Xperia Ace III レビュー:意外と使えてしまうエントリークラスとしては必要十分なXperia
ソニーのXperia Ace III(ワイモバイル版)を購入し、しばらくメインスマホとして利用してきました。比較的コンパクトな本体は手によく馴染み、エントリーモデルながら意外とメインスマホとして使えてしまいました。
実際にしばらく使ってみてXperia Ace III の良かったところ、イマイチだったところをレビューしていきます。
目次(見たいところからチェック!)
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概要と外観
Xperia Ace IIIは、ソニーのXperiaシリーズの中でも2022年のエントリーモデルになります。比較的コンパクトでマットなテクスチャーの背面が特徴。
ドコモ・au・ワイモバイルから販売されており、ブラック / グレー / ブリックオレンジ / ブルーの4色あります。私はワイモバイル版のブリックオレンジを購入しました。
- コンパクトで背面に特徴のあるエントリークラスXperia
- Snapdragon 480, RAM:4GB, ストレージ64GB(microSDカード対応)
- ディスプレイは5.5インチのHD+
- IPX5/IPX8の防水、指紋認証、おサイフケータイ、eSIMに対応
- 価格は3.1~3.4万円程度
エントリーモデルということもあり、ベゼルは割と太めです。使っていれば気にならないですけどね。背面のオレンジが枠のようにチラ見しているのは、そのカラーを選んだかいがあって好きです。
その背面はマットでザラザラした感触です。SONYの部分はデボス加工になっています。ワイモバイル版はキャリアロゴや型番がありません。
ブリックオレンジは赤土のような自然の温もりを感じる
カラーをイメージした色です。このザラザラした質感がとてもGoodです。おもちゃ感がないわけではないですが、安っぽさは感じません。
また、カメラ部分はむしろ一段凹んでおり、机の上においても触ってもガタガタしません。
下側面にUSBポートとスピーカー、上側面にイヤホンジャックがあります。
右側面に音量ボタンと指紋センサー兼用の電源ボタン。ここだけ黒くワンポイントになってます。Xperiaの上位機種にあるシャッターボタンはありません。Googleアシスタントボタンもなしです。
左側面にはSIMスロット。ピンのいらないタイプです。ただ、ここもちょっとだけ凹んでおり、爪を差し込まないとならず、ちょっと怖いです。
SIMトレイは片面にnanoSIM、反対側にmicroSDカードが入ります。eSIMも対応しており、nanoSIMと併用してDSDVできます。
スペックとパフォーマンス
Xperia Ace IIIの主なスペックは以下のとおりです。
OS | Android 12 |
---|---|
CPU | Snapdragon 480 5G Mobile Platform |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
外部メモリ | microSDXC (最大1TBまで) |
ディスプレイ | 5.5インチ 1,496×720 (HD+) |
メインカメラ | 13MP/F値1.8 |
フロントカメラ | 5MP/F値2.2 |
バッテリー | 4500mAh |
サイズ | 約140 × 69 × 8.9 mm |
重量 | 約162g |
生体認証 | 指紋 |
防水防塵 | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
SIM | nanoSIM / eSIM |
その他 | おサイフケータイ |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク
AnTuTu Benchmark(v9.4.4)での結果は3回の平均で300,926点。3回連続でテストしてもポイントは大きくは下がリませんでした。30万点というのは、2022年のエントリークラスとしては良い方で、ミドルよりは劣ります。過去の端末で言えばSnapdragon 660あたりを搭載した端末よりは確実に上です。
その他ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v9.4.4)が385,177点、Geekbench 5がシングルで507点、マルチで1,599点、3DmarkはWild Lifeで986点、PCMarkのWork 3.0 performanceは7,172点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
AQUOS wish2 | SD 695 4GB |
347206 | 673 | 1805 | 1219 | 6578 |
Xperia 10 III | SD 690 6GB |
347097 | 591 | 1742 | 828 | 8075 |
Xperia Ace III | SD 480 4GB |
297106 | 507 | 1599 | 986 | 7172 |
AQUOS wish | SD 480 4GB |
