Amazfit GTR 4レビュー:Zepp OSが2.0に進化!再びWi-Fi対応となり、デュアル円偏波アンテナを搭載したAmazfitのフラッグシップスマートウォッチ!

Zepp Healthさんから、Amazfit GTR 4をレビュー用に提供していただきました。Zepp OSを搭載したAmazfitブランドのフラッグシップスマートウォッチで、Zepp OSに更に磨きがかかっています。今回はしっかり5週間ほど使用したレビューをお届けします。

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Amazfit GTR 4のスペック

カラー スーパースピードブラック、ヴィンテージブラウンレザー(11月発売予定)
ボディ素材 アルミニウム合金、高光沢ポリカーボネート
バンド素材 フッ素エラストマー(ブラック)、本革(レザー)
バンド幅 22mm
タッチスクリーン 強化ガラス、指紋付着防止コーティング、アンチグレアガラス
ディスプレイ 1.43インチ HD AMOLED(326ppi、466×466) 60fps
センサー BioTracker™ 4.0 PPG バイオメトリック センサー(4PD+2LED)、加速度センサー、ジャイロスコープセンサー、地磁気センサー、環境光センサー、気圧センサー
Bluetooth Bluetooth 5.0 BLE
Wi-Fi IEEE 802.11 b/g/n
バッテリー 475mAh(リチウムイオンポリマーバッテリー、標準値)
サイズ 約46 × 46 × 10.6 mm
重量 約34g(バンド含まず)
対応OS Android 7.0以降、iOS 12.0以降
防水 5ATM(50メートル)
GNSS GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、QZSS、NavIC(OTAで追加)

より詳細なスペックは公式サイトをご覧ください。

パッケージ、内容品など


パッケージデザインは黒をベースとした配色で、先日レビューしたGTS 4 Miniと似たテイストです。

表面はザラッとしていますが、マットな感じではなく、艶があってなかなか高級感があります。

内容品一覧です。Amazfit GTR 4本体とバンド、多言語対応の説明書、充電器が入っていました。

左がGTR 3、右がGTR 4の充電器

充電器はマグネット式で、端子部分がGTR 3のものと同一なので使い回せます。

本体・バンド

「現代のスポーツカーの流線型のスタイルにインスピレーションを受けた」というAmazfit GTR 4。提供していただいたGTR 4のカラーはスーパースピードブラックで、ミドルフレームはアルミでできています。

文字盤(ディスプレイ)の周りが、なかなかカッコいいデザインになっています。ディスプレイのすぐ外側はマットブラックで、そのさらに外周はグロスなシルバー。マットブラックのエリアには、時字(アワーマーク)もあり、ディスプレイから側面にかけてのこの装飾はかなりエレガントです。


バンドは22mmのもので、ブラックに付属のものはフッ素エラストマーでできています。遊革は2つ装備されていました。


本体側面です。左側には何もなく、右側にボタンが2つあります。

Amazfit GTR 3との外観比較

ここでは、Amazfit GTR 3とGTR 4の見た目を比較してみます。

上がAmazfit GTR 4です。GTR 3はなめらかな曲線を描いていましたが、GTR 4では角ばった感じになっています。しかしただ単純に角ばっているわけではなく、ちょっと凝ったデザインになっています。

また、GTR 4は下側のボタンがこれまでのような丸いタイプから、四角いタイプに変更になりました。下側は、くるくる回してもスクロールすることはできなかったため、丸い意味はありませんでした。GTR 4は形が違うため、触ったときにはっきり分かるようになっています。

裏面です。GTR 3はサラッとした質感のプラスチックでしたが、GTR 4はつやのあるプラスチックになっています。

Amazfit GTR 4の機能

Amazfit GTR 4の機能は以下の通りです。前モデルとの重複を含みます。

  • 時刻の表示(常時表示画面(AOD)対応)
  • 歩数計
  • 24時間心拍数計測
  • 睡眠モニタリング
  • 血中酸素飽和度(SpO2)測定
  • 睡眠時の呼吸の質測定(Beta)
  • 150種類を超えるスポーツモード
  • 座りすぎ通知
  • 着信やアプリの通知
  • 低血中酸素アラート
  • ストレス緩和促進アラート
  • アラーム/タイマー/ストップウォッチ
  • 天気予報
  • 音楽再生コントロール
  • ストレスレベル測定
  • 心拍数、血中酸素濃度、ストレスレベル、呼吸数をワンタップで測定
  • スマホを探す(音を鳴らす)

