GMKtec NucBox K12 レビュー:SSDが3枚装着できてRyzen 7 H 255搭載、OCuLinkも対応のミニPC

GMKtecより、ミニPC「GMKtec NucBox K12」をレビュー用に提供していただきました。

GMKtec NucBox K12はAMD Ryzen 7 H 255搭載で内蔵グラフィックはRadeon 780Mを搭載したミニPCです。RAMとストレージの構成が複数あり、今回提供していただいたのは32GB+512GBです。

デザイン性のあるボディにUSB4やOCuLink等の豊富なポート類をもち、そしてM.2 SSDを3枚装着できるという特徴を持っています。

今回提供していただいた32GB+512GBは78,999円で、ほかに32GB+1TBが82,999円、64GB+1TBが123,999円です。(いずれも2025年9月29日時点)


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GMKtec NucBox K12の概要

GMKtec NucBox K12はAMD Ryzen 7 H 255を搭載したミニPCです。あまり聞き慣れない名前ですが、どうやらRyzen 7 8745HをリネームしNPUを省いたもののようです。RAMとストレージの構成は32+512GB / 32GB+1TB / 64GB+1TBの3種類があり、十分なスペックと充実したポート類を持つミニPCです。今回提供していただいたのは32GB+512GBモデルです。

SSDはM.2 2280が最大3枚まで搭載でき、LANポートも2.5Gbpsが2つあります。また、前面にOCuLink端子を備え、外部GPUを接続することもできます。無線はWi-Fi 6EやBluetooth 5.2に対応です。

スペック

OS Windows 11 Pro
CPU AMD Ryzen 7 H 255
グラフィック AMD Radeon 780M
メモリ 32GB(SO-DIMM DDR5-5600MHz×2)(最大96GB)
ストレージ 512GB:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0×4)(最大8TBまで)
空き1:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0×2)(最大8TBまで)
空き2:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0×2)(最大8TBまで)
サイズ 152 × 154 × 76 mm
前面ポート 1× 3.5mmコンボジャック
1× USB3.2 Gen2 Type-C(PD/DP/データ)
2× USB3.2 Gen2 Type-A
1× USB2.0
1× 電源ボタン(LED付)
1× CMOSクリア
背面ポート 1× DCポート
1× 3.5mmコンボジャック
1× HDMI 2.1
1× DP 1.4
1× OCulink(PCIe Gen4×4)
1× USB4
1× USB 3.2 Gen2
1× USB 2.0
2× 2.5G LAN(Realtek 8125BG)
1× ケンジントンロック
ネットワーク Wi-Fi 6E
Bluetooth 5.2

外観とポート類

GMKtec NucBox K12はコンパクトなサイズのミニPCです。とはいえ、これまで当サイトでレビューしてきた12cmクラスのミニPCに比べると一回り大きく、実測で15.2×15.4×7.6cmほどあります。

側面にゴム足があり、縦置きにもできます。

本体をアルミニウム合金のカバーが覆ったデザインとなっており、この斜めにカットした部分がまたかっこいいです。

斜めにカットされた部分にはFAN-MODEというボタンがあり、これを押すと…

内部のファン部分に仕込まれたRGBライトが光り、自動で色が変わっていきます。なお、ボタンを押すたびに光るパターンが変化します。

ポート類

前面にはCMOSクリアボタン、電源ボタン、USB-A(USB 2.0)、USB-A(USB 3.2 Gen2)×2、USB-C(USB 3.2 Gen2、USB PDおよびDisplayPort Alternate Mode対応)、3.5mmオーディオ端子があります。電源ボタンはライムグリーンで目立ちますね。

背面には電源ポート、3.5mmオーディオ端子、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、OCuLink、USB-C(USB4)、USB-A(USB 2.0)、USB-A(USB 3.2 Gen2)、2.5G LAN×2、ケンジントンロックがあります。前面にも背面にも3.5mmオーディオ端子があるのは面白いですね。

前背面のUSB-C×2とHDMI、DisplayPortによって、同時に最大4画面の表示に対応します。

側面はカバーに覆われた部分と、縦置き時に底面となるゴム足があります。排気用のスリットはありません。

底面には4つのゴム足と排気用の穴があります。天面側にもファンがあるので、合わせて上下2つのファンで挟まれています。

内容物

内容物は本体の他にマニュアルとVESA取り付けアダプタ、電源アダプタ、HDMIケーブルです。

電源アダプタは120W、PSEマークにはUL JAPAN、領航国際株式会社と書かれています。

メモリやストレージの交換

GMKtec NucBox K12の内部にアクセスするには、まずネジになってるゴム足を外し、外側のカバーを取り外します。

側面にも小さいネジがあるので、それを外すとぱかっと開いてマザーボードが見えます。

メモリはADATAのDDR5-5600で16GBが2枚刺さっています。SSDはM.2 2280 NVMeでAirDiskの512GBが刺さっています。その隣にはM.2 2280のスロットが2つあるので合計3枚(最大8TB×3=24TB)のSSDに増設できます。

パフォーマンス

実際にしばらく使用し、動作や快適さなどを確認してみました。

Windows 11 Pro搭載

GMKtec NucBox K12はWindows 11 Proを搭載してます。コマンドプロンプトにて「slmgr /dli」を入力しライセンスを確かめてみるとOEM版(OEM_DM channel)でした。

