ZenFone Max (M2) レビュー:細かく気になる点はあるが全体的に見れば良くできた初心者向けスマホ
先日よりASUSのコミュニティーサイトA部の企画でお借りしているZenFone Max (M2)をしばらく使ってみたのでレビューをしていきます。とはいっても実質使ったのは1週間あるかないかくらいなので、あくまで簡易的なレビューとさせてください。
- Snapdragon632搭載で動きもキビキビ
- 4000mAhのバッテリーは優秀
- スペックから考えるとお買い得価格
- カメラは悪くないが難しい面も
- USB Type-CとWi-Fiの5GHz帯に非対応
- 外観はスタンダードで悪くない
- ZenFone Max (M2)のスペックとベンチマーク
- カメラはちょっと難しい?
- 指紋認証と顔認証は及第点
- Pure Androidは良くも悪くも
- その他に気になったところ
- まとめ
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外観はスタンダードで悪くない
前回の開封の儀の記事でも書きましたが、ZenFone Max (M2)の外観はそれほど特徴のあるものではありません。まぁ普通だなーと感じます。
それをどう取るかは人それぞれですが、スマホのような毎日使うものだったらこれくらい馴染みやすいもののほうが良いのかもしれません。もともと価格もかなり安いものなのだし、そこまで主張してもしょうがないですからね。
ディスプレイは6.3インチで、横幅は76.2mmです。最近では特に大きすぎるというほどでもありませんが、さすがにコンパクトとは言えません。サイドはラウンド状になっているので持ちやすくはあるのですが、片手操作はちょっとつらいです。
ZenFone Max (M2)のスペックとベンチマーク
スペック
ZenFone Max (M2)の主なスペックは以下のとおりです。
OS | Android 8.1 |
---|---|
CPU | Qualcomm Snapdragon 632 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 32GB |
外部メモリ | microSDXC (最大2TBまで) |
ディスプレイ | 6.3インチ 1,520×720 (HD+) |
カメラ | 背面:1,300万画素(メイン)+200万画素(深度測定用) 前面:800万画素 |
バッテリー | 4000mAh |
サイズ | 約158.4 × 76.2 × 7.7 mm |
重量 | 約160g |
対応バンド | FDD-LTE B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B26/B28 TD-LTE B38/B41 キャリアアグリゲーション 2CA W-CDMA B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 GSM/EDGE 850/900/1,800/1,900MHz |
ベンチマーク結果
AnTuTuの結果は103,852点、Geekbench4の結果はシングルで1265点、マルチで4823点、3DmarkはSling Shot Extreamで526点でした。
3万円を切るようなスマホでAnTuTuスコアが10万点を超えるというのはかなり珍しいですね。SoCがSnapdragon 632でミドルレンジに属するものなので不思議ではありませんが、それがこの価格で買えるというのは驚きです。
AnTuTuで似た点数を持つスマホとの比較です。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | |||
---|---|---|---|---|---|---|
Single | Multi | Battery | ||||
ZenFone 5 (ZE620KL) | Snapdragon 636 | 125019 | 1322 | 4892 | 3376 | 949 |
Huawei Honor 8X Max | Snapdragon 636 | 116796 | 1311 | 4902 | 6552 | 947 |
ZenFone Max (M2) | Snapdragon 632 | 103852 | 1265 | 4823 | 6190 | 526 |
Xperia X Compact | Snapdragon 650 | 96691 | 1379 | 3387 | 2570 | 878 |
