Galaxy Z Fold3 5G レビュー:広がるスマホというより折りたためるタブレット!使いこなせれば強いが、合わなければ宝の持ち腐れ

サムスンの折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold3 5G」を購入し、2ヶ月半ほどメインで使ってきました。自分にとって初めての折りたたみスマホということもあって、なにか新しい体験をもたらせてくれるのでは?という期待があったのですが、むしろうまく使いこなせない自分自身を思い知らされた2ヶ月半でした。

モノとしてはとても良く、うまく使える人が使えば最高のデバイスでしょう。どんな点で私に合わなかったのかも合わせてレビューしていきます。

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たためばスリム、広げればミニタブレット、背面はシックで上品

Galaxy Fold3 5Gは「フォルダブル型」と呼ばれる折りたたみスマホです。開くと7.6インチ、折りたたむと6.2インチの画面で、どちらの状態でも使用できます。開いた状態、閉じた状態、折り曲げた状態で様々な使い方が可能です。

また、Qiワイヤレス充電にIPX8の防水性能、そしておサイフケータイにも対応するのでメインのスマホとしてこれ1台でしっかりと使えます。

開くと7.6インチでミニタブレットという印象。

閉じるとそのカバー部分もディスプレイになっており、そのまま操作できます。このときは6.2インチで、2268×832というかなり縦長です。

開く時は、指の腹で広げようとしても滑ってしまいます。

指を差し込むようにして開けます。このあたり、もう少し開けやすくなるように側面を滑らない素材にするなど改良してほしいところです。

背面側はサラサラとした感触で、反射もしないマットな質感です。ギラギラしない大人の落ち着きがあって気に入ってます。

その他、外観については購入時の記事でも書いてます。

スペックとベンチマーク、使用感

Galaxy Fold3 5GはSnapdragon 888を搭載しRAMは12GB、ハイエンド帯に属するスマートフォンです。性能としては全く文句ありません。

スペック

Galaxy Z Fold3 5G SC-55Bの主なスペックは以下の通り。

(タップで開きます。)
OS Android 11
SoC Snapdragon 888
RAM 12GB
ストレージ 256GB
外部メモリ 非対応
ディスプレイ Dynamic AMOLED(有機EL)7.6インチ 2208×1768 (QXGA+) / 折りたたみ時 6.2インチ 2268×832 (HD+)
メインカメラ 1200万画素(広角)1200万画素(超広角)1200万画素(望遠)
フロントカメラ カバー側:400万画素(広角)
画面内部:1000万画素(広角)
バッテリー 4400mAh
サイズ 約158 × 128 × 6.4 mm(開けた時)約158 × 67 × 14.4 mm(閉じた時)
重量 約272g
防水 IPX8
生体認証 指紋、顔
対応バンド 5G:n78/n79/n257
4G:B1/B3/B4/B5/B7/B12/B13/B19/B21/B28/B38/B39/B40/B41/B42

各キャリアの使用バンド

4Gバンド ドコモ au ソフトバンク 楽天モバイル
1
3
8
11
18(26)
19(26)
21
28
41
42
5Gバンド ドコモ au ソフトバンク 楽天モバイル
n77
n78
n79
n257

ベンチマーク

各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v9.2.7)が812,429点、Geekbench 5がシングルで1,073点、マルチで3,196点、3DmarkはWild Lifeで5,689点、PCMarkのWork 3.0 performanceは13,240点でした。

似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi PERF BATT
Xperia 1 III SD 888
12GB
820364 7h 50m
Mi 11 SD 888
8GB
816017 1111 3577 5791 10h 01m
Galaxy Z Fold3 SD 888
12GB
812429 1073 3196 5689 13240 9h 00m(カバー)
6h 20m(メイン)
ROG Phone 5 SD 888
16GB
810721 1123 3636 5712
Pixel 6 Tensor
8GB
710587 1039 2900 6821 10430 14h 3m

そのほか、当サイトでレビューしてきた端末のベンチマーク結果は以下のページにまとめています。こちらも参考にどうぞ。

使用感はとってもグッド

2ヶ月半ほど使っていて、性能面で不満を覚えたことはありません。スマホでやる大抵のことはスムーズにできます。いくつかゲームもやってみましたが、性能面で引っかかる事はありませんでした。

