Xperia 10 III SO-52B レビュー:特別尖ったところはないがうまくまとまったスタンダードなXperia

ドコモの夏モデルXperia 10 III SO-52Bを購入して1ヶ月弱ほど使ってきました。感想レベルになりますがレビューをお届けします。

Xperia 10 III SO-52Bは5G対応のミドルレンジモデルで価格は51,480円。ドコモオンラインショップ限定のイエローがとてもいい色をしており、横幅68mmがとても持ちやすくしっくりくるスマホです。

スペックや価格に特に光るものがあるわけではないのですが、ちょうどよくまとまっており普段使いしやすいスマホだと感じました。メインではないかもしれないけど、今後も長く使っていけそうな端末です。

  • 縦横比21:9の6インチディスプレイで横幅68mmは持ちやすい
  • 充分なスペックとパフォーマンス
  • 感じる、Xperia
  • スペックの割に価格が高く感じてしまう
  • Googleアシスタントボタンが他の用途に使えない
  • 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

外観デザイン

21:9の画面だけあって端末自体も縦長です。四隅の丸みが小さいのもあって、全体的に板のような雰囲気があります。カラーはブルー、ホワイト、ブラック、ピンク、イエローとあり、私はドコモオンラインショップ限定のイエローを選びました。

上側面に3.5mmイヤホンジャックがあり、下側面にはUSBポートがあります。スピーカーはフロント側にありますが、右下部分だけのモノラルスピーカーです。

左側面にSIMスロット。この部分だけ微妙に色が濃くて浮いてます。ブラックなどの端末はそれほど色の違いはないのですが、イエローはちょっと気になります。

右側面には音量ボタン、指紋センサー兼用の電源ボタン、そしてGoogleアシスタントボタンです。これまでのXperiaにあったシャッターボタンはありません。ここは残念です。

上下のベゼルが目立ちますが上側はそこにカメラなどがありノッチはないので画面はスッキリしています。

横幅が68mmとコンパクトなのもあって、非常に持ちやすく感じます。求めていたサイズはこれだったんだ、と。イエローのカラーも気に入っており、正面から見ても上下左右に黄色の輪郭が見えるのはわりと気に入ってます。SIMスロット部分の色がちょっとだけ違うのが惜しいですね。

スペック

Xperia 10 IIIはSnapdragon 690 5Gを搭載し、RAMは6GB、ストレージは128GBを搭載したミドルレンジの5G対応スマートフォンです。

ディスプレイは6インチの有機EL、バッテリーは4500mAhあります。おサイフケータイにも対応し、防水機能もバッチリあります。

主なスペックは以下の通り。

OS Android 11
CPU Snapdragon 690 5G Mobile Platform
RAM 6GB
ストレージ 128GB
外部メモリ microSDXC(最大1TB)
ディスプレイ 約6.0インチ 1080×2520(FHD+)有機EL
メインカメラ 16mm(超広角):有効画素数約800万画素/F値2.2
27mm(広角):有効画素数約1200万画素/F値1.8
54mm(望遠):有効画素数約800万画素/F値2.4
フロントカメラ 有効画素数約800万画素/F値2.0
バッテリー 4500mAh
サイズ 約68×154×8.3mm
重量 約169g
防水・防塵 IPX5/IPX8, IP6X
生体認証 指紋
おサイフケータイ
対応周波数 5G:n78/n79
4G(LTE):Band 1/3/5/12/19/21/39/42

より詳しいスペックはドコモまたはソニーのページをご覧ください。

パフォーマンス

Xperia 10 IIIはミドルレンジモデルで、動きはスムーズで引っかかることはありません。まぁ最近のミドルレンジはだいたいどれも大きな不満のない動きを見せてくれますね。

ゲームも高スペックを要求してくるものでなければ普通にプレイ可能です。『原神』だって大丈夫(でも画質は「低」がデフォルト)です。まぁあくまでミドルレンジなのであまり期待はしない方がいいですが。

ベンチマーク

各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v9.0.12-OB)が347,097点、Geekbench 5がシングルで591点、マルチで1,742点、3DmarkはWild Lifeで828点、PCMarkのWork 3.0 performanceは8,075点でした。