Amazfit GTR 4からの新機能

  • デュアルバンド円偏波GNSSアンテナ
  • 6衛星測位システムに対応
  • GTR 4に音楽を保存しての音楽再生
  • Wi-Fi接続
  • Zepp OS 2.0
  • ルートインポート、リアルタイムナビゲーション機能
  • スマート筋力トレーニングモード

Amazfit GTR 3では、Wi-Fi接続機能や音声ファイルを保存してスマートウォッチで再生する機能が削除されていました(GTR 2には存在)が、GTR 4では復活しています。

Zepp OS 2.0

Amazfit GTR 4には、Zepp OS 2.0というZepp OSを進化させたバージョンが搭載されています。モーニングアップデートという機能が追加されていて、6:00〜10:59の間にGTR 4のディスプレイを点灯すると、現在の天気やバッテリー残量、昨日の活動量などがまとめて表示されます。


これまでは睡眠は夜に限定されていたため、夜勤の方などはずっと仮眠として記録されてしまっていました。GTR 4ではそれが改善され、過去の睡眠データを元に記録するようになったため、朝方から寝ても睡眠として記録されます。

この他、T-Rex 2に追加されたルートインポート機能(OTAで追加)や、25種(OTA後)の筋トレに対応したスマート筋力トレーニングモードなど、よりアクティビティのための機能が追加・強化されています。

GPS(GNSS)機能の解説――円偏波アンテナとは?

Amazfit GTR 4では、GPSなどを受信するアンテナに「デュアルバンド円偏波アンテナ」を搭載しています。聞いたことのない名前だという方が多いと思うので、簡単に解説します。

ここは非常にざっくりとした正確でない記述であり、私自身理解しきれていない部分も多いです。参考程度にご覧ください。

電磁波(電波)が空間を伝わる時に、電界の振動する方向のことを「偏波」と言います。

赤い線が電波です。白い直線の矢印は進行方向を表しています

…といっても分かりづらいと思いますが、電波という波が振動する方向、とイメージしてもらえればOKです。普通のテレビやラジオの電波は、上の図のような直線偏波という方法で伝送されていて、アンテナもそれに合ったものになっています。

白い縁取りのある、らせん状の矢印が電波です。図は右旋のみですが、逆回りの左旋もあります

円偏波は、電磁波を時計回りまたは反時計回りに、らせん状に放射します。これにより、偏波面を正確に合わせなくても通信がしやすく、正確に偏波面を合わせづらいGPSなどのGNSS(衛星測位システム)などで効果を発揮します。実際に有料道路のETC、航空機や自動車のGNSS(GPS)などの、位置合わせが難しいシチュエーションで使われています。ほかに、物に反射して遅延した電波の影響を受けづらいという利点もあります。

円偏波アンテナ以外のGNSS機能

GTR 4ではL1+L5のデュアルバンドに対応しています。デュアルバンドという点では、(筐体の大きさが違うので同じ精度ではありませんが)iPhone 14 Pro/Pro MaxがL1+L5に新規対応したことがちょっとした話題になっていましたね。GTR 3/3 Proや、以前レビューしたGTS 4 Miniはシングルバンド円偏波アンテナを搭載していましたが、GTR 4/GTS 4では業界初のデュアルバンド円偏波アンテナに進化しました。

これまではGPS,GLONASS,GALILEO,BeiDou,QZSS(みちびき)の5システムに対応していました。ウェアラブルデバイスでQZSSに対応しているというだけでも十分すごいのですが、GTR 4はそれにインドのNavICも追加され、合計6つになりました(GLONASSとNavICは衛星側が原因でデュアルバンド非対応)。世界のどこにいても、高品質な測位が可能です。

ディスプレイ

ディスプレイは、1.43インチ(466×466)のAMOLEDディスプレイを採用していて、室内では明るく見やすいです。輝度の無段階調節や自動調節に対応しています。

晴れた日の11時ごろ、屋外ではこんな感じです。画像ではちょっと暗い写り方をしていて、実際にはもう少し明るく見えます。

画面配置、操作

操作はタッチで行います。スクロールなどの上下の操作は、対応していれば上部のボタン(リュウズ)を回すことでも操作できます。

画面レイアウト

画面配置は、Amazfit GTR 3などと同一です。ウォッチフェイスが表示されている状態でボタンを押すと、アプリ一覧画面になります。Zepp OS 2.0では、Apple Watchのようなグリッドスタイルも選択できます。

