arrows We2 Plus M06 レビュー:意外なほどにスムーズ、機能も豊富な新生FCNTのミドルレンジスマホ

FCNTよりarrows We2 Plusをレビュー用に貸し出していただきました。

arrows We2 PlusはFCNTがレノボ傘下となってから初のスマートフォンです。SoCにSnapdragon 7s Gen2を採用したミドルレンジのスマートフォンで、様々な便利機能に加え自律神経パワーを測定できるといったほかにない特徴も併せ持つスマートフォンです。

キャリア版やメーカー版があり、今回はメーカー版のIIJmio販売モデル(RAM12GB版)をお借りしています。試用期間は約1ヶ月と少しで、この間に感じたarrows We2 Plusの良いところ・イマイチなところをレビューします。

IIJmio
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arrows We2 Plus M06の概要

arrows We2 PlusはSoCにSnapdragon 7s Gen2を採用し256GBのストレージを搭載します。通常はRAM 8GBですが、IIJmioではRAM 12GBモデルとなります。ディスプレイは6.6インチのフルHD+でバッテリーは5000mAhです。カラーはスレートグレイとシャンパンシルバーの2色。

背面カメラ下に脳波センサーがあり、そこから読み取ったバイタルデータをもとに、自身の自律神経の活性度を測定し、“自律神経パワー値”と、それが何歳平均相当であるかを表示できます。

IIJmioでの価格は一括54,800円、24回払いの場合は2,289円/月です。ギガプランにMNPと同時に申し込むと「のりかえ価格」となり、その場合は一括36,800円、もしくは1,534円×24回です。

OS Android 14
CPU Qualcomm Snapdragon 7s Gen2
RAM 12GB
ストレージ 256GB
外部メモリ microSDXC (最大1TBまで)
ディスプレイ 6.6インチ (フルHD+) 有機EL
メインカメラ 有効画素数 約5010万(広角/OIS)
有効画素数 約800万(超広角)
フロントカメラ 有効画素数 約1610万(広角)
バッテリー 5000mAh
サイズ 約162 × 75 × 8.5mm
重量 約182g
生体認証 指紋、顔
防水防塵 IPX5/IPX8、IP6X
SIM nanoSIM+eSIM
対応周波数 5G:n1 / n3 / n28 / n41 / n77 / n78 / n79
LTE(国内):B1 / B3 / B8 / B18 / B19 / B21 / B28 / B41 / B42
LTE(国外):B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B28 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42
3G(国内):-
3G(国外):I / II / IV / V / VIII
GSM:850 / 900 / 1,800 / 1,900MHz
その他 おサイフケータイ

arrows We2 Plusの外観をチェック

arrows We2 Plusのサイズは約162 × 75 × 8.5mmで、ディスプレイは6.6インチの有機ELです。フロントカメラは中央にパンチホールです。左右のベゼルはそれなりに細いのですが下側は若干太くなっています。

全体的に丸みがあって鋭利な角がなく、背面はシンプルでサラサラです。一昔前の「よくある外観」っぽさがありますが、それがとても持ちやすいと感じます。

カラーはスレートグレーとシャンパンシルバーの2色で、今回お借りしたのはスレートグレーです。

背面カメラの下にあるのはフラッシュではなく、自律神経パワーを測定するためのセンサーです。カメラユニット部の出っ張りはほとんどなく最厚部との差は1mm程しかありません。

右側面に音量ボタンと電源ボタン。この電源ボタンは指紋センサーも兼用しており、また後述のExlider機能で画面をズームやスクロールできます。

上側にはマイク穴、下側にはスピーカーとUSBポート、マイク穴とイヤホンジャックです。なおスピーカーは上側の全面にもあるのでステレオです。

左側面にSIMスロットがあります。SIMピンを使わずに爪で開けられるタイプです。

SIMとmicroSDカードを裏表に装着するタイプです。eSIMも使えるのでデュアルSIM運用も可能です。

実際に手に持ってみると、側面の丸みが手に優しく手にぴったりフィットします。横幅は75mmあるので、コンパクト好きな私にはけっこう広く感じてしまいます。片手持ちでの運用はちょっと厳しいですね。

ベンチマーク

ベンチマークアプリを使って性能面を確認しました。

各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.3.1)が608,807点、Geekbench 6はシングルで1,030点、マルチで2,805点、3DmarkはWild Lifeが3,004点でWild Life Extremeが792点、PCMarkのWork 3.0 performanceは14,853点でした。

似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi
arrows We2 Plus SD 7s Gen2
12GB
608807 1030 2805 3004 14853
OPPO Reno11 A Dimensity 7050
8GB
607416 894 2337 2242 9258
Xperia 10 VI SD 6 Gen 1
6GB
555117 946 2831 2386 10036
AQUOS sense8 SD 6 Gen 1
6GB
534751 934 2553 2376 10886
moto g64 5G Dimensity 7025
8GB
473545 1019 2436 13917
  • 3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。

