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格安SIM (MVNO) 速度比較 : 2017年8月その2 クッキリ分かれるドコモ系とそれ以外

MVNO・格安SIMの定期速度測定、2017年8月編その2です。

キャリアに比べて通信料金が安くて人気な「格安SIM」ですが、その種類によって速度や使いやすさ、機能は異なってきます。その中でも最もわかりやすく比較できる重要なものが「速度」です。orefolderでは月に2回、主だったMVNOのSIMをスピードテストアプリを使って実際に速度を比較しています。あくまで個人レベルでの測定になりますが、格安SIM選びの参考になれば幸いです。

今回の測定に使用したSIMは20種類です。

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ざっくりしたまとめ

このあとの記事は長いので、先にざっくりとまとめておきます。面倒な人はここだけ読めばOKです。

測定方法

測定は以下のようにして行いました。

日時 2016年8月16,17日(16日12時・18時、17日8時・12時の4回実施)
場所 茨城県つくば市
測定アプリ Speedtest.net
4Gmark
測定方法 SIMごとに3回ずつ測定し、その平均を値とする。それとは別に昼に4Gmarkでのフルテスト
使用端末とSIM BIC SIM……KIWAMI
エキサイトモバイル……Xperia XZ
イオンモバイル1……Galaxy S8
イオンモバイル2……ZenFone 3
LINE MOBILE……Xperia X Compact
OCN……ZenFone 3
BIGLOBE……ZenFone 5
NifMo……Liquid Z530
楽天モバイル……Desire 626
b-mobile……ZTE Blade V6
FREETEL SIM……MIYABI
DTI SIM……Huawei P9
ロケットモバイル……Priori 3S
nuroモバイル……Xperia Z3 Compact
mineo-D……Tommy
mineo……Galaxy S5
UQ mobile……AQUOS serie mini SHV33
IIJmio(A)……ZenFone Go
ワイモバイル……Robin
b-mobile S……Nexus 5X

測定の正確さや意義について

さすがに端末1台で20枚のSIMを入れ替えするのは困難なので、複数の端末を使っています。違う端末を使っては比べる意味が無いとお考えの方は、そういうものとして見てください。

また、測定用アプリや測定環境など、もっと正確なものがあると考える方もいらっしゃるでしょうが、ある程度の妥協を重ねて今の形になっています。これらについても、意味が無いとお考えの方はそういうものとして見てください。
(基本的に、多くの人が使っていて自分の場合と比べやすく、またパッと見で分かりやすいものを選んでます。正確性などを考えればもっとやり方はありますし、そうやっているサイトもほかにたくさんあります。ぜひそういったより正確なデータもご覧ください。)

測定アプリについて

現在は『Speedtest.net』と『4Gmark』の2つのアプリを使って測定しています。『Speedtest.net』は広く使われているメジャーな測定アプリです。しかし、このアプリだけだと実際の利用における体感速度と離れた結果が出る格安SIMが出てきました。

『4Gmark』のフルテストはYouTube動画やウェブページなどの読み込みをテストに組み入れており、より実際の使用環境に近い形でのテストが可能です。ただし通信量も多いので、当サイトの測定では『4Gmark』は昼に1回のみ行っています。

前回からの変更点など

前回⇒格安SIM (MVNO) 速度比較 : 2017年8月その1 LINEモバイルの低速化は回復せず | orefolder.net

朝:8時20分~30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
BIC SIM(IIJ-D) 3.80 3.04 75.67
エキサイトモバイル 6.54 2.45 69.33
イオンモバイル1 6.86 5.20 68.33
イオンモバイル2 4.05 3.46 38.33
LINEモバイル 18.21 2.90 32.00
OCN 9.56 4.54 54.33
BIGLOBE 4.44 4.48 32.00
NifMo 4.60 4.33 59.67
楽天モバイル 13.41 3.99 35.67
b-mobile 3.84 4.68 37.33
FREETEL SIM 7.01 2.93 100.67
DTI SIM 10.63 6.65 37.33
ロケットモバイル 7.27 3.83 40.00
nuroモバイル 6.82 3.60 37.00
mineo(D) 9.97 7.25 106.00
mineo(A) 7.24 5.84 59.33
UQ mobile 29.78 7.35 29.67
IIJ-A 1.92 5.45 91.00
ワイモバイル 17.29 9.69 32.67
b-mobile S 29.00 11.64 34.50

