フルスクラッチ系ウォッチフェイスメーカーアプリ比較
数あるウォッチフェイスアプリの中でも、今回は特に、フルスクラッチでフェイスが作れるアプリに絞って比較/紹介します。
PCのデスクトップ然り、スマートフォンのホーム画面然り、スマートウォッチのフェイス然り、とにかく細かく作りこんで行くのが大好き!という人(私か)のお役に立てたら幸いです。
- 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
対象アプリ
下記方法で、比較対象とするアプリを決定しました。
- Google Playを”watch face maker“で検索し、上位10アプリを抽出 →下記リスト
- 上記アプリ群から、基本部品(フェイスの背景・アナログ時計の目盛/針・デジタル時計[*2])をフルスクラッチで作成可能なものを抽出(課金上限は300円) →下記リストの白いレコード
順位 | アプリ名 | インストール/★数 | 価格 | フルスクラッチで作成可能? |
---|---|---|---|---|
1,2 (*1) |
100万以上 3.7 |
無料 (Premiumは880円) |
実質不可能 (画像読込みは有償の上、図形は四角/三角/円の塗りつぶしのみで枠線やエフェクトは有償のため、表現力不足) |
|
3 | 10万以上 4.1 |
192円 | 可能 (図形や画像による部品作成が可能) |
|
4 | 100万以上 4.0 |
無料 (VIPは310円/月) |
可能 (画像による部品作成が可能) |
|
5 | 100万以上 4.0 |
無料 (Plusが550円, Premiumは330円/月) |
可能 (図形や画像による部品作成が可能) |
|
6 |
WatchMaster – ウォッチフェイス
|
50万以上 3.4 |
無料 (Proは$6.99/年) |
実質不可能 (「デザイナチャレンジ」イベントで資格を得た上で、公開を前提に画像セットを提出する仕組み。玄人向け) |
7 | 10万以上 4.5 |
無料 (Premiumは?円) |
不可能 (定型フェイスにおける特定部品の色/インジケータ等が変更できるのみ) |
|
8 | 10万以上 3.4 |
無料 (Premiumは499円) |
可能 (図形や画像による部品作成が可能) |
|
9 | 10万以上 4.1 |
無料 (Upgrade可?) |
不可能 (定型フェイスにおける特定部品の色/フォント/インジケータ等が変更できるのみ) |
|
10 | 10万以上 4.3 |
190円 | 不可能 (アナログ時計の針が自作できず、既定部品の色/太さ等が変更できるのみ) |
アプリ比較
各アプリのファイスエディタが提供する、基本部品の静的/動的表現手段の充実度を軸に(*3)、比較/評価しました。
右上に行くほど、表現手段の選択肢が広がりますが、その分エディタの理解にコストがかかります。やりたいことに見合ったアプリを選ぶのがベター。
画像にプリセットの標準的な動作をさせるだけなら左下、カスタムスクリプトが使いたいなら真ん中、図形+エフェクトを組合せて作成したグループ要素にカスタムスクリプトを定義したいなら右上、となります。
アプリ紹介
各アプリのエディタを紹介します。
MR TIME
- エディタ
- ウィザード調(左図の「背景」「インデックス」「針」…と右方向に定義していく)かつ日本語表記のため、操作は容易。
※保存したフェイスが再編集できないのは私だけ? - 基本部品の静的表現手段
- 画像のみで、図形/エフェクトは使えない。画像は、豊富なプリセットと、自作画像が使用可能。
- 基本部品の動的表現手段
- プリセット(アナログ時計の時/分/秒針)のみで、カスタムスクリプトは使えない。
- インジケータ部品
- プリセットのみで、自作部品は使えない。プリセットは、サブダイヤル(曜日/ムーンフェイス等、天気、ヘルスケア、バッテリー等(右下図)。
- MR TIME – 無料ウォッチフェイスメーカー
-
制作: MR TIME価格: 無料
Watchface Builder