ゲームは独特な画面比率に対応してるかどうかが重要です。ストラテジーゲームなどは画面が大きくて見やすいのが合ってます。(上の画像はクラフトウォリアーズ

画面が大きいのでブラウザでサイトの更新も(そんなに)苦ではありません。

折りたたみとしての便利機能

フォルダブルの機構を活かした機能もあります。これらをうまく使えばかなり便利そうなのですが、私はいまいち使いこなせてません。

画面分割で3アプリ同時使用

通常のスマホでも縦に分割表示できますが、Galaxy Z Fold3 5Gは左右にも分割できます。ゲームと攻略動画、攻略サイトを全部表示できます。

私は普通のスマホでも分割表示をほとんど使わないのであまり便利さを実感できてませんが、Xperiaで「21:9の縦長だから分割表示が捗る」と言ってる人であればうまく使いこなせるでしょう。

カメラのアングルがより自由に

折り曲げた状態でカメラを使えるので、机の上に置いて固定した状態で撮影したり、ローアングルでの撮影がやりやすくなります。

カメラ以外にも折り曲げた状態でGalaxy Z Fold3 5Gの表示に最適化されたアプリが多くあります。

ケースは使い方によって選びがいがありそう

今回は購入特典でSペンとFlip Cover with Penをもらいました。ただこのケースはいくつか気に入らない部分がありました。

  • フリップ部分を開けると開きっぱなしになって戻らない
  • 机に置いたときにペン収納部分が邪魔(自分の正面に置かなければ適度な角度がついてむしろいいかも?)
  • カバーディスプレイを使うときにフリップが邪魔

まぁ、あくまで私の使い方で合わなかったというだけです。フリップ部分が必要かどうか、Sペンは収納できるかどうか、その位置は?などなど、自分の使い方とこだわりによって最適なケースが変わってきます。そういう意味では、自分にあったケースを探す面白さがありますね。

ディスプレイ

Galaxy Z Fold3 5Gのディスプレイは開いたメインディスプレイが7.6インチ(2208×1768 QXGA+)、折りたたんだカバーディスプレイが6.2インチ(2268×832 HD+)で、どちらも120Hzのリフレッシュレートに対応しています。私は正直リフレッシュレートは気にしないタイプなのであまり恩恵は受けていませんが、そのあたりに敏感な人なら嬉しいところでしょう。

画面はかなり明るく見やすいと感じます。Pixelで見やすい明るさにしてると輝度75%くらいになっているのですがGalaxy Z Fold3 5Gは40%以下でも十分明るく見えます。

メインディスプレイの折り目部分は斜めから見ると目立ちますが、正面から見るとほとんどわかりません。ペンや指で画面をなぞってると存在を感じますが、使ってるうちに気にならなくなっていきました。

独特のサイズ感は良くも悪くも

閉じたときの厚さは16.0-14.4mmです。普通のスマホを2台重ねたようなものですね。

持ってみても確かに分厚く重いと感じます。が、横幅は67.1mmしかなく、適度な厚みのおかげでホールドしやすいとも言えます。

ポケットの中に入れたときもそれほど気になりません。重さ以外は普通のスマホとそう変わらないです。

開いたときのサイズ感はまさにミニタブレット。薄くてベゼルも狭いコンパクトさが癖になる大きさです。電子書籍を読むのに良いです。表示を大きくしなくても文字がちゃんと読めます。

うまく対応できないアプリやサイトも多い

閉じた状態でも広げた状態でも画面比率が独特なので、それに対応できないアプリやサイトも多いです。閉じたときはやはり横幅が狭く感じますし、広げると間延びしたレイアウトになってしまうサイトが多いです。(これを見てこのサイトのレイアウトも調整しました。)

画面を大きく使うコンテンツには向いてると思いますが、スマホ用のコンテンツはやっぱり普通のスマホの画面比率で見るのがいいです。

カメラ

Galaxy Z Fold3 5Gのカメラは背面のメインカメラのほか、メインディスプレイにある画面内フロントカメラ、カバーディスプレイにあるノッチのフロントカメラと3箇所にあります。

カメラの評価のため、というよりも普段の生活の中で撮った写真をいくつか載せておきます。

超広角

夜景

上2つとも夜景モード使用。

通常モードと夜景モードの比較。


そのほか、撮った写真をまとめてGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はどうぞ。

バッテリーは慢心できない

Galaxy Z Fold3 5Gのバッテリーは4,400mAhです。それなりの容量ですが、あまりもちが良いとは言えません。まぁディスプレイが表裏あって、メインディスプレイは大きいですしね。