朝は通勤時間帯ということもあり比較的混雑する時間帯です。
ですが最近は各社ともこの時間帯の速度が上がっており、多くの格安SIMで問題ない速度が出ています。3Mbps以上出ていれば特に不満なく通信できていることでしょう。

昼:12時20分~30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
BIC SIM(IIJ-D) 1.36 2.89 71.00
エキサイトモバイル 0.86 3.10 73.00
イオンモバイル1 1.05 4.43 97.67
イオンモバイル2 0.65 3.57 45.33
LINEモバイル 3.05 2.49 61.67
OCN 1.36 0.64 67.33
BIGLOBE 0.65 3.88 33.67
NifMo 1.74 10.18 56.67
楽天モバイル 3.63 1.34 37.00
b-mobile 5.81 2.10 51.00
FREETEL SIM 2.20 2.56 130.33
DTI SIM 0.67 3.46 74.33
ロケットモバイル 1.05 4.34 72.33
nuroモバイル 0.88 2.28 83.67
mineo(D) 1.38 4.33 117.33
mineo(A) 1.41 2.99 85.33
UQ mobile 36.56 1.88 31.00
IIJ-A 1.26 4.83 113.33
ワイモバイル 12.52 8.72 31.67
b-mobile S 29.27 18.29 30.00

平日の昼は、一番速度が落ち込む時間帯です。ここは速いSIMと遅いSIMがはっきり分かれますね。
スマホを使う時間帯は人それぞれですが、お昼休みの時間帯に使うことが多いのなら、この時間帯での速度を重視するといいでしょう。

普通のMVNOなら速度が下がるのですが、MNOのサブブランドを中心に混雑知らずなところもあります。また、これまでドコモ系の中では群を抜いて速かったLINEモバイルが低速化しています。前回も低速化は見られたのですが、それが回復しないままでした。

夕方:19時20分~30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
BIC SIM(IIJ-D) 2.04 3.09 72.00
エキサイトモバイル 1.78 2.24 72.33
イオンモバイル1 2.16 3.80 97.33
イオンモバイル2 1.29 2.40 44.33
LINEモバイル 3.11 2.54 55.33
OCN 1.90 2.58 51.67
BIGLOBE 1.63 5.06 33.33
NifMo 3.28 2.25 60.33
楽天モバイル 4.59 2.63 39.00
b-mobile 13.06 3.51 38.00
FREETEL SIM 2.71 1.55 73.33
DTI SIM 1.63 5.65 74.67
ロケットモバイル 1.54 4.70 93.67
nuroモバイル 1.54 4.20 95.33
mineo(D) 1.66 2.46 118.67
mineo(A) 2.35 6.18 85.33
UQ mobile 30.22 0.79 31.00
IIJ-A 2.15 3.61 96.00
ワイモバイル 18.95 9.15 33.00
b-mobile S 38.66 5.75 18.00

