
UGREENより、Kickstarterで10億円を集めて現在日本でもクラウドファンディング中のNASyncシリーズ「UGREEN NASync DXP2800」をレビュー用に貸し出していただきました。
NASyncシリーズはネットワーク(LAN)上で接続して複数の機器から利用できるNAS(ネットワークストレージ)です。NASは設定など難しそうという印象がありましたが、本製品はハードの設置もドライバーいらず、初期設定もアプリから簡単に完了するので初心者にも優しいNASです。
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UGREEN NASync DXP2800の概要

NASyncシリーズはネットワークで接続できるストレージ(NAS)です。簡単に言えば自分専用のクラウドストレージのようなものですね。
DXP2800は、シリーズの中では最も小さい2つのHDDを搭載できるモデルです。小さいと言っても最大64TBまで拡張可能ですし、家族の写真や動画をまとめたり小規模なオフィスでの使用には十分です。
HDDだけでなくM.2 NVMe 2280 SSDも2つ搭載でき、RAMは8GBで16GBまで拡張可能。DDR5 RAMを採用しており、これは2ベイのNASでは初めてなのだとか。
また、セキュリティ面では米国の「TRUSTe認証」および欧州の「ETSI EN 303 645認証」といった国際的な認証を取得しています。
シリーズの他2モデルも含めたスペックは以下の通り。
モデル | DXP 2800 | DXP 4800 Plus | DXP 6800 Pro |
---|---|---|---|
通常価格 | 55,880円 | 99,880円 | 169,880円 |
CPUモデル | Intel N100 | Intel Pentiume Gold 8505 | Intel Core i5 1235u |
CPUアーキテクチャ | X86 4 Cores 4 Threads |
X86 5 Cores 6 Threads |
X86 10 Cores 12 Threads |
RAM | 8GB DDR5 | 8GB DDR5 | 8GB DDR5 |
拡張可能な RAM (最大) | 16GB | 64GB | 64GB |
フラッシュ メモリ (システム ディスク) | eMMC 32GB | SSD 128GB | SSD 128GB |
SATA ドライブ ベイ | 2 | 4 | 6 |
M.2 SSD ドライブ スロット | 2 | 2 | 2 |
RAID | JBOD/Basic/RAID0/RAID1 | JBOD/Basic/RAID0/1/5/6/10 | JBOD/Basic/RAID0/1/5/6/10 |
最大ストレージ | 64T(24T*2+8T*2) | 112T(24T*4+8T*2) | 160T(24T*6+8T*2) |
LAN ポート (RJ45) | 2.5GbE*1 | 2.5GbE*1+10GbE*1 | 10GbE*2 |
PCle 拡張 | — | — | X4*1 |
Thunderbolt 4 ポート | — | — | 2*TBT4 |
USB 3 | 1*Type-C Gen2; 1*USB3 Gen2; 1*USB3 Gen1 | 1*Type-C Gen2; 1*USB3 Gen2; 1*USB3 Gen1 | 2*TBT4; 2*USB3.2 Gen2 |
USB 2 | 2*USB2.0 | 2*USB2.0 | 2*USB2.0 |
SD カード リーダー | — | SD 3.0 | SD 4.0 |
HDMI | 4K | 4K | 8K |
サイズ | L231*W109*H177mm 2.545kg |
L257.5*W178*H178mm 6.023kg |
L293*W258*H200mm 6.375kg |
外観とHDDの設置

DXP2800のサイズはL231 × W109 × H177mmで重量は2.545kgです。それなりにずっしりきますが頻繁に持ち運ぶものでもありませんし、室内での移動くらいは問題ありません。

前面はシンプルで、01と02の数字がインダストリアルなデザインで好きです。下部には電源ボタンの他にLEDランプとUSB-C、USB-Aがあります。

背面側はHDMIとUSB-A(USB3.2×1、USB 2.0×2)、LANポート、リセットボタン、電源ポートです。HDMIでテレビ等に接続するとNASの中の画像や動画をテレビの大画面で楽しむこともできます。

背面のファンの部分にはマグネットで装着できるメッシュフィルターが付属します。

側面はシンプルで隅にUGREENロゴがあるのみです。

底面は4つのゴム足に支えられており、仕様や各種マークなどはこちらに。

底面のフタを開けるとRAMがあります。DDR5の8GBが装着されており、これは16GBまで拡張(換装)できます。

付属品は電源アダプタとケーブル、LANケーブル、ドライバーとネジ、HDDロック用の鍵×2です。マニュアルも付属します。
ツールレスでHDDを装着

前面のボタンを押すとHDDをトレイが一部飛び出します。

そのまま引き出せます。

このHDDトレイ、HDDをドライバーなどのツール無しで取り付けられるのが便利でした。

トレイの背面にPRESSと書かれた部分があります。これ押すと…

一部がパカッと開きます。

開いた場所にHDDを乗せ、トレイのポッチとHDDをの穴を合わせて開いた部分を戻せばセット完了です。すごい簡単で驚きました。
あとは元の場所に戻せばセット完了です。

