TECLASTより、11インチでAndroid 15を搭載したタブレット「TECLAST P50Ai」をレビュー用に提供していただきました。
TECLAST P50Aiは最新のAndroid 15を搭載しただけでなく、その名の通りAI機能も搭載されたタブレットです。性能的にはエントリー機ですが、PCモードがあったりUSBポートが2つあったりとなかなかに面白いタブレットです。
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概要とスペック
TECLAST P50AiはSoCにAllwinner A733を搭載し、RAMは6GB(仮想RAMで+10GB)ストレージは128GBのエントリークラスのタブレットです。最新のAndroid 15を搭載しPCモードや独自のAI機能を備えたTeclast OSのタブレットとなっています。
ディスプレイは11インチで2つのスピーカー、Widevine L1なので動画を見るのに良さそうですが、画面解像度がHD+なのでそこがネックとなります。
OS | Android 15 |
---|---|
CPU | Allwinner A733 |
RAM | 6GB(仮想RAMで+10GB) |
ストレージ | 128GB |
外部メモリ | microSDXC (最大1TBまで) |
ディスプレイ | 11インチ 1280×800 (HD) |
メインカメラ | 13MP |
フロントカメラ | 5MP |
バッテリー | 7000mAh |
サイズ | 約258 × 170 × 8 mm |
重量 | 約530g |
その他 | ステレオスピーカー、イヤホンジャック |
外観
ディスプレイは約11インチで、フロントカメラが長辺にある、横向きメインのタブレットです。ベゼルは上下左右それぞれ11mmくらいです。
背面はメタル調でサラサラしています。技適マークなどはシールで貼られています。
カメラは13MPです。片方はおそらく深度測定などです。
上側面の左端に電源ボタンと音量ボタン。
左側面には2つのUSBポートとMicroSDカードスロットにがあります。右側面には何もなし。
下側面には2つのスピーカーがあります。
パフォーマンス
ベンチマーク
各種ベンチマークアプリで確認しました。
各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.3.3)が315,122点、Geekbench 6のCPUがシングルで640点、マルチで1,457点、3DmarkはWild Life Extremeで124点、Wild Lifeが482点、PCMarkのWork 3.0 performanceは7,586点でした。
似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
Headwolf FPad5 | Helio G99 8GB |
390120 | 726 | 2019 | 343 | 8104 |
Teclast P50Ai | Allwinner A733 6GB |
315,122 | 640 | 1457 | 124 | 7586 |
Blackview Tab 16 Pro | UNISOC T616 8GB |
289356 | 447 | 1586 | 131 | 7966 |
Teclast P50 | UNISOC T606 6GB |
259028 | 381 | 1354 | 118 | 8188 |
Teclast P30 | Allwinner A523 4GB |
160187 | 232 | 863 | 120 | 5075 |
- 3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
基本的にはエントリークラスなのであまり期待してはいけません。このクラスでよく搭載されているUNISOC T606に比べると若干勝っていますが、通常動作で測定するPCMarkでは少しだけ劣っています。
操作感
実際にタブレットとして使ってみると、意外とスムーズに動いてくれます。タップやページのスクロールでそこまで鈍さを感じることはありません。電子書籍や動画を見る程度であれば問題なく、快適に読んだり見たりできます。
ただ、あくまで最低限は…といったところなので、ミドルハイ以上のスマホ等と比べると微妙な鈍さがあるにはあります。
ゲームの中ではそう高負荷とは言えない『ブルーアーカイブ』をプレイしてみると、画質などを高い方に設定してみてもコマ落ちのようなものは見られませんでした。ただやはり読み込みなどで微妙に時間がかかるのが気になる…といったところです。
全体的に、普通に操作できるにはできるし明確に悪いわけでもないけど、快適にはあと一歩足りない…そんな印象を受けます。まぁエントリークラスなので、割り切れる人向けですね。
ディスプレイ
TECLAST P50のディスプレイは約11インチで解像度は1280×800、アスペクト比は16:10です。実際の縦横の長さは長辺が約23.4cm、短辺が約14.8cmです。だいたいA5サイズ(210mm×148mm)を少し伸ばしたくらいですね。
解像度がHDしかないので、やはり粗さが気になります。11インチの画面にHDだと、微妙に粒状感が出てきます。
電子書籍を読むときは、横向きで見開き表示でもマンガ等なら問題なく読めます。ただやはり解像度の問題で、細かい文字は拡大したくなりますね。小さい文字が並ぶ書籍だとキツイです。(テキスト主体の場合はだいたい拡大できると思いますが。)
Widevine
WidevineのセキュリティレベルはL1です。なので各種動画アプリで高画質再生が可能です。最近のこの手のタブレットは当たり前のようにL1ですね。
2つのUSBポート
TECLAST P50Aiの大きな特徴の一つとして、USBポートが2つあります。片方は普通のデータ通信・充電用のUSBポートで、もう片方(MicroSDカードスロットに近い方)は映像出力もできるフル機能Type-Cとなっています。
