約9.3万円で買えるゲーミングタブレット「REDMAGIC Nova」レビュー

物価高の影響でタブレットの価格が上昇する昨今ですが、比較的安価に購入できてしまう高性能タブレットがあります。それが「REDMAGIC Nova」です。いわゆる「ゲーミングタブレット」の括りで、主にゲーム用途に特化しています。ゲームがプレイできてしまう超強力な性能を誇るだけあり、普段遣いもサクサクとこなしてくれるタブレットです。

REDMAGIC Novaは強力な冷却システムと独自のチューニングが施されたチップセット「Snapdragon 8 Gen 3 リーディングエディション」の搭載により、『崩壊:スターレール』『鳴潮』『ゼンレスゾーンゼロ』といった動作の重いゲームでも、最高画質で平均60fps/180分間を実現します。このほか、2880×1800の16:10ディスプレイは最大144Hzのディスプレイリフレッシュレートに対応するゲーミングタブレットです。

そんなゲーミングタブレット「REDMAGIC Nova」を提供していただいたので、実際に使用してみてのレビューをお届けします。なお、今回提供していただいたのは12GB+256GBモデルです。

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REDMAGIC Nova

REDMAGIC Novaは長時間のゲームプレイでも快適なゲーミングタブレットです。一般的なタブレットは長時間の快適なゲームプレイを前提としておらず、本体の性能を極限まで高めるチューニングや冷却性能に注力していない製品も少なくはありません。

しかしながら、REDMAGIC Novaは本体の発熱を抑えるために、空冷ファンやヒートパイプなどを組み合わせることで、効率的な冷却を実現。そのなかでも、空冷ファンは世界で初めて20,000RPMの13×13mmサイズを内蔵し、最高パフォーマンスを出し続ける冷却性能を誇ります。また、冷却システムは9層もあり、コア温度を25℃も下げられるようです。

また、ゲーム用途では高水準のディスプレイ性能が求められます。REDMAGIC Novaは2800×1200の16:10の10.9インチディスプレイを搭載し、最大144Hzのディスプレイリフレッシュレート、タッチサンプリングレートは最大840Hzと、ゲーム用途で重視される2つのリフレッシュレートを兼ね備えており、まさにゲーミングの名を冠するのに相応しい仕様です。

SoCにはSnapdragon 8 Gen 3 リーディングエディションを搭載。通常のSnapdragon 8 Gen 3よりもCPUとGPUの性能を向上させた特別仕様となっています。これにより、他のデバイスよりも高いパフォーマンスを実現。ゲーミング性能では他の追随を許しません。

ディスプレイだけでなく、サウンドシステムまで豪華仕様です。左右にそれぞれ2基、合計4基の「DTS:X Ultra」に対応したスピーカーを搭載することで、臨場感あふれるゲーム体験はもちろん、動画の視聴にも申し分ない音響性能を実現します。

ただし、イヤホンジャックは内蔵されていないので注意。有線イヤホンやヘッドホンを使用したい場合は、Type-Cから3.5mmに変換するアダプターが別途必要です。

付属品類はType-Cデータケーブル、取扱説明書、REDMAGIC ステッカー×1です。ACアダプターは付属しません。個人的には、タブレットを高速充電できるACアダプターを別途用意すると、より快適になると思います。

OS REDMAGIC OS 9.5(Android 14.0ベース)
CPU Snapdragon 8 Gen 3 LEADING VERSION
RAMとストレージ 12GB RAM+ 256GB / 16GB RAM + 512GB
ディスプレイ 10.9インチ 2880 x 1800 (2.8K)
リフレッシュレート:最大144Hz
輝度:最大輝度 550 nits
タッチサンプリングレート:最大840 Hz
メインカメラ 5,000万画素
フロントカメラ 2,000万画素
バッテリー 10100mAh
高速充電:80W対応(専用ケーブル同梱)
サイズ 約165 × 253 × 7.3 mm
重量 約530g

性能をチェック

REDMAGIC Novaの概要を述べてきたので、実際にベンチマークを測定して端末の性能を数値化していきます。使用したベンチマークアプリは『3DMark』『Geekbench 6』の2種類です。

なお、測定した端末はRAM 12GB/ストレージ256GBのモデルです。

3DMark

3DMarkはGPU描画性能を測定するアプリです。その中で最も負荷の高い「Wild Life Extreme」で検証。結果は5555点と、非常に高いスコアが出ました。

当サイトで過去にレビューした「REDMAGIC 9S Pro」にも「REDMAGIC Nova」と同じ「Snapdragon 8 Gen 3 リーディングエディション」が搭載されています。そちらのベンチマーク結果は5441点でしたが、REDMAGIC Novaのベンチマークスコアが上回る結果になりました。

ベンチマーク結果に差が開いた理由として考えられるのは、REDMAGIC 9S Proはスマートフォンですが、REDMAGIC Novaはより本体面積の広いタブレットのため、より広い冷却スペースを確保できていることです。他にも、アップデートによるソフトウェアの最適化なども要素の1つではありますが、1番の理由は冷却スペースの広さだと考えられます。

