Headwolfより、8.4インチの比較的コンパクトなAndroid 14タブレット「Headwolf FPad7」をレビュー用に提供していただきました。
2024年11月にFPad6が出たばかりですが、そこからSoCが変更されるなど細かい部分でスペックアップされたタブレットです。これまでの格安ミドルレンジタブレットを1つ上のレベルに上げる端末になりそうです。
Amazonでの通常価格は35,999円、楽天市場では33,999円ですが、それぞれ商品ページに割引クーポンがあり、適用すると26,999円になります。期間は2025年1月21日から2月15日まで。
目次(見たいところからチェック!)
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概要とスペック
Headwolf FPad7は画面サイズ8.4インチのAndroidタブレットです。タブレットとしては比較的小型で、片手で持てるサイズです。縦持ちにして電子書籍(マンガ)を単ページ表示すると読みやすくて良い感じです。また、ディスプレイの解像度は2.5K(2560×1600)と、このサイズのタブレットとしてはかなり高精細です。
SoCはMediaTek Dimensity 7050を搭載、RAMは8GB(+仮想RAM8GB)でストレージは256GB、MicroSDカードにも対応します。バッテリーは6500mAhで4GLTE対応、GPSはもあるので車載してカーナビ代わりに使ってもいいですね。
OS | Android 14 |
---|---|
CPU | MediaTek Dimensity 7050 |
RAM | 8GB(+仮想RAM 8GB) |
ストレージ | 256GB |
ディスプレイ | 8.4インチ 2560×1600 |
メインカメラ | 16MP |
フロントカメラ | 8MP |
バッテリー | 6500mAh |
サイズ | 約203 × 124 × 9 mm |
重量 | 約384g |
生体認証 | 顔認証 |
SIM | nanoSIM×2 |
対応バンド | 2G:B2/3/5/8 3G:B1/2/5/8 4G:B1/2/3/4/5/7/8/18/19/20/26/28AB/B38/39/40/41 |
FPad6との違い
Headwolfは2024年11月にFPad6を発売しており、そこからわずか2ヶ月あまりでFPad7の発売です。FPad5から端末デザインもほとんど変わらず、マイナーアップデートを繰り返しているような状況ですが、毎回確実に良くなっているのは確かです。
FPad6とFPad7の主な違いは以下の通り。
FPad7 | FPad6 | |
---|---|---|
SoC | MediaTek Dimensity 7050 | MediaTek Helio G99 |
RAM | 8GB LPDDR5 | 8GB LPDDR4X |
ストレージ | 256GB UFS 3.1 | 128GB UFS 2.1 |
バッテリー | 6500mAh USB PD 18W対応 |
6500mAh |
ネットワーク | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 5 |
スペック表で目立つのはSoCがHelio G99からDimensity 7050に変わったことですが、RAMやストレージもそれぞれ良くなっています。
外観
Headwolf FPad7は画面サイズ8.4インチで、端末のサイズは実測値で203×124×9mm、重量は384gです。ベゼルは狭いとは言えないくらいですが、前面カメラもベゼル内なので画面はフルに表示されます。
背面はメタル調でサラサラ。カメラ周りを含めてデザインとしてはFPad5から変わっていません。(FPad5と比べるとFPad6/7は角の丸みが小さくなっています)
右側面の上の方に音量ボタンと電源ボタン。
下側面にUSBポートとスピーカー。スピーカーはこちら側だけなので、タブレットを横向きにして使うと右も左も片方から聞こえることになります。
左側面にSIMスロット。左上の角にイヤホンジャックがあります。
SIMトレイにはnanoSIMが2枚入ります。片方はMicroSDカードと排他仕様になります。
実際に手に持ってみると、コンパクトでしっかり詰まったタブレット、という印象です。動画を見るにはもうちょっとサイズがほしいですが、電子書籍なら単ページを大きく表示できて読みやすく、良いです。
基本的には片手で持ってもう片方の手で操作、ですね。10インチ以上になると片手で持っているのはつらいですが、8.4インチなら持てます。ただ重量は実測で約384gあるので、それなりに重いです。片手で長時間持ち続けるのは辛いかもしれません。