この夏のミドルレンジモデルの中では上位のスコアを出しています。AnTuTu的にはOPPO Reno11 Aと似たようなものですが、3DMarkやPCMarkでの値は引き離しています。

実際、使っていても動作において不満に思うところはなくいつでも快適です。3Dゲームはプレイしないのでそういった高負荷を要求するゲームでどうなるかはわかりませんが、普段使いとしては文句なしです。

カメラ

arrows We2 Plusのカメラは5,010万画素のメイン(f/1.8)と800万画素の超広角(f/2.2)のデュアルカメラです。

UIはシンプルで特に迷うことはないでしょう。アイコンなどが若干他のスマホよりも大きいように感じます。設定ではグリッド表示や水準器も表示できます。



モードはタブ切り替えではなく一度モードボタンをタップして選択します。選べるのは写真、ビデオ、Photoshop Expressモード、ポートレート、Super Night Shot、スロも録画、マニュアル、Google Lensです。Photoshop Expressモードはプリインストールされている『Photoshop Express』を起動して、撮影した写真を自動で補正するモードです。

実際に撮影した写真をいくつか掲載します。

全体的に補正はそれほど派手ではなく、でも暗くならない自然な写りになっています。夜間についてはスマホ上ではけっこうキレイに見えたのですが、大きな画面で見ると白飛びが目立ちますね。ただこれは通常のカメラモードで撮影したものなので、Super Night Shotを使えばもっと良くなると思います。

自律神経パワーを測定

arrows We2 Plusには世界初の「自律神経パワー」を測定できる機能があります。背面カメラ下に脳波センサーがあり、そこから読み取ったバイタルデータをもとに、自身の自律神経の活性度を測定し、“自律神経パワー値”と、それが何歳平均相当であるかを表示できます。

測定はクイック測定(2分)と高精度測定(4分)があります。デフォルトは2分なのですが、これだとけっこうブレがあって、40代の私でも20代と言われたりします。4分の測定にするとだいたい安定した数値が出ますね。私の場合、大抵は交感神経が強く、気分転換してリラックスしなさいと言われます。

毎回健康に関するTipsを教えてくれます。

この自律神経パワーの測定のほか、毎日の歩数などによってポイントが貯まる仕組みもあり、健康に関する機能が備わっています。上手く活用できるかどうかは別として、面白いです。

ゲーミング機能

arrows We2 Plusは自律神経パワーの測定など健康関連の機能もありますが、意外とゲーム関連機能もあります。ゲームをプレイ中にメニューを呼び出して、ダイレクト給電のオンオフ、リフレッシュレート、着信・通知の抑止などを設定できます。

さすがにマクロ機能やクロスヘア表示などはありませんが、ゲームプレイに集中するための機能が備わっています。

バッテリー

arrows We2 Plusのバッテリーは5,000mAhです。輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで13時間7分でした。

12時間持てば悪くないといったところなので、普通かそれよりちょっと良いくらいですね。この夏のミドルレンジ端末はどれもバッテリー持ちがそこそこ良いので、それらの中では埋もれてしまいますね。

バッテリー容量 PCMark
Xperia 10 VI 5,000mAh 28h 5min
OPPO Reno11 A 5,000mAh 16h 10min
AQUOS sense8 5,000mAh 14h 47min
arrows We2 Plus 5,000mAh 13h 7min
moto g64 5G 5,000mAh 12h 7min

充電は30Wまで対応

充電に関しては、USB PD (Power Delivery) 3.0でPPSにも対応します。実際に試したところ、だいたい30Wまで対応しているようです。なお、ワイヤレス充電は非対応です。

ダイレクト給電

充電器に接続したときに、バッテリーを充電するのではなくシステムに直接給電する「ダイレクト給電」機能があります。これを有効にするとバッテリーを消費せずにスマホを使えます。ゲームなどを長時間プレイする場合はダイレクト給電にすればバッテリー切れの心配もありませんし、充電しながら使用することによるバッテリー劣化も防げます。

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最近ドラクエウォークで睡眠状態を測定する機能が追加されました。寝ている間にバッテリー切れしないように充電しながらの睡眠を推奨されているのですが、充電しながらゲームを起動だとバッテリーの劣化が心配です。でもダイレクト給電があればその心配もなくなります。

ゲーミングスマホやゲーム機能に力を入れてるスマホで見かけることの多くなった機能ですが、arrows We2 Plusではゲームに限らず利用できます。クイック設定パネルで簡単にオンオフできるのがいいですね。