285207 | 502 | 1466 | 978 | 6578 |
Unihertz Jelly 2 | Helio P60 6GB |
192071 | 299 | 1450 | 647 | 7094 |
操作感
実際に購入してからしばらくメインで使い、途中別のスマホに替え、そのレビューが終わった後にまたXperia Ace IIIをメイン機として使ってきました。合計で1ヶ月以上は使っています。
最初は意外とキビキビ動く印象でした。ただ、さすがにエントリークラスなのでミドル以上のスマホと比べると劣るのは実感できます。1週間くらいするとその動きにも慣れてきました。
RAMが4GBと小さいので、複数のアプリを切り替えるのは弱いです。買い物にて、「Google PayでTカードを表示して、読み取ってもらったらau PAYに切り替えてコード払い」という流れがよくあったのですが、このアプリの切替で読み込みに時間がかかってしまうことがよくありました。
高負荷なゲームなどをやらず、電話やメッセージのやり取りなど「ごく基本的なことだけできればいい」というだけならば、これで大きな不満はない(満足ではないと思うけど)くらいに収まります。
指紋認証
Xperia Ace IIIの指紋センサーはサイドに電源ボタン兼用であります。センサーに触れてから一呼吸空けて画面がつく(ロック解除される)ので、速いとは言えません。センサーが働いてるのかわからないくらいに遅い、なんてことはないので使う人の余裕次第ですね。
カメラ
カメラのUIはシンプルです。デジタルズームの2xのようなボタンがないのは残念です。静止画のサイズは4:3のほかに16:9、1:1、19:9の4種類あります。
実際に取った写真のサンプルをどうぞ。(サイズを縮小してます。)
昼間は映えすぎない自然な雰囲気で撮れます。若干暗い気がしないでもないですが。
まぁ撮る人の腕次第なところも。
ご飯。ちゃんと考えて撮らないとあまり美味しそうには見えません。
夜景はちょっと弱いですね。カメラに力を入れてるスマホではないので、仕方ありません。記録としては十分撮れるので、夜景を美しく撮りたければもっと上位のスマホ(カメラ)にすればいいのです。
エントリークラスのスマホにカメラ性能をそこまで求めてはダメですね。昼間であればそれなりに撮れるのでそれ以外のシチュエーションに気をつければ。
今回撮った写真をまとめてGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はどうぞ。
バッテリー
Xperia Ace IIIのバッテリーは4500mAhです。このサイズとしては比較的大きめのバッテリーを搭載しています。実際、使っていてもバッテリーの持ちは良いです。
Xperiaのスマホに搭載されている「いたわり充電」もあります。これは毎日の充電を学習し、朝起きる少し前に100%になるように調整してくれます。(100%の状態が長時間続くとバッテリーの寿命を縮めるため。)また、通常の充電でも90%または80%で充電を止める設定もあります。
Xperia Ace IIIの良かったところイマイチなところ
Xperia Ace IIIをしばらく使ってみての良かったところ、イマイチだったところをまとめます。
- 手に馴染むサイズと重量
- 背面のテクスチャー加工は傷が目立ちにくく質感も良い
- 意外と使えてしまう性能
- いたわり充電でバッテリーに優しい
- RAMの少なさでアプリの切り替えに鈍さ
- カメラは価格相応
- ひと呼吸空く指紋センサー
- 性能に対して価格は高めか
操作感のところでも書きましたが、意外と使えてしまうエントリースマートフォンでした。私の場合、ゲームは別のスマホでプレイしてますし、メイン機でやるのは電話やメッセージ、Twitterなどが主です。スマホにゲームやカメラを求めない、楽しさよりも最低限の実用を求めるのであれば、これで十分ではないかと思いました。
欠点としてはRAMの少なさでアプリ切り替えでもたつきや読み込みがあること、カメラの性能といったところがあります。まぁこのあたりはエントリークラスなので。サクサクがよくてこれまでもミドル以上を使っていた人が選ぶスマホではありません。
最近は2万円台で選べるエントリークラスもあるので、それらに比べると3万円台になるXperia Ace IIIは高めに感じます。買い方しだいでは同じくらいの価格でミドルレンジモデルが買えますからね。「Xperia」に価値を見いだせるのならいいのですが。
まとめ:エントリークラスながら意外と使えてしまうXperia
できればミドルレンジ以上の機種を使ってスマホの楽しさを味わってほしいと個人的には思いますが、そうでない人にはこれで十分というのも理解できます。
今まではエントリークラスといえば基本的な操作でも鈍さを感じるので「最低限の機能さえ使えればいい」という人にもオススメできませんでした。しかしXperia Ace IIIなら、それもアリかな、と思えます。思えてしまいました。わりと複雑な気分です…。
コンパクトさや背面の質感は好きなので、このデザインでスペックアップしたものも欲しいですね。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。