SUUNTO RACE レビュー:レースやトレーニング主体だけどスマホ連携もしたい人向けのスポーツウォッチ

SUUNTOより、アウトドアレースやトレーニングに最適なスポーツウォッチ「SUUNTO RACE」をレビュー用に提供していただきました。

スマホとも連携して、トレーニング記録の確認やルートの設定ができるほか、スマートウォッチと同じようにスマホへの通知を表示・確認できます。ただ、スマートウォッチと思って買うと戸惑ってしまうかもしれません。基本的にはトレーニングやレースで使うためのスポーツウォッチです。

価格は82,280円と、スマートウォッチとしてみるとなかなかのお値段です。とはいえ、トレーニング向けの機能は豊富でAMOLED画面にMIL-STD-810H規格でテストされた頑丈なボディ、最長26日間のバッテリー持続時間と、スポーツウォッチとしてみれば十分にそれだけの価値がある時計です。

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SUUNTO RACEの概要

SUUNTOはフィンランドの会社で、元々オリエンテーリング選手のトゥオマス・ヴォホロネンが液体封入型のコンパスを発明したのが始まりです。そこからスポーツウォッチやダイビング向け機器などに広がっています。ちなみに私もオリエンテーリング選手時代にはSUUNTOのコンパスを愛用していました。

SUUNTO RACEはそういった系譜からのスポーツウォッチで、トレーニングやレースに役立つ機能がたくさん搭載されています。正直、短いレビュー期間ではそのすべてを把握しきれていないのですが、特に気になった大きな特徴としては以下の通り。

  • 防水・耐衝撃・頑丈
  • 見やすい1.43インチのAMOLED画面
  • 95種類以上のスポーツモードに対応
  • オフラインマップのDL&表示、コンパス設定が細かい
  • 最大26日間のバッテリー持ちがかなり良い

細かいスペック等については公式サイトをご覧ください。

外観:防水・耐衝撃・頑丈

箱にSUUNTおロゴがデボス加工されていて良い感じです。と思っていたらこの箱、縦向きが正解だったのは驚き。

大きな箱と思っていたのですが、内容物は本体のほかはベルトと充電器、あとはマニュアル類だけでした。

ディスプレイは1.43インチで大きめです。

右側面にクラウンがあり、その上下に2つのボタンがあります。これら物理ボタンと画面タッチとを使って操作します。

下側面にSUUNTOロゴがあるのがお気に入りです。

底面部分は各種センサーと充電端子、認証マークなどがあります。

ベルトはバックルに通した後にピンを差し込むタイプです。それを差し込む穴は細かくあるのでサイズ調整はやりやすいです。また、22mm幅なら自分で簡単に交換できるので、好きなものを別で探すのもいいでしょう。

SUUNTO RACEはアメリカ国防総省のMIL-STD-810H規格に基づいた堅牢性試験をクリアしています。防水や耐衝撃、耐久性があるのでアウトドアで気兼ねなく使えます。実際、オリエンテーリングやトレイルランをやっていると木や枝にぶつけたりはよくあるので、こういった頑丈さは必須レベルで欲しいものですね。

なお、動作温度も-20°C~+55°Cなので、暑い砂浜や寒いスキー場など様々な厳しい環境でも使えます。

画面も大きくて頑丈なのは良いのですが、その分だけ大きくて重い(83g)というのはネックにもなります。私の腕が細いというのもありますが、走っているときに腕の振りでSUUNTO RACEが外側に引っ張られるような感覚がありました。小型軽量化したSUUNTO RACE Sもあるので、私にはそちらのほうが合っていたかもしれません。

見やすい1.43インチのAMOLED画面

SUUNTO RACEのディスプレイは1.43インチの円形で、有機EL(AMOLED)です。発色がかなり良く、画面の大きさもあってパッと見でわかりやすいですね。

晴れた日の屋外でもちゃんと視認できます。上の写真は反射してしまっていますが、実際はもう少しはっきりと画面が見えます。

逆に暗い中でも眩しすぎずにはっきり見えますから、ナイトランでもバッチリです。

なお、時計表示のみの常時表示も対応しています。

95種類以上のスポーツモードに対応

SUUNTO RACEは95種類以上のスポーツモードに対応しています。数だけなら他にもっと多くの種目に対応しているスマートウォッチはありますが、SUUNTO RACEはもっと実用的な、種類分けで95種類あるように感じます。

個人的には他で見ることがほとんど無いオリエンテーリングが入ってるのが嬉しいところです。(とはいえ地図表示できてしまうので正式なレースでは使えないのですが…。)

なお、スポーツモードは自分で新しく作ることも可能です。そのスポーツモードの実行時に、時計上にどの情報がどの位置に表示されるのか、自分でカスタマイズできます。これはけっこう嬉しい機能です。

