AQUOS wish2 SH-51C ミニレビュー:安いけど価格なり、期待には大きく届かなかった
AQUOS wish2を購入し、メインスマホとして10日間ほど使ってみました。
全体的なものはAQUOS wishとほぼ同じで、それについては別記事でレビューしています。今回はミニレビューという形で、wish2になって変わったところ、改めて感じたものを中心にお届けします。
- 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
概要と外観
AQUOS wish2はシャープ製の「シンプルで飾らないスマホ」をコンセプトに開発されたエントリーモデルで、今年1月に発売されたAQUOS wishのSoCを変更したマイナーチェンジモデルです。
前作のAQUOS wishはSnapdragon 480 5G搭載で、サクサク感にもう一歩ほしい…と思っていました。それがSnapdragon 695 5Gというミドルレンジモデルに搭載されるSoCが載ったことで改善されるのではないか、という期待がありました。
私が購入したのはドコモ版(SH-51C)のブルーです。明るく、少し紫が入ったような色です。ドコモ以外にY!mobileからも販売されています。(Y!mobile版はeSIMにも対応)
画面はフラットでシンプルです。
上側にはイヤホンジャックがあります。下側にはスピーカーとUSBポート。全体的に背面側に寄ってます。
右側面の上(画像左)から音量ボタン、Googleアシスタントボタン、電源ボタン、指紋センサーです。最近ではなくなってきたGoogleアシスタントボタンがあり、さらに指紋センサーが電源ボタンと一体型ではないため、ボタンやセンサーがたくさんです。
左側面はSIMスロットのみ。SIMピン要らずで開けられるタイプです。
AQUOS wish2とAQUOS wishを並べてみました。この2色、私かなり好きな色なんですよね。並べるとにんまりします。そしてかなり似てるので、わりと間違えて手にとることがありました。
スペックとパフォーマンス
AQUOS wish2のスペックはSoCにSnapdragon 695 5Gを搭載し、RAMは4GBでストレージは64GB、ディスプレイは約5.7インチのHD+(1,520 × 720)液晶でバッテリーは3,730mAhを搭載しています。カメラは1300万画素でF値2.0のシングルカメラ。
防水はIPX5/IPX7でおサイフケータイにも対応。ワイヤレス充電は非対応です。
その他、主なスペックは以下の通りです。
ドコモ版 | ワイモバイル版 | |
OS | Android 12 | |
SoC | Snapdragon 695 5G | |
RAMとストレージ | 4GB / 64GB | |
外部メモリ | microSDXC (最大1TBまで) | |
ディスプレイ | 5.7インチ 1,520×720 (HD+) | |
メインカメラ | 1300万画素 | |
フロントカメラ | 800万画素 | |
バッテリー | 3,730mAh | |
サイズ | 147 × 71 × 8.9mm | |
重量 | 162g | |
防水防塵 | 防水:IPX5/7 防塵:IP6X | |
生体認証 | 指紋 | |
SIM | nanoSIM | nanoSIM/eSIM DSDV対応 |
対応バンド |
5G : n28 / n77 / n78 / n79 LTE : B1 / B2 / B3 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B39 3G : B1 / B2 / B5 / B8 GSM : 850 / 900 / 1,800 / 1,900MHz |
5G : n3 / n28 / n77 / n78 LTE : B1 / B2 / B3 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B38 / B39 / B41 3G : B1 / B5 / B8 GSM : 850 / 900 / 1,800 / 1,900MHz |
その他 | おサイフケータイ |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク結果
各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v9.4.0)が347,206点、Geekbench 5がシングルで673点、マルチで1,805点、3DmarkはWild Lifeで1,218点、PCMarkのWork 3.0 performanceは6,578でした。
AQUOS wishとの違いはSoCがSnapdragon 480 5GからSnapdragon 695 5Gに変更になったことです。これによりCPU性能が約33%、GPU性能が約19%向上しているとのこと。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | PERF | BATT | |||
Redmi Note 11 Pro 5G | SD 695 6GB |
390910 | 691 | 2074 | 1206 | 10,296 | 16h 17m (60Hz) 12h 51m (120Hz) |
