Xperia 5 IV レビュー:手にしっくり来るコンパクトなサイズとバランスよく高性能が良いXperia
Xperia 5 IVを1ヶ月と少しメイン利用してのレビューをお届けします。
横幅67mmのコンパクトなXperiaで、SoCにSnapdragon 8 Gen 1、超広角・広角・望遠のトリプルカメラなど、持ちやすさとハイスペックがうまく両立されたスマートフォンです。
本記事では外観、スペックから実際に撮影したカメラ、指紋認証、バッテリー持ちなどについて良いところ・イマイチだったところどちらも感じたままにレビューしていきます。
- コンパクトで手にしっくりくる
- 日常で使いやすい十分以上のハイスペック
- こだわりたい人に応えてくれるカメラ
- 顔認証なし、21:9ディスプレイなど人を選ぶ部分も
なお、今回レビューした端末はソフトバンク版のXperia 5 IVです。
目次(見たいところからチェック!)
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外観
Xperia 5 IVは約6.1インチの有機ELディスプレイを搭載したスマートフォンです。Xperiaシリーズの特徴でもある21:9のディスプレイなので、普通のスマホよりも縦長に見えます。
背面はマットなフロストガラスを採用。とても上品な印象を受けます。
左側面にはアンテナ線のみ。
右側面に音量ボタンや指紋センサー兼用の電源ボタン、そしてシャッターボタンがあります。
端末下部にはUSBポートとSIMスロット、反対側には3.5mmイヤホンジャックがあります。
SIMスロットはSIMピンを抜かずに開けられるタイプ。トレイの表裏にnanoSIMカードとmicroSDカードがそれぞれ入ります。
持ってみると、そのコンパクトさに、手の収まりの良さに驚きます。横幅67mmしかありません。同じ2022年にコンパクト機として評判が良かったZenfone 9(68.1mm)よりも実は1mm小さいんですね。
背面のフロストガラスは感触も見た目も上品で良いですね。うっとりします。ただ私は背面カメラの出っ張りが嫌いなのでそれを吸収するケースを付けているので普段は見えません。ケースを外すたびに「やっぱりいいなぁ…」と眺めてます。
スペックとパフォーマンス
Xperia 5 IVの主なスペックは以下のとおりです。
OS | Android 12(Android 13のアップデート配信済み) |
---|---|
CPU | Snapdragon 8 Gen 1 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB |
外部メモリ | microSDXC (最大1TBまで) |
ディスプレイ | 6.1インチ (FHD+) 有機EL HDR対応、最大120Hz駆動 |
メインカメラ | 16mm(超広角):有効画素数約1220万画素/F値2.2 24mm(広角):有効画素数約1220万画素/F値1.7 60mm(望遠):有効画素数約1220万画素/F値2.4 |
フロントカメラ | 有効画素数約1220万画素/F値2.0 |
バッテリー | 5000mAh |
サイズ | 約156 × 67 × 8.2 mm |
重量 | 約172g |
生体認証 | 指紋 |
防水防塵 | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
SIM | nano SIM/eSIM(デュアルSIM) |
対応バンド | 5G:n3, n28, n77, n78 4G(LTE):Band 1, 2, 3, 4, 8, 11, 12, 17, 18, 19, 28, 38, 39, 40, 41, 42 |
その他 | おサイフケータイ、ワイヤレス充電 |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク
AnTuTu Benchmark(v9.5.7)での結果は3回の平均で870,251点。3回連続でテストすると10万ほどスコアが落ちました。温度は25.0℃→35.8℃→37.9℃→38.8℃と変化し、最高は39.9℃まで上がりました。なかなか熱くなりやすく、またそれによりパフォーマンスも落ちてきます。
その他ベンチマークの結果は、Geekbench 5がシングルで1,234点、マルチで3,637点、Geekbench 6ではシングル1,693点、マルチ4,010点、3DmarkはWild LifeでMaxed Out、Wild Life Extremeで2,332点、PCMarkのWork 3.0 performanceは15,471点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
