Minisforum(ミニスフォーラム)より、Intel N100搭載のミニPC「Minisforum UN100P」をレビュー用に提供していただきました。
Minisforum UN100PはCPUにIntel N100を搭載した、コンパクトで安価なミニPCです。公式サイトで3万円を切る低価格ながら16GBのRAMを搭載するなど必要最低限以上のスペックを持ちます。今回はストレージが512GB SSDのものを提供していただきました。
Intel N100搭載のPCは初めて触ったのですが、評判通りに意外としっかりと使えて、人気なのも納得でした。これで十分という人や場所も多いと思えるミニPCです。
目次(見たいところからチェック!)
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Minisforum UN100Pの概要
Minisforum UN100PはCPUにIntel N100を搭載したミニPCです。Intel N100は省電力でかなり安価ということで激安PCではかなり人気のCPUです。性能自体はそこまで高くありませんが、文書作成やネット閲覧程度なら問題ありません。UN100Pの場合はRAMが16GBあるのでそれも快適さに影響しています。
接続端子も豊富で、4つのUSB-Aと1つのUSB-Cを搭載、HDMIとUSB Type-Cにより同時に最大3画面の表示に対応します。2.5G LANポートもあり、無線はWi-Fi 6やBluetooth 5.2に対応、そのほか2.5インチ SATA HDDが増設可能だったりMicroSDカードスロットを搭載するといった特徴があります。
スペック
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
CPU | Intel N100 |
グラフィック | Intel UHD Graphics |
メモリ | 16GB DDR4 3200MHz シングルチャネル (SODIMM スロット×1, 最大16GBまで) |
ストレージ | 512GB M.2 2280 PCIe3.0 SSD |
ストレージ拡張 | TF カード スロット x1 2.5 inch SATA HDD Slot ×1 (SATA 3.0 6.0Gb/s) |
サイズ | 127.5 × 112.4 × 40mm |
前面ポート |
2 × USB-A 3.2 (Gen1) 1 × USB-C 3.2(Gen2、Data DP & PD OUT PUT) 1 × 3.5mmステレオヘッドセットジャック 1 × 電源ボタン |
背面ポート |
2 × USB-A 3.2 (Gen2) 1 × RJ45 2500Mイーサネットポート 2 × HDMI 2.1 1 × DC入力 |
ネットワーク | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.2 |
外観と接続端子類
Minisforum UN100Pの外箱は段ボール風で低コストっぽい印象です。モバイルバッテリーや充電器ならこういう包装もよくありますが、PCでもこういうの、あるんですね。
パカッと開けて中もシンプル。
内容物は本体のほかに電源アダプタとHDMIケーブル、VESAマウントキット、取扱説明書(日本語対応)です。電源アダプタは12V/3A(36W)でした。普通に2ピンタイプのプラグです。
外観
天面の隅にMinisforumのロゴ。そのロゴがある右下部分とそれ以外で少し模様が変わります。
底面には各種認証マークなど。PSEマークも技適マークもあります。上の方にある金色のネジ穴はVESAマウント用、四隅の穴にあるネジが中にアクセスするための蓋を留めているネジです。ゴム足とは別になっています。
本体の大きさは127.5×112.4×40mmとコンパクトです。大きさだけならこれまで紹介してきたミニPCと同じくらいなのですが、持ってみるとその軽さに驚きました。え?これ中身入ってるの?と思ってしまいました。
ポート類
全面にはUSB-A(3.2 Gen1)が2つとUSB-C(3.2 Gen2)が1つ、3.5mmオーディオジャックと電源ボタンです。左側にある穴はCMOSクリアボタンです。
なお、このUSB-Cはディスプレイと接続して映像出力したり、USB充電器と接続してここから電源を取っても動作します。(35W出力のモバイルバッテリーを接続しても動作しました)
背面は2.5G LANポートにUSB-A(3.2 Gen2)が2つ、 HDMI 2.1が2つにDC入力です。
右側面は排熱スリットのみ。
左側面にはケンジントンロックとMicroSDカードスロットがあります。SDカードではなくMicroSDカードだと、スマホで使っている人にはデータのやり取りが楽そうですね。
SSDやRAMは交換可能、SATAドライブも
底面の四隅にあるネジを外すと中の基盤にアクセスできます。M.2 2280 SSDはHighRelの512GB、RAMは16GBです。SSDは最大1TBのものまで交換可能です。
また、SATAコネクタがテープで留まっており、2.5インチのSATAドライブを接続できます。こちらは最大2TBまで。
Windows 11 Pro搭載
Minisforum UN100PはWindows 11 Proを搭載してます。コマンドプロンプトにて「slmgr /dli」を入力しライセンスを確かめてみるとOEM版(OEM_DM channel)でした。
格安なミニPCだとボリュームライセンス版を使うメーカーもあるようです。ボリュームライセンス版は企業等でライセンスを一括購入し組織内で利用するものです。なのでそれを個人向けの販売PCに組み込むのはライセンス違反になる可能性があります。
今回のMinisforumやGEEKOMなどであれば、ボリュームライセンス版を使っていることはまずないので、こういったミニPC大手のものを購入したほうが無難です。
