ROG Phone 9 ミニレビュー:スペックアップとともに普段使いもゲーミングスマホながらさらに使いやすく

ASUSより2025年3月28日に発売された最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 9」をお借りしました。

ROG Phone 9はSnapdragon 8 Eliteを搭載し12GBのRAMと256GBのストレージを搭載、さらにAirTriggerやGame Genieなど様々なゲーム向け機能が搭載されています。それだけでなく前作から通常使用でも便利なようにおサイフケータイに対応したり、今作はシリーズ史上初めてeSIMに対応したほか、AI機能がさらに強化されています。

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今回、発売前にお借りして試用していたのですが、返却したあとに資料を読んで「こんな機能もあったのか」というように見落としていた点が多くありました。なので、あくまで「ミニレビュー」とさせてください。(言い訳)


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ROG Phone 9の概要

ROG Phone 9 ProとROG Phone 9(黒、白)

ROG Phone 9シリーズは現行最高峰SoCであるQualcomm Snapdragon 8 Eliteモバイルプラットフォームを搭載したゲーミングスマートフォンです。ROG Phone 9, 9 Pro, 9 Pro Editionの3つのモデルがあり、RAMとストレージは無印が12GB/256GB、Proが16GB/512GB、Pro Editionが24GB/1TBです。今回お借りしたのは無印のROG Phone 9です。

ゲームのパフォーマンスを最大限に高めるための統合管理アプリ「Armoury Crate」や、ゲームプレイで便利な約26個のアシストツールを使用できる「Game Genie」機能を搭載しています。

画面は6.78インチのLTPO AMOLEDディスプレイで最大185Hzのリフレッシュレートに対応します。バッテリーは5800mAhの大容量デュアルセルバッテリーで有線は最大65W、ワイヤレスは最大15Wの充電に対応します。

開封と外観

ROG Phoneといえば、これまでのシリーズではかなり大きな六角形の箱だったのですが、ROG Phone 9ではかなり普通のスマホっぽい箱になりました。少し残念な気もしますね。

開封後、最初に起動したときのチュートリアルゲームのようなものは相変わらずあります。

内容物は本体の他にACアダプタとUSBケーブル、SIMピンにケース、マニュアル類です。

背面は中央にROGロゴがあり、それを突っ切るような斜めのラインでデザインが切り替わります。下側は細かいドットが描かれています。前作からそうでしたが、パッと見でのゲーミングスマホっぽさ、派手さはなくなって普段使いしやすくなっています。

上側面には特に何もありません。カメラの盛り上がりが目立ちますね。下側面にはイヤホンジャック、スピーカー、SIMスロット、USBポートがあります。USBポートは中央ではなく端に寄っています。

右側面には音量ボタンと電源ボタン。

そして両端にROGロゴがあり、ここがAirTriggerとして動作します。

左側面は中央にもう一つのUSBポートがあります。横向きでゲームするときはここから充電すると邪魔になりません。また、外付けクーラーのAeroActive Cooler X Proもこれを使って接続します。

ケースには大きくROGが刻まれており、少しだけ派手になります。色はついてないのでそう目立ちませんが。

スピーカー部分に少し工夫があり、うまく音を前面に向かわせるような設計になっており、フロントスピーカーのように聞こえるようになっています。

スペックとパフォーマンス

ROG Phone 9の主なスペックは以下の通り。

OS Android 15
CPU Snapdragon 8 Elite
RAM 12GB
ストレージ 256GB
ディスプレイ 6.78インチ 2400×1080 (FHD+) AMOLED
リフレッシュレート: LTPO (可変リフレッシュレート) 1~120Hz (最大165Hzに設定可能、Game Genie使用時は185Hzに設定可能)
最大輝度: 2,500 nits
リアカメラ メイン:5000万画素 (35mm換算23.8mm相当/F値1.9)
超広角:1300万画素 (35mm換算12.7mm相当、視野角120°)
マクロ:500万画素
フロントカメラ 3200万画素カメラ (35mm換算:22mm相当/F値2.05)
バッテリー 5,800mAh
サイズ 163.8 × 77 × 8.9 mm
重量 227g
生体認証 指紋センサー(画面内認証)
顔認識 (インカメラ)
防水防塵 IP65/IP68
SIM nanoSIMスロット×2 / eSIM×1
対応バンド 5G NR:n1 / n2 / n3 / n5 / n7 / n8 / n12 / n18 / n20 / n25 / n26 / n28 / n38 / n40 / n41 / n48 / n66 / n77 / n78 / n79
FDD-LTE: B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B20 / B25 / B26 / B28 / B32 / B66
TD-LTE: B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 / B43 / B48
W-CDMA: B1 / B2 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19

