Insta360 X4レビュー!8K対応で画質が大幅にアップした360°カメラの決定版

Insta360さんから、2024年4月18日(木)に発売した360°カメラ「Insta360 X4」をレビュー用にご提供いただきました。最大8K/30fpsの360°映像が撮れる小型カメラです。

公式サイトの販売価格は、通常版が79,800円、見えない自撮り棒とレンスキャップ付きの「スターターキット」は85,500円です。その他にもバイクや自転車のマウント、スノーボードに適したキットも販売しています。

本記事では、製品の特徴やスペック、実際にしばらく使ってみた感想をレビューします。

良いところ
  • 最大8K/30fpsの360°映像が撮影可能
  • シングルレンズモードでアクションカムとしても使える
  • 大容量バッテリーで電池持ちが良い
  • 取り外し可能なレンズガードに対応
イマイチなところ
  • 従来機種より大型化 + 重くなった
  • 価格が高め(税込79,800円)
  • 夜間撮影だとノイズ・映像のにじみが目立つ

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Insta360 X4の概要

Insta360 X4は、前後にあるレンズを組み合わせて1つの映像に合成することで、360°全方位を一度に撮影できる小型カメラです。

360°カメラは、録画ボタンを押すだけで全ての画角を収められます。自撮り棒を持って歩くだけで撮り逃しがありません。撮影したデータは、スマホやPCの編集アプリを使って画角やアスペクト比などを撮影後に調整できます。

レンズの片方だけを使って録画することも可能で、アクションカムのような使い方もできます。手ぶれ補正が強力で、激しい動きをしてもブレの少ない映像に仕上がります。

さらに、IPX8等級の防水性能があり、カメラ単体で水深10mまで潜れます。スノーボードやマリンスポーツなどをダイナミックに記録したい人、旅行や日常の記録を鮮明に残したい人にオススメです。

Insta360 X4の外観・デザイン

本体デザインは、前モデルのInsta360 X3を踏襲した細長いスティック型になっています。サイズは46×123.6×37.6mm、重量は203gと少し大型化しました。

ディスプレイサイズが2.29インチ→2.5インチに大型化し、タッチパネルの追従性も良くなっています。また、新たにCorning Gorilla 強化ガラスを採用して堅牢性が向上しました。


表と裏に2つのレンズを搭載し、前後の映像を繋ぎ合わせて360°映像を撮影できます。

センサーサイズは1/2インチと前モデルから据え置きです。レンズはF1.9の明るいレンズを使用し、35mm換算の焦点距離は6.7mmです。

ディスプレイの下には、シャッターとレンズの切り替えボタンがあります。360°モードとシングルレンズモードを簡単に切り替えられます。

ボタンの下には撮影時に光るインジケーターを搭載しています。

背面は波状の凹凸があり、放熱性やグリップ力の向上が図られています。

右側面には、電源ボタンとクイックメニューボタンを備えています。クイックメニューボタンでは、最大5個の設定を保存してすぐに呼び出せます。

左側面には、スピーカー、USB Type-Cポート、バッテリー、microSDスロットを備えています。

防水仕様のため、USBポートやバッテリー部分にはパッキンが付いています。蓋を閉じる場合は爪がロックされているか確認しましょう。

バッテリー容量は2290mAhに大型化し、メーカー公称値の駆動時間が135分にアップしました。Insta360 X3と比べて67%長く撮影できます。(5.7K/30fps・実験環境下)

底面には三脚穴が空いています。三脚に設置したり「見えない自撮り棒」を使って、第三者視点の映像が撮影可能です。軽量かつ頑丈なカーボン製で、スポーツやアクションシーンでの撮影に適しています。

Insta360 X4のアクセサリー

Insta360 X4標準セットには下記が含まれています。

  • Insta360 X4
  • 標準レンズガード
  • バッテリー
  • サーモグリップカバー
  • Type-C to C ケーブル
  • 保護ポーチ
  • レンズクロス
  • クイックスターガイド
  • 保証書

Insta360 X4には、脱着式のレンズガードが標準で付属しています。Insta360 X3の粘着式と比べて、撮影シーンに応じて気軽に脱着できるようになりました。通常版のレンズガードより傷の付きにくい「プレミアムレンズガード」も別売で取り扱っています。


