Xiaomi Smart Band 8 レビュー:60Hzに明るさ自動調整でより見やすく快適に!ただZepp Life非対応が残念

XiaomiのスマートバンドXiaomi Smart Band 8を購入し、5ヶ月ほど使ってきました。Mi Band 3の頃からずっと使い続けているこのシリーズ、今回の8でだいぶ変わったところもあり、より使いやすくなった部分と、逆にダメになった部分があります。

成熟したXiaomi Smart Band 7から、ある意味で殻を破ったとも言えますが、これまでZepp Life(旧Mi Fit)で使っていた人は乗り換えるか悩ましいところです。

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Xiaomi Smart Band 8の概要

Xiaomi Smart Band 8はXiaomiのスマートバンドシリーズの8世代目にあたるデバイスで日本では2023年9月末に発売されました。ディスプレイは1.62インチに広がったほか、バンドストラップの装着システムが一新され全体的な見た目も変わっています。

基本的な「できること」はこれまでと変わっていませんが、画面のリフレッシュレートが60Hzになったり、自動明るさ調整に対応など着実に良くなっています。

製造会社が変更

実はXiaomi Smart Band 8はXiaomi Smart Band 7までと製造会社が変わっています。7まではZepp Health(旧 Huami)が担当していました。Zepp HealthはスマートウォッチAmazfitシリーズの会社です。8から(7 Proから)はMi Watchシリーズと同じく70maiが担当しています。

これにより、Xiaomiのスマートバンドとスマートウォッチで製造担当が統一され、管理アプリも統一されたのでわかりやすくなりました。ただ、その影響で今回の8からZepp Health側の管理アプリ(Zepp Life)が対応しなくなり、またLINE返信に対応しなかったりなど、大きなデメリットにもなっています。

スペック

サイズ 48 × 22.5 × 10.99 mm(ストラップや突出部を除く)
重量 27g
同梱バンドストラップ サイズ:135~210 mm
素材:TPU(熱可塑性ポリウレタン)
ディスプレイ 1.62インチ 有機EL(AMOLED)
解像度:192 × 490 px
輝度:最大 600 nit (調節可)
ケース素材 2.5D 強化ガラスケース
センサー 高精度6軸センサー、PPG心拍数センサー、環境光センサー
バッテリー 190mAh(通常使用で最大16日間)
充電 マグネット式充電(約1時間)
防水 5ATM
Bluetooth 5.1 BLE
対応OS Android 6.0/iOS 12.0 以降

詳細はXiaomi公式サイトをご覧ください。

外観:メタリック仕上げでスタイリッシュに

Xiaomi Smart Band 8は細長い楕円形のディスプレイを登載したスマートバンド、というのは変わりありませんが、バンドストラップの装着システムが変わったことにより側面もメタリックになり、よりスタイリッシュで高級感が出るようになりました。

パッと見の姿は今までとあまり変わりませんね。細長い豆型の本体です。大きさはXiaomi Smart Band 7とほとんど変わりません。

黒背景以外のウォッチフェイスにすると実際のディスプレイ部分とベゼルがよく分かります。

裏面です。各種センサーや充電ピンなど。

側面。うまく写真撮れてないですけど、光沢があってピカピカしてます。これまであった溝はありません。上下部分の凹みはそこにバンドがハマります。

付属のTPUバンドはこれまでと同じポッチで留めるタイプです。今までのものより硬い気がしますが、たぶん1年使ってるとだんだん柔らかくなってくるのだと思います。

バンドのシステムが新しく

Xiaomi Smart Band 8ではバンドストラップのの装着方法が新しくなりました。

本体裏の隅にあるボタンを押すとストラップが外れます。装着するときはそのまま押し込めばカチャッとハマります。このクイックリリース方式のおかげでバンドの付け替えが簡単になりました。

ただし、これまでのストラップとは互換性がなくなったので、7以前でお気に入りのストラップがあった場合でも引き継ぐことはできません。

公式非公式どちらからも豊富に替えのストラップが販売されています。腕につけるものだけでなく、ネックレス型のものや、ランニング時に足に装着するためのものもあります。

こういった互換品が大量にあって選べるというのはXiaomiのスマートバンドの強みです。

リフレッシュレート60Hzの画面、明るさ自動調整も対応

Xiaomi Smart Band 8のディスプレイは1.62インチの有機ELで解像度は192×490pxです。7まではスペック表にリフレッシュレートは書かれていなかったと思うのですが、8では60Hzと記載があります。

60Hzといえば一昔前のスマホの標準の数値です。実際に使ってみるとスマホの画面と似た感覚で操作できます。このスムーズさは、7までと比べて最も良くなったところの1つです。