- エディタ
- フェイス上のすべての部品要素をフラットなレイヤーで管理(中上図)。エディタ上で多くの要素を扱わないなら、シンプルで理解しやすい。
- 基本部品の静的表現手段
- 画像とエフェクトなしの図形が使える。画像は、極僅かなプリセットと、自作画像が使用可能。図形は、形/塗り種類が限定的で、図形だけで部品を作るには表現力不足(中下図の「Shape type」)。
- 基本部品の動的表現手段
- プリセットとカスタムスクリプトが使える(右下図の「Rotation」の値)。スクリプトはレイヤー単位で定義(複数レイヤーの座標をまとめて変更する等はできない)。
- インジケータ部品
- プリセットはなく、画像/図形にカスタムスクリプトを定義した自作部品が使える。
- Watchface Builder For Wear OS (Android Wear)
-
制作: Wearable Software価格: 無料
Facer
- エディタ
- 珍しくも美麗なPCのブラウザアプリ。左ペインで編集対象レイヤーを選択し、下/右ペインでレイヤーの実体/属性を定義する(例えば中上図)。ブラウザの翻訳機能でメニューが日本語化できるのが便利。
難点は、レイヤーが増えると非常に重くなること(上記例のロードに30秒かかった by Onemix3+)。 - 基本部品の静的表現手段
- 画像とエフェクト付き図形が使える。画像は、豊富なプリセットと自作画像が使用可能。エフェクト付き図形は、形/塗り/エフェクト種類が限定的で、図形だけで部品を作るには表現力不足(中下図、「脳卒中」はStrokeの誤訳)。
- 基本部品の動的表現手段
- プリセットとカスタムスクリプトが使える(右下図の右上の値)。スクリプトはレイヤー単位で定義(複数レイヤーの座標をまとめて変更する等はできない)。
- インジケータ部品
- プリセットと、画像/図形にカスタムスクリプトを定義した自作部品が使える。プリセットは、天気、センサー(標高/コンパス等)、デバイス(バッテリー/Wifi等)、カスタムコンプリケーション等。
- Facer文字盤Android Wear
-
制作: Little Labs, Inc.価格: 無料
Pujie Black
- エディタ
- ➀既定の部品構造に作成済部品/要素群を割当てる画面(左図の「Analog Clock」「Digital Clock」「Background」等に割当てる) ➁部品/要素群を作成する画面(中上/右上図) を持つ。➁では高度なベクトル編集が可能で、アナログ時計の針/目盛等の金属的な部品は画像を使わずに作れる。GUIはわかりやすいものの、➁が高度な分、使いこなすのに根性が必要。
- 基本部品の静的表現手段
- 画像とエフェクト付き図形が使える。画像は、自作画像が使用可能。エフェクト付き図形は、豊富なプリセットと、➁で作成したベクトル図形が使用可能。
- 基本部品の動的表現手段
- プリセットとカスタムスクリプトが使える(中下図)。スクリプトはレイヤー/グループの両単位に定義可能。
- インジケータ部品
- プリセットと、画像/図形にカスタムスクリプトを定義した自作部品が使える。プリセットは、カレンダー、フィットネス、天気、バッテリー等。
- Watch Face – Pujie Black – Wear OS & Galaxy Watch
-
制作: Pujie価格: 192円 (2020/5/6時点)
まとめ
気になるアプリはありましたか?
各アプリのエディタの特徴を踏まえ、Yes/Noチャートを作ってみたので、参考にしてください。
注釈
- ^WatchMakerは、1位が無料版で、2位がPremium版。
- ^デジタル時計は、表示位置/フォント/サイズ/色/フォーマットが選択できればよいとした。
- ^動的表現手段の充実度をカスタムスクリプトの種類(関数/属性や式の多様性)で測らなかったのは、作品例から、どのアプリも同等/一定以上と判断したため。
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDERの最新情報をお届けします