OPPO Reno7 A | SD 695 6GB |
385,177 | 684 | 1,991 | 1,210 | 8,351 | |
AQUOS wish2 | SD 695 4GB |
347,206 | 673 | 1,805 | 1,218 | 6,482 | |
AQUOS wish | SD 480 4GB |
285,207 | 502 | 1,466 | 978 | 6,578 | 11h 29m |
AQUOS wishに比べると、たしかに数値が良くなっていますね。ただ、PCMarkの値はほとんど変わってません。
実際の動作はイマイチ
Snapdragon 695 5Gとなって、ベンチマークの数値的なものが上がったAQUOS wish2が、ではどれだけ良くなったのか、動作がサクサクになって使えるようになったか?というと、正直イマイチです。
Snapdragon 695 5GといえばRedmi Note 11 Pro 5GやOPPO Reno7 Aにも搭載されているSoCですが、それらのようなサクサク感はありません。RAMなどの違いもありますが、それにしてはもっさりです。AQUOS wishとあまり変わってない?と思うくらいです。
タップ・スワイプ・スクロール
まずAQUOSシリーズのスクロールはかなり独特です。上下にフリックしてスクロールしようとすると、指が離れた途端にブレーキがかかったかのようにのんびりとスクロールされていくことが多いです。かと思えば、わりと思い通りにスクロールしていってくれることもあります。
親指でスクロールするとそれが頻発して、人差し指だとそうでもないところから考えると、スクロールの際に指が縦から横(斜め)に入ってしまうとブレーキが掛かるようにも感じます。
このスクロールが気に入ってる人もいるようなのですが、個人的にはダメでした。また、タップの反応も悪いことがあったり、ホームに戻るジェスチャーのつもりがタスク一覧の画面になったり、うまく間隔を合わせられませんでした。
なお、これらはAQUOS wish2だけでなく、AQUOSシリーズのエントリークラスではほぼ同じなのでAQUOS wish2に限ったものではありません。AQUOSシリーズを使ったことがなく、それでいてAQUOSシリーズを購入しようと思うのなら、一度店頭などでデモ機を確認してみることをオススメします。
カメラ
カメラアプリはAQUOS wishと同じく(元)Camera Goが搭載されています。現在は名称が『カメラ』になっています。
設定項目がイラスト付きなどわかりやすくなっており、QRコード読み取りなども可能です。HDRがオンオフだけでオートがないのが少し残念です。またシーン判別機能などもありません。
写真の写りは記録用としては悪くありませんが、撮ってて楽しいというものではありません。写真が上手い人が撮ればそれなりによく写るようなのですが…。
AQUOS wishの良かったところイマイチなところ
AQUOS wishを使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。
- 優しい色合いとコンパクトな端末デザイン
- 防水やおサイフケータイはもちろん、(ワイモバ版なら)eSIMにも対応
- 安い
- 指紋センサーやカメラなど、エントリー機らしい鈍さ
- タップやスクロールに癖がある
- Snapdragon 695搭載の割にAQUOS wishと変わらない動き
良かったところはAQUOS wishと同じです。エントリーモデルとして、それなりに使えて防水やおサイフケータイといった機能が揃ってる、そして安いということです。
ただ、動きやスクロールに関してはこのクセに自分が合うかどうかが大きな問題です。そしてAQUOS wishからの変更点として、SoCがSnapdragon 480 5GからSnapdragon 695 5Gになっているのですが、はっきり言ってその差を感じませんでした。
普通に使う分には、まぁ使えない訳ではない…というか使えてしまいます。動作の鈍さはあっても、止まるというほどでもないので、初めてスマホを触る人だったり、ミドルレンジを使っていた人でも慣れれば問題ないレベルです。
ですが、小さなストレスが少しずつ少しずつ溜まっていくように感じています。最近はレビューのために本端末をメインとして利用していますが、たまに別用でミドルレンジのスマホを触ると、そのスムーズさ、思った通りに動く様に驚きます。
まとめ:価格なりのエントリーモデル
AQUOS wishのときは、「エントリーモデルも思ったより使えるじゃないか。(でもやっぱりミドルくらいを使いたいよね)」という感想だったのですが、AQUOS wish2では印象としてはwishよりも悪いです。そもそも価格も下がってドコモ版で2.2万円という低価格なので、価格から考えればこの性能や動きは当たり前ではあります。
Snapdragon 695 5Gを搭載ということで、そこに変に期待をしてしまいました。スマホの快適さはSoCで決まるわけじゃない、ということを教えられた気がします。
私のように、AQUOS wishシリーズの見た目やカラーリングが好きでコレクション的に購入する、というのならいいと思います。でも普段使いとして、安いから購入する、というのは止めておいた方がいいです。
参考情報
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。