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格安SIM (MVNO) 速度比較 : 2017年12月その1 止まらないUQ mobile、そして止まったのは

MVNO・格安SIMの定期速度測定、2017年12月編その1です。

キャリアに比べて通信料金が安くて人気な「格安SIM」ですが、その種類によって速度や使いやすさ、機能は異なってきます。その中でも最もわかりやすく比較できる重要なものが「速度」です。orefolderでは月に2回、主だったMVNOのSIMをスピードテストアプリを使って実際に速度を比較しています。あくまで個人レベルでの測定になりますが、格安SIM選びの参考になれば幸いです。

今回の測定に使用したSIMは21種類です。

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ざっくりしたまとめ

このあとの記事は長いので、先にざっくりとまとめておきます。面倒な人はここだけ読めばOKです。

測定方法

測定は以下のようにして行いました。

日時 2017年12月5,6日(5日12時・18時、6日8時・12時の4回実施)
場所 茨城県つくば市
測定アプリ Speedtest.net
4Gmark
測定方法 SIMごとに3回ずつ測定し、その平均を値とする。それとは別に昼に4Gmarkでのフルテスト
使用端末とSIM BIC SIM……KIWAMI
エキサイトモバイル……Xperia XZ
イオンモバイル1……Galaxy S8
イオンモバイル2……arrows Be
LINE MOBILE……Xperia X Compact
OCN……ZenFone 3
BIGLOBE(D)……ZenFone 5
NifMo……Liquid Z530
楽天モバイル……Desire 626
b-mobile……ZTE Blade V6
FREETEL SIM……MIYABI
DTI SIM……Huawei P9
ロケットモバイル……Priori 3S
nuroモバイル……Xperia Z3 Compact
mineo(D)……Tommy
mineo(A)……Galaxy S5
UQ mobile……AQUOS serie mini SHV33
IIJmio(A)……ZenFone Go
BIGLOBE(A)……ZenFone 3
ワイモバイル……Robin
b-mobile S……Nexus 5X

測定の正確さや意義について

さすがに端末1台で21枚のSIMを入れ替えするのは困難なので、複数の端末を使っています。違う端末を使っては比べる意味が無いとお考えの方は、そういうものとして見てください。

また、測定用アプリや測定環境など、もっと正確なものがあると考える方もいらっしゃるでしょうが、ある程度の妥協を重ねて今の形になっています。これらについても、意味が無いとお考えの方はそういうものとして見てください。
(基本的に、多くの人が使っていて自分の場合と比べやすく、またパッと見で分かりやすいものを選んでます。正確性などを考えればもっとやり方はありますし、そうやっているサイトもほかにたくさんあります。ぜひそういったより正確なデータもご覧ください。)

測定アプリについて

現在は『Speedtest.net』と『4Gmark』の2つのアプリを使って測定しています。『Speedtest.net』は広く使われているメジャーな測定アプリです。しかし、このアプリだけだと実際の利用における体感速度と離れた結果が出る格安SIMが出てきました。

『4Gmark』のフルテストはYouTube動画やウェブページなどの読み込みをテストに組み入れており、より実際の使用環境に近い形でのテストが可能です。ただし通信量も多いので、当サイトの測定では『4Gmark』は昼に1回のみ行っています。

