そのぶんステータスバーが少し太めですが、そう気になるものでもないでしょう。
発色も良く、明るいところで見た時にしっかりと画面が濃く見えるような気がします。
物理的な画面サイズは横67mm、縦141.2mmです。dpは411×914で、Pixel 5よりも大きくなってます。(ピクセル数で見た横幅が同じでも、Pixel 6の方が横幅が少しだけ広いということです。)
画面の色などの調整もできます。ただ私は現状で問題ないのでとくに変更していません。
片手モード
Pixel 6ではなくAndroid 12の機能になりますが、片手モードがあります。ナビゲーションバーを下にスワイプすると画面が下に降りてきます。Pixel 6は端末がそれなりに大きくなっているので、片手で操作する際には片手モードを利用するといくらか使いやすくなります。
サウンドとバイブレーション
Pixel 6のスピーカーは端末上下のデュアルスピーカーです。ただし下側のスピーカーは下側面に付いているのでガームなどで端末を横向きに持つときはスピーカーを覆わないように注意です。
Pixel 5のときにスピーカーの音質がかなり悪かったので今回も少し心配していたのですが、杞憂でした。めちゃくちゃいい音、というわけではないのですが普通に聴ける音です。
ただ、バイブレーションについては他のスマホに比べちょっと弱いかな?という印象。普段音を切ってバイブで着信や通知を受けている人は注意が必要かもしれません。
指紋センサー
Pixel 6の指紋センサーは画面内にあります。精度や速度については、しっかりと指定の場所を指で覆えば問題ないと思っています。ただこれまでの背面にあったものに比べれば精度もスピードも悪く、画面がオフの状態からの認証もできないなど利便性でも劣ります。
Pixel 6の指紋認証。画面内よりも電源ボタン兼用の方が私は好きだなぁ。 pic.twitter.com/LnddcK0sky
— orefolder (@orefolder) October 28, 2021
また、直射日光下など明るい場所では認識しにくいことがあるので、落ち着いてしっかりとセンサー部分を指で覆い続ける事が大事です。まぁ慣れですね。
なお、速度についてはセキュリティを挟んでるためだとGoogleがコメントしており、今後のソフトウェアアップデートで改善される可能性がないわけではありませんが…。
また、保護フィルムを貼るとさらに感度が悪くなって認証できないという人もいるようです。このあたり、同じフィルムでも人によって違ったり、フィルムの素材との相性も個体差があるようです。心配ならGoogleの認証(Made Forバッジ)を受けたフィルムを、とは言うのですが、現状日本でそういったフィルムを手に入れる方法がほとんどありません。Pixelシリーズはソフトバンクセレクションで取り扱うこともあるのですが、Pixel 6はまだ発売されていません。
一応、ミヤビックスやPDA工房からは「指紋認証対応」として薄型のフィルムも販売されています。
バッテリー
PCMARKのバッテリーテスト(画面輝度50%固定)をやったところ、100%をから20%になるまで14時間3分でした。これはなかなか良い値です。ただ実際に使ってみるとそこまでの実感はありません。
1日は十分に持ちますが、普通に使うのであれば毎日充電は欠かせません。私の使い方だと毎日40%以下まで減るくらいです。そこそこいいけど過度な期待は厳禁、といったところです。
充電はワイヤレス充電に対応しているのが便利です。私は比較的小型で円形のワイヤレス充電器を使っているので、壁ラバーの出っ張りを引っ掛けるように置くとちょうどよかったりします。
なお、Pixel 6の公式ページに30W USB-C充電器なら、お使いのGoogle製品やその他のUSB-Cデバイスを急速充電できます。
と書かれていますが、Pixel 6自体が30W充電に対応しているわけではないようです。手元の65W充電器では15Wくらいで充電されていました。
カメラ
Pixel 6の背面カメラは50MPのメインカメラと12MPの超広角(114°)カメラのデュアルカメラです。Pixel 5までに比べ、メインカメラでの視野角が少しだけ広がってます。
また、撮影時のUIに「色温度」が加わりました。青白い明かりの下で食べ物を撮る時など、このスライダーを操作して暖色よりにすると食べ物は美味しそうに見えやすいです。(今回のサンプルではそんなことすっかり忘れていたわけですが…。)
実際に撮った写真をいくつか紹介します。
通常撮影
どれもはっきりした色合いでキレイに写ってると思います。今までのPixelよりもちょっとくっきり度が上がってるかな?という気も。ボケ具合もこれまでに比べてキレイになっています。
ただ、少し被写体に寄って撮影すると、ちょっとボケすぎ?というくらいにボケたりします。このあたりの塩梅が、もう少しなんとかならなかったかな?と思います。寄って撮りたい、でもボケさせたくないときは2倍望遠を使うと少しはいいかもしれません。
超広角
超広角カメラでの視野角は114°です。メインのカメラと色合いが変わらないので使いやすいです。
夜景・天体撮影モード
夜景モードで撮れば、さすがPixelです、きれいに撮れます。
ただ、天体撮影モードはこれまでのPixelシリーズよりも白っぽく写ってしまいます。
うーん…。
これは単独で記事にしているので、サンプルや比較はこちらもどうぞ。
消しゴムマジック