この時間帯もやはり速度が出ません。だいたい昼と同じような傾向でそれよりは良くなっている感じです。

時間帯別グラフ

DOWN 8時 12時 18時
BIC SIM(IIJ-D) 3.80 1.36 2.04
エキサイトモバイル 6.54 0.86 1.78
イオンモバイル 6.86 1.05 2.16
イオンモバイル2 4.05 0.65 1.29
LINEモバイル 18.21 3.05 3.11
OCN 9.56 1.36 1.90
BIGLOBE 4.44 0.65 1.63
NifMo 4.60 1.74 3.28
楽天モバイル 13.41 3.63 4.59
b-mobile 3.84 5.81 13.06
FREETEL SIM 7.01 2.20 2.71
DTI SIM 10.63 0.67 1.63
ロケットモバイル 7.27 1.05 1.54
nuroモバイル 6.82 0.88 1.54
mineo(D) 9.97 1.38 1.66
mineo(A) 7.24 1.41 2.35
UQ mobile 29.78 36.56 30.22
IIJ-A 1.92 1.26 2.15
ワイモバイル 17.29 12.52 18.95
b-mobile S 29.00 29.27 38.66
UP 8時 12時 18時
BIC SIM(IIJ-D) 3.04 2.89 3.09
エキサイトモバイル 2.45 3.10 2.24
イオンモバイル1 5.20 4.43 3.80
イオンモバイル2 3.46 3.57 2.40
LINEモバイル 2.90 2.49 2.54
OCN 4.54 0.64 2.58
BIGLOBE 4.48 3.88 5.06
NifMo 4.33 10.18 2.25
楽天モバイル 3.99 1.34 2.63
b-mobile 4.68 2.10 3.51
FREETEL SIM 2.93 2.56 1.55
DTI SIM 6.65 3.46 5.65
ロケットモバイル 3.83 4.34 4.70
nuroモバイル 3.60 2.28 4.20
mineo(D) 7.25 4.33 2.46
mineo(A) 5.84 2.99 6.18
UQ mobile 7.35 1.88 0.79
IIJ-A 5.45 4.83 3.61
ワイモバイル 9.69 8.72 9.15
b-mobile S 11.64 18.29 5.75

あぁ…LINEモバイルがほかの一般的なMVNOに飲み込まれた感ありますね。

もう1つ、4GMarkの結果をみてみましょう。

昼:4Gmark結果

POINT DOWN
(Mbps)
UP
(Mbps)
PING
(ms)
YouTube
(s)
WEB
(s)
BIC SIM(IIJ-D) 86 0.5 2 235 TO 9.10
エキサイトモバイル 122 0.6 2.9 174 TO 11.74
イオンモバイル1 77 0.5 2.5 170 TO 9.88
イオンモバイル2 6 0.2 0.6 323 TO 12.04
LINEモバイル 1108 0.5 3.5 4.25 4.25 6.36
OCN 126 0.4 2.4 128 TO 9.82
BIGLOBE 0 0.3 2.3 135 TO TO
NifMo 20 0.3 0.5 TO TO 8.63
楽天モバイル 262 0.3 1.1 92 18.56 6.04
b-mobile 96 0.6 1 359 TO 6.94
FREETEL SIM 75 0.3 1.1 411 TO 8.13
DTI SIM 184 0.0 1.3 177 17.25 TO
ロケットモバイル 70 0.3 2.8 658 TO 8.94
nuroモバイル 85 0.4 2.5 179 TO 11.04
mineo(D) 485 0.4 2 603 11.20 10.55
mineo(A) 919 0.4 4 176 4.83 6.02
UQ mobile 3653 8.0 1.8 163 2.05 4.17
IIJ-A 505 0.7 1.3 120 15.36 7.11
ワイモバイル 9002 13.8 4.1 72 2.74 3.09
b-mobile S 10473 22.4 1.3 91 2.07 3.45

4Gmarkでは通常のスピードテストのほかにYouTube動画や各種ウェブサイトを読み込んでそれをポイントに反映させます。表中の「TO」はタイムアウトの略で、時間内に読み込み完了できなかったことを示します。昼の時間帯にYouTube動画を読み込みできたドコモ系SIMは少なく、ここがポイントに大きく響いているようです。

なお、この4GMarkでもその値が絶対なわけではないので、適当に考えていたほうが良いとは思います。YouTubeがTOになるかならないかでもだいぶポイント変わりそうですし。ここ数ヶ月測定してみて、お昼のポイントが4桁に届けばちゃんと使える、500以下は使えたもんじゃない…くらいの感覚で捉えています。

ここ半年の流れ

4GMarkでの測定結果の、ここ半年分をグラフ化してみました。1回1回の測定結果だけでなく、こういった長期間の流れでも何か見えるかもしれません。

下の方はぐちゃぐちゃでよく分かりませんが、4GMarkでは500くらいの値は測る時によって上下する、言わば誤差なので、それくらいで収まるものです。

ドコモ系格安SIMのみで表示です。

ドコモ系以外の格安SIMのみで表示です。数は少ないですが、コチラのほうが基本的に速いんですよね。

今回のまとめ

ここひと月ほど速度低下が見られたLINEモバイルですが、今回も回復しませんでした。今後の回復は…どうなんでしょうね。b-mobileのドコモ版が早そうに見えますが、ちょっと不安定なのであまり信用はしたくない感じです。