前回からの変更点など

前回⇒格安SIM (MVNO) 速度比較 : 2017年11月その2 安定のUQ mobile、踏みとどまるLINEモバイル

朝:8時20分~30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
BIC SIM(IIJ-D) 3.51 4.08 100.7
エキサイトモバイル 3.43 4.59 90.7
イオンモバイル1 2.77 3.14 97.0
イオンモバイル2 6.87 3.90 34.3
LINEモバイル 8.75 5.66 87.0
OCN 4.79 2.80 50.0
BIGLOBE-D 3.75 5.60 43.7
NifMo 5.50 3.78 65.7
楽天モバイル 6.84 3.59 54.7
b-mobile 4.60 1.72 48.7
FREETEL SIM 3.24 3.91 110.0
DTI SIM 5.67 9.42 37.3
ロケットモバイル 15.87 8.80 38.3
nuroモバイル 8.96 3.41 60.7
mineo(D) 3.48 4.78 111.0
mineo(A) 4.61 3.29 81.7
UQ mobile 38.36 1.19 29.0
IIJ-A 0.60 3.67 161.0
BIGLOBE-A 9.22 2.02 32.0
ワイモバイル 24.66 6.55 22.0
b-mobile S 49.31 10.47 35.5

朝は通勤時間帯ということもあり比較的混雑する時間帯です。
ですが最近は各社ともこの時間帯の速度が上がっており、多くの格安SIMで問題ない速度が出ています。3Mbps以上出ていれば特に不満なく通信できていることでしょう。

昼:12時20分~30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
BIC SIM(IIJ-D) 0.57 2.05 108.3
エキサイトモバイル 0.48 2.12 89.7
イオンモバイル1 0.48 6.50 97.7
イオンモバイル2 0.93 3.85 34.0
LINEモバイル 0.33 4.01 111.7
OCN 0.75 1.72 56.0
BIGLOBE-D 0.44 8.42 36.7
NifMo 0.90 1.36 73.3
楽天モバイル 0.83 4.19 52.3
b-mobile 0.83 1.19 37.0
FREETEL SIM 1.19 2.95 150.0
DTI SIM 0.54 8.66 72.7
ロケットモバイル 0.66 3.71 107.7
nuroモバイル 0.49 6.81 143.0
mineo(D) 0.83 2.68 111.3
mineo(A) 0.79 3.69 79.3
UQ mobile 44.83 3.23 28.0
IIJ-A 0.25 2.66 159.3
BIGLOBE-A 7.63 0.45 37.0
ワイモバイル 20.04 7.57 22.7
b-mobile S 27.55 9.72 43.5

平日の昼は、一番速度が落ち込む時間帯です。ここは速いSIMと遅いSIMがはっきり分かれますね。
スマホを使う時間帯は人それぞれですが、お昼休みの時間帯に使うことが多いのなら、この時間帯での速度を重視するといいでしょう。

普通のMVNOなら速度が下がるのですが、MNOのサブブランドを中心に混雑知らずなところもあります。ドコモ系は、もうどこも五十歩百歩ですね。

夕方:19時20分~30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
BIC SIM(IIJ-D) 2.40 2.67 103.3
エキサイトモバイル 2.61 3.18 89.7
イオンモバイル1 2.22 4.62 97.3
イオンモバイル2 14.60 2.35 36.7
LINEモバイル 1.51 9.75 92.3
OCN 1.75 5.01 51.7
BIGLOBE-D 3.98 4.11 40.3
NifMo 5.83 2.49 53.7
楽天モバイル 2.37 2.05 56.0
b-mobile 1.06 2.56 54.0
FREETEL SIM 2.43 6.10 96.0
DTI SIM 2.22 7.14 77.3
ロケットモバイル 4.92 6.40 94.7
nuroモバイル 8.90 5.68 68.3
mineo(D) 3.58 6.55 112.0
mineo(A) 3.25 4.52 76.3
UQ mobile 43.21 5.52 28.7
IIJ-A 1.16 0.94 138.7
BIGLOBE-A 3.61 0.48 29.3
ワイモバイル 13.08 2.28 22.0
b-mobile S 36.09 12.63 18.5