パフォーマンス
ベンチマーク
各種ベンチマークアプリで確認しました。
各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.4.4)が533,794点、Geekbench 6のCPUがシングルで957点、マルチで2,475点、3DmarkはWild Life Extremeで617点、Wild Lifeが2,264点、PCMarkのWork 3.0 performanceは10,131点でした。
似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
arrows We2 Plus | Snapdragon 7s Gen2 12GB |
608807 | 1030 | 2805 | 792 | 14853 |
OPPO Reno11 A | Dimensity 7050 8GB |
607416 | 894 | 2337 | 622 | 9258 |
Headwolf FPad7 | Dimensity 7050 8GB |
533794 | 957 | 2475 | 617 | 10131 |
OPPO Pad Neo | Helio G99 6GB |
421485 | 712 | 1849 | 370 | 8125 |
Headwolf FPad6 | Helio G99 8GB |
402271 | 701 | 1781 | 337 | 9205 |
- 3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
2024年は格安ながら割と使えるタブレットとしてHelio G99搭載端末がたくさんありましたが、FPad7はDimensity 7050を搭載したことで一歩抜け出した感があります。Dimensity 7050はOPPO Reno11 Aも採用しているSoCです。FPad7は2024年のミドルレンジのスマートフォンとだいたい同じような性能を持っているということですね。
このほか、FPad6からRAMとストレージが変わっているので、このあたりもベンチマークアプリで比較してみました。
RAM
RAMのテストにはCPDT Benchmarkを利用しました。RAM拡張はゼロにして、それぞれ3回テストしました。その平均は以下のとおりです。
FPad7 | FPad6 | |
---|---|---|
シーケンシャルライト | 613.15 MB/s | 313.58 MB/s |
シーケンシャルリード | 1126.67 MB/s | 486.65 MB/s |
ランダムライト | 33.40 MB/s | 25.86 MB/s |
ランダムリード | 24.11 MB/s | 18.49 MB/s |
メモリーコピー | 5.48 GB/s | 3.86 MB/s |
ストレージ
PCMarkのストレージテストではFPad7が32,483点でFPad6が28,276点でした。
操作感
上のベンチマーク結果を見ても分かる通り、それなりの性能がありますし、実際しっかりと動いてくれます。基本的な動作ではなんの不便もありません。
FPad6と比べて劇的に変わるとも思いませんが、稀にあった引っ掛かりがなかったりで、スムーズさはわずかに上がった気がします。ベンチマーク上の数字はどれも上がっていますが、FPad6でも十分に動いていたので、そこまで差はありません。
さすがに重めのゲームでは辛いものがありますが、それほど高性能を求めてこないゲームであれば十分です。動画鑑賞や電子書籍といった用途なら全く問題ありません。
ディスプレイ
Headwolf FPad6のディスプレイは約8.4インチで解像度は2560×1600、アスペクト比は16:10です。実際の縦横の長さは長辺が約18cm、短辺が約11.5cmです。だいたいB6サイズ(182mm×128mm)を少し細長くしたくらいですね。なお、最初から保護シートが貼られています。
電子書籍を読むときは、横向きで見開き表示でもマンガ等なら読めますし(字の小さな雑誌は厳しい)、縦向きで1ページ表示ならいい感じに迫力を感じられます。個人的にはタブレットで漫画を読むのなら8インチクラスが最適だと思っています。
上の画像はFPad6とFPad5の色味を比較したものですが、FPad7の色味はFPad6とほぼ同じでした。ちなみに画像の下の方に写ってるのはグレーカードです。
FPad6のほうが少し青く、FPad5は赤く見えます。FPad5に慣れているとFPad6/7は青く見えるのですが、こうしてグレーカードとともに置いてみるとFPad6/7のほうがちゃんとした色のようです。
