Xiaomiが8月10日、中国本国で新製品発表会を開催し、Xiaomi MIX 4、Xiaomi Pad 5/5 Proなどを発表しました。盛りだくさんの発表となっています。
Xiaomi MIX 4とXiaomi Pad 5はそれぞれMi MIX、Mi Padと呼ばれていたモデルの後継機です。今回から「Mi」がなくなり「Xiaomi」に変わっています。
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Xiaomi MIX 4
Mi MIXシリーズは、初代から代々狭額縁デザインを採用してきたXiaomiのフラッグシップモデル。直近の新製品としてはMi MIX Foldがありますが、折りたたみスマホのため正統後継機ではありませんでした。
スライド式インカメラのMIX 3が2018年秋に登場してから、およそ3年ぶりの後継モデルです。
Xiaomi MIX 4のスペック
OS | MIUI 12.5(Android 11) |
---|---|
SoC | Qualcomm Snapdragon 888+ |
RAM | 8/12GB(LPDDR5,6400Mbps) |
ストレージ | 128/256/512GB(UFS3.1) |
ディスプレイ | 6.67インチ 2400×1080 120Hz AMOLED(FHD+,386ppi,Gorilla Glass Victus) |
メインカメラ | 10800万画素広角(Samsung HMX)+1300万画素超広角+800万画素ペリスコープ望遠 |
フロントカメラ | 2000万画素(Under-displayCamera) |
バッテリー | 4500mAh(120W有線,50W無線急速充電対応) |
サイズ | 約162.65×75.35×8.02mm |
重量 | 約225g |
その他 | IP53防水防塵、X軸リニアモーター、NFC、IR Blaster |
Mi MIXシリーズは、狭額縁デザインもさることながらフラッグシップモデルに相応しいプレミアムな外観もファンをひきつけてきました。今回も期待を裏切ることのない高級感溢れるデザインで、通常のセラミックより30%軽い高純度のナノジルコニア複合材料を使用したユニボディフルセラミックとなっています。
世界で初めて搭載するSnapdragon 888+は、最高3.0GHzに達し、AI性能は23%向上していると謳います。
ディスプレイは6.67インチのAMOLED。解像度は2400×1080で、Corning Gorilla Glass Victusで覆われています。P3色域をサポートし色域も広く、800nit、HDR10+、10bit色深度、Dolby Vision、480Hzタッチサンプリングレートに対応。
そのディスプレイの下には、2000万画素で4in1ピクセルビニングにも対応した画面下フロントカメラ(CUP FullScreen)が収められています。
画面下フロントカメラはXiaomiの第3世代のものが使われており、先んじて画面下フロントカメラを発売したZTEのAxon 20 5Gのように、境界線が分かるようなものではなく、自然な外見になっています。
マイクロダイヤモンドピクセルテクノロジーにより、カメラ部分だけピクセルサイズを縮小し、透過する光を多くしています。回路アレイも再設計され、独自の波形パターンを備えた透明なサブピクセル回路が、光の回折を最小限に抑えています。
Harman/Kardonによってチューニングされたステレオスピーカーを搭載していたり、ハイレゾ(Hi-Res Audio,Hi-Res AudioWireless)認定もされていますから、全画面ディスプレイと相まってコンテンツ視聴も捗りそうです。
リアカメラにはメインに108MPのSamsung HMXが使われており、1/1.33″の大型センサーに7Pレンズ、OISなどを搭載。こちらも4つのピクセルを1つにする4in1ピクセルビニングに対応し、より多くの光を取り込むことができます。13MPの120°超広角カメラは、フリーフォームレンズで歪みを抑えており、8MPの5倍ズームペリスコープカメラにもOISが搭載されています。
バッテリーは4500mAhで有線なら120W、無線でも50Wの超急速充電が可能です。規格としてはQC4、QC3+、PD 3.0に対応しています。10Wの無線リバースチャージにも対応です。
発熱にも配慮していると謳います。
また、Xiaomiスマホとしては初めてUWB(=UltraWide Band、超広帯域無線通信)に対応します。UWBは正確な測位を可能にする技術で、AppleはiPhone11から、SamsungはGalaxy Note 20 Ultra、S21+/21 UltraからUWBを搭載し、両社ともUWB対応の忘れ物防止タグ(Air Tag,Galaxy SmartTag+)でその機能を使うことができます。
色はCeramicBlack、Ceramic Gray、CeramicWhiteの三種類です。
Xiaomiのもう一つのフラッグシップモデルであるMi 11 Ultraと比べると、メインカメラなどはスペックダウン(センサーサイズ)されている印象を受けます。ディスプレイの解像度が画面下フロントカメラで下がるのは仕方ないにせよ、全て最高性能を求めるユーザーには悲しいニュースかもしれません。
しかしその分(?)価格はお手頃です。8+128GB版なら4,999CNY(約86,000円)と、普通のハイエンドモデルの値段!最新技術でてんこ盛りなのに、この価格は心動かされる人も多いのではないでしょうか。