ウォッチフェイスを左右にスワイプするとクイックアクセスアプリが表示され、

ウォッチフェイスで下にスワイプすると、コントロールセンターの画面になります。配置はAmazfit GTR 3そのままという感じなので、詳しく知りたい方はGTR 3の記事も合わせてご覧下さい。

GTR 3と違うのが、ウォッチフェイスのすぐ左にあるこの画面です。まず見て分かるように、非常にグラフィカルにデザインし直されています。またカレンダーやTo Do、目覚まし時計など、予定が迫っているとそのショートカットが上に表示されたり、音楽再生中はそれが上に表示されたりと、動作もスマートに進化しています。

通知

文字盤を下から上にスワイプすると、通知を確認できます。一部アプリ(GmailやTwitterは確認)で、どのアプリからの通知かがアイコンで分かるようになっています。通知は横に全角9文字程度表示でき、一部絵文字にも対応しています。フォントは割と自然です。

スマホ側で通知を確認して消去すると、GTR 4側の通知も自動的に削除されます。

機能を有効にした上で、対応しているアプリからの通知であれば、簡易的な返信機能もあります。文をあらかじめ設定しておけば、タップ操作だけで返信ができます。絵文字でも返信できるようですが、あまり種類はありません。

Zepp OS 2.0では通知がアプリごとにまとめられるようになっています。まとめて通知を消去できるほか、通知だらけでごちゃごちゃしづらくなります。

管理アプリ「Zepp」


他のZepp製品と同様、スマートフォン側のアプリにはZeppアプリを使います。Amazfit GTR 3の記事でもご紹介していますし、重複する部分も多いので、GTR 3の記事も合わせてご覧ください。

Google playZepp(formerly Amazfit)
Zepp
制作: Huami inc.
価格: 無料

ダウンロード

ワークアウト記録




街なかを歩いてみました。基本的なバイタルデータなどはこれまでと同様にしっかり取れています。

GTR 3での計測結果


GTR 4での計測結果

割と高い建物があるエリアを歩いたところ、円偏波アンテナの威力が分かる差が出ました。このときは、同じ腕にGTR 3とGTR 4を装着し、同時に計測を行っていたのですが、大体40〜50mほどの誤差が出ています。実際のルートに近いのは右のGTR 4の計測データで、GTR 3は大通りを斜めに横断したみたいな軌跡になっています(もちろんこんなことはしていません)。

バッテリー持ち

バッテリーは、標準的な使用だと公称値で約14日間持続します。

標準的な使用のシナリオ:心拍数モニタリングを常時オンにして10分間隔で測定、睡眠モニタリング有効、静止画のフェイスを選択、画面の明るさはデフォルト、1週間に15分のBluetooth通話、30分の音楽再生、1日に150件のメッセージ通知、1日に3件通話通知を受信、100回手首を上げて時計の時間を確認、1日に5回血中酸素計測、明るい画面での操作を1日に5分間、GPSを週に90分稼働
Amazfit GTR 4 – Amazfit|日本公式オンラインストア

実際にアシスタントによる睡眠モニタリング/睡眠時呼吸の質モニタリング(Beta)をON、10分に1度脈拍測定、アクティブ心拍数モニタリングON、自動ストレスモニタリング、血中酸素自動モニタリングON、腕上げで画面点灯(10秒)、画面輝度自動調整に設定し、入浴時以外着用常時着用、約4.7kmのサイクリングのアクティビティ計測を行って、約13日間持続しました。着実にスペックアップしていますが、普通に使って2週間持続するバッテリー持ちの良さは健在です。

充電管理という項目が新設されています。この項目では、過去24時間の各機能の使用頻度が確認できるほか、バッテリー持続時間に影響を与える機能のオン・オフなどが行えます。

また、これまでよりも使える機能が多くなった新しい省電力モードも追加されています。これまでの省電力モードは、クロックモードとして引き続き存在します。

使ってみた感想

ストレージの情報が分かるミニアプリのみをインストールした状態での空き容量は2506MBでした。ストレージ容量は十分あります。



Zepp OSのリリースから約1年経ち、ミニアプリは結構増えてきました。サードパーティ製のものも多く、最大3つまでのサイコロを投げるアプリなどがあり、全て無料でインストールできます。GTR 3にはあったミニアプリがGTR 4では見当たらないことがありましたが、おそらく対応する時間の問題でしょうし、徐々に解消されていくと思います。