そのほかのバッテリー関連機能

そのほかのバッテリー関連機能としては、よくある「バッテリーセーバー」のほか、充電を85%で止める「電池長持ち充電」、電力供給のピーク時間を避けて充電する「電力オフピーク充電」などがあります。

arrows We2 Plusはバッテリー持ちは普通か少し良い程度で充電速度は普通、ですがそのほかの関連機能が充実しています。これでワイヤレス充電にも対応してくれていればもっと良かったのですが、そこは残念です。

生体認証

arrows We2 Plusの生体認証は電源ボタン兼用のセンサーによる指紋認証と顔認証に対応します。

指紋認証

指紋は5つまで登録できます。

指紋認証のスピードとしては、悪くない速さです。軽く触れるだけですぐに画面がついてホーム画面になります。

また、FASTフィンガーランチャーという機能で、ロック解除に使った指に応じて指定したアプリを起動するように設定できます。普段ロック解除に使う指に設定すると誤爆しそうなので、普段は使わない指で設定しておくといいでしょう。

顔認証

顔認証では「持ち上げると画面オン」と組み合わせて、「顔の前に持ち上げるだけでロック解除」ができます。

持ち上げて画面がオンになってからロック解除されるまで少し時間かかってるようです。使えないことはないですが、指紋認証してしまったほうが速いですね。

顔と指紋のダブル認証

アプリダブルロックや生体認証を利用するアプリにおいて、顔と指紋の認証を組み合わせたダブル認証も利用できます。

ホーム画面と通知パネル、設定画面など

ホーム画面もシンプル、クイック設定パネルもAndroid標準のピル型で、ベーシックなものです。プリインストールのアプリも余計なものはなく、arrows関係のもの、『Adobe Photoshop Express』、『radiko』、『ニューススイート』くらいでしょうか。ちなみに日本語入力はSuper ATOK ULTIASが入っています。

設定画面はAndroid標準とほぼ同じです。PixelやAQUOS、Xperiaあたりからは相互に移行しやすいです。

表示フォントはデフォルトが「UD新ゴNT」で、設定から「Noto Sans」に変更できます。フォント変更やシステムの言語を変更する際に再起動が必要になるのはちょっと面倒。

ここまで紹介した以外にも、画面端からスライドででてくるメニューからアプリを起動する「スライドイン」やロック介助なしに音声録音やテキストメモを利用できる「FASTメモ」などの機能があります。これらのarrows独自機能については、設定から「arrowsオススメ機能」としてまとまっています。

スマホの機能はたくさんありすぎて把握しきれない所がありますから、こうして独自機能だけでもまとめてもらえると助かりますね。

arrows We2 Plusの良かったところイマイチなところ

良いところ
  • スタンダードで扱いやすい
  • 普段使いで十分以上のパフォーマンス
  • 自律神経パワー測定など健康関連機能が豊富
  • ダイレクト給電がどのアプリでも簡単にオンオフ可能
  • ステレオスピーカー、イヤホンジャック、eSIM、microSDカード、防塵防水、おサイフケータイなど一通り揃ってる
イマイチなところ
  • 見た目はちょっと野暮ったい
  • ワイヤレス充電には非対応
  • 設定変更時に再起動が必要なことがある

arrows We2 Plusは普段使いに十分な性能を持ち、自律神経パワー測定など独自機能も多く備わったミドルレンジスマートフォンです。

ステレオスピーカー、イヤホンジャック、eSIM、microSDカード、144Hz画面、おサイフケータイなどいろいろ欲しいものはあって、防水防塵はもちろん、ハンドソープでのまる洗い、アルコール除菌み対応、落下や耐衝撃などMIL規格23項目に準拠した性能もあります。

自律神経パワーについては、測定してみたもののそれをどう活かしたらいいのかはまた別問題ですね。健康が気になり始めてる方には気軽に始められそうでいいかもしれません。

個人的に一番嬉しかったのはダイレクト給電機能でしょうか。機能自体はゲーミングスマホなどでもよく見かけますが、使いやすさでは本機が一番でした。

まとめ

FCNTのミドルレンジモデル「arrows We2 Plus M06」をレビューしました。

全体の雰囲気や健康関連機能からそれなりに歳が上の人がターゲットのように思えますが、ゲーミング機能もあって意外と全年代で使えるスマホです。

普段使いの性能としても文句がなく快適で、これまでarrowsにあまり良いイメージを持っていなかった人にこそ使ってみてほしいと思うくらいです。きっといい意味で期待を裏切られます。

今回レビューした端末はarrows We2 Plus M06の中でもRAMが12GBのIIJmio専売モデルです。IIJmioでの価格は一括54,800円、24回払いの場合は2,289円/月です。ギガプランにMNPと同時に申し込むと「のりかえ価格」となり、その場合は一括36,800円、もしくは1,534円×24回です。

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参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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