PCMarkのバッテリーテスト(輝度50%固定)をやったところ、カバーディスプレイの場合は9時間0分、メインディスプレイの場合は6時間20分でした。カバーディスプレイだけで使っていればそこそこ…ですがメインディスプレイを使わなければこの端末を使う意味がないですよね。

ワイヤレス充電がありがたい

Qiワイヤレス充電に対応しています。普段からこれを使ってる私にとっては、もうこれがないとメインにできないというくらい便利。ちなみに、充電中にカバーディスプレイを立てて、充電しながら動画を見る、なんてこともできます。

バッテリーを保護する機能も

バッテリーに負担をかける急速充電をオンオフできたり、充電を85%で止める設定があります。

ライトな使い方をしている私の場合だと、朝85%から寝るときに20-30%程度です。出歩く予定がある時は100%まで充電し、モバイルバッテリーも持ったほうが良さそうです。

私に合わなかったのは何か

Galaxy Z Fold3 5Gは、項目ごとに見ていくと、とても良いスマートフォンです。性能はもちろん、私が必要とするQiワイヤレス充電、防水、おサイフ、大体揃ってます。しっかり使えます。

ただ、それでもやっぱり私には合わなかった、not for meだったなというのが2ヶ月半使っての結論です。普通にスマホを使うなら普通のスマホに戻りたい、と思ってます。

便利機能は使わなければ意味がない

普段は閉じた状態でスマホとして使って、必要があればすぐに広げてタブレットとして大画面を使える。これがGalaxy Z Fold3の良いところです。

だけど私はわざわざ広げてなにかやるという場面があまりありませんでした。外で仕事することもないですし、Googleマップも広いと見やすいというけど広げたまま持ち歩くのは落としそうだし要所要所で広げるのもすぐに面倒になりました。

画面分割が便利というのもありますが、私はそんなにマルチタスクな人間ではないので2つのアプリを同時起動することもありません。

外で何かしらの作業をする、もしくは大画面を使ったコンテンツを楽しむというのならGalaxy Z Fold3は便利なのに、私はそれをしない、するようにもならなかったということです。(そうした何かしらの変化があれば面白いな、と思って購入したけど変わらなかっただけです。)

スマホとしてみると厚さと狭さが気になる

閉じた状態で使うことが多かったのですが、そうしてスマホとして見ると、やはり厚さと画面幅の狭さが気になります。せめて横幅が普通のスマホ程度あったら普通にスマホとしても使えたかな?と思いますが、そうするともっと重くなりますからね。

画面が大きくなるスマホではなく、折り畳めるタブレット

物はいいのにどうにも「私向きではない」を感じてしまったGalaxy Z Fold3、ではどんな人なら向いてるのか。

やはり閉じた状態よりも広げた状態をメインに使う人が向いてるのだと思います。画面が大きくなるスマホではなく、折り畳めるタブレットとして使う人。外で何かしら作業をする人が、スマホとタブレットをひとまとめにしたいと思ったときには適してると思います。

まとめ:自分に合うのかの見極めが大事

私には合わなかったという結論ですが、別に購入したことを後悔してるわけではありません。人に見せたときの反応もいいですしね。何かしら新しい体験ができるのでは?自分の生活に変化があるのでは?という期待があったのが、それを跳ね返すくらいに私が保守的だったということです。

折りたたみ系のスマホはまだまだ価格が高いので、自分に向いてるのかちゃんと見極めてから買ったほうが良いですね。そのためにもレンタルとかあれば体験できていいと思うのですが、そういうのもなかなか無いですよね…。

今後はまた別の普通のスマホをメインに戻します。(普通のスマホに戻って改めてGalaxy Z Fold3の良さを思い知るかもしれない。)端末自体はTwitter等で付き合いがあってこの端末に興味がある人がいれば、貸し出しするのもいいかな、と思っています。

私はどうにも合わなかったということでかなり中途半端なレビューになってしまいました。Galaxy Z Fold3が気に入った!という別のライターでまたレビュー記事を掲載予定なので、そのときはぜひそちらもチェックしてください。

参考情報

本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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