最大輝度は600nitで、日中の屋外でもちゃんと見えます。また、自動輝度調整ができるようになったので、夜に明かりのないところで画面をつけても眩しすぎるということはなくなりました。逆に、普段は暗めにしておいても日中の外では輝度を上げて見やすくしてくれます。

バンドディスプレイ(ウォッチフェイス):200種類以上に拡大

Xiaomi Smart Band 8のバンドディスプレイ(ウォッチフェイス)は200種類以上が用意されています。これだけあれば気に入るものの1つや2つありそうですが、個人的には「あとちょっとなんだけど…」という惜しいものばかりでした。シリーズが進むに連れて画面が大きくなり、小さな文字で細かく表示するようなものが増えてきた印象です。

自分で画像を設定できる「カスタム」もありますが、これも基本的に文字が細めなんですよね…。ぱっと見で「時刻」「歩数」「バッテリー残量」が読み取れるシンプルなものが欲しいです…。

バンドディスプレイごとにサイズが異なり、バンド本体には4-7個くらいが保存できます。そう頻繁に変更することもないと思いますが、バンドストラップとともに変更すれば、気分が変わって良いです。

Xiaomi Smart Band 8でできること

Xiaomi Smart Band 8は歩数や睡眠など様々なものを記録・表示します。またスマホとの連携で各種通知やスマホの一部機能の操作なども可能です。本体のみで可能なことや、スマホアプリを使って設定するものがあります。

できることは、Smart Band 7とほとんど変わっていません。大きく分けて「時計」「スマホ連携」「運動管理」「健康管理」の4つです。それぞれリスト化してみます。

■時計
  • 時刻の表示
  • 天気予報
  • アラーム
  • ストップウォッチ
  • タイマー
  • 集中(ポモドーロタイマー)
  • イベントのリマインダ
  • 常時表示
■スマホ連携
  • 着信やアプリの通知
  • 音楽コントロール
  • スマホカメラの遠隔操作
  • スマホを無音に
  • スマホを探す
■運動管理
  • 歩数計
  • 150種類の運動(ワークアウト)の記録
  • 6種類の運動の自動検出
  • 活力指数の記録
  • 呼吸エクササイズ
  • VO2 Max
  • トレーニング効果・負荷の確認
  • リカバリー時間
■健康管理
  • 心拍計・24時間心拍数モニタリング
  • 血中酸素レベル(SpO2)測定
  • 睡眠モニタリング
  • 睡眠時の呼吸品質を分析
  • ストレスモニタリング
  • 月経周期の記録と通知
  • 座りすぎ通知

通知:LINEの定形返信が非対応に

通知は自分で選んだアプリのものを表示できます。SNSやメッセージは手元でサッと確認できるので良いですね。Xの場合はだいたい横6文字縦10行程度、絵文字も対応しています。ただ変なところで改行されることがありますね。

残念な点の1つとして、LINEの通知から定形返信ができなくなりました。Smart Band 7ではLINEの通知で、バンドから定型文での返信ができたのですが、Smart Band 8ではこれが非対応になっています。

また、スマホ側で通知を確認するとSmart Band 8側でも通知は消去されます。

管理アプリ:Mi Fitnessのみ対応(Zepp Life非対応)

Google playMi Fitness (Xiaomi Wear)
Mi Fitness (Xiaomi Wear)
制作: Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd
価格: 無料

ダウンロード

Smart Band 8の管理アプリは『Mi Fitness』です。Smart Band 7まではZepp Lifeにも対応していたのですが、8からはMi Fitnessのみとなります。

Zepp LifeからMi Fitnessへのデータ移行は一応可能です。ただSmart Band 7までのPAIとSmart Band 8での活力スコアなど似ているけど互換性のないものもあります。

Zepp LifeからMi Fitnessに移行して使えなくなった機能がいくつかあり、その中でも気になったのは以下の点です。

  • Google Fitと連携できない
  • Mi スマート体組成計(Xiaomiの体重計)と連携できない

体重計と連携できないのがツラいです…。

追記:いつの間にかGoogle Fitと連携できるようになっていました。

健康管理

健康管理として、Smart Band 8で記録した睡眠や歩数、心拍数、血中酸素濃度などをグラフ表示できます。

睡眠はスコアの表示もできますし、同じ年齢層のユーザーと比べてどうなのか簡単に言ってもらえます。こういうのを見ると一喜一憂してしまいますね。また、昼間に仮眠した場合もちゃんと別で記録されます。

日単位だけでなく、週ごと、月ごとでも表示できるので、もっと大きなスパンで振り返ったり計画を立てる事もできます。

運動管理

Xiaomi Smart Band 8は150種類以上のワークアウト・スポーツモードに対応しています。また、ウォーキング、ランニング、サイクリング、縄跳び、エリプティカル、ローイングの6種類については自動検出が可能です。(要設定)

