スマホ×レーシングをイメージしたピーアップ4台目のスマートフォン「Mode1 RR」が1週間前に発表され、本日7月29日より販売開始となっています。実機をお借りしていたので、簡単にですがレビューをお届けします。
特別新しいものや飛び出たものがあるわけでもありませんが、いくつかのポイントでは「おっ」と思うこともあり、価格も含めてありそうでなかった構成のスマホになっています。スマホを何台も使ってきた人には物足りないと思いますが、エントリークラスで満足していた人には次のスマホとしていいかもしれません。
- 主要3キャリアの回線に対応
- 端末側面に電源キー兼用の指紋センサー
- Qiワイヤレス充電にも対応
- 多少のもっさり感
- カメラは期待できない
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Mode1 RR
Mode1 RRはピーアップが2019年7月に発売した、Mode1シリーズの4台目となるスマートフォンです。スマホ×レーシングをイメージした前作Mode1 RSの後継機に当たり、「空気のように、生活の一部となって普通に使えるスマートフォン」を目指して作られています。なお、RRはダブルアールと読みます。
SoCにMediaTekのHelio P22を搭載し、RAMは4GBで内部ストレージは64GB、MicroSDカードに対応。ディスプレイは6.3インチのFHD+(2340 x 1080)です。バッテリーは3,200mAh、ドコモ・au・ソフトバンクの3社のバンドに対応し、DSDV対応となっています。
その他、主なスペックは以下のとおりです。
OS | Android 9 |
---|---|
CPU | Helio P22 4Core(2GHz) + 4Core(1.5GHz) 8コア |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
外部メモリ | microSDXC (最大256GBまで) |
ディスプレイ | 6.3インチ 2340×1080 (FHD+) |
カメラ | 背面:1600万画素+200万画素 前面:2000万画素 |
バッテリー | 3200mAh |
サイズ | 約156.4 × 74.9 × 8.5 mm |
重量 | 約178g |
ネットワーク | 2G:850MHz / 900MHz / 1800MHz / 1900MHz CAT:CAT6 ▼ドコモ系 3G:Band 1/6/19 4G:Band 1/3/19/28B ▼ソフトバンク系 3G:Band 1/8 4G:Band 1/3/8/28B ▼KDDI系 4G:Band 1/26/28B/41 |
Wi-Fi | 2.4GHz / 5GHz(802.11 a/b/g/n/ac) |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
スマホ×レーシングをイメージした端末デザイン
Mode1 RRはスマホ×レーシングをイメージしてデザインされています。背面がMode1シリーズでおなじみのカーボンテクスチャ、側面がアルマイトレッドをイメージしています。カラーは上の画像のブラックのほかホワイトも用意されています。
背面にを傾けるとガラスに反射した光がラインとなり、うまく合わせると十字を描きます。
ディスプレイは6.3インチで、上部にはしずく型のノッチがあります。OSバージョンはAndroid 9ですが、ナビゲーションバーはAndroid 8.1までの3つボタンがあるタイプです。
端末右側面には指紋センサーを兼用した電源ボタンがあります。このほかのボタンは音量キーのみで、スッキリした見た目です。
背面カメラはわずかに出ている程度。端末上部にはイヤホンジャックもあります。
内容物はMode1 RR本体のほか、TPUケース、USBケーブル、SIMピン、SIMアダプタ、マニュアル類です。USBケーブルもイメージに合わせてメタリックレッドになっているところにこだわりを感じます。
サイド配置の電源兼指紋センサー
Mode1 RRのサイドには指紋センサー兼用の電源キーがあります。かつてのXperiaのようで、個人的には嬉しいポイント。
ただ、その動作や精度はゆったりしたもので、触れてから画面が点灯するまでに一呼吸空きます。位置的には右手で持った時にちょうど親指がかかりますし、机の上に置いたときも持ち上げるのに丁度いい位置にあるので便利なんですけどね。
DSDV対応
Mode1 RRはSIMが2枚入り、どちらもVoLTE対応のDSDV(Dual SIM Dual VoLTE)対応です。ドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアのバンドにもしっかり対応。
SIMトレイはMicroSIMとnanoSIM(MicroSDカード兼用)です。始めからAndroid 9で出荷される端末でMicroSIMが入るというのはかなり珍しいです。これは簡単にSIMサイズを切り替えられない法人の需要に応えた形だということです。古くから格安SIMを使い続けている人でも、MicroSIMのまま、という方はいるのではないでしょうか。私もまだ1枚MicroSIMがあります。
SIMアダプタが同梱されているので、nanoSIM+MicroSDカードやnanoSIM×2枚での運用も問題ありません。