赤ちゃんの睡眠記録や食事記録を残すミニアプリや、ミニゲーム的なミニアプリが新たに用意されています。

ちなみにミニアプリはJavaScriptで作ることができ開発のためのドキュメントやCLIはもちろん、VSCodeの拡張機能もあります。プログラミングができる方は、欲しいアプリを自分で作ってみてもいいかもしれません。

ディスプレイのリフレッシュレートは60fpsで、操作していてもかなりヌルヌルで快適です。

Amazfit GTR 4では、GTR 3にはなかった(3 Proには存在)Wi-Fi接続機能が復活しています。

Wi−Fiに対応してはいるものの、使われるのはGTR 4に曲を転送する時と、GTR 4から直接アップデート(従来どおりZeppアプリからも可能)する時くらいなので、それほど使う機会があるわけではありません。

これは逆に言えば、バッテリー持続時間に与える影響が小さいということでもあり、実際にGTR 4では引き続き2週間のバッテリー持ちが維持されています。このバッテリー持ちに慣れてしまうと、数日に一回の頻度で充電しなければならないスマートウォッチを敬遠するようになってしまうほど良いです。

ウォッチフェイスは公称200種類以上で、色々あります。Zeppアカウントを作り、watchface.zepp.comにアクセスして、自分オリジナルのウォッチフェイスを作ることもできます。

Amazfit GTR 4本体に音声ファイル(MP3)を保存して、音楽などを再生することもできます。これも、Wi-Fi接続と同じくGTR 3では削られていましたが、GTR 4で復活しました。GTR 4の内蔵スピーカーでの再生のほか、GTR 4とペアリングしてBluetoothイヤホンで再生することもでき、アクティビティの際にスマホを持ち出したくない方に便利そうです。

コントロールセンターから、スピーカーに入った水を排出する機能があります。防水性能は5ATM(50m)で変わらないため、水泳などにも使えるのですが、水に浸けるような使い方をすると、どうしてもスピーカー穴に水が入ってしまいます。この機能があれば、スピーカーから音を出すことでほとんどの水を排出できるので、地味に便利です。

GTR 3


GTR 4

小さいけど大きい変化として、フォントの大きさがあります。GTR 3より明らかに文字サイズが大きくなって、視認性が上がりました。スマートウォッチのように小さい画面だと、一度に表示できる文字数が文字サイズの変化でスマホより大きく変動するため賛否両論あると思いますが、そもそもウェアラブルデバイスはディスプレイが小さいので、個人的にはGTR 4程度のサイズが見やすくて好みです。GTR 4はリュウズを回して画面スクロールできますし、動作も非常になめらかなので、今のところ特に見づらいとか不便と感じたことはありません。

Wear OS搭載スマートウォッチを使った際に、単体でセルラー通信ができなくても、通話ができるだけでかなり便利だと実感しました。今回GTR 4で通話ができるようになったので、再び便利さを実感しています。腕時計は基本的につけっぱなしなので、わざわざスマホを取り出す手間がないのは楽です。かかってきた電話に出るだけでなく、履歴や登録したよく使う連絡先、電話番号を直打ちしての架電も可能です。

バンドは、素材がシリコンからフッ素エラストマーになっています。GTR 3のシリコンはツルツルした質感でしたが、GTR 4のバンドはしっとりとした質感です。フッ素エラストマーになったからなのか、GTR 3のものであった角の表面が取れて質感が変わるようなことがなかったです。…GTR 3のときの私の使い方が悪かった…?

GTR 3での計測結果


GTR 4での計測結果

上の画像は先にも出したウォーキングの軌跡のGTR 3とGTR 4の比較です。環境により差があるとはいえ、デュアルバンド円偏波アンテナでこれだけ大きな違いが出るのには驚きました。個人的な予想としては、出ても10〜20mくらいかと思っていたのですが、シングルバンドのGTR 3とはかなり違うようです。

まとめ

業界初というデュアルバンド円偏波アンテナを搭載したAmazfit GTR 4は、ソフト・ハードの両面から確実にブラッシュアップされていました。Wear OS搭載機のような機能・アプリの多さはありませんが、その分圧倒的に長時間持続するバッテリーと、統合されたユーザー体験が味わえます。特にフィットネス関連機能では他社と互角以上の実力です。

これだけアップグレードされていながら、日本国内での価格はGTR 3よりも安くなっています。この超円安の時代、保証もあることを考えれば、俄然国内版が魅力的ではないでしょうか。

Amazfit GTR 4が10%オフとなるクーポンをいただきました。Amazonにて2022年10月31日まで利用可能です。どうぞご利用ください。
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でじぃ
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