なお、Xiaomi Smart Band 8にはGPS機能は搭載されていませんので、ランニングの軌跡を記録したい場合は接続したスマホを一緒に持ち歩く必要があります。

Xiaomi Smart Band 8には、足の甲に取り付けて記録する「ランニングビーンモード」があります。これを使うとランニングフォームやストライド、滞空時間など、より詳しい運動の分析が可能です。

ただランニングビーンモードにすると心拍数の測定ができなくなります。なのでほかの機器と併用することが前提となると思います。普段のワークアウト記録はランニングウォッチでやって、細かい分析をXiaomi Smart Band 8のランニングビーンモードで記録する、という使い方がいいかもしれません。

やっぱりバッテリーの持ちがいい

Xiaomi Smart Band 8のバッテリーは、公式サイトによれば通常使用で最大16日間、常時オンモードの場合は最大6日間持続します。

私の使い方(常時表示オフ、心拍モニタリング:スマート、高精度睡眠モニタリング:オン、睡眠時の呼吸スコア:オン、終日ストレスモニタリング:オン)の場合で1日だいたい10%程度減っていきます。

通知が多かったり運動で使用すればもっと短くなりますが、基本的にバッテリーは持つ方です。毎日充電しなければならない、ということはありません。このバッテリーもちの良さがXiaomi Smart Bandの良さの1つですね。

充電は専用のマグネット接続のケーブルを使います。これもSmart Band 7までとは形が変わっており流用できません。マグネットなので付け外しは簡単なのですが、接続する方向が決まってしまうのでSmart Band 7と比べるとちょっとやりにくさを感じます。

充電時間はわりと早く、10分間で20%ほど(60%→80%)充電できました。充電速度はSmart Band 7よりも上がってる気がします。

私は脱衣所に充電ケーブルを常備してあり、お風呂に入ってる間に充電しています。1日の消費分以上をお風呂に入ってる間に充電できます。1回や2回充電を忘れてもさして問題ありません。

Xiaomi Smart Band 8の良かったところ、イマイチだったところ

Xiaomi Smart Band 8をしばらく使ってみての良かったところ、イマイチだったところをまとめます。

良いところ
  • ちょっとだけスタイリッシュに
  • リフレッシュレート60Hzで滑らかに
  • 明るさ自動調整に対応
  • ウィジェットが1画面に2つ置けるように
  • バッテリーもちがよく充電も速い
イマイチなところ
  • Zepp Life非対応
  • Google Fit非対応
  • Mi スマート体組成計と連携不可
  • ウォッチフェイスがイマイチ
  • LINEの返信ができない
  • 絵文字表示非対応

バンドストラップの機構が変わったことで今までのものと互換性がなくなりました。とはいえ新しいSmart Band 8対応のものも多いですし、より様々なタイプが登場しています。見た目はかなり良くなったと思います。

また、リフレッシュレートが60Hzになったことで滑らかさが明らかに良くなりました。もうこれだけで過去の機種には戻れません。明るさの自動調整も良いですね。

もとからのバッテリーもちの良さや、より速くなった充電速度といったポイントも見逃せません。全体的にハードとして良くなっているのが感じられます。

ただ、ソフトウェアというかMi Fitnessが、これまでシリーズを(Zepp Lifeで)ずっと使っていた人にはなかなか厳しいものがあります。Google Fitやスマート体組成計と連携不可というのが…。同じXiaomiなんだから体組成計に対応してくれないか?と思いますが、Mi Fitness自体は結構前からあってずっと対応してませんから、期待薄です…。

追記:Google Fitとは連携できるようになりました。

まとめ:7からの移行組は悩ましい

Xiaomi Smart Band 8は、以前までのモデルと比べて「できること」はそう変わりませんが、ハードとしてより良くなっています。バッテリーもちが良くて画面がきれいでなめらか。これまで完成されていたと思っていたスマートバンドの、更にひとつ上のレベルに上がった感があります。

ただ、やはりZepp Lifeに非対応となったことが、ただただ残念です。新規に使い始める人であれば問題ありませんが、これまですっとZepp Lifeで使ってきた人にとっては移行が悩ましいところです。(一応、体重もZepp LifeからMi Fitnessへのデータ移行で引き継げるので、体重計→Zepp Life→Mi Fitnessという連携は可能です。でもデータ移行を何度もするのは面倒です…。)

これまでずっと(Zepp Lifeで)Xiaomi Smart Bandを使ってきた人は、これを機に他のメーカーのスマートバンドも検討してみてもいいかもしれませんね。ただ、ハードとしてはXiaomi Smart Band 8はかなり良いので、本当に悩ましいです…。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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