この時間帯もやはり速度が出ません。だいたい昼と同じような傾向でそれよりは良くなっている感じです。

時間帯別グラフ

DOWN 8時 12時 18時
BIC SIM(IIJ-D) 3.51 0.57 2.40
エキサイトモバイル 3.43 0.48 2.61
イオンモバイル 2.77 0.48 2.22
イオンモバイル2 6.87 0.93 14.60
LINEモバイル 8.75 0.33 1.51
OCN 4.79 0.75 1.75
BIGLOBE-D 3.75 0.44 3.98
NifMo 5.50 0.90 5.83
楽天モバイル 6.84 0.83 2.37
b-mobile 4.60 0.83 1.06
FREETEL SIM 3.24 1.19 2.43
DTI SIM 5.67 0.54 2.22
ロケットモバイル 15.87 0.66 4.92
nuroモバイル 8.96 0.49 8.90
mineo(D) 3.48 0.83 3.58
mineo(A) 4.61 0.79 3.25
UQ mobile 38.36 44.83 43.21
IIJ-A 0.60 0.25 1.16
BIGLOBE-A 9.22 7.63 3.61
ワイモバイル 24.66 7.63 13.08
b-mobile S 49.31 20.04 36.09

UQ mobile、b-mobile S、ワイモバの3つはあいかわらず速いですね。UQとワイモバは分かるのですが、b-mobile Sがこんなに速い(しかもそれを維持している)のはちょっと意外です。BIGLOBE-Aもドコモ系よりは速い、という位置を安定して維持しています。

ドコモ系のみ集めてみました。グラフの上限を15Mbpsとしたので一部は見切れていますが…。快適な通信のためにも、常に3Mbps以上出ているといいのですが、なんとも難しいものですね。

どうにも、ここ最近は抜き出て速いところがないように思えます。昼に2Mbps出てるところがないですし…。まぁ速さで特徴を出すという時代ではないのかもしれません。書くMVNOとも独自の特徴を探り出していますからね。

もう1つ、4GMarkの結果をみてみましょう。

昼:4Gmark結果

POINT DOWN
(Mbps)
UP
(Mbps)
PING
(ms)
YouTube
(s)
WEB
(s)
BIC SIM(IIJ-D) 271 0.5 3 114 TO 12.44
エキサイトモバイル 142 HR 2.6 159 TO 10.81
イオンモバイル1 195 0.2 2.9 119 TO 7.32
イオンモバイル2 626 0.5 2.9 125 33.22 6.98
LINEモバイル 1040 0.3 4.6 TO 11.93 7.39
OCN 70 0.3 2.6 123 TO TO
BIGLOBE-D 270 0.4 7.4 69 TO 11.47
NifMo 190 0.1 3.8 401 TO TO
楽天モバイル 312 0.1 2 60 TO 7.70
b-mobile 117 EC 3.1 283 TO 6.73
FREETEL SIM 138 0.3 3.7 174 TO 12.93
DTI SIM 585 0.1 5.3 74 TO 9.22
ロケットモバイル 234 0.4 3.6 126 TO 10.36
nuroモバイル 32 0.3 3.4 163 TO 12.04
mineo(D) 48 0.2 2.5 TO TO TO
mineo(A) 0 0.2 4 1113 TO TO
UQ mobile 19360 43.2 3.3 51 2.88 5.35
IIJ-A 1 0.2 EC 1339 TO 12.96
BIGLOBE-A 1755 6.7 0.6 39 TO 4.97
ワイモバイル 11863 22.3 7.7 75 3.66 3.95
b-mobile S 15968 36.6 5.6 76 2.58 3.71

4Gmarkでは通常のスピードテストのほかにYouTube動画や各種ウェブサイトを読み込んでそれをポイントに反映させます。表中の「TO」はタイムアウトの略で、時間内に読み込み完了できなかったことを示します。昼の時間帯にYouTube動画を読み込みできたドコモ系SIMは少なく、ここがポイントに大きく響いているようです。

なお、この4GMarkでもその値が絶対なわけではないので、適当に考えていたほうが良いとは思います。YouTubeがTOになるかならないかでもだいぶポイント変わりそうですし。ここ数ヶ月測定してみて、お昼のポイントが4桁に届けばちゃんと使える、500以下は使えたもんじゃない…くらいの感覚で捉えています。(3桁のポイント内での優劣は誤差のようなものです。あてにはなりません。)