似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi PERF BATT
Mi 11 Lite 5G SD 780G
6GB
523616 806 2438 3126 10712 11h 36m
OPPO Reno5 A SD 765G
6GB
375310 618 1757 1684 8995 11h 08m
Pixel 5 SD 765G
8GB
368366 598 1531 933 9316 12h 16m
Xperia 10 III SD 690
6GB
347097 591 1742 828 8075 15h 39m
Pixel 4a SD 730G
6GB
342514 552 1643 1008 8515 11h 24m

そのほか、当サイトでレビューしてきた端末のベンチマーク結果は以下のページにまとめています。こちらも参考にどうぞ。

ディスプレイ

Xperia 10 IIIのディスプレイは約6インチで1080×2520ピクセルのFHD+の有機ELです。近年、ほかのメーカーのスマホもだんだん縦に伸びてきていますが、それでも21:9のXperiaはかなり縦長の印象があります。

ノッチがなく、四隅の丸みも小さいので、ほぼ全画面が表示されます。ノッチがないのでステータスバーも細いままなのは嬉しいところ。

画面設定では画質を「オリジナルモード」と「スタンダードモード」で変更できます。ホワイトバランスについても自分でカスタマイズ可能です。

サウンド

Xperia 10 IIIのスピーカーは端末の下の端、その右側のみのモノラルです。ただフロント面にあるので、ゲームなどで横向きに持っても指で塞いでしまうことはありません。

ワイヤレス接続ではaptX、aptX HD、SBC、AAC、そしてLDACに対応しているので、対応するヘッドホンなどを持っていれば高音質で聴くこともできます。

バッテリー

Xperia 10 IIIのバッテリーは4,500mAhです。なかなか多い方で、実際の電池持ちも悪くありません。PCMarkのWork 3.0 battery lifeテストでは15時間39分と、ほかのスマホに比べてもかなりの長時間のスコアを出しました。

急速充電はPower Delivery 3.0に対応しています。

バッテリーの寿命を伸ばす機能としては、Xperiaではおなじみの「いたわり充電」があります。これは夜など長時間充電器に接続するときに、まず90%程度まで充電して、そこで一度ストップし、満充電目標時刻にちょうど100%になるように充電が再開されます。

Xperia 10 IIIでは寿命をより伸ばすため、90%程度までまたは80%の時点で充電を止める機能もあります。(この設定でも約1ヶ月に1度は電池性能の確認のために自動で満充電されます。)

カメラ

Xperia 10 IIIのカメラは1200万画素の広角をメインに800万画素の超広角と望遠を加えたトリプルカメラです。上位モデルにある『PhotographyPro』はXperia 10 IIIにはなく、まぁ普通のカメラです。ほかのメーカーのような派手さはなく、印象よりも現実、というような写りだと感じました。

以下、いくつか撮影したものを載せます。(サイズは変更してます。)

実際はもう少し明るかったように思いますが、微妙に暗く写る印象です。

夜のショッピングモール。明るいところは思いっきり白飛びしてますね。

ナイトモードで撮ると暗いところは明るく、明るいところの白飛びもある程度抑えられています。とはいえ、やはりカメラ自慢なスマホに比べるともう一歩といったところです。

私の仕事部屋です。超広角は大きな建物や景色をダイナミックに写し出すのにも使えますが、こうした室内で範囲を広く撮るのにも便利です。

私のように特に何も考えずに撮る人だとSNSなどのシェアするときには何かしら加工が必須になるかなぁ、といった感想です。日常の記録なら問題ないと思います。

このほか、撮影した写真をGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はご覧ください。

生体認証

Xperia 10 IIIの生体認証はサイドの電源ボタン兼用の指紋センサーのみです。反応自体は悪くないのですが、ときどき失敗します。

顔認証もないのはちょっと残念ですね。

Xperia 10 IIIの良かったところイマイチなところ

Xperia 10 IIIを使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。

良いところ
  • 普通に快適に使えるスペックと機能
  • バッテリー劣化を防ぐ充電機能
  • しっくり来る持ちやすいサイズ
  • 全体から、やっぱりXperiaだな、と感じる
イマイチなところ
  • 画面が小さい
  • ジェスチャー操作の戻るが失敗する