ちなみに、MicroSDカードは内部ストレージとして使うこともできます。
ベンチマーク
『AnTuTu Benchmark』『Geekbench 4』『3DMark』の3つのベンチマークアプリを使ってみました。
AnTuTuの結果は78,171点、Geekbench4の結果はシングルで839点、マルチで3,612点、3DmarkはSling Shot Extreamで452点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
Antutu | Geekbench | 3DMark | ||
---|---|---|---|---|
Single | Multi | |||
AQUOS Sense Plus SH-M07 | 88787 | 866 | 4191 | 826 |
Atom | 85201 | 802 | 3779 | 444 |
Mode1 RR | 78171 | 839 | 3612 | 452 |
Huawei P10 lite | 77035 | 857 | 3341 | 414 |
ZenFone 3 | 76526 | 861 | 4111 | 464 |
実際の動作は、引っかかることはそうありませんが、アプリやページの切り替えといったときに微妙にゆっくりに思えます。イライラするほどではありませんが、ミドルレンジ以上のキビキビした動きは期待できません。重量級のゲームアプリは避けたほうが良いですね。Web閲覧やメール、Twitter等であれば問題はありません。
このほかのスマホのベンチマークも集めて以下のページにまとめてあります。他の機種と比較できるので、こちらも参考にしてください。
⇒ベンチマーク結果まとめ
カメラは微妙…
かんたん気軽に使って欲しいというカメラは設定項目も少なく、かなりシンプル。ただ(MediaTekのSoCを使って特にカスタマイズされてないものはほとんどがそうですが)ピントを合わせるときの音やシャッター音がかなり大きいです。設定が少なすぎてグリッド表示もできないので、本当にとりあえず撮れればいい、といった程度に考えたほうが良さそうです。
いくつか写真を載せておきます。基本的にサイズ調整のみ加工しています。
けっこう、色味が微妙です。ほんの少し、何かがズレているような…。
昼はともかく、夜はかなり弱いです。ノイズもけっこう入りますが、ピントも合わず、かなりぼやけた画像になります。明るいところで撮りましょう。
Qi充電も対応のバッテリー
バッテリーに関しては、そこまで使ってないのでなんとも言えませんが、減りが早いとも遅いとも感じませんでした。ガッツリ使うことがなければ、普段使いで1日は大丈夫じゃないでしょうか。
Mode1 RRはQiワイヤレス充電に対応しています。こういった価格帯のスマートフォンでQi充電に対応しているのは、少なくとも日本では珍しいです。Qiは使うと便利なのですが、それ用に充電機器も用意しなくてはならないのでコストのためにカットされることも多いのですが、ユーザーにとって「簡単であること」を優先させた結果の搭載です。ワイヤレス充電を他の端末でも活用している身としてはここは評価したいところです。
ソフトウェア
Mode1 RRの中身について見ていきます。
ホーム画面とプリインアプリ
ホーム画面とプリインストールのアプリはシンプルです。必要最低限といったところですね。
設定はわかりやすい
設定画面もほぼ素のAndroidです。一部MediaTek系SoC独自のものが入っていますが、わかりにくいところもなく使いやすいと言えます。
通知画面なども含めてほぼ素のAndroidではありますが、目立つところではナビゲーションバーがAndroid 8.1までのものに変更されています。これはまだAndroid 9のピルボタンは慣れてない方が多く、店に来た人に説明する際にも従来のもののほうが簡単でわかりやすいことからだそうです。
APNリストも充実
なるべくわかりやすいように、ということでSIMを入れたときのAPNリストも最初から数多く登録されています。主要なものはだいたい入ってるのではないでしょうか。
レーシングサウンドを収録
スマホ×レーシングをイメージしているだけあって、Mode1 RRの着信音には独自のものが多く収録されています。どれもレースをイメージした爽快なもので、一部は公式サイトで試聴やダウンロードが可能です。
まとめ:尖ってないけど普通の人が普通に使えるスマホ
約3万円のスマホですが、最低限使える性能(エントリーからミドル)はあり、主要3社のどの回線でも使えるDSDV、Wi-Fiは2.4GHzと5GHzのどちらにも対応、さらにQiワイヤレス充電まで使えるというスマートフォンです。どれも尖った機能ではありませんが、普通に使えるバランスの良さがあります。
ハイエンドやミドルハイの端末に慣れていると多少のもっさり感がありますが、まぁ値段も考えれば許容範囲でしょう。発表会で社長が言っていたように、普通の人が普通に使えるスマホです。(逆にスマホ好きで何台も買ってるような人には向きません。)テルル店頭で購入できる端末なので、店でのサポートも期待できますね。
Mode1はシリーズ4作目で、着実に進化している感触があります。テルルというケータイショップでの販売とサポートの経験が蓄積され端末に活かされているのが強みですね。今後にも期待が持てます。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。