これを見ると、ドコモ系ではそれでもLINEモバイルがほかよりも少しだけ上にいます。これはLINEモバイルの速度が落ちてきた時からそうで、この位置で安定しています。IIJ系もいつも同じような値で安定していますが、それらが各会社の考える「十分な速度・帯域」なんでしょう。

今おすすめできるSIM

やはり速さを見るのであればUQ mobileがいいと思います。安定して速いのをずっと維持していますからね。ただし、「auの中古端末を白ロムで購入してそれをauショップでSIMロック解除」というのはできなくなりました。(最初の購入者本人でなければならない)
このあたりがあるので、UQ mobileでの運用はちょっと面倒になった感があります。

気になるSIMについてのいくつか

今回動きがあったものなど、気になるSIMについていくつか書いていきます。戯言程度に聞き流してください。

■BIGLOBEモバイル

比較的新しいSIMとなるau回線のタイプAですが、なかなか微妙なところを突いてきますね。爆速とはいえませんが、これだけ出ていれば十分という値を出しています。エンタメSIMなど独自のものもあるので、それを考えれば十分アリです。


■nuroモバイルとロケットモバイル

少し前まで非常に調子が良かったのですが、やはり落ちてきました。まるっきりダメというわけでもないのですが、抜け出すまでには至りません。nuroモバイルはXperia XZ premiumとその専用回線があるので、それは速そうです。予算的にもこの測定には入れませんけど。


■UQモバイル

今回も速い速いUQモバイル。これだけ安定して速度が出ると、やはりメインSIMはコチラにしたほうがいいのでは?と気持ちが揺らぎます。ただ、端末込みのプランなどがけっこう複雑で、これを理解して最適な選択をするのが面倒そうなのが難点です。データのみのSIMだと大容量プランを選べないというのもあります。今までのキャリアと同じような感覚で少しでも安くしたい、というのであればいいかもしれません。


■b-mobile

実はAndroidでも使えるソフトバンクのiPhone向けSIM「b-mobile S」がやっぱり速いです。私の環境ではワイモバイルよりも速いんですよね…。マルチキャリアでやっているMVNOはどちらも同じくらいの速さになることがおおいのですが、b-mobileの場合は完全にドコモ回線のほうが置いてけぼりになっています。

色々見て判断を

この記事ではそれぞれの格安SIMの速度を比較していますが、格安SIMの選択の基準は速度だけではありません。なので今どれがオススメかと考えると、絶対にこれ!と言えるものはありません。個々人の使い方によるのではないかと思います。昼間使わなければ、速度がそこまで落ちることもないでしょうし。それよりも各MVNOの施策や機能を見たほうがいいかもしれません。速度比較はあくまで検討するための材料の1つです。

速度的に見れば、格安SIMで速度を重視するならドコモ系以外のほうがいいのかな、と思えるようになってきていますね。まぁau系の中でも差はあるのですが。

最近はSpeedtest.netと4Gmarkという2つの測定アプリによる調査となっています。両方を載せることによって、2つの測定結果での差が大きく出るところは怪しいかも、という見方もできると思います。

MVNOの速度はけっこう浮き沈みがあります。その時々で最新の速度測定結果は把握しておきたいですね。場所などでも変わるものなので、できれば1つの数字に一喜一憂せずに、複数の結果を眺めてなんとなくの各社の傾向を掴んでもらえばと思います。

当サイト以外でも定期的に計測しているサイトがありますので、そちらも参考にしてみてください。

また、こうしたブログ等での計測報告以外でも、独自アプリで自動速度計測して掲載しているサイトもあります。

こちらは毎日1時間ごと(お昼は15分ごと)に計測して公開しています。すごい!

orefolderでは今後も月2回程度で測定していきたいと思っています。

過去1年の速度測定記事は以下からどうぞ。

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