GSM/EDGE: 850 / 900 / 1,800 / 1,900MHz

より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。

ベンチマーク

ベンチマークアプリを使って性能面を確認しました。ROG Phoneシリーズにはパフォーマンス優先の「Xモード」があり、以下の結果はすべてXモードオンの場合です。

各種ベンチマークの結果は、Geekbench 6はシングルで3,012点、マルチで9,585点、3DmarkはWild Life Extremeが5,642点、PCMarkのWork 3.0 performanceは27,597点でした。

AnTuTu Benchmark(v10.4.4)を3回連続でテストしたところ、最初は2,857,290点で、そこから2,755,050点、2,687,415点と下がっていきました。温度も26.2℃→38.3℃→42.4℃→44.2℃と上がっており、さすがに終了直後は端末側面がかなり熱くなっていました。

似た点数のほかの端末とスコアを比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi
ROG Phone 9 (X) SD8 Elite
12GB
2857290 3012 9585 5642 27597
REDMAGIC 10 Pro SD 8 Elite
12GB
2721610 3172 10036 6952 24120
OPPO Find X8 Dimensity 9400
16GB
2349249 2796 8475 6465 13823
ROG Phone 8 Pro (X) SD8 Gen3
16GB
2199263 2299 7172 5234 22804
  • GeekbenchはCPUの性能を、3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。

AniMe Vision

ROG Phone 9の背面には85個のLEDが搭載されており、様々なアニメーションを表示できます。(Proは648個のLEDで更に高解像度で表示できます)

単なる見た目のお遊び要素だけでなく、時計を常時表示したりカメラのタイマーでカウントダウンしたりと意外と実用的だったりします。

ちなみに、Proだと自分でカスタムGIFファイルを用意して適用したり、AniMe Visionディスプレイと端末側面のAirTriggerボタンでクラシックゲームを遊べるといった機能もあります。

オンデバイスAI機能

最近はスマホにAI機能が多く搭載されており、ROG Phone 9にも様々な機能が搭載されています。このあたり、あまりしっかりと試せていないのですが、ROG Phone 9では新しく「AI文字起こし」「AI通話翻訳」「AI流し撮り」「ドキュメントキャプチャー」「ポートレート動画」といった機能が追加されています。他のスマホで見るような機能もあれば、AI流し撮りなど珍しいものもあります。

ゲーム向け機能

ROG Phone 9には様々なゲーム向け機能が搭載されています。

従来からある端末側面の超音波ボタン「AirTrigger」、ゲームの統合管理アプリ「Armoury Crate」、アシストツール群「Game Genie」などのほか、アプリごとに音量調整が可能になったり、ゲームを最小化した状態でもバックグラウンドで実行できる「バックグラウンドモード」、ゲームプレイ時の表示エリアのサイズ変更、といった機能があります。

システムにのみ電源を供給して端末の発熱を抑えるバイパス充電はお気に入りの機能です。最近はほかの端末でも同じような機能が搭載されつつありますね。ROG Phone 9ではもう一つの選択肢としてスマートバイパス充電(バッテリー残量と使用量に基づいて充電を自動的に停止し、システムのみに電力供給)という機能がありました。もしかしたら8の頃からあったかもしれませんが、今回初めて気づきました。

UIを自分で選択できるのが良い

ROG Phone 9はシステムのUIを自分で選択できるようになっています。Android標準のものとASUS独自のものがあり、項目ごとにどちらを取るか選べます。メーカーごとに様々なUIがありますが、こうして自分で(しかも項目ごとに)選択できるというのはかなり嬉しいです。

クイック設定パネルは純正Android、ASUSオリジナル(標準)、ASUSオリジナル(拡張)の3つから選択可能。最近は設定パネルと通知が別れてるのも多いのですが、個人的には1つにまとまっているほうが使いやすいですし、ピル型の設定ボタンにもすっかり慣れてこちらのほうが使いやすいと感じるようになりました。このあたりの好みは人それぞれなので、やはり選べるというのは良いですね。

まとめ

昨年のROG Phone 8から普段使いの使いやすさに力を入れてきたROG Phoneシリーズ。今回のROG Phone 9もその流れで一層進みました。ぼーっと使っていると目立った新機能が無いように感じてしまい、今回はスペックアップが主な地味なアップデートなのかな?と思ってしまいました。

しかしじっくりと使えばAI機能をはじめとして様々な点で新しい機能や使いやすさの向上があります。このあたりをしっかり検証する前に返却してしまったのが悔やまれます…。ただ細かい向上であるのは変わりないので、ROG Phone 8シリーズから買い替えるべきかと言われると、よく検討したほうがいいかな、と思います。

スペックは更に向上して、普段の生活での使いやすさもますます良くなっています。ゲーム用と普段用を分けるのではなく、1つの端末でまとめたいという方にはちょうどいい選択肢になるでしょう。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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