AGM Mobileの4G LTE対応防水タブレット「AGM PAD P1」をレビュー用に提供していただきました。
3万円台で購入できてハイスペックではないもののHelio G99と8GBのRAMを搭載してそこそこの性能を持ち防水防塵にも対応したタブレットです。Android 13を搭載しているのでタブレット用のUIも利用できます。
- Android 13搭載の10.36インチタブレット
- IP68/IP69Kの防水性能
- AnTuTU40万点程度のそこそこな性能
- LTE対応でGPSもあるのでナビとしても利用可能
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概要とスペック
AGM PAD P1はHelio G99のSoCを搭載したタブレットです。AnTuTuスコアが約40万点で、Amazonでよくある2万円程度のエントリーモデルより少し上の性能があります。
2,000×1,200の10.36インチディスプレイにステレオスピーカーなので動画や電子書籍も楽しめますし、4G LTE対応でGPSもあるのでカーナビ的に使うこともできます。またIP68/IP69Kの防水性能もあるので、キッチンなど濡れやすい場所での使用も問題ありません。
OS | Android 13 |
---|---|
CPU | MediaTek Helio G99 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB |
外部メモリ | microSDXC |
ディスプレイ | 10.36インチ 2000×1200 (FHD) |
メインカメラ | 8MP |
フロントカメラ | 5MP |
バッテリー | 7,000mAh |
サイズ | 約250 × 159 × 9 mm(手動測定) |
重量 | 約499g |
生体認証 | – |
防水防塵 | IP68 / IP69K |
SIM | nano SIM ×2 |
対応バンド | GSM:B2/3/5/8 WCDMA:B1/2/4/5/8 FDD:B1/2/3/4/5/7/8/20/26/28a&b/66 TDD:B34/38/39/40/41 |
外観
黄色い箱が特徴的です。この手のタブレットにしては思ったよりも箱が小さくて驚きました。箱を開けるとケースを装着したタブレット本体がぴっちりと詰め込まれています。
内容物は本体の他にSIMピン、充電アダプタ、USBケーブル、替えのゴムパッキン、ステッカー、マニュアル類です。マニュアルはニホンゴがなく、充電アダプタも日本向けではありませんでした。
インカメラが長辺側にあるので、主に横画面での使用が想定されたタブレットです。10インチクラスは大抵そうですよね。ベゼルがわりと太い印象を受けました。
背面はメタル調で指紋がつきにくい対応です。無骨なガジェットらしさがあっていいです。AGM PAD P1は「防水」タブレットであることを強調していますが、耐衝撃などはないのでタフネススマホというわけではありません。デザイン的にもそういった方向ではありませんね。
なお、技適マークについては申請中と聞いていますが、サンプルの背面では確認できませんでした。日本向けの製品版では表示されているかもしれません。(未確認です。すいません。)
カメラ部分がけっこう出っ張っているので、机の上でなにかしようとするとガタガタします。ただ付属のケースをつければこの高さが吸収されます。
上側(インカメラのある方)側面にはmicroSD/SIMスロットがあります。
左側面に電源ボタンと音量ボタン、右側面にUSBポートとイヤホンジャックがあります。
SIMスロットやUSBポート部分は防水のためにゴムの蓋がついています。昔はこういうスマホもよくありましたが、充電のたびにこれを開閉するのは正直面倒です。
SIMスロットには「PULL」と書いてある(本来はSIMピンで引き抜くべきだけどスロットを直接引っこ抜ける)のですが、この文字の上下とSIMを置く面が揃ってないのが残念です。
パフォーマンス
ベンチマーク
各種ベンチマークアプリで確認しました。
各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.0.6-OB6)が431,071点、Geekbench 6がシングルで735点、マルチで2,054点、3DmarkはWild Life Extremeで347点、PCMarkのWork 3.0 performanceは9,343点でした。
似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
OPPO Reno9 A | Snapdragon 695 8GB |
451270 | 905 | 2085 | 362 | 9441 |
AGM PAD P1 | Helio G99 8GB |