USB-Cのケーブル1本でモバイルモニター等に接続できます。(モニター側の電源はまた別で必要になります)
なお、どちらのUSBポートでも充電できますが、同時に接続しても充電速度が上がるわけではありません。また、フル機能ではない方のUSBポートは、ケーブルによっては充電できないことがあった(おそらくUSB PD非対応のため)ので、注意が必要です。
システム
TECLAST P50Aiはカスタマイズ少なめで余計なアプリも(Google系以外は)ほとんど入ってません。通知領域は横向きにするとクイック設定パネルと通知で左右に分かれたレイアウトになってます。
設定画面は縦向きでも横向きでも2列表示です。素のAndroidで日本語化されてる部分は大丈夫ですが、独自部分は英語で表記されるものも多くあります。
OSは2024年11月時点でAndroid 15です。セキュリティパッチレベルは2024年10月5日。
Android 15
TECLAST P50Aiは2024年11月時点で最新のAndroid 15を搭載しています。なのでここ最近のAndroid OSで追加された機能もしっかりと使えます。
画面下部のタスクバーからアイコンをドラッグして画面分割表示できます。また、2つのアプリをペアにした設定を保存することも可能です。
アプリやアカウントを通常とは切り離すプライベートスペースや、画面録画を1つのアプリ内に限定するといった機能もちゃんと使えます。
PCモード
タブレットの画面をPCのように表示する独自の「PCモード」があります。クイック設定パネルからもアクセスできます。11インチの画面なので、Bluetoothなどでキーボードとマウスを繋げば小さなPCのような感覚で使えます。
複数のウィンドウを表示して、それぞれ大きさも変えられるのでたしかにPCのようですが、ウィンドウをたくさん開くと明らかに動作が重くなるので実用的かと言われると…。
AI機能
TECLAST P50Aiはその名の通り、独自のAI機能も複数搭載しています。主なものとしては「AIビデオスケーリングアップ」「ジェスチャーコントロール」「姿勢認識」「テキスト抽出」といったところです。
AIビデオスケーリングアップは解像度の低い動画をAIにより高解像度に補正してくれます。古い動画は解像度低いものが多いのでそういったものを見るときに便利です。オンにするとYouTubeなどで自動的に適用されます。
デモモードをオンにすると動画上を白い線が左右に動き、機能のオンオフでどう変わるかをリアルタイムで見せてくれます。こうして比較されると、確かに鮮明度が上がるのがわかります。(上のスクショ画像ではほとんど違いがわからないのですが、実際に見るとわかります)
AI姿勢認識(姿勢リマインダー)では、下を向いたり頭を傾けた状態で一致時間経つと画面上に注意が表示されます。ただ、この「一定時間」がけっこう短く、タブレットを操作してると頻繁に表示されます。表示されるまでの時間を設定できると良かったのですが…。
AI姿勢認識(エアジェスチャー)では、画面の前に手のひらを掲げ、そのジェスチャーで操作できる機能です。調理中など、タブレットを直接触りたくないときに画面をスクロールできるのは便利です。ただ、これは認識のアイコンは出るものの、私の場合はジェスチャーしてもうまく動作してくれなかったので、なかなか判定が厳しいのかもしれません。
バッテリー
バッテリーは7000mAhです。大容量ですがタブレットではこれくらいもよくありますね。
輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで9時間21分でした。バッテリーの持ちは良いとは言えませんね。(悪いわけでもないのですが)
バッテリー容量 | PCMark | |
---|---|---|
Headwolf FPad5 | 5,500mAh | 9h 17min |
TECLAST P50Ai | 7,000mAh | 9h 21min |
Blackview Tab 16 Pro | 7,700mAh | 11h 38min |
TECLAST P50 | 8,000mAh | 15h 40min |
TECLAST P30 | 6,000mAh | 8h 15min |
TECLAST P50Aiの良かったところイマイチなところ
- 約11インチの少し大きめタブレット
- Android 15搭載
- 2つのUSBポートやAI機能など独特の機能がある
- 約1.7万円の安価でそれなりの動作
- 11インチにHD+解像度は少し粗い
- スペックはあくまで必要最低限
クーポン等を使えば約1.7万円で購入できるという安価なタブレットですが、Android 15搭載や2つのUSBポート、様々なAI機能と、なかなか特徴的な部分を持っているのは面白いです。
ただ、全体的なスペックがその機能に追いついていない印象です。必要最低限は動くのですが、快適とは言えず、PCモードモードなどを活かすのならもう少しスペックが欲しかったですね。
11インチでHD解像度なので多少の粗さはありますが、大画面は気軽な電子書籍や動画鑑賞にはピッタリです。リフレッシュレートは90Hzですし、ディスプレイは解像度が惜しい。
まとめ
TECLAST P50AiはAndroid 15搭載やPCSモード、2つのUSBポートにAI機能と、様々な特徴を持ったタブレットです。ただスペックはあくまでエントリークラスなので何でも快適にこなせるというわけではありません。
万人に勧められるタブレットというよりは、Android 15を安価に試してみたい、PCモードやAI機能など特徴的な機能を面白そうと感じる、そんな人達に合いそうなタブレットです。こういう意欲的な端末、私も割と好きですよ。
参考情報
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。