Android版Firefox、アップデートにて大幅な仕様変更：新旧を比較しつつメインブラウザとして数日使ってみた感想

2020年8月19日、Android版のFirefoxアプリにアップデートが適応されていました。アップデート以前の仕様と大幅に異なるため、変化にとまどっている方も一定数いると思います。

今回はその一人でもある筆者が数日を通して使用し、悪いところやいいところをまとめてみました。全体を通してみると、新生Firefoxといった感じです。

アップデート内容

アップデート内容は以下の通りです。

強化型トラッキング防止が既定でオン
タブをコレクションにまとめて整理
タップ 1 つでプライベートブラウジングモード
ナビゲーションバーを下側に配置して体に合わせたブラウジング
いつでもダークモードに切り替え
ピクチャーインピクチャーモードで動画のマルチタスキング
堅牢な独立エンジン GeckoView を搭載
Firefox ブラウザー: 高速、プライベート、安全なウェブブラウザ

アップデート前とアップデート後で比較してみて

UIの大幅な変更

目に見える変更点として、一番わかりやすいものがUIの一新です。

以前のFireFoxは「玄人向け」といった感じで、トップ画面の情報量が多いものでした。今回のアップデートにて乱雑なレイアウトは廃止され、シンプルなレイアウトに一新されました。

利便性を損なってしまったように思えますが、新しく加わった「コレクション」という機能を使えば好きなサイトをトップページに置くことができるので、さほど困らなさそうです。

ツールバー（検索バー）の位置が変更可能に

アップデート前は検索バーことツールバーが上部に固定されていましたが、アップデート後は下部に配置することも可能になりました。

ツールバーの変更は設定→カスタマイズから変更可能です。

使いはじめは「めんどくさいし以前のように上部に配置してつかおう…」なんて思っていました。ところが、新板ではタブ一覧が画面下部から出てくるのでツールバーを上部に配置すると使いにくい…。

小さい端末なら許容範囲内ですが、縦長のAQUOS R5Gだと「タブ一覧ボタン」から「タブのリスト」まで指の距離が増えて、とにかく使いにくいです。

下部に配置したところ、タブ一覧も開きやすくなり、画面下部から指を動かさないでよくなったため、ブラウジングが捗るようになりました。

過去に共有したアプリの履歴は表示されない

これは個人的に痛手とも言える部分なのですが、「過去に共有に使用したアプリが表示」されなくなっています。

以前のバージョンでは共有ボタンの右に最近共有に使用したアプリがあり、ワンタップでそのアプリに共有できたのです。それがアップデートで消され、共有ボタンを押してアプリを選ぶようになってしまったのです。これは数日が経った今でも解せません…。

検索エンジンを追加する場合はクエリーの置き換えが必須

筆者は場合によってGoogleで検索したりAmazonで検索したりと、検索エンジンの使い分けをよく行なっています。

今まではサイト内の検索枠を長押ししたりURLを追加するだけで検索エンジンの追加が可能でした。しかし新バージョンでは検索クエリー文字列（検索のためのURL）を自分で指定しないとなりません。慣れない人だと混乱するかもしれません。

ただ、文字列を全部自分で設定するので、自分で検索パラーメーターをあらかじめ追加できるということでもあります。Amazonの検索で「Amazon.co.jpが販売するもののみ」といったパラメータがあるので、そういった検索をカスタマイズできるのは便利です。

プライベートモードが1タップで開けるのは便利

トップ画面の上部に「プラベートモードに変更するアイコン」が追加されました。

この機能は、履歴に残ってしまうとまずいようなサイトにアクセスする必要があるとき、目の保養をしたくなった時などに重宝しています。

アドオンは公式が認可した9つ以外は使用不可能

Firefoxの本髄とも言えるアドオン機能。
今回のアップデートにて公式が推奨する9つのアドオン以外は使えなくなってしまいました。

Mozilaは今後、アップデートで全てのアドオンに互換を持たせることを検討していますが、先行きは不透明です。

他に気になった点

「adout:config」が無効化されていたりと、ここらへんがなくなってしまったのは残念なところです。また、今回のアップデートでは全体的に高速化されていますが、web閲覧の速度は私が体感できるほどではありませんでした。アプリの動きとしてはサクサクです。

UIは変わったけどすぐ慣れそう

最初こそは「うわー、とんでもない改悪をしてくれたな…」と思っていましたが、実際に数日間使ってみるとそこまで困ることはありませんでした。

冒頭にも書きましたが、親しみやすいUIへ変わった「新生FireFox」と呼ぶのが個人的にはしっくりきますね。