431071 | 735 | 2054 | 347 | 9343 |
Libero 5G III | Dimensity 700 4GB |
346231 | 686 | 1802 | 333 | 10079 |
Blackview Tab 13 | Helio G85 6GB |
277359 | 409 | 1369 | 192 | 6553 |
- 3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
操作感
ベンチマーク結果を見ても分かる通り、スマホでいえばSnapdragon 695を搭載するミドルレンジモデルと同じか少し下くらいの性能があります。基本的な操作では特に問題はなくキビキビ、ただし重いゲーム等はキツイ、といったところでしょうか。
原神は厳しいですが、ブルーアーカイブのようなゲームなら解像度「最高」、FPS「60」でも特に問題なくプレイできてます。
ディスプレイ
『Ruler』で測ったディスプレイの描画領域は22.67 × 13.6cmです。文庫版よりも小さいサイズですが、電子書籍を見開き表示で快適に読めます。
ディスプレイというよりは表示のことになりますが、AGM PAD P1は初期状態だとスマホ向けのUIがそのまま10.36インチに拡大されたような表示になります。文字の大きさ等もかなり大きいのですが、設定で小さくしようとしたら初期状態で「最小」でした。
開発者向けオプションを表示し、最小幅を600以上にするとタブレット向けUIになります。私はいくつか試して最小幅を800にしました。だいぶタブレットっぽくなります。
Widevine
なお、WidevineのセキュリティレベルはL3です。なのでAmazonプライムビデオやNetflixでHD再生でません。
システム
AGM PAD P1は基本的に大きなカスタマイズがされていない素のAndroidに近いUIです。プリインストールのアプリもGoogle系ばかりで、余計なゲーム等は入ってません。
先述した通り、デフォルトではスマホUIですが、開発者向けオプションで最小幅をいじればタブレットUIになります。タスクバーからの画面分割も使えます。
画面分割して片方でゲーム、もう片方で攻略サイト、というのもこの画面サイズなら実用的です。
バッテリー
AGM PAD P1のバッテリーは7,000mAhです。スマホに比べると遥かに大きいですが、タブレットだと極端に大きいわけではありませんね。
輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで10時間21分でした。10時間は超えているので最低限以上には良いですが、まぁ普通程度ですね。
AGM PAD P1の良かったところイマイチなところ
AGM PAD P1を使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめます。
- ミドルレンジ級でサクサク
- Android 13なのでタブレット向けUIが使える
- 防水性能、GPS、コンパス機能
- 開発者向けオプションでいじらないとデカいスマホ
- WidevineレベルがL3
- 防水キャップの開け締めが面倒
- 生体認証がない
割とサクサクで使えるタブレット
ミドルレンジのタブレットというのがそこまで種類あるわけではないので、適度にサクサクで比較的安価で手に入るのは嬉しいところです。Android 13なのでタブレットUIが使えますし、Android 12までよりは使いやすくなっています。
ただ、タブレットUIが開発者向けオプションをいじらないと出てこないので、これはなかなか厳しいです。普通の人は開発者向けオプションなんて開きませんからね。(隠し項目ですし…。)
防水タブレットだけど、キャップの開け締めは面倒
IP68/IP69Kの防塵防水性能があるので、水には強いです。耐衝撃などがあるわけではないでタフネススマホ系ではありませんが、キッチンなどでも気兼ねなく使えます。
ただ、この防水のためにUSBポートやSIMスロットに防水キャップがあるのが難点です。充電のたびにこれを開け締めするのはかなり面倒。昔はスマホでもこういった部分に蓋があるのは珍しくもありませんでしたが、今ではもう面倒なだけです。
生体認証がない
AGM PAD P1は指紋認証も顔認証も対応していないので、ロック解除は毎回パターンなどの入力が必要です。
まとめ:
サクサク使える性能があり防水、Android 13など良いところがありますが、防水キャップや生体認証の部分など面倒な部分もハッキリしたタブレットです。自分の使い方で合うかどうかしっかり考えた上での購入が大事ですね。
性能的には悪くないので、1万円台の激安タブレットでは不安という人にはちょうどいいかもしれません。用途をよく考えましょう。
参考情報
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。