GEEKOM IT15 レビュー:Intel Core Ultra 9 285H・Intel Arc 140T搭載の高性能なミニPC

ミニPCを多く取り扱うGEEKOMより、ミニPC「GEEKOM IT15」をレビュー用に提供していただきました。

GEEKOM IT15はIntel Core Ultra 9 285H搭載で内蔵グラフィックはIntel Arc 140T、32GBのRAMと2TBのSSDを搭載したミニPCです。価格は通常で149,800円と、スペック通りにこれまで紹介したGEEKOM製品よりも一つ上のレベルのミニPCになります。


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GEEKOM IT15の概要

GEEKOM IT15は、16コアの物理コアのみで構成されハイパースレッディングを排除したIntel Core Ultra 9 285Hを搭載したミニPCです。32GBのDDR5メモリと2TBのSSDを搭載し、筐体容積はわずか0.46LながらデスクトップPCに匹敵する高性能を実現します。さらにIceBlast 2.0冷却システムを搭載し、安定した高パフォーマンスを発揮します。

なお、「Core Ultra 5 225H / 32GB RAM / 1TB SSD」のモデルもあります。

スペック

OS Windows 11 Pro
CPU Intel Core Ultra 9 285H
(16コア、16スレッド、3.7~5.4GHz)
Intel Core Ultra 5-225H
(14コア、14スレッド、1.7~4.9GHz)
グラフィック Intel Arc XE-LPG+A140T Intel Arc XE-LPG+A130T
メモリ 32GB(SO-DIMM DDR5-5600 MHz)最大64GB
ストレージ 2TB:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0) 最大2TB 1TB:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0) 最大2TB
空き:M.2 2242 SATAIlI SSD 最大2TB
サイズ 112 × 117 × 46 mm
前面ポート 2 x USB3.2 Gen2 Type-A
1 x 3.5mm ステレオヘッドセットジャック
1 x 電源ボタン
背面ポート 1 x USB3.2 Gen2 Type-A
1 x USB 2.0 Type-A
2 x USB4 Type-C (一つPD対応)
2 x HDMI 2.0 (4K@60Hz)
1 x RJ45、2.5 Gbps
1 x DCイン
側面ポート 1 x SD カード 4.0
1 x ケンジントンロック
ネットワーク Wi-Fi 7
Bluetooth 5.4

外観とポート類

GEEKOM IT15はコンパクトサイズ(112 × 117 × 46 mm)のミニPCです。公式サイトだと画像は合ってるのにスペック表の数字が間違ってますね。

天面はマットブラックでUVコーティングPC+ABS、GEEKOMのロゴがプリントされています。変にテカってないで落ち着いた雰囲気があって良いです。

前面にはUSB-A(USB 3.2)×2、3.5mmオーディオ端子、電源ボタンがあります。

背面は電源ポート、USB-C(USB4)×2(左はUSbPD対応)、HDMI 2.0×2、2.5G RJ45 LAN、USB-A(USB 3.2)、USB-A(USB 2.0)があります。このあたりの構成はGEEKOMのPCはほとんど同じですね。


側面は排気用のパンチングメッシュがあり、左側面にSDカードリーダー、右側面にケンジントンロックがあります。

内容物は本体の他にマニュアルとVESA取り付けアダプタ、電源アダプタ+ケーブル、HDMIケーブルです。

電源アダプタは120W、PSEマークには日通商事株式会社と書かれています。電源ケーブルはコンセントプラグ部分が3ピンタイプなので、自分で変換アダプタや別のケーブルを用意したほうがいいです。

メモリやストレージの交換

底面の四隅、ゴム足の内側にネジがあるので、それを外すと中にアクセスできます。なお、緩めたネジは外れないようになっているので無くす心配はありません。

底面のフタ部分に2.5インチHDDを収められそうな部分がありますが、特にケーブル等はつながってません。

メモリはcrucialのDDR5-5600で16GBが2枚刺さっています。

SSDはM.2 2280 NVMeでCrucial P3 Plusの2TBが刺さっています。もう1つM.2 2280のスロットがあるので簡単に増設できます。

パフォーマンス

実際にしばらく使用し、動作や快適さなどを確認してみました。

Windows 11 Pro搭載

Minisforum AI X1はWindows 11 Proを搭載してます。コマンドプロンプトにて「slmgr /dli」を入力しライセンスを確かめてみるとOEM版(OEM_DM channel)でした。

格安なミニPCだとボリュームライセンス版を使うメーカーもあるようです。ボリュームライセンス版は企業等でライセンスを一括購入し組織内で利用するものです。なのでそれを個人向けの販売PCに組み込むのはライセンス違反になる可能性があります。