ちなみに、HDDトレイを抜いた場所の側面にM.2 NVMe 2280 SSDを2つセットできます。こちらもツールレスでOKです。
アプリから初期設定
UGREEN NAS
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制作: UGREEN NAS価格: 無料
HDDをセットして、LANケーブルを繋ぎ、電源ボタンを押したら、アプリから初期設定を行います。PCの場合は下記ページからダウンロードできます。
アプリの案内にしたがってデバイスを登録し、管理アカウントを作成します。
まずはストレージプールの作成です。DXP2800ではRAIDタイプはJBOD/Basic/RAID0/RAID1を選択できます。今回はRAID 1を選択しました。
4TB×2のRAID 1でストレージプールを作成し、システムの最適化、同期でだいたい5時間くらいかかりました。初期設定は時間のある時または寝る前にやると良いですね。
これで使えるようになりました。各種設定もアプリから確認・変更できます。
私は今までSynologyのNASを使っていたのですが、それに比べると遥かに簡単にセットアップできました。細かい設定はそれなりに知識がないとできないかもしれませんが、とりあえずファイルサーバーとして使うのであれば、アプリの指示に従って進めるだけなのでかんたんに構築できます。
転送速度を計測
DXP2800は2.5GbEのLANポートを搭載し、最大312.5MB/sの速度でファイル転送が可能です。あくまで最大なのでそれぞれの環境にもよると思いますが、CrystalDiskMarkで計測してみました。

これは今まで使っていたSynologyのDS223Jの値です。

同じ環境でDXP2800の値がこちら。値が大した事ないように見えるのは、ネットワーク環境などのせいです。それでもDS223Jに比べるとかなり速くなっています。

PCと直接LANケーブルで接続してみた結果がこちらです。こちらはちゃんと速度が出ましたね。
自分や家族のファイルサーバーとして使う
DXP2800は複数のユーザーを作成し、それぞれ専用の個人フォルダや共有フォルダを作成できます。これもアプリから簡単に作成できます。家族で共有の写真アルバムを作成したり、小規模な組織で必要な書類をまとめておくと便利です。

ちょっと設定すればPCのエクスプローラーからもアクセスできて、通常のローカルストレージと同じように扱えます。
ここ数日は実際にカメラで撮った写真データをDXP2800に保存し、それをPhotoshop上でRAW現像や加工してみました。率直な換装としては、普通にローカルのHDDと変わらない感覚で利用できています。今まで使っていたNASで感じてた引っかかりやファイルを開くまでのラグをほとんど感じません。
思い出の写真を集める場所に
「同期とバックアップ」というアプリを使うとスマホの写真を自動的にDXP2800にバックアップできます。
そして「写真」アプリでバックアップした写真を閲覧・管理できます。自動同期も含めてGoogleフォトのようなものですね。Googleフォトは容量を増やすのにそれなりの月額料金が必要になりますが、DXP2800なら自分で好きな容量のHDDを購入するだけです。
面白いのは人物識別やペット識別などの機能を追加できることです。テキストで写真の内容を検索することもできます。Googleフォトはこのあたりが強力なのでなかなか離れられないのですが、NASでもこういった機能が使えるのなら、移行しても良いかも、と思えてしまいます。
ちなみに、自分でいくつかの写真を使ってオリジナルのトレーニングモデルを作成することもできます。これはオフラインで作られるので、まさに自分だけのモデルになります。
UGREEN NASync DXP2800の良かったところ・イマイチなところ
実際にしばらく使ってみて感じたUGREEN NASync DXP2800の良かったところ・イマイチなところをまとめます。
- 最初のセットアップが簡単
- その後の設定もPCからでもスマホからでも簡単
- 転送速度が速い
- 様々なアプリを自分で選んで使える
- セキュリティもバッチリ
- 一番小さいモデルなので2ベイしかなく、RAID構成も限られる
- デュアルLANポートやSDカードスロット、Thunderbolt 4ポートは上位モデルのみ
- HDDは別売り
やはり、スマホのアプリから簡単にセットアップから設定までできるのが良いですね。NASってなんだか難しそう、と構えている人でもあっさりと使えるようになると思います。(私は初めてNASってを使った時に最初のセットアップでいろいろ躓きましたので…。)
また、速度的にもかなり速く、普通にPC内蔵のHDDと体感変わらずにNAS内のファイルを扱えます。小規模なオフィスでも使えると思いますし、私の場合は家の中に複数のPCと作業場所を用意してあり、仕事に必要なファイルはクラウドやNASに入れてあります。これまではNASのファイルは若干のラグがあって使うのに躊躇することもあったのですが、DXP2800ならそういう事を気にせずに使えそうです。
DXP2800は基本的に個人向けのNASです。扱うファイルの大きさやRAIDの構成をもっとこだわりたい方などは、上位のモデルを検討したほうが良いかもしれませんね。
クラウドファディングは2025年4月7日まで
GREEN FUNDINGでのクラウドファンディングは2025年4月7日までです。DXP2800は現時点では25%オフの41,910円で購入できます。配送は2025年6月初旬の予定です。
NASyncシリーズの支援総額は2025年3月10日時点で6億7千万円を超えています。めちゃくちゃ注目されてますよね。他メディアのレビュー記事もたくさん出ていますので、興味持った方は他のサイトのレビューも読んでみてください。

今回貸し出していただいて実際に使ってみて気に入ったので、私も自分で購入してみました。
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。