ZenFone Max Plus (M1) | MediaTek MT6750T | 55344 | 446 | 951 | 2796 | 388 |
実際の動作はキビキビ
実際に使っているとかなりキビキビ動きます。最初はちょっとキビキビ過ぎない?と思うくらいに軽快でした。ゲームなどやっても普通にミドルレンジの感覚で快適にプレイできます。
ハイスペックを要求するようなゲームではわかりませんが、普通の人なら十分以上に満足できると思います。
バッテリーはさすがにGood
バッテリーはさすがのZenFone Maxシリーズといったところです。GeekBenchのスコアでも6,190ポイントです。これ、3,000点以下のスマホも多く、4,000点以上だとけっこう優秀だな、という感覚なので、6,000点オーバーはかなり優秀です。
実際、使っていてそれほど充電を必要としません。同時に使っているほかのスマホが気がつくと残り30%とかになっていて充電するのですが、ZenFone Max (M2)は1回飛ばしても大丈夫なくらいです。
ZenFone Max Pro (M2)はさらに容量の多い5,000mAhなので、バッテリーにこだわる人ならそちらのほうがいいかもしれませんが、価格とのバランスを考えれば、ZenFone Max (M2)も十分アリだと思います。
ストレージの少なさはネック
ZenFone Max (M2)は内部ストレージが32GBです。購入直後の状態で9.11GB(28%)がシステム等で使用されており、残り22GB程度です。MicroSDカードは利用可能ですが、内部ストレージ化したりアプリを移動させることは(とりあえずこのままでは)できません。
最初のうちは余裕かもしれませんが、長い間使っているとアプリの数も増え、アプリ内のデータも増え、32GBではだんだん足りなくなってくると思います。それが次のスマホへの買い替え時かもしれませんが…。
カメラはちょっと難しい?
カメラについては、ちょっとまだ枚数撮ってないのであまり確かなことは言えないのですが、なかなか難しいなと感じています。悪いわけではないんですけど。
ZenFone Max (M2)の背面カメラは片方が深度測定用となっており、奥行きを活かしたボケのある写真を撮ることができます。ポートレートモードではそのボケ具合なんかを調整できるのですが、これが難しい。
まず、うまくフォーカスが合わないことがあります。普通のスマホのように画面上でピントを合わせたい場所をタッチすればそこに合うのですが、それがうまく選択できなかったり、少し動かすと一度あわせたものから外れてしまったりします。
手前の石像と奥の建物との境界がうまくボケていたりボケてなかったりで、どうにも雑なソフトウェア処理のような写真になる場合があります。
ちゃんと撮れるとちゃんとするんですが。
うーん…。ミクさんの後ろにあるスピーカー、ミクさんの外側はボケてるけど髪の間から見える部分はボケてない…。
ZenUIではなくPure Androidになった影響の1つではありますが、グリッド線の表示にも対応していなく、まだまだアップデートに期待したいといったところです。
指紋認証と顔認証は及第点
ZenFone Max (M2)は背面に指紋センサーがあり、顔認証によるロック解除にも対応しています。指と顔、両方を設定しておけば手袋をしているときでもマスクをしているときでも、どちらかがあればロック解除できるので便利です。
ZenFone Max (M2)の顔認証ロック解除。 pic.twitter.com/GAvYIrjrv4
— orefolder (@orefolder) 2019年3月18日
顔認証によるロック解除は電源ボタンを押して画面がついて、ちょっとロック画面が見えてすぐにホーム画面になります。ロック画面が見えるほどの間はありますが、及第点でしょう。指紋認証に関しても、決して早いとは言いませんが、反応が悪いとは思わない程度です。
Pure Androidは良くも悪くも
ZenFone Max (M2)はほかのZenFone端末と違ってPure Androidを搭載しています。なのでASUSが独自にカスタマイズしたZenUIが使えません。これはまぁ、それまでのZenFoneが好きだった人にはZenUIがなくて戸惑うかもしれませんが、ピュアな方がいいと言う人もいるので、まぁ好みでしょうね。
ホーム画面
デフォルトのホーム画面はシンプルなものです。このホームアプリもZenUI Launcherではなく、Launcher3です。
ただ、Android Oneなどのように余計なアプリが一切入ってないというわけではなく、普通にZenFoneにあるようなアプリはいくつかプリインストールされています。