オフラインマップのDL&表示、コンパス設定が細かい

SUUNTO RACEは無料で地図を本体にダウンロードでき、オフラインマップとしてGPSの現在位置とともに表示できます。表示された地図はディスプレイをスワイプして場所移動できますしクラウンで拡大縮小もできます。動きがスムーズなのも良いですね。

ちなみに衛星測位システムはGPS, GLONASS, GALILEO, QZSS, BEIDOUの5つに対応します。QZSS(みちびき)に対応しているのは嬉しいです。

ただ、地図のダウンロードにかなり時間がかかるのが難点です。あらかじめ必要な地域のものをダウンロードするのですが、私の住む中部地方は最も容量が大きく1GBありました。これをダウンロードするのに数十分かかりました。地図をダウンロードする際は時間に余裕をみたほうが良いです。

ルートマップを作成できる

ダウンロードしたオフラインマップを使って、アプリ上でルートマップを作成できます。

地図をタップしてポイントを設定するだけで、その間のルートは自動で設定してくれます。こうして作成したルートはSUUNTO RACE本体にも同期され、ルート案内や地図表示も可能です。

コンパスの設定も細かい

コンパスの表示は動きが滑らかで、設定も磁針偏差の調整やコンパスの単位など、さすがコンパスメーカーといった細かいものがあります。

最大26日間のバッテリー持ちがかなり良い

SUUNTO RACEのバッテリー持ちはかなり良いです。最大26日間というのは、さすがにトレーニングもなしで日常利用のみの最低限の場合ですが、フルに使い続ける場合でも40時間持つそうです。トレイルランなどで24時間を超えるレースも問題ありません。機能を落としたツアーモードなら120時間です。

実際に5,6日ほど使って、2時間弱ほどのトレーニングのみですがまだ78%のバッテリーが残ってます。毎日1~2時間のトレーニングをしても充電は数日に1回で済みそうです。

充電は専用のマグネット充電ケーブルで接続します。どちらの向きでもちゃんと接続して充電できるのが、細かいところですが面倒なくてありがたいです。

トレーニング向けの機能が充実

SUUNTO RACEはスポーツウォッチなので普通のスマートウォッチに比べるとトレーニング向けの機能が充実しています。

トレーニングの計画を立てるときには、先述のようにルート作成できますし、その際にヒートマップ(よく利用されてる道を表示)や、一部ではありますが路面状況(舗装道、未舗装道、など)を表示できたりします。

トレーニング後は、詳細をアプリで表示できます。

トレーニングで走った軌跡は、アプリ内で振り返り再生できます。上空から見たようなこの動画が楽しくて、次回はもっと長距離を走ってみよう、という気になります。

更に、トレーニングの記録を自動でまとめてくれますし、疲労度なども計算してくれます。

日常機能は控えめ

トレーニング向けの機能は充実していて使いやすいのですが、一方で日常使いとしては普通のスマートウォッチに届かない部分があります。なんというか、UIがトレーニング優先になっていて、日常生活に役立ちそうな情報や設定は少し奥にある印象です。

管理アプリはトップにトレーニングのタイムラインが並び、歩数なども「8週間・8か月・13か月・8年間」というスパンで表示されます。

睡眠は昼寝も検知してくれるのは嬉しいです。ただ単独の項目というよりも、身体の回復に関する情報の一つ、といった扱いです。

なお、上の画像で表示される「リソース」は、身体のバッテリー残量のようなものです。睡眠や休息で回復して、通常の生活やトレーニングで減っていきます。睡眠でどれだけ回復したのか数値化されるのは面白いです。

まとめ

実際に使ってみると、やっぱりSUUNTO RACEはスマートウォッチというよりはスポーツウォッチでした。「トレーニングなどの機能が充実したスマートウォッチ」と思って買うとダメですね。「スポーツウォッチとして使用して、でもスマホの通知も受け取れたら嬉しい」と考えたほうが良いです。

オフラインマップを表示できてGPSで現在地が確認できる、タフネスボディ、フル機能でも40時間のバッテリー、トレイルランニングなどをやっている方にピッタリだと思います。正直、まだまだ機能をしっかりと使いこなせていないので、個人的にももっと長い期間使っていろいろ試してみたい気分です。

ちなみに、SUUNTOアプリはStravaと連携できるので、SUUNTO RACEのトレーニングを自動でStravaに登録できます。また他の時計で記録したトレーニングもgpxファイルでSUUNTOアプリにインポートできます。今SUUNTO以外を使ってる人も、いくつか過去のgpxファイルをSUUNTOアプリにインポートしてみると、少し使い勝手がわかるかもしれませんね。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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