もう一つ新たに同梱された「サーモグリップカバー」は、本体を保護できるだけではなく、本体の放熱を手助けするアイテムです。


今回は、別売の見えないアクション自撮り棒とセットで提供いただきました。360度撮影時に自動で映像から消すことができ、第三者目線での映像が気軽に撮影できます。

Insta360 X4のスペック

Insta360 X4のスペックは下記の通り。詳細はInsta360 X4公式サイトからご確認ください。

本体サイズ 46×123.6×37.6mm
重量 203g
連続録画時間 135分(5.7K30fps, 実験環境下)
バッテリー容量 2290mAh
充電端子 USB Type-C
充電時間 38分で80%まで充電(9V/2Aアダプター使用時)
55分で100%まで充電(9V/2Aアダプター使用時)
動作温度 -20℃ 〜 40℃
ストレージ UHS-I V30スピードクラス
exFATフォーマット済み
推奨最大容量は1TB。
焦点距離 35mm換算6.7mm
センサーサイズ 1/2インチ
写真解像度 72MP (11904×5952)
18MP (5888×2944)
動画解像度 8K/30fps、5.7K/60fps、4K/100fps
写真フォーマット INSP(モバイル・アプリまたはStudioデスクトップ・ソフトウェア経由でエクスポート可能)DNG
写真モード 写真、HDR写真、インターバル、スターラプス、バースト
動画フォーマット シングルレンズモード:MP4
360度: INSV
動画モード 動画、アクティブHDR、タイムラプス、タイムシフト、バレットタイム、ループ録画、プリ録画
動画ビットレート 最大200Mbps
ISO感度 100-6400
シャッター速度 写真: 1/8000 – 120秒
動画: 1/8000 – フレームレートで決まる上限値
ホワイトバランス 2000K – 10000K
Wi-Fi 2.4GHz, 5GHz802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth Bluetooth 5.2
防水 IPX8
本体単体:水深10m
潜水ケース:水深50m
同梱物 – Insta360 X4
– 標準レンズガード
– バッテリー
– サーモグリップカバー
– Type-C to C ケーブル
– 保護ポーチ
– レンズクロス
– クイックスターガイド
– 保証書

Insta360 X3とスペックを比較

従来機種のInsta360 X3から進化したポイントをまとめました。

Insta360 X4 Insta360 X3
360度動画の解像度 最大8K/30fps、5.7K/60fps 最大5.7K/30fps
360度スローモーション 4K/100fps 3K/100fps
広角解像度/フレームレート 4K/60fps 4K/30fps
ミーモード 4K/30fps、2.7K/120fps 1080p/60fps
バッテリー容量 2,290mAh 1,800mAh
駆動時間 135分, 67%延長
※5.7K/30fps, 実験環境下
81分
※5.7K/30fps, 実験環境下
堅牢性 ・取り外し可能なレンズガード
・Corning Gorilla 強化ガラス
・2.5 インチ タッチスクリーン
・粘着式レンズガード
・通常の強化ガラス製
・2.29 インチ タッチスクリーン
音声制御 英語、中国語、日本語 英語、中国語
ジェスチャー操作 対応 非対応
価格 税込79,800円 税込60,520円

主な変更点は撮影画質・フレームレートの向上です。

新たに8K/30fps、5.7K/60fpsに対応し、4K/100fpsのスローモーションが撮影可能になりました。リフレーミング作業が不要になる「ミーモード」も4K撮影に対応し、より精細な映像を残すことができます。

解像度やフレームレートだけではなく、バッテリー容量が2,290mAhに大型化し、X3と比べて撮影時間が67%延長しました。実際に使い比べてもその差は大きく、数時間の利用でも追加充電なしで使えました。

Insta360 X4で出来ること

ここからは、Insta360 X4で使える機能について解説します。

7,200万画素の360度写真

Insta360 X4は、7,200万画素の360°写真が撮れます。超広角で周囲全体を記録できるので、狭い場所での集合写真や、広大な景色を記録するのに適しています。


撮影後に画角やアスペクト比を自由に変更可能で、360°写真を元に動画を作ることもできます。アップ先に合わせて縦と横の2回撮影する手間がなくなるのが便利でした。

最大8K/30fps、5.7K/60fpsの360°撮影

Insta360 X4から最大8K/30fpsの360°撮影に対応しました。8Kの映像ならトリミングしても画質の劣化が少なく、細部まで鮮明な映像に仕上がります。5.7Kの場合は60fpsまで対応し、より滑らかな映像を撮影可能です。

さらに、動画の最大ビットレートが120Mbps→200Mbpsにアップしたことで、X3よりも画質が向上しています。上記動画は内蔵マイクで収録していますが、風切音の影響も少なくクリアに録音できていました。

アクションカムのように使える「シングルレンズモード」

片面のレンズを使って撮影する「シングルレンズモード」は4K/60fpsに対応。360°映像が必要ないシーンでは、アクションカムのような使い勝手で撮影可能です。

Insta360 X4に搭載される「FlowState手ブレ補正」はかなり強力です。片手で持って走ってもほとんどブレずに滑らかな映像を撮影できました。360°水平維持にも対応しており、本体を傾けても映像が斜めになる心配がありません。