英字配列になるので日本語配列キーボードへ変更

一つ注意事項として、購入後の初期設定で日本語配列キーボードを選んでも、なぜか英字配列になります。なので初期設定のユーザー名などで@を入力したい場合はShift+2を押します。

初期設定後に設定時刻と言語入力言語と地域言語のオプション(日本語と書かれた右の三点メニュー)→キーボードレイアウトレイアウトを変更するで日本語キーボードを選べば、変更できます。

これはGEEKOMに限らずミニPCではよくあることのようですが、知らないとけっこう焦りますね。

ベンチマーク

いくつかベンチマークアプリを使ってみました。

Geekbench

3DMark


PCMark

CINEBENCH R23


CINEBENCH R24

ドラゴンクエストXベンチマーク


FF14ベンチマーク

Geekbench 6 CPU シングル 3008
CPU マルチ 15567
GPU OpenCL 40822
GPU Vulkan 37744
3DMARK Timespy 4232
Steel Nomad Light 3327
PCMARK10 SCORE 7719
Essentials 10787
Productivity 9763
Distal Content Creation 11855
Cinebench R23 マルチ 14711
R23 シングル 2110
2024 マルチ 857
2024 シングル 130
ファイナルファンタジーXIV
ベンチマーク
1920×1080 高品質
(デスクトップPC・ウィンドウ)
5219
普通
1920×1080 標準品質
(デスクトップPC・ウィンドウ)
723
やや快適
ドラゴンクエストX
ベンチマーク
3840×2160 最高品質
ウィンドウ
7127
とても快適
1920×1080 最高品質
フルスクリーン
19696
すごく快適

文書作成やネット閲覧など軽い作業はまったく問題なく、PCMARK10のDistal Content Creationがけっこう高いので画像や動画の作成にも向いています。

ゲームも設定次第でそれなりにプレイできるようで、同じGEEKOMのミニPCでグラフィックにRadeon 780Mを搭載してるモデルに比べても3DMarkの値などは少し勝ってるくらいです。

ストレージはCrucial P3 Plusの2TBです。

ストレージの速度はシーケンシャルリードは5047.50MB/s、シーケンシャルライトは4727.54MB/s、ランダムリードは1010.20MB/s、ランダムライトは820.09MB/sでした。以前もCrucial P3 Plusを搭載したミニPCを試したことがありますが、そのときは書き込みが遅いバージョンが使われていました。こちらは各込も極端に遅くないものが使われているようです。

発熱はそうでもないが動作音がそれなりにする

ベンチマークで負荷をかけた状態でHWMonitorを使って温度を見てみました。最高温度は100℃を超え、負荷がかかった状態では大体75-80℃といったところです。負荷の高い状態を過ぎればすぐに50℃以下にまで落ちるので、冷却システム(IceBlast 2.0)がよく効いているようです。

ただ、実際に使っているとファンの回転音が気になりました。負荷の高いときはもちろん音が大きくなるのですが、そこまでではない状態でも常にサーッと音が聞こえるくらいです。うるさいというほどではなく、他の音が鳴っていたりイヤホンをつければまったく聞こえないのですが、常時音がするので気になるといえば気になります。

実際に日常、仕事に使ってみて

実際に1週間と少しの間、GEEKOM IT15を使ってみました。私が普段PCで仕事できるようにセットアップして、当サイトの記事を書いたり、そのためにPhotoshopで画像編集、画像生成などを行っています。この記事もそうやって書いてます。

私が使う限りではなんの問題もなく快適です。Photoshopもストレスなく使用できますし、ブラウザでタブを多く開いても問題ありませんでした。(とは言ってもタブ100個とか開く人ではないので参考にならないかもですが…。)事務的な作業であれば十分以上の性能を持っていると感じました。

GEEKOM IT15の良かったところ、イマイチなところ

良いところ
  • マットブラックな見た目がかっこいい
  • 豊富なポート類、最大4画面出力
  • 事務仕事や簡単なグラフィック編集なら余裕の性能
  • 簡単にSSDをもう1枚追加できる
イマイチなところ
  • 前面にUSB-Cがない
  • 動作音(ファン)が気になるかも

GEEKOMのミニPCはポート構成・レイアウトがだいたい同じなのですが、そろそろ前面にUSB-Cがほしいかな?とも感じます。あとは音がちょっと気になるくらいでしょうか。

コンパクトでポート類も充実しており、オフィスワーク的な作業では問題ないスペックで快適に動作するミニPCです。ゲームも重めのものでなければ普通にプレイできるくらいには快適です。ミニPCでもスペックを妥協したくない、という方にピッタリです。

個人的には重いゲームをすることはないのですでにオーバースペック状態です。それでいて天面がマットなブラックというのがカッコよくて気に入ってます。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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