格安なミニPCだとボリュームライセンス版を使うメーカーもあるようです。ボリュームライセンス版は企業等でライセンスを一括購入し組織内で利用するものです。なのでそれを個人向けの販売PCに組み込むのはライセンス違反になる可能性があります。

日本語配列キーボード

一つ注意事項として、購入後の初期設定で日本語配列キーボードを選んでも、なぜか英字配列になります。なので初期設定のユーザー名などで@を入力したい場合はShift+2を押します。

初期設定後に設定時刻と言語言語のオプション(日本語と書かれた右の三点メニュー)→キーボードレイアウトレイアウトを変更するで日本語キーボードを選べば、変更できます。

これはミニPCではよくあることのようですが、GMKtecのミニPCではこのあたりもマニュアルに書かれているので親切です。

ベンチマーク

いくつかベンチマークアプリを使ってみました。

Geekbench

3DMark


PCMark

CINEBENCH R23


CINEBENCH R24

ドラゴンクエストXベンチマーク


FF14ベンチマーク

Geekbench 6 CPU シングル 2521
CPU マルチ 12464
GPU OpenCL 29499
GPU Vulkan 35851
3DMARK Timespy 3292
Steel Nomad Light 2756
PCMARK10 SCORE 6622
Essentials 9726
Productivity 8947
Distal Content Creation 9057
Cinebench R23 マルチ 15592
R23 シングル 1713
2024 マルチ 911
2024 シングル 104
ファイナルファンタジーXIV
ベンチマーク
3840×2160 高品質
(デスクトップPC・ウィンドウ)
1339
設定変更が必要
3840×2160 標準品質
(デスクトップPC・フルスクリーン)
2293
設定変更を推奨
1920×1080 標準品質
(ノートPC・フルスクリーン)
6641
やや快適
ドラゴンクエストX
ベンチマーク
3840×2160 最高品質
ウィンドウ
5059
快適
1920×1080 最高品質
ウィンドウ
10642
すごく快適

文書作成やネット閲覧など軽い作業であれば問題ありません。グラフィック関係も悪くなく、軽いゲームなら快適、FF14くらいでも設定次第で快適にプレイできるようです。また、Oculinkで外部GPUを接続できるので、それを使えばグラフィック性能を求められるゲームでもプレイできそうです。

ストレージはAieDiskの512GBです。同じGMKtec NucBox K12でもほかに1TBモデルもあるので、512GBで不安な方はそちらを購入するか、M.2スロットはほかに2つもあるので増設しましょう。

ストレージの速度はシーケンシャルリードは4416.69MB/s、シーケンシャルライトは2535.42MB/s、ランダムリードは784.50MB/s、ランダムライトは687.98MB/sでした。書き込みが少し遅いようなのが気になりますね。

動作音は基本的に静かで気にならない

GMKtec NucBox K12の動作音については、かなり静かです。ベンチマーク動作時など負荷の高いときには音がしますが、そうでないときは気になるような音は聞こえてきません。

実際に日常、仕事に使ってみて

実際にしばらくGMKtec NucBox K12を使ってみました。私が普段PCで仕事できるようにセットアップして、当サイトの記事を書いたり、そのためにPhotoshopで画像編集などを行っています。この記事もそうやって書いてます。

私が使う限りではなんの問題もなく快適です。Photoshopもストレスなく使用できますし、ブラウザでタブを多く開いても問題ありませんでした。(とは言ってもタブ100個とか開く人ではないので参考にならないかもですが…。)事務的な作業であれば十分以上の性能を持っていると感じました。

GMKtec NucBox K12の良かったところ、イマイチなところ

良いところ
  • 前面も背面もポートが充実
  • 十分以上のスペック
  • M.2 SSDが最大3枚刺せる
  • HDMIとDisplayPort両方対応
イマイチなところ
  • ミニPCとしては一回り大きめ
  • SSDの書き込みが若干遅い?
  • NPUは非搭載

ポート類が充実しており、オフィスワーク的な作業では問題ないスペックで快適に動作するミニPCです。ゲームも重めのものでなければ普通にプレイできるくらいには快適です。正直、私のようなゲームをしない人にはすでにオーバースペック気味に感じますね。

個人的には、前面にUSBポートが3つ(USB-C×1、USB-A×2)があるのが便利でした。写真の取り込みにカメラとPCを繋ぐ際に、CtoCケーブルでもAtoCケーブルでもどちらでもすぐに接続できます。最近手元にCtoCケーブルばかりになってきているのでそれが使えるのが便利でした。

また、SSDはが3枚刺せるというのも特徴的で良いですね。使っていて容量が足りなくなってきたときに、「より大容量に差し替える」の前に「もう1枚追加する」という選択肢が取れます。

なお、Ryzen 7 H 255はRyzen 7 8745HからNPUを省いたもののようで、AI関連の作業をやらせる場合はNPU搭載のものに比べ劣るかもしれません。そのあたりを重視するのであれば、ここがネックになるかもしれませんね。

まとめ

性能的にも、使い勝手としても非常に良いミニPCです。ミニPCとしてはちょっと大きめなのが気になりますが、その分デザインは良いですね。

ミニPCでも性能は高くしておきたい、SSDやRAMの拡張は余裕を持ちたい、HDMIもDisplayPortも使いたい、そんな人には合ってると思います。今回提供していただいたのは32GB+512GBですが、実際にメインPCとして使うのであれば+4,000円程度で32GB+1TBが購入できるのでそちらもおすすめです。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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