Geekbench 6

Geekbench 6では、CPU処理性能とGPU描画性能を測定するアプリです。Geekbench 6は負荷の高さを設定する項目がなく、シンプルかつ直感的に使えます。今回はCPU処理性能のみ測定したところ、結果はシングルコアが2296点で、マルチコアが7237点でした。

当サイトで過去にレビューした「REDMAGIC 9S Pro」の測定結果はシングルコアが2281点、マルチコアが7107点でした。REDMAGIC Novaとは主にマルチコアのスコアで差が開いています。

実際のゲームプレイでも検証

実際のゲームプレイでも検証していきます。検証するタイトルは『崩壊:スターレール』『鳴潮』『ゼンレスゾーンゼロ』の3タイトル。この3タイトルは「AAA(トリプルエー)タイトル」に分類され、いわゆる「ヒット作」や「大規模な開発費用が投じられている作品」です。

いずれも、高性能なデバイスでないと安定した長時間のプレイは厳しいと言われています。実際にプレイして、フレームレートの安定性や発熱などをチェックします。

崩壊:スターレイル

かの有名な『原神』と同じHoYoverseが開発している『崩壊:スターレイル』では、最高設定による約1時間の連続プレイでも60FPSを維持しています。

蛇足として、REDMAGIC Novaは、144Hzのディスプレイリフレッシュレートにこそ対応しますが、多くのアプリは60FPSまでしか出ません。つまり、144Hzディスプレイの恩恵を受けられるシーンは結構限られてくるのです……。

鳴潮

『鳴潮』はゲーム内グラフィックに注力しているタイトルの1つです。リリース当初は動作が重すぎると評判だった本作。最高設定による1時間の連続プレイでも60FPSから大幅な低下は見られませんでしたが、一瞬だけ55FPSになるなど、微妙な変動も見られました。

ゼンレスゾーンゼロ

ゼンレスゾーンゼロも上記タイトル同様に最高設定でも60FPSに張り付いています。

ゲーミングに特化された機能やUI

REDMAGIC Novaはゲーミングに特化した機能やUIが実装されています。ホーム画面には、ゲーミングを想起させるアプリアイコンが配置されていたり、クイック設定パネルからリフレッシュレートの変更や、ゲーム専用モードを起動できたりもします。

ゲーム専用モードのREDMAGIC スペース

REDMAGIC Novaにはゲームに集中できる専用モード「REDMAGIC スペース」が搭載されています。ここに任意のアプリを追加すると、CPU/GPUのパフォーマンス調整、画面の反応速度(タッチサンプリングレート)調整、マクロ構築、リフレッシュレートの変更などか可能に。ゲーム以外のアプリ(LINEやChromeなど)も追加できます。

個人的に興味深い機能として、ゲームシーンに応じた画面表示の設定が可能です。たとえば、FPSでは暗部を引き上げることで視認性を高めたり、MOBAでは色調を高めることで敵を強調したりできます。

ゲームに最適なアスペクト比と本体サイズ

REDMAGIC Novaのアスペクト比は16:10です。ゲームをプレイする上では16:10のアスペクト比は扱いやすく、余計なことを考えずに集中できます。というのも、基本的にTVゲームやPCゲームは16:9のディスプレイで遊ぶものであり、それに近い感覚で遊べるのです。

アスペクト比が16:10なだけあって、本体を縦にすると「デカいスマホ感」が否めません。これは『学園アイドルマスター』『ウマ娘』などの縦表示用ゲームで遊ぶ時には没入感が高まってよさそうです。

バッテリーを通さず、本体に直接給電可能

長時間のゲームプレイでは、バッテリーが減らないように端末を充電しながらプレイする人が多いでしょう。それだとバッテリーの劣化が早まってしまいます。しかしながら、REDMAGIC Novaはバッテリーを通さない「本体への直接給電」が可能で、長時間のゲームプレイでもバッテリーの劣化を心配する必要はありません。

カメラ性能

REDMAGIC Novaにはカメラも搭載されています。ゲーミング用途なだけに、あまり使う機会は多くないと思いますが、記録用適度であれば十分ですね。

ゲーミングタブレットという選択肢

最近だと「ゲーミングスマホ」がじわじわと定着しつつありますが、「ゲーミングタブレット」の知名度はまだまだ低い印象。ゲーム専用端末の購入を検討している方にとって「ゲーミングスマホ」ではなく「ゲーミングタブレット」の選択肢があってもいいと思います。普段遣いのスマホとゲーム用のデバイスを分離すれば、ストレージ不足に悩まされる心配もありません。

執筆時点では、日本で取り扱いのあるゲーミングタブレットは「REDMAGIC Nova」だけ。価格も92,800円からと比較的安価に購入できます。

参考情報

本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

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CloNis

2002年生まれ、自分の好奇心を満たすために行動してます!

行動(選択)基準はよくもわるくも「おもしろいか、おもしろくないか」になりがち。スマホはGalaxy Z Fold 5、最近はAngenieuxのレンズにハマってます。

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