Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)レビュー:新素材で、今までの約6倍の長寿命!簡易UPSとしても使えるポータブル電源!
アンカー・ジャパンさんから、Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)を貸し出して頂きました。リン酸鉄リチウムイオン電池の採用により、一般的な製品よりバッテリー寿命がが約6倍になったポータブル電源です。
今後は製品名の表記が「Anker 521 Portable Power Station」のような形式が採用されていくそうです。最近発表のUSB Type-C充電器も、同じような規則になっていますもんね。
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Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)のスペック
型番 | A1720511 (ブラック) | |
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サイズ | 約216 × 211 × 144mm | |
重さ | 約3.7kg | |
色 | ブラック | |
容量 | 80,000mAh / 256Wh | |
入力 | DC: | 11-28V=5.5A (最大65W) |
USB−C: | 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V=3A (最大60W) | |
出力 | USB Type-C: | 5V=3A / 9V=3A / 15V=3A / 20V=3A (最大60W) |
USB Standard-A(単体使用時): | 5V=3.6A (各ポート最大12W / 合計最大18W) | |
AC: | 110V~50Hz/60Hz, 1.82A,200W (瞬間最大600W) | |
シガーソケット: | 12V=10A | |
6ポート合計最大出力: | 398W |
Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)の特徴
本製品は、安全でかつバッテリー使⽤による経年劣化が少ない「リン酸鉄リチウムイオン電池」を、シリーズで初めてバッテリーセルに採⽤したモデルです。3,000回使⽤後も初期容量の80%以上の維持ができ、一般的なポータブル電源に比べ約6倍の長寿命を実現しています。
これにより、日常使いしながらでも、突然の災害や停電に備えることができます。
Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)のパッケージ・内容品
パッケージには日本語は無く、英語で説明が書かれています。
中には、柔らかい発泡スチロール(これは発泡ポリエチレンか発泡ポリプロピレンでしょうか)で固定された本体が入っています。
内容品一覧です。Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)本体、ACアダプタ、ケーブル内蔵カーチャージャー、取扱説明書、カスタマーサポートの紙が入っています。カーチャージャーまで付いているとは思っていなかったので、これは嬉しいですね。
説明書には英語と日本語があります。
ACアダプタです。伝わりそうにないですが、一昔前のキーボード(音楽)に使うような、コンセントプラグ周辺が大きいタイプのものでした。他の機器と干渉する懸念があるので、ここはケーブルの途中に入れるなどして欲しかったですね。
入力は100〜240V@1.8A(50/60Hz)、出力は24.0V@2.7A,65.0Wです。
ケーブル内蔵カーチャージャーです。車のシガーソケット(アクセサリーソケット)に挿入して使います。出力などは特に書かれていませんでした。
Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)本体
本製品本体です。
背面にはDC入力ポートがあります。
「本製品を初めてご利用になる前に、充電してください」とシールに貼ってある通り、開封時には過放電防止のためロックがかかっています。充電することで、このロックが外れます。
本体側面と底面です。側面には通気孔が空いていて、これは左右どちらにもあります。底面にはゴムが付いていて、滑りにくくなっています。
Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)の各種機能
ポート類
本体前面のポート類とディスプレイです。ポートはUSB Type-C(USB-C)ポートが1ポート、USB Standard-A(USB-A)ポートが2ポート、純正弦波AC出力ポートが2ポート、シガーソケットが1ポート用意されています。また、アンビエントライトがバー状についています。
ディスプレイ
本体前面にあるディスプレイはくっきりとしていて見やすく、視認性も高いです。使っている(=出力している)機器があると、右上にアイコンで表示されます。
また、バッテリー残量だけでなく、後述する省電力モードのON/OFFや、満充電/放電までの時間、入力/出力W数なども表示されます。
省電力モード
本体に接続しているのに使⽤していない機器を検知すると、⾃動で出⼒がOFFになる「省電⼒モード」が新たに搭載されています。上の画像のようにスイッチで有効/無効を切り替えます。低電力機器を充電する場合には、無効にもできます。
ちなみに、シガーソケットと純正弦波AC出力ポートは、自動での判別ができないため、各ポートの近くにあるボタンでON/OFFを手動で行う必要があります。
アンビエントライト(LEDライト)
本製品には、フロントに横向きのバー状に配置されたアンビエントライトがあります。一回押すと光り、もう一回押すと消えます。それ以外に、長押しすることでモールス信号でSOSを意味する「トントントン・ツーツーツー・トントントン」のリズムで点滅させることもできます。
肝心の光量ですが、十分に明るく、アウトドアで役立ちそうです。結構暖色寄りの色をしています。
使える規格を確認
いつものようにUSBポートで使える急速充電規格を確認します。POWER-Z KT001(a.K.a AVHzY CT-2,Kotomi Premium by YK-Lab)を使って、使える急速充電規格と、USB Type-Cポートでは、使用可能ならUSB PDのPDOも調べます。