他、8+256GBは5,299CNY(約91,000円)、12+256GBは5,799CNY(約100,000円)、12+512GBは6,299CNY(約110,000円)です。
世界初のUnder-display Camera(=UDC)は、ZTEが発表したAxon 20 5Gでした。しかしディスプレイの表示品質やインカメラの撮影画像はお世辞にも良いとは言えず、課題が残ったままでのリリースでした。
UDCはZTE、Xiaomiの他にOPPOも開発を発表しています。スマホにはノッチかパンチホールが付き物ですが、これからはUDCが主流になるかもしれませんね。
Xiaomi Pad 5 / 5 Pro
Mi Pad 4は、MIX 3と同じ2018年に発表されていました。Snapdragon 660を搭載し、当時のAndroidタブレットとしては比較的高い性能と、8インチという丁度いいサイズ感が秀逸でした。
Mi Padシリーズも、4以降新たな製品がリリースされていませんでしたが、Androidタブレットの人気がにわかに高まる中、遂に後継機の登場となります。
今回のXiaomi Pad 5シリーズはディスプレイが11インチと大きくなり、SoCはSnapdragon800番台になりました。また無印とPro(WiFi版)、Pro(5G版)、といくつかのモデルがあります。
Xiaomi Pad 5 / 5 Pro (WiFi) / 5 Pro (5G)のスペック
Xiaomi Pad 5 | Xiaomi Pad 5 Pro (WiFi) | Xiaomi Pad 5 Pro (5G) | |
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OS | MIUI for Pad (MIUI 12.5, Android 11) | ||
SoC | Snapdragon 860 | Snapdragon 870 | |
RAM | 6GB (LPDDR4X) | 6GB (LPDDR5) | 8GB (LPDDR5) |
ストレージ | 128, 256GB (UFS3.1) | 128, 256GB (UFS3.1) | 256GB (UFS3.1) |
ディスプレイ | 11インチ 2560×1600 LCD (WQHD+,120Hz,275ppi) | ||
メインカメラ | 1,300万画素 | 1,300万画素広角+500万画素深度 | 5,000万画素広角+500万画素深度 |
フロントカメラ | 800万画素 | ||
バッテリー | 8,720mAh (33W急速充電対応) | 8,600mAh (67W急速充電対応) | |
サイズ | 約254.69 × 166.25 × 6.85 mm | 約254.69 × 166.25 × 6.86mm | |
重量 | 約511g | 約515g | 約518g |
Samsungなどの他社に引けを取らないスペックですね。3モデルともディスプレイはLCDですがしっかり120Hz駆動、タッチサンプリングレート240Hzに対応し、HDR10、8bit+2bit、Dolby Visionにも対応します。MIX 4同様、こちらも大画面を活かしたコンテンツ視聴が捗りそうです。
音響も素晴らしく、無印はクアッド、ProはオクタスピーカーでどちらもDolby Atmosに対応。
Xiaomi Pad 5はカスタマイズされたMIUIであるMIUI for Padを搭載します。Mi MIX Fold発表時にSamsungのDeXのような「Desktop mode」を公開していましたが、今回は画面分割やフロートウィンドウがタブレットの大画面に最適化されたMIUIを搭載しています。
私が以前レビューしたGalaxy Tab S7には、Samsung自慢のSペンが付属していました。HuaweiはMatePad向けにHuawei M-Pencilをリリースしています。Xiaomiもこれらに対抗し、Xiaomi Pad 5では4,096段階の筆圧感知に対応したスタイラスペンがサポートされました。別売ですが、240Hzのサンプリングレートに対応しています。価格は349CNY(約6,000円)です。
また、Xiaomi Pad 5ではキーボードカバーもサポート。ポゴピンで接続する方式で、価格は399CNY(約7,000円)です。
Xiaomi Pad 5、気になる価格は最廉価モデル(6+128GB)でなんと1,999CNY(約35,000円)!6+256GBモデルで2,299CNY(約40,000円)です。
上位モデルのXiaomi Pad 5 Proは6+128GBモデルで2,499CNY(約43,000円)、6+256GBモデルが2,799CNY(約48,000円)、最上位の8+256GBモデルが3,499CNY(約60,000円)です。
ペンの使い心地や遅延、MIUI for Padの動作などが気になるところですが、非常によくまとまった製品だなというのが第一印象です。
無印Xiaomi Pad 5ではメモリがLPDDR4Xにグレードダウンされていたり、Wi-Fi 6非対応(Wi-Fi 5止まり)だったりと、よほどのハードユーザーでなければ気にしない/気が付かないところで上手くコストダウンされていると思います。
一方、ハードユーザーの多くがProモデルを選ぶことを見越してか、OISが無く筐体が大きいためブレやすいタブレットであるにも関わらず、50MPの高精細カメラが装備されていたりします。
エンスージアストには、こういった仕様がロマンと分かっていても、惹かれてしまうものがありますよね…