常に自分を追従し続ける「ミーモード」

ミーモードは、見えない自撮り棒を水平に持って歩くと、常に自分を中心にした映像を撮影できる機能です。一般的なカメラのように画角が見切れていないか確認する必要がなく、アクティビティに集中できるのがメリット。

Insta360 X3は1080P/60fpsまでだったのが、Insta360 X4では4K/30fpsに対応しました。より高解像度の設定で撮影したい人には嬉しい進化ポイントです。

11Kタイムラプス、8Kタイムシフト

タイムラプスは解像度が8K→11Kに進化しています。キャンプなどで作業風景を記録したり、海で夕暮れを撮影したりと撮影の幅が広がります。

歩きながら撮影する場合はタイムシフトがオススメです。こちらも解像度が8Kにアップしており、Insta360のアプリから疾走感のあるブラー加工を簡単に追加できます。

Insta360 X4の操作性・利便性

基本的な操作はタッチパネルを使って行います。指の追従性やレスポンスが良くなり、UIも直感的で分かりやすいと思います。

  1. 上から下へスワイプ:設定メニューの展開
  2. 下から上にスワイプ:解像度・フレームレートの設定
  3. 左から右にスワイプ:撮影した写真・動画のプレビュー
  4. 右から左にスワイプ:露出やホワイトバランスの設定

スマホアプリと連携できる


Insta360のスマホアプリと連携すると、スマホからプレビューや設定項目を変更可能です。自撮り棒を使って撮影しても映りを確認できて便利でした。

撮影後はスマホにデータを取り込んで、編集画面から簡単な加工やトリミングを行えます。画角やアスペクト比の変更も自由に行えたり、AIによる自動編集を使って誰でも手軽に動画を作れるのが魅力です。

ジェスチャー操作と音声制御が便利

Insta360 X4は、AIによるハンドジェスチャーに対応しています。手のひらを向けると録画開始、ピースをすると写真撮影が可能です。見えない自撮り棒を付けている状態でも、ハンズフリーで撮影を開始できます。

また、音声制御が英語、中国語に加えて日本語に対応しました。「録画開始」「録画終了」と声で制御することもできます。

USB 3.0に対応+Wi-Fi通信速度が58%向上

Insta360 X3ではUSB 2.0での接続だったのが、Insta360 X4からUSB 3.0接続に対応しました。データの転送速度が目に見えて速くなり、ファイルの取り込みがスムーズに行えます。

また、Wi-Fiでの転送速度も58%速くなりました。データ転送をバックグラウンドで実行してくれるため、他のアプリを同時に使える点も良かったです。

Insta360 X4の注意点

8K撮影はデータ容量と発熱が増える

8Kで撮影すると画質向上が見込めますが、データ容量の消費も大幅にアップします。長時間撮影する場合は、256GB以上のmicroSDを使うことが望ましいです。

1分間の映像でX4が消費するストレージ容量は、通常の録画条件下で下記の通りです。

解像度 ビットレート 1分間のファイルサイズ
8K30fps 高ビットレート 1.5GB
5.7K30fps 高ビットレート 700MB
8K30fps 標準ビットレート 1GB
5.7K30fps 標準ビットレート 500MB

SDカードは映像の保存だけでなく、録画のキャッシュ用にも使用するため、1~2GB程度の空き容量が必要となります。

長回しすると発熱もしやすく、熱で撮影が停止することもありました。炎天下で撮影するときは、付属のサーモグリップカバーを装着して撮影したほうが良いでしょう。

microSDは推奨スペックに合ったものを選ぶ

Insta360 X4で使用するmicroSDカードは、推奨スペックを満たしたものを使用しましょう。読み込みや書き込み速度が速いものを選ばないと、撮影時に速度不足によるエラーが発生する可能性があります。

公式サイトによると、下記のスペックを満たしたmicroSDカードが必要です。

  • スピードクラスがV30以上
  • exFAT形式でフォーマット
  • UHS-I対応(UHS-II/UHS-IIIは非推奨)
  • 容量は1TBまで

公式で販売されている商品のほかに、推奨スペックを満たしたオススメのmicroSDカードを載せておきます。

まとめ

Insta360の最新作「Insta360 X4」をレビューしました。前モデルのInsta360 X3で感じていた不満が解消されて、より高画質に映像を残せるようになった正統進化モデルです。

標準セットのオプションが充実し、バッテリー持ちが大幅に強化されたので、前モデルからの買い替える価値は十分あると思います。

Insta360 X4の登場に伴い、従来機種のInsta360 X3が68,000円→60,520円に値下げしています。X4との価格差は19,280円になるので、差額でアクセサリー品を購入するのもありだと思います。予算が許すなら画質が向上したX4をおすすめします。

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