Zenfone 9 | SD 8+ Gen1 8GB |
1077264 | 1306 | 4173 | 2797 | 16989 |
ROG Phone 6 | SD 8 Gen1 16GB |
964216 | 1130 | 3494 | 2270 | 12092 |
Xperia 5 IV | SD 8 Gen1 8GB |
935187 | 1234 | 3637 | 2332 | 15471 |
Xperia 1 III | SD 888 12GB |
820364 | 1112 | 3543 | – | – |
Pixel 7 | Tensor G2 8GB |
751217 | 1021 | 3013 | 6524 | 10511 |
- GeekbenchはCPUの性能を、3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
操作感と発熱
Xperia 5 IVは高スペック帯のモデルですし、操作感として引っかかるなど不満を覚えるような事はありません。
ただ、複数のアプリを起動し、位置ゲーム(ドラクエウォーク)を起動しながら散歩の途中でカメラアプリに移動して何枚か撮影したあとにゲームに戻るとタイトル画面から読み直しになっていたことが何度かありました。
なんとなくの感覚でしかありませんが、他機種に比べてバックグラウンドで落ちるのが早い印象です。
発熱については、AnTuTuでベンチマークした結果からわかるように、高負荷な状態ではそれなりに熱くなります。とは言っても持ってられないほど高温になるわけでもありませんし、そういった状況を長時間続けなければ気にならないくらいです。
ディスプレイ
Xperia 5 IVのディスプレイは約6.1インチの有機ELです。リフレッシュレート120Hzで動作し、なめらかに映ります。
前面カメラはノッチやパンチホールではなく上ベゼルのなかにあります。画面四隅の丸みも最小限になっており、画面全体を使うことができます。コンテンツに集中するには、やはりパンチホールなど無い方がいいですね。
画面のアスペクト比が21:9というのはXperiaの特徴でもあります。縦スクロールするようなコンテンツでは1画面の中に表示できる情報量が多いので便利ですが、ゲームなどでは妙な隙間が空いてしまうこともあります。
マルチウインドウにしても1つの画面が正方形以上でそれなりの広さを出せる…などの利点もあり、好みが分かれる点でもあります。
生体認証(指紋認証)
Xperia 5 IVの生体認証は指紋のみです。センサーはサイドに電源ボタン兼用で搭載されています。
反応はめちゃめちゃ早いわけではありませんが、不満に思うほどでもないです。画面を消した直後は反応しないようになっているようで、上の動画でも1回失敗したかのようになってます。
ボタンの反応は「タッチしたとき」と「押し込んだとき」を選択できます。押し込んだときのみにしておけば、誤動作も防げるでしょう。
生体認証としては、顔認証がないのは残念です。
カメラ
Xperia 5 IVのカメラは超広角・広角・望遠のトリプルカメラです。スペック上でも16mm(超広角)、24mm(広角)、60mm(望遠)と焦点距離で表示してあるのがこだわりを感じます。
カメラアプリ『Photography Pro(Photo Pro)』には、通常のスマホカメラのようなBASICモードと、細かい設定ができるAUTO/P/S/MSモードがあります。
BASICモードは通常のスマホカメラと同じようなUIなので馴染みがあります。デフォルトではBASICモードで起動するようになっているので、気軽に撮影するにはこれで十分です。できればBASICでも水準器を表示してほしかったのですが、無いようです。
「AUTO」、「プログラムオート(P)」、「シャッタースピード優先(S)」、「マニュアル(M)」、「メモリーリコール(MR)」モードでは細かく設定できるのでこだわりたい人に向いてます。ただ、画面上のシャッターボタンがなくなり、端末側面にあるシャッターボタンで撮影します。
左下のLensから、レンズの切り替えが可能です。慣れてないと焦点距離で書かれてもピンとこないかもしれませんね。
どんな設定があるのかは、公式の案内を参考にしてください。
BASICかそれ以外かで大きく画質が変わるわけではありません。設定次第ですし、BASICならその設定を自動でやってくれるので楽です。ここぞというとき、こだわりたいとき、本格カメラと同じUIで使いたい場合に切り替えましょう。
実際に撮影した写真をいくつか掲載します。
通常撮影
超広角と望遠
ポートレート(ぼけ)