速さで選ぶのであれば、やっぱりUQやワイモバなどサブブランドになってしまいますね。b-mobile Sも速いのですが、これはデータ専用なのでメインにはできません。音声対応のものも出ましたが、一応「iPhone専用」のような書き方をしているので手を出しにくいんですよね、あれ…。

そんな8月中旬でした。

気になるSIMについてのいくつか

今回動きがあったものなど、気になるSIMについていくつか書いていきます。戯言程度に聞き流してください。

■LINEモバイル

速度が落ちてしまったLINEモバイル。最初に低速化が言われた時はすぐに回復したのですが、今回はま回復していません。

起ち上がりの知名度アップやブランド認知、そして良い方向での評判形成が完了して、次の段階に移った感があります。私もメインでLINEモバイルを使っているので速度回復は願っていますが、期待はしていません。現状でほかよりちょっとだけ速いので、これくらいを維持していくつもりなのかもしれません。


■UQモバイル

今回もはっやーいUQモバイル。これだけ安定して速度が出ると、やはりメインSIMはコチラにしたほうがいいのでは?と気持ちが揺らぎます。


■ワイモバイル

ワイモバイルも安定して速いですね。ただ、私も契約していたデータSIMプランの「Yahooプレミアムを契約すると500円引き」は新規受付を終わってしまったようです。データSIMプラン自体はあるようですけど。(データプランS/Lじゃないですよ。)

なお、上のボタンのワイモバイルはデータ通信のみ使えるプランの購入ページに飛びます。このページ、なぜかワイモバイル公式トップから辿れないんですよね…。メインで使うようの、通話もできるプランをお探しの場合は普通にワイモバイルトップページからどうぞ。


■エキサイトモバイル

前回から加えたエキサイトモバイルですが…目立たないですね。まぁ、無難とも言えるか。


■b-mobile

b-mobile S 開幕SIMが今回もあいかわらずの爆速でした。ソフトバンクのiPhone向けというかなり限定された層を対象としているので、今後も爆発的に利用者が増えるとも思えません。なので予算が削られなければ…。Androidでも使えるというのはおおっぴらに宣伝しないでしょうし、穴場といえるかもしれません。

ただ、まぁ…b-mobileですし、過度な期待はしないほうがいいのですが。

これまではデータ専用SIMというのが1つのネックだったのですが、今後音声対応SIMも出るようです。あくまで「ソフトバンクのiPhoneがSIMロック解除無しで使える」という宣伝の仕方なので「Android端末でも普通に使える」というのは裏技的になりそうですが、なにかしら影響は出てくると思います。

また、ドコモ版のb-mobileが数値的にはいいものを出しているのですが、ちょっと不安定なんですよね。上の表では3回測定の平均を出していますが、同じ時間帯で1Mbps以下と10Mbps弱のどちらも出たり、測定自体がうまくできない時もありました。

色々見て判断を

この記事ではそれぞれの格安SIMの速度を比較していますが、格安SIMの選択の基準は速度だけではありません。なので今どれがオススメかと考えると、絶対にこれ!と言えるものはありません。個々人の使い方によるのではないかと思います。昼間使わなければ、速度がそこまで落ちることもないでしょうし。それよりも各MVNOの施策や機能を見たほうがいいかもしれません。速度比較はあくまで検討するための材料の1つです。

速度的に見れば格安SIMで速度を重視するならドコモ系以外のほうがいいのかな、と思えるようになってきていますね。まぁau系の中でも差はあるのですが。

最近はSpeedtest.netと4Gmarkという2つの測定アプリによる調査となっています。両方を載せることによって、2つの測定結果での差が大きく出るところは怪しいかも、という見方もできると思います。

MVNOの速度はけっこう浮き沈みがあります。その時々で最新の速度測定結果は把握しておきたいですね。場所などでも変わるものなので、できれば1つの数字に一喜一憂せずに、複数の結果を眺めてなんとなくの各社の傾向を掴んでもらえばと思います。

当サイト以外でも定期的に計測しているサイトがありますので、そちらも参考にしてみてください。

orefolderでは今後も月2回程度で測定していきたいと思っています。

過去1年の速度測定記事は以下からどうぞ。

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