一つ注意事項として、購入後の初期設定で日本語配列キーボードを選んでも、なぜか英字配列になります。なので初期設定のユーザー名などで@を入力したい場合はShift+2を押します。
初期設定後に設定→時刻と言語→言語のオプション(日本語と書かれた右の三点メニュー)→キーボードレイアウト→レイアウトを変更するで日本語キーボードを選べば、変更できます。
パフォーマンス
実際に使用して動作の快適さなどを確認してみました。
ベンチマーク
いくつかベンチマークアプリを使ってみました。
Geekbench 6 | CPU シングル | 1140 |
---|---|---|
CPU マルチ | 1452 | |
GPU OpenCL | 3178 | |
GPU Vulkan | 3775 | |
3DMARK | Timespy | 341 |
Steel Nomad Light | 112 | |
PCMARK10 | SCORE | 2860 |
Essentials | 6415 | |
Productivity | 4981 | |
Distal Content Creation | 1989 | |
Cinebench | R23 マルチ | 1643 |
R23 シングル | 784 | |
ファイナルファンタジーXIV ベンチマーク |
1920×1080 高品質 (デスクトップPC・ウィンドウ) |
578 動作困難 |
1920×1080 標準品質 (デスクトップPC・フルスクリーン) |
847 動作困難 |
|
ドラゴンクエストX ベンチマーク |
1920×1080 最高品質 ウィンドウ |
1405 重い |
1920×1080 最高品質 フルスクリーン |
1587 重い |
ベンチマークテストの結果を見てみると、さすがに値としては低いですね。ドラゴンクエストXでも「重い」なので、ゲームには向きません。あくまで文書作成やネット閲覧など軽い作業向けということです。
ちなみに、BIOSを弄ってCPUに使われる電力を増やすと(デフォルトは6W)ベンチマークの値も多少良くなるようです。もちろんそうなると消費電力が増えて熱も気になるようになるのですが。
Minisforum UN100PのSSDはHighRelの512GBです。あまり聞いたことがありませんが、中国のメーカーのようです。ストレージのデータ転送速度を測定するCrystalDiskMarkではシーケンシャルリードが870MB/s程度でした。ランダムリード/ライトの方も含め、速いとは言えませんが、必要最低限といったところでしょうか。
こちらはMiceoSDカードのリーダーの方の結果です。
実際に日常、仕事に使ってみて
実際にここ数日、UN100Pを使って普段のネットサーフィンや画像編集、仕事でも利用してみました。今この記事を書いているのもUN100Pです。
感触としては思ったよりも普通に使える、といったところ。ちょうど最近のスマホで「エントリーモデルでも意外と使える」という感覚に近いです。ネットを見たり文書作成したりといった軽い作業であれば特に引っかかる部分もなくごく普通に使えます。
ただ、圧縮ファイルの展開などのときに(めちゃくちゃ遅いわけではないものの)ほかのPCなら一瞬のものが少し時間がかかったり、フルHDのモバイルディスプレイなら気にならないところが4Kディスプレイに接続すると遅さを感じたりといった事がありました。
軽い作業でなら大きな不満なく普通に使えるものの、やはり必要最低限だというのは感じます。
動作音はかなり静か
省電力で動作するということもあってか、動作音はかなり静かです。ファンは回っているのですが耳を近づけないと音に気づかないレベルです。
もちろん、ベンチマークソフトを実行するなど高負荷な作業をする場合には多少うるさくなりますが、基本的にはほぼ無音です。
USB-Cで電源を接続してワット数を見たところ、落ち着いた状態では5-6W、それなりに動いてる状態でも20Wにいかない程度でした。
Minisforum UN100Pの良かったところ、イマイチなところ
- 必要最低限の性能
- 小さくて軽い
- 3万円以下で購入できる安さ
- 2.5インチSATAドライブも増設可能
- MicroSDカードスロット
- 省電力&静音
- 性能はあくまで必要最低限
- USB-Cは背面に欲しかったかも
Intel N100搭載のミニPCというものは初めて使ったのですが、たしかに「意外とちゃんと使える」というのを実感しました。インターネットの閲覧、動画を見たり電子書籍を読んだり、文書作成や簡単な画像編集であればまったく問題なく使えます。
これでだいたい3万円を切る価格で購入できるのは凄いですね。
ただ必要十分とはいえ細かいところで性能不足を感じることもあります。それなりに良いPCが一瞬で終わることが数秒かかる、といった程度ですが、気になる方には気になるでしょう。(そういう人はこういうPCの対象外だったり別の用途を考えたほうがいいと思いますが)
欲を言えば、USB-Cは背面にあると良かったかな、と思います。このUSB-Cでモニター接続できたりここから電源を取ることもできるので、そういった用途なら背面にあったほうが便利…という理由です。
まとめ
Minisforum UN100Pをレビューしました。コンパクトで軽く、必要最低限以上の性能があって安い、サブにちょうどいいミニPCです。
モニターとUSBケーブル1本で接続できるので、上の写真のようにモバイルモニターとキーボードがあればこれだけで環境ができてしまいます。持ち運べなくもないサイズですね。
私の実家には昔使ってたタワー型のPCがずっと置かれているのですが、それの10分の1以下の体積で性能はおそらくこちらのほうがずっと上です。ちょっと昔のPCが実家にある、というような人はみんなこういうPCがに置き換えてしまえばいいんじゃないでしょうか。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。