プリインストールされているアプリは上図の通り。一番下に隠れているのはYouTubeです。ATOKが入ってるのは嬉しいですね。ただこのATOKはZenFone用のATOKなのでPlayストア版とは少し違い、設定の入出力などができません。その点は注意です。
設定画面
設定画面は普通のAndroidで、シンプルでわかりやすいです。開発者向けオプションも普通に使えますし、通知領域の設定ボタンを長押しでシステムUI調整ツールも使えるようになります。
ZenUIの機能はほとんどが削除されていますが、ZenMotionだけがあります。画面をダブルタップで画面をオンオフできる機能ですが、これはよっぽど需要があるんでしょうね。
スクリーンショットの保存場所がPictureフォルダ内
Pure Androidになったことで個人的に一番嬉しかったのが、スクリーンショット画像の保存場所(フォルダ)が変わったことです。これまでのZenFoneは内部ストレージのルート直下に「Screenshots」というフォルダがあり、そこに保存されてきました。これがZenFone Max (M2)ではルート直下の「Pictures」フォルダの中の「Screenshots」フォルダに保存されています。
Picturesフォルダ内にあるのはAndroidの標準的なもので、ここにあるとDropboxアプリで自動的にアップロードする対象となってくれます。従来のルート直下ではダメでした。これが私にとってZenFoneの一番使いにくいところだったので、地味に嬉しかったりします。
その他に気になったところ
そのほか、いくつか気になったところがあります。せっかく借りた端末なのであまり厳しいことを書くのはどうかとも思いますが、ぜひアップデート等で改善してもらえると嬉しいです。
ノッチでステータスバーが役立たず
ノッチがあるおかげでステータスバーに表示できる項目数がかなり少ないです。4つ目以上は「…」で省略されてしまいます。SIMを2枚入れているとモバイルデータのアンテナとVoLTEのアイコンで4つです。Wi-Fiアイコンもあります。
ステータスバーになにか表示する系のアプリはほとんど使えないと思ったほうが良いです。
一応、通知領域を開けば表示されるのですが…あの…2つ目のアンテナアイコンがノッチに埋まってます…。
着信や通知、操作の音が大きい
使い始めた時から、どうも通常の端末に比べ音が大きいと感じました。着信音などは無音にならない一番下のレベルにしているのですが、それでも通知音はほかの端末に比べて大きく響きます。
これ、かなり嫌です。私がメインで使うとしたら、いっそ無音にしておくと思います。ウェブ上ではこれはなかなか伝わらないと思いますので、実機を触れる機会があれば、設定の「音」から確認してみてください。(なんらかで私の個体だけの症状ならいいんですけど…。)
やはりType-CやWi-Fiの5GHz非対応は辛い
発表時から言われていましたが、ZenFone Max (M2)は(Max Pro (M2)も)USBがmicro USBでWi-Fiも5GHz帯に対応していません。これが今の私の環境だと少し辛かったですね。もうほとんどType-Cに移行してますし。
まぁ、これが価格を抑えるためであるのはわかりますし、これが初めてや2台目のスマホという人ならケーブルの買い替えなどなくて済むのでいいのかもしれませんが、その先は見えないな…と。難しいところではありますが、できればどちらも対応してほしかったです。もう2019年ですし。
まとめ
なかなか厳しいことも書きましたが、どれもわりと些細なことです。私のようにスマホを何台も持っているような人にはそういった細かいところが見えてしまって気になるかもしれませんが、全体的に見ればキビキビ動いて、使いやすくて、バッテリーも長持ちで、それでいて3万円以下で買えるお買い得なスマートフォンです。
そういった意味でも、やはりミドルレンジの性能を持ったエントリー機なのかな、と感じます。最初に手にするスマートフォンが動きがガタガタだったりすると良くないですからね。ZenFone Max (M2)なら、とりあえず気分良くスマホライフを始められます。気になるところが出てきたら、そこからステップアップすればいいのですから。
エントリー機として、その価格も含めて考えれば(そういった目的に合えば)十分にアリなスマホです。今後のアップデートで大化けするかもしれませんしね。
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。