Pixel 6のカメラ(というかGoogleフォトの編集機能)の目玉機能の1つが「消しゴムマジック」です。これは景色の中に写り込んだ人を自動(または自分の指で指定)で抽出し、それをなかったかのように消してしまう機能です。
人は消えても影は消せてなかったり、人がいた部分が微妙にぼやけていたりと、完璧ではありません。それでもパッと見はちゃんと消えており、元の写真を知らなければ気にならない程度に消えてくれます。SNSくらいならこれで十分じゃないでしょうか。
使う機会がどの程度あるかは不明ですが、なかなかおもしろいです。
モーションフォト
モーションフォトという機能で、いわゆる流し撮りのような写真が簡単に撮れます。
元の写真と流れたものと、両方を保存してくれます。うまく撮れると面白い…のですが、わりと使いどころが見つかりません…。
いくつかある新しい機能は、面白いけど実際にどれだけ使うかはわからないな、という印象。(使わなさそう。)よく使うことになるであろうメインのカメラは、より良い感じの写真が簡単に撮れるようになりました。ちょっとボケすぎる気がしますが、それさえ気をつければ。ご飯撮るときはちょっと暖色よりにするのを忘れないようにしたいところ。
今回撮った写真をまとめてGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はどうぞ。
文字起こしと翻訳、自動字幕起こし
Pixel 6では『レコーダー』アプリで日本語の文字起こしに対応しました。喋っている音声をしっかりと拾ってテキストにしてくれるので、会議の議事録代わりにいいかもしれません。
それ以外にも、TVやYouTubeでなにかの解説を見ている時、これを同時に起動しておけば内容をテキスト化できます。あとから簡単に見直せるので便利です。
また、音声を認識すると自動で翻訳字幕をつけてくれる機能もあります。これはYouTubeで海外の発表会動画を見てる時などに便利です。クイック設定パネルから簡単にオンオフできます。
ただ、海外のYouTuberの動画で試したところ、あまりに早口なせいか、あまり聞き取ってくれない場面もありました。
その他の便利な機能
このほか、Pixel 6独自というわけでありませんが、便利な機能があります。気に入ってるものをいくつか紹介します。
ゲームダッシュボード
Pixel 6特有ではなくAndroid 12の機能ではありますが、ゲームダッシュボードというゲームアプリ用の機能があります。あまり目立った機能ではなく、通知→サイレントモード→スケジュール→ゲームの設定にあったりします。これをオンにするとゲーム中にショートカットボタンが表示されます。
ゲームダッシュボードでは、ゲーム中にサイレントモードにする他、スクリーンショットや録画へのショートカット、FPS(フレームカウンタ)の表示といったことができます。YouTubeライブや最適化といった機能もあります。が、最適化が使えるアプリはまだ見たことがありません…。
迷惑電話・通話スクリーニング
Pixelシリーズの電話アプリは迷惑電話がかかってくると、受電画面でそれを教えてくれます。(この番号で検索すると迷惑電話データベースのようなもので確認できるので、できればこれの番号を直接ググれるようになると便利なんですけどね。)
また、通話のスクリーニング機能を使うと自分の代わりに自動音声が答えてくれて、相手の喋ってることをテキスト変換して表示してくれます。これを見て電話に出るか判断してもOKです。ただ、これ相手は留守番電話と思うのか、自動音声が流れすとすぐに切れてしまうことが多いです。
この曲なに?
周りで流れてる音楽を認識して、ロック画面に表示できる「この曲なに?」という機能があります。履歴もあとから確認できるので、街なかで流れてて気になった音楽を後から調べたりできるので便利です。
Pixel 6の良かったところイマイチなところ
Pixel 6を使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。
- これまでとは違う新鮮なデザイン
- バッチリ使える性能
- きれいなボケを出すカメラ
- OSアップデート保証やAndroidの新機能がいち早くなど、Pixelとしての良さ
- 重く、大きい
- 指紋センサーは微妙に難あり
- 天体撮影モードが白くなる
- Googleフォトの無制限アップロードは非適用
基本的な使い方をしている分には問題なく、キビキビ動いてくれるので良いスマートフォンです。しっかりとしたスペックもありますし、OSアップデートやセキュリティアップデートも心配ないので2年以上をしっかりと支えるスマホです。
ただやっぱり大きく重いというのが難点です。これは人によって許容範囲が異なるのであくまで個人的な問題ですが、やはりメインでいつでも持ち歩くにはもう少しコンパクトな方がいいな、と感じました。慣れるといえば慣れるのですが、ふとPixel 5を持った時に「やっぱりこれくらいがいいなぁ」と思ってしまうのです。
Pixel 5のサイズやデザインでPixel 6の性能を持ったスマホが欲しい!と思ってしまいました。Pixel 6aに期待かな…?
まとめ:これが新世代のPixelスマートフォン
大きさと重さ、それに指紋センサーの問題を除けば、非常に良いスマホです。これまでも6インチ以上のスマホを使ってきた人なら問題ないでしょうね。
AndroidやGoogleの最新の機能を使いたい人にはぴったりですし、ベーシックで使いやすい、スペック的にも優秀で長く使えるスマートフォンだと思います。
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。