Widevine
WidevineのセキュリティレベルはL1です。なのでAmazonプライムビデオでHD再生が可能です。最近のこの手のタブレットは当たり前のようにL1ですね。
ただ、8.4インチですしスピーカーがステレオではあるもののどちらも縦持ちにしたときの下側、USBポートの左右に配置されているので、どうしてもそこから音が鳴ってる感があります。動画視聴で横向きにすると、右の音も左の音も同じ方から聞こえてくる感覚です。なので横向きでの動画視聴には向きません。
システム
Headwolf FPad7はカスタマイズ少なめでシンプルなAndroidを搭載しています。プリインストールのアプリも少なめで、ほとんどGoogleアプリのみです。
設定画面は縦向きでは1列、横向きにすると2列表示になります。ディスプレイの設定で画面の表示を小さくすると縦でも2列表示になります。設定の中身は基本的に通常のAndroidのままで、それにMediaTek特有のものがいくつか入ってる程度です。
ちなみに、ディスプレイの設定で、フォントサイズの段階がFPad6が5段階だったのに対しFPad7は7段階になっていました。細かいところですが、こういったところも改善されています。
通知領域は横向きにするとクイック設定パネルと通知で左右に分かれたレイアウトになってます。
OSは2025年1月末時点でAndroid 14です。セキュリティパッチレベルは2024年10月5日。前モデルのFPad6やFPad5にもセキュリティアップデートが来ているので、FPad7も最低1回はアップデートが来ると思われます。OSアップデートについては未知ですね…。
カメラ
Headwolf FPad7のカメラは背面が16MPで前面が8MPです。
普通に撮れることは撮れますが、設定項目も少なく、あくまで記録用と言ったところです。
バッテリー
バッテリーは6500mAhです。FPad6も6500mAhで容量的には変わりません。
輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで10時間31分でした。FPad6は10時間47分だったのでほぼ同じです。10時間を超えると「だいたい普通」くらいなので、バッテリー持ちは良いとも悪いとも言えないくらいです。
バッテリー容量 | PCMark | |
---|---|---|
Headwolf FPad7 | 6,500mAh | 10h 31min |
Headwolf FPad6 | 6,500mAh | 10h 47min |
Headwolf FPad5 | 5,500mAh | 9h 17min |
充電に関しては、USB PD 18Wに対応しました。付属の充電器も20W対応になっています。FPad6は5V/2Aの10Wだったのでだいぶ良くなりました。
Headwolf FPad7の良かったところイマイチなところ
- 約8.4インチのコンパクトなサイズ
- 必要十分から一歩進んだスペック
- 明るく高精細なディスプレイ
- 充電もPD 18Wに対応
- スピーカーが片面にだけある
- 明るさの自動調整がない
- 少し重いかも
8.4インチのコンパクトなサイズで、それでいて必要十分以上のスペックがあるタブレットです。前モデルのFPad6を含め、Helio G99搭載の似たようなタブレットはたくさんあるのですが、FPad7はDimensity 7050を搭載し、RAMやストレージも更新されたことで一歩抜き出たように感じます。2025年の格安ミドルレンジタブレットはこれくらいが基準となるかもしれませんね。
まだ「明るさの自動調整に未対応」や「スピーカーが片方だけ」などのちょっとした不満点もあるのですが、全体的にはかなり気に入りました。
まとめ
個人的には前前モデルのFPad5を電子書籍(マンガ)読み用に愛用していました。前モデルのFPad6をレビューしたときは「解像度は上がって多少良くなったけど、アプリ等の移行の手間を考えると乗り換えるほどでもないかな」と思っていたのですが、FPad7では細かいスペックがいろいろ良くなっているので乗り換えようかと考えています。
タブレットに求めるもの、用途は人によって違うので万人に向いてるとは言えません。気軽に持ち歩いて電子書籍や資料をササッと読む、なんて使い方であれば、価格も含めてなかなかグッドな選択肢だと思います。
Amazonでの通常価格は35,999円、楽天市場では33,999円ですが、それぞれ商品ページに割引クーポンがあり、適用すると26,999円になります。期間は2025年1月21日から2月15日まで。
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。