USB Type-Cポート
1つだけあるUSB Type-Cポートでは、Anker独自のPowerIQ 3.0(Gen2)に対応しています。ここではUSB BC 1.2(DCP-1.5A),Quick Charge 3.0:5.0V-12.2V,Quick Charge 2.0:9V 12V,Samsung AFC:9Vがトリガーできました。PowerIQ 3.0(Gen2)に対応している割には、対応規格が少ない印象です。
Quick Charge 2.0とQuickCharge 3.0を個別にトリガーしてみると、Quick Charge 2.0は12Vまで、Quick Charge 3.0は13.20Vまでトリガーできました。実際には、Auto Enumerateよりも高い電圧で出力できるようです。
USB PDのPDOは、5V@3A,9V@3A,15V@3A,20V@3Aが通知されました。最大60Wまでの対応で、PPSなどには非対応です。通知されている物の数も少ないですね。
USB Standard-Aポート(両方)
USB Standard-Aポートは、Apple 2.4A,USB BC 1.2(DCP),Samsung-5V-2Aがトリガーできました。2ポートありますが、どちらも同じでした。
実際に機器を充電
実際に手持ちの機器を充電してみます。使用するUSB Type-C to Cケーブルはe-Marker内蔵の100W対応のもの、USB-C to Lightingケーブルは、iPhoneSE (第2世代)に付属したApple公式のApple USB-C – Lightningケーブル(1m)、USB Standard-A to USB Type-CケーブルはRedmi K40付属のケーブルを、USB Standard-A to Lightningケーブルは、iPhone付属のApple公式Apple Lightning – USBケーブル(1 m)を使用しています。
テスターはTC66とPOWER-Z KT001です。
Xiaomi MIX 4
Xiaomi MIX 4をUSB Type-Cポートを使って充電すると、高速充電と表示され、最大16Wほどが供給されていました。
USB Standard-Aポートでは、高速充電などの文言は表示されず、最大5W程度が供給されていました。
Galaxy Tab S7
Galaxy Tab S7をUSB Type-Cポートを使って充電すると、急速充電と表示され、最大15Wほどが供給されていました。
USB Standard-Aポートでは、充電中と表示され、最大7W程度が供給されていました。
iPhoneSE(第2世代)
iPhoneSE(第2世代)をUSB Type-Cポートを使って充電すると、最大5Wほどが供給されていました。USB Standard-Aポートを使った場合には、最大7W程度が供給されていました。
Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)”を”充電
ここまでは本製品「から」の充電でしたが、今度は本製品「へ」充電をしてみます。
付属のACアダプタは定格65Wの出力です。付属の充電器を使って充電すると、ディスプレイに「in61W」と表示されました。カーチャージャーには特に出力の表記がありませんでしたが、車でケーブル内蔵カーチャージャーを使って充電しても、ACアダプターと遜色ない出力(最大65W程度)で充電できていました。
本製品はDC入力ポートから以外に、USB Type-Cポートからも充電が可能です。USB-Cポートからの場合最大60W、DC入力ポートからは最大65Wの入力ができます。
もしかして?と思われたかもしれません。実は、USB Type-CポートとDC入力ポートを併用すれば、最大125Wの入力で充電できます。出力ではなく、入力です。
このやり方を使えば、公称値で2.5時間で満充電できるとのことです。実際に私も試してみましたが、確かにめちゃくちゃ早かったです。
一つ注意点として、ACアダプターもUSB Type-C充電器も、充電中はめちゃくちゃ発熱します。高出力なので仕方ないのですが、余裕で低温やけどしそうなくらいは発熱します。
別売のソーラーチャージャー「Anker PowerSolar 3-Port 100W」を使えば、電源の無い場所でも太陽光から発電して充電できます。
簡易UPSとしても使えるパススルー充電機能
本製品を充電しながら、別の接続機器へも同時に充電をする「パススルー充電」に対応しています。パススルー充電の際に、バッテリーを介さず直接電化製品に電力を供給することで、リチウムイオンバッテリーの劣化を抑えることができます。
これを利用して、機器とコンセントの間に本製品を挟んでおけば、通常時はパススルーで電力が供給され、停電時に本製品による給電に切り替わる簡易的な無停電電源装置(UPS)としても使えるます。災害が起きるまではUPSとして使用し、発生したらポータブル電源として使うなど活用の幅が広がりますね。
上記画像の右側(3枚目)は、実際にいきなり本製品への充電コードを引っこ抜いてみたところです。Let’snoteはバッテリーが取り外せるので、取り外した状態で行っていますが、問題なく起動した状態を保っているのがわかります。
AC出力は最大200W、瞬間最大600Wが限界なので、過度な信用は禁物ですが、比較的低出力な機器であれば、十分に実用に耐えうる機能です。
まとめ:ポータブル電源の優等生!
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用し、長寿命を実現した本製品は、ポータブルバッテリーに求められている要素の多くを満たした製品と呼べると思います。モバイルバッテリーのように安くはありませんから、バッテリーの劣化を気にせず何度も充放電が行えるのは頼もしいです。
充電サプライメーカーとして世界を牽引するAnkerの割には、(入力・出力どちらもできることからくる技術的な問題なのか)USBポートの急速充電規格への対応が貧弱なのは、もったいないところ。次世代製品では、これまで以上に多種多様な機器で急速充電が行えるようになれば嬉しいですね。
その点を除けば、容量が小さいため比較的軽量で、女性などでも持ち運びがしやすい製品です。アンビエントライトがついていて、アウトドアにもピッタリですし、ポータブル電源が初めての方にもおすすめです。
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