ポートレートモードというモードがあるわけではなく、自分でボケ具合をスライダーで調節します。ちょっと派手にボケさせるくらいのほうがわかりやすくていいですね。
夜景
撮った写真をまとめてGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はどうぞ。
バッテリー
Xperia 5 IVのバッテリー容量は5,000mAhです。画面の輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで12時間4分でした。これはなかなか良い値です。
いくつかの端末で比べてみると以下の通り。(輝度は同じく100-105ルクスに合わせましたが、必ずしも新品ではないのでただの参考です。)
バッテリー容量 | PCMark | |
---|---|---|
Blackview BV7200 | 5,180mAh | 13h 24min |
Pixel 6a | 4,410mAh | 13h 5min |
Xperia 5 IV | 5,000mAh | 12h 04min |
Pixel 7 | 4,355mAh | 11h 34min |
Zenfone 9 | 4,300mAh | 10h 49min |
実際、普通に使う分には丸1日は十分に持ちます。私の場合はドラクエウォークで歩き回るので画面オンの時間が長く、寝る前には20%を切ってることもありますが…。
ワイヤレス充電
ワイヤレス充電にも対応しています。速く充電したいときはケーブル、ゆっくりでも良いので気軽に充電したいときはワイヤレス、と使い分けられます。
ワイヤレス充電器に置くと上の写真のように置く位置を画面上に表示してくれるのが面白いです。
Xperia 5 IVの良かったところイマイチなところ
Xperia 5 IVを使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。
- 横幅67mmのコンパクトなサイズ感
- 困ることがほとんどないパフォーマンス
- ゲーム中にシステムに直接給電できる
- 顔認証に非対応
- 21:9ディスプレイはやはり長すぎか
- カメラアプリの機能がもう一歩
手にしっくりくるサイズ感が良い
外観のところで書いたように、横幅67mmというサイズがとても良いです。手にしっくりくるサイズです。Zenfone 9が68.1mmなので似たサイズで、縦に長いので表示範囲はもっと広くなります。
ちなみに、縦のサイズは156mmで、これはコンパクト機ではない普通のスマホと似たようなものです。Pixel 7が155.6mmでした。なので、感覚としては普通のスマホの横幅を絞ったもの、というイメージでしょうか。
ゲーム中に直接給電できるのが安心
最近のスマホはゲームモードがあるものも少なくありません。XperiaにもGame enhancerという機能群があります。その機能の中でも私が気に入ってるのは「HSパワーコントロール」です。
充電ケーブルを接続中にこれをオンにすると、システムに直接給電され、バッテリーには充電されません。充電しながらスマホを使うと高温になってパフォーマンスが低下したり、バッテリーの寿命を縮めます。それをこの機能で回避できるというわけです。
ゲームを長時間プレイしたり放置するときにこの機能が便利というか、給電しながらプレイできるので安心です。
好みが分かれそうな細かい不満点
Xperia 5 IVを使ってみて、大きな不満点はありません。ただやっぱり顔認証がなかったり、21:9ディスプレイを活かせる使い方を自分ができてなかったりと細かい不満点はあります。使い方次第、好みの問題でもありますが。
カメラアプリについても、BASICモードをもう少し機能を増やして使いやすくしてくれるとありがたいですね。
まとめ
Xperia 5シリーズは初めて使ったのですが、思ってた以上に手にしっくりくるサイズ感が良いです。コンパクトで持ちやすく、それでいながら縦には長いので表示範囲が広いので、刺さる人には刺さります。
カメラ部分の個性は強いですが、それ以外の部分は標準的で、他のメーカーから移ってきてもすんなり受け入れられるでしょう。尖ったところよりも、安定して高得点、日常的に快適に利用できるスマホです。
端末 | ソフトバンク版Xperia 5 IV 端末単体購入(新トクするサポート)で実質22,008円 |
---|---|
回線 | ahamo |
ケース | Deff Ultra Slim & Light Case DURO(→参考) |
保護フィルム | ミヤビックス「OverLay Plus Lite」(→参考) |
イヤホン | Shokz OpenRun Pro(→参考) |
参考情報
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。