XPPenより、23.8インチの液晶タブレット「Artist Pro 24 (Gen 2) 165Hz」をレビュー用に提供していただきました。
Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzは23.8インチと大きく、リフレッシュレート165Hzと滑らかな表示のできる画面を持つ液晶タブレットです。16,384レベルの筆圧感度を持つペンが2種類付属し、左手デバイス「ACK05」も付属します。
- 23.8インチ、WQHD解像度、リフレッシュレート165Hz
- 16,384レベルの筆圧感度ペンが2種類付属
- 左手デバイスACK05付属
- Calman認証の優れた色域カバー率と色の精度
2024年10月22日時点での公式サイトでの価格は169,800円です。10月22日~10月28日までに購入すると「フェルト芯20本セット」が無料でプレゼントされます。
製品モデル | MD240QH |
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寸法 | 638 x 408 x 44mm |
作業エリア | 526 x 296mm |
重量 | 7.3kg(スタンド含む) |
画面解像度 | 2560 x 1440 |
色域カバー率(代表値) | 99% sRGB, 99% Adobe RGB, 94% Display P3 |
表示色 | 1670万色 |
フルラミネーション | あり |
視野角 | 178° |
輝度(代表値) | 250cd/m² |
スタイラスペン | X3 Proスマートチップスタイラス + X3 Proスリムスタイラス |
筆圧レベル | 16384 |
最小ON荷重 | 3g |
傾き検知 | 60° |
精度 | ±0.4 mm (中心) |
読取高さ | 10mm (中心) |
解像度 | 5080LPI |
レポートレート | ≥220RPS |
スタンド調整範囲 | 16°~72° |
VESA互換性 | 100mm x 100mm |
ポート | USB-C、DisplayPort、HDMI |
電源入力 | AC 110-240V |
電源出力 | DC 12V⎓5A |
互換性 | Windows 7(以降)、macOS 10.13(以降)、Android (USB3.1 DP1.2))、ChromeOS88(以降)、Linux |
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さすがに24インチクラスは大きい
24インチクラスは、やはり大きいですね。届いて部屋の中に運ぶのも苦労です。
箱を開けると本体の上にキャリブレーションレポート(Calman認証レポート)の紙が入っており、下には各種付属品が入っています。
付属品リスト:
- X3 Proスマートチップスタイラス(替え芯10本)
- X3 Proスリムスタイラス(替え芯10本)
- ペンケース(替え芯各4本)
- ワイヤレスショートカットリモートとBluetoothレシーバー
- 電源アダプターとケーブル
- DisplayPortケーブル
- HDMIケーブル
- USB-C to Cケーブル
- USB-C to Aケーブル
- 2本指グローブ
- クリーニングクロス
- クイックガイド
本体はやはり大きいです。縦横の長さは638mm x 408mmなので、たしかにデカい。画面自体はアンチグレアなものの、照明の反射はそれなりにあります。
背面には大きく頑丈なスタンドが付いています。このスタンドは取り外せばVESA規格の穴(100mm×100mm)があるので、それを使ってモニターアームに取り付けることも可能です。重量はスタンド込みで7.3kgなので、その点は注意です。
なお、スタンドは16°~72°まで調整可能です。
背面左側に接続端子がまとまっており、左(下)から3.5mmオーディオジャック、HDMI、DisplayPort、USB Type-C、DC電源です。
この部分は蓋をすることも可能です。
本体右上に電源ボタンと明るさ等を調整する+-ボタンがあります。
本体上部には2つ穴が空いており、そこに付属のペンホルダーを装着できます。
3つの接続方法
Artist Pro 24 (Gen2) 165HzはUSB-Cは、DisplayPort、HDMIの3つの接続方法があります。
USB-C接続の場合はUSB-Cケーブルと電源ケーブルの2本で接続します。もう少し小さい液タブだとUSB-Cケーブルで電源も取れるのですが、さすがに24インチでは電源は独立して必要なようです。USB-CであればPCだけでなくスマホも接続できます。
HDMIとDisplayPortの場合はそれぞれのケーブルと電源ケーブルのほかに、USB-C to AケーブルでもPCと接続する必要があります。また、本機は165Hzのリフレッシュレートに対応しますが、解像度が2560×1440(WQHD)なのでPC側がHDMI2.0だと144Hzまでしか出ないので注意が必要です。
USB 3.1以上またはDisplayPort 1.2以上で接続する場合に、最大165Hzでの表示が可能です。
2種類のペンが付属
Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzには「X3 Proスマートチップスタイラス」と「X3 Proスリムスタイラス」の2種類のペンが付属します。どちらもX3 Proスマートチップ搭載で16Kレベルの筆圧感度を持ち、60°の傾き検知に対応し、充電不要で使用できます。
X3 Proスマートチップスタイラスは最厚部が約14mmでショートカットボタンのあるあたりが約12mmです。テール部分はデジタル消しゴムとしても利用できます。また、フェルトタイプの替芯も付属します。
X3 Proスリムスタイラスは太さが一定で約9.5mmです。ショートカットボタンは2つで、ここのカバーを取り替えてボタンを無効にもできます。(ペンに付いてるボタンはけっこう誤爆しやすいので無い方が良い、という人も多いです。)またテール部分には替芯を4つ収納できます。