普通に快適に使えるスペックと機能

スマホで何をやるか、というのに大きく左右されますが、私には今のミドルレンジの性能で充分です。Xperia 10 IIIもちゃんとミドルレンジとしてまともな性能を持っており、特に困ることはありません。

また、当然のようにおサイフケータイ、防水、SDカードにも対応しています。普通に普段使いできるのはいいですよね。

バッテリー劣化を防ぐ充電機能

近年バッテリー寿命を伸ばすための機能を各メーカーが搭載し始めています。Xperiaは昔からいたわり充電機能を搭載していましたが、Xperia 10 IIIでは90%(または80%)で充電を止める機能も追加されていました。

長く普段使いしたいミドルレンジスマホにこうした機能が搭載されるのはありがたいです。

しっくり来る持ちやすいサイズ

Xperia 10 IIIの横幅は68mmです。XperiaのCompactシリーズの64mmには届きませんが、かなり抑えられており持ちやすいです。手の大きさなど人それぞれなので持ちやすさも人それぞれだと思いますが、私の場合はやはり70mmを超えるときつくなっていきます。

68mmのXperia 10 IIIを初めて持ったときはCompactシリーズを持った時と似たような感覚がありました。もうこの持ちやすさだけで選ぶ理由になります。

ただ、逆に「画面が小さい」というデメリットもあります。6インチという数字だけ見ればそれなりに大きいように思えますが、Xperiaha21:9の縦長ですからね。

Ruler』アプリで実際の画面サイズを測ってみたところ、縦は140mm、横は60mmでした。ちなみに同じ時期のミドルレンジ端末のOPPO Reno5 Aは横幅74.6mmの6.5インチで68mm、Mi 11 Lite 5Gは横幅75.73 mmの6.55インチで68.3mmでした。

たった8mmの差ですが、けっこう小さく感じます。

ジェスチャー操作の戻るが失敗する

これはほかのレビューではあまり見ないので、もしかしたら私の端末特有の問題かもしれませんが、どうもジェスチャーナビゲーションでの「戻る」がうまく行かないときがあります。

ジェスチャーナビゲーションの「戻る」は画面外から内側にスワイプするものです。画面フィルムの段差があるのでそこでひっかかりはあるのですが、それを差し引いても失敗することが多いです。

全体から、やっぱりXperiaだな、と感じる

使っていてふと思ったのは「あ、やっぱりこれはXperiaだ。Xperiaを感じる」ということでした。もっと具体的に説明しろと言われてもちょっと困るのですが、たしかにXperiaを感じるのです。

まぁ私は最近のXperiaはあまり触ってないですし、今回もサイドセンスやポップアップウィンドウなどの機能は使っていないのですが、たぶんそれよりももっと前から続くXperiaの雰囲気がちゃんとXperia 10 IIIの中にあるのだと感じました。

あぁ、やっぱり私、Xperiaが好きなんじゃん。そう思い出せさてくれました。もうちょっと修行して、このXperiaらしさが何からくるものなのか、具体的に言えるようにしたいですね。

まとめ:やっぱりXperiaだな、これは手放したくない

Xperia 10 III SO-52BはたしかにXperiaを感じられるちょうどいい感じのミドルレンジスマートフォンでした。

ミドルレンジという枠で見ると、OPPOやXiaomiのようにかなり安く手に入って性能もある「コスパのいい」ものもあります。それらとそれらとそういった基準で比べてはいけませんね。Xperia 10 IIIは割高に感じてしまいます。でもまぁミドルレンジ5万円は、普通…でいいと思うんですけどね。(OPPOやXiaomiの格安SIMセットが異常なだけです。)

私がXperiaが好きという贔屓目もありますが、私はXperia 10 III気に入りました。レビューしたらそこから使わなくなってしまうスマホも多いのですが、Xperia 10 IIIについては今後も日常的に使っていくと思います。メインスマホではありませんが…。

特別尖ったところがあるものよりも、安定して全体的にまとまったスマホがいい、という方に向いてるスマホだと思います。

参考情報

  • 本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDERの最新情報をお届けします
author icon
orefolder

OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

⇨orefolderの記事一覧