総務省 2023年度Q3(12月末)電気通信サービスのデータ:SIMカード型MVNOは1,610万回線、シェアはIIJが21.3%でトップ

総務省は3月22日、令和5年度第3四半期(12月末)の電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データを公表しました。

この中には移動系通信(携帯電話等)のシェアやMVNOのシェアといったデータもあります。携帯電話の契約数は2億1,873万(前期比+1.5%、前年同期比+5.4%)、そのうち5G契約数は8,651万(前期比+7.4%、前年同期比+37.0%)でした。

MVNOサービスの契約数は3,322万(前期比+4.1%、前年同期比+15.5%)、SIMカード型の契約数における事業者別シェアは、前回と同じくインターネットイニシアティブ(IIJ)がトップでした。

データの中から気になるものをいくつか紹介します。

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3G/LTE/5G/PHS/BWAの各契約数の推移

各キャリアとも停波が決まってる3GやLTEは契約数が減り続けています。5Gは順調に伸びており、2023年12月では8,651万契約となってます。

参考:3Gサービス終了日
ドコモ 2026年3月31日
au 2022年3月31日
ソフトバンク 2024年4月15日

ソフトバンクの3G停波は令和6年能登半島地震の影響で2024年4月15日(石川県内は7月31日)に延期となりました。

携帯電話の契約数における事業者別シェアの推移

携帯電話の契約数でのシェアです。KDDIグループにはUQ mobileも入ってます。NTTドコモが0.4ポイントの減少でKDDIは0.1ポイント減少、ソフトバンクは0.2ポイント減少、楽天モバイルは0.2ポイント増で2.6%です。今回からは楽天モバイルのMVNOも入ってますね。

今期 前期比 前年同期比 MVNOを含め
NTTドコモ 34.9% -0.4ポイント -1.2ポイント 40.7%
KDDI 26.8% -0.1ポイント -0.2ポイント 30.5%
ソフトバンク 20.4% -0.2ポイント -0.4ポイント 25.9%
楽天モバイル 2.6% +0.2ポイント +0.4ポイント 2.8%
MVNO 15.2% +0.4ポイント +1.4ポイント 15.2%

MVNOサービスの区分別契約数の推移

MVNOサービスといっても実は色々あるのですが、いわゆる「格安SIM」はこの中の「SIMカード型」と見ていいでしょう。2023年12月では1,610万契約となっています。ここ2回くらいは微増だったのが、伸びが良くなりました。

なお、このグラフは契約数が3万以上のMVNOからの報告を基に作成されているので、実際の数はもっと多くなります。

MVNO(SIMカード型)の事業者別シェア

契約数が3万以上のMVNOサービスの区分別契約数は、SIMカード型が1,610万(前期比+2.1%、前年同期比+5.8%)、通信モジュールが1,191万(前期比+4.4%、前年同期比+18.7%)でした。

SIMカード型の契約者数における事業者別シェアは、インターネットイニシアティブ(IIJmio)が最も高く21.3%(前期比+0.8ポイント)、次いでNTTドコモ(旧NTTレゾナント、OCN モバイル ONE)が10.4%(前期比-0.9ポイント)、オプテージ(mineo)が8.7%(前期比-0.2ポイント)、富士通が5.7%(前期比+0.1ポイント)、イオンリテール(イオンモバイル)が4.7%(前期比-0.1ポイント)となります。

2021年 2022年 2023年
12月 3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12月
IIJ
(17.3%)
IIJ
(18.1%)
IIJ
(18.8%)
IIJ
(19.0%)
IIJ
(19.7%)
IIJ
(19.8%)
IIJ
(20.0%)
IIJ
(20.4%)
IIJ
(21.3%)
NTT
(12.8%)
NTT
(14.0%)
NTT
(14.5%)
NTT
(10.1%)
NTT
(11.1%)
NTT
(11.9%)
NTT
(12.2%)
NTT
(11.3%)
NTT
(10.4%)
mineo
(9.0%)
mineo
(9.3%)
mineo
(9.3%)
mineo
(9.1%)
mineo
(9.1%)
mineo
(9.0%)
mineo
(9.0%)
mineo
(8.9%)
mineo
(8.7%)
楽天
(6.9%)
楽天
(6.2%)
富士通
(5.7%)
富士通
(5.6%)
富士通
(5.6%)
富士通
(5.6%)
富士通
(5.6%)
富士通
(5.6%)
富士通
(5.7%)
BIGLOBE
(5.8%)
BIGLOBE
(5.8%)
楽天
(5.5%)
BIGLOBE
(5.1%)
BIGLOBE
(4.9%)
イオン
(4.8%)
イオン
(4.7%)
イオン
(4.8%)
イオン
(4.7%)

※上記数字はそれぞれ発表時のもので、発表後の修正は反映されていません。

IIJがここ3年でかなりシェアを伸ばしているのがわかります。2位のNTTドコモ(旧NTTレゾナント、OCN モバイル ONE)は6月末で新規受付を停止しているので、これ以上シェアが増えることはないでしょう。ここのシェアを3位以降の事業者がうまく取り込めればいいのですが…。


総務省のこれらの調査データは過去のものも含め公開されてるものです。なかなか興味深いものもありますし、遡って調べてみたり、MMD研究所の格安SIMサービスの利用動向調査と比べてみるのも面白いでしょう。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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