基本的な性能は変わりませんが、持ち味はだいぶ変わります。
左手デバイスACK05
Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzは本体にショートカットボタンは付いておらず、左手デバイスの「ACK05」が付属します。
ホイールとカスタマイズできるボタンが10個あり、縦でも横でも、好きな位置に置いて使えます。PCとの接続はUSBレシーバー、Bluetooth、有線の3通りに対応します。
Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzとは独立して使用できるので、同じPCで別の作業をする際にも利用できます。
設定とカスタマイズ
PCで利用するときにはドライバをインストールして使います。このドライバで各種設定やショートカットボタンのカスタマイズが可能です。
最初に液タブ側の画面にペンを置いても別のディスプレイ上でカーソルが動いたりでうまく動作しなかったのですが、ドライバを入れて再起動したら正常になりました。そういったこともあるのでPCで使うときには必ずインストールしておいたほうがいいでしょう。
ペンや左手デバイスのショートカットキーのカスタマイズもここで行います。使用するアプリごとにキーの設定を変えられるのは便利ですね。
大きな画面は描きやすい
やはり23.8インチという画面は広くて良いです。イラスト制作アプリの各種ツールパネルを表示しても十分な作業領域が確保できます。液タブは広ければ広いほどいいとは、まさにそのとおりです。置ける場所があれば、ですが…。
本体の大きさは638 x 408 x 44mmで、スタンドを出せば置く場所の奥行きも必要になります。縦横の大きさは27インチディスプレイと同じくらいでした。パッと見はめちゃくちゃベゼルが広く見えるのですが、実際に絵を描くとなるとこれくらいあったほうが使いやすいのがわかります。
実際に画面が表示されるエリアは526 x 296mmです。A4サイズの紙を縦向きにして2.5枚分くらいの大きさですね。実際にこれくらい広いと全体像を確認するのも簡単ですし拡大縮小したり表示位置を移動する頻度も減りそうです。
165Hzは画面が滑らか
Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzは製品名に含まれるように、リフレッシュレートが最大165Hzというのが大きな特徴です。通常の60Hzのディスプレイと比べると滑らかさが明らかに違いますし、長時間の使用でも疲れにくくなります。
単体で利用してもあまり実感できないかもしれませんが、PCでデュアルディスプレイにしたとき、マウスカーソルを60Hzディスプレイから165Hzディスプレイに移動させると明らかな違いを実感しました。
ディスプレイの解像度は2560×1440(WQHD)です。さすがにこのサイズでFHDだときついかもしれませんがWQHDなら十分です。もっと高精細が良い場合は兄弟機にArtist Pro 24 (Gen2) 4Kがありますので、そちらも検討してみてください。
色域カバー率はsRGB 99%、Adobe RGB 99%、Display P3 94%で、3つの色空間を簡単に切り替えて使用できます。
応答速度と視差
安価な液タブだと、応答速度や視差に慣れなくて思うように描けないことがあります。しかしArtist Pro 24 (Gen2) 165Hzはさすがにどちらも気にならないレベルでした。ちゃんと思うところにペンが走ります。
ただ視差やズレがまったくないわけでもないので、ある程度の調整と慣れは必要です。(ズレについてはドライバの設定である程度調整できます。)
応答速度については上の動画の通りで、描いていても描画が遅れるような感覚はありません。
発熱は気にならない
ここまで大きな液タブだと作業が長時間になった場合に熱くなってくることもあります。Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzの場合は、数時間使用したくらいでは特に熱いと感じることはありませんでした。ほんのり温かい気がしないでもない…といったくらいですかね。
ファンレスの冷却システムがあるようで、それによりノイズなく快適な環境を保ってくれます。
Artist Pro 24 (Gen2) 165Hzの良かったところ・イマイチなところ
- 画面が広い
- リフレッシュレート165Hzで滑らか
- 2つのペンと2種類の替芯が付属
- 左手デバイスも同梱
- デカくて置き場所に困る
- XPPenの中でもかなり高額
やはり約24インチの大きな画面はストレスなく描けていいですね。アプリのツールパネルを表示しても十分な作業領域が確保されるのが良いです。画面の大きさだけならArtist 24というモデルもあるのですが、それに比べるとリフレッシュレートに色域カバー率、付属(対応)ペンの性能などが違います。
ただ本機は169,800円と、Artist 24よりも10万円近く高くなっています。ワコムなどに比べると24インチの液タブとしてはかなり安いのは変わらないのですが、同じXPPenの中でどちらを選ぶか悩んでしまいます。
まとめ
これだけ大きな液晶ペンタブレットは、さすがに気楽に買うというわけには行きませんね。物理的な大きさから机の上に置きっぱなしになりますから、PCの前に座るのがほとんど絵を描く時くらいだ、といった方、かなり本気な方向けです。
これまで趣味で描いてきたけどもっと本気で取り組みたい、20インチくらいでも狭さを感じる人や、リフレッシュレートの向上で少しでも遅延や目の疲れを軽減させたい人、そんな人は検討してみてはどうでしょうか。本記事で興味を持ったら、ぜひ実店舗で実機を確認してみてください。最近は実店舗でもXPPenを置くところも増えているようです。
参考情報
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。