格安SIM「mineo」のフリータンクが底をつくのは当然の帰結なのか
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先日契約数が50万を突破し、着実に業界内での位置も確保しつつあるMVNO(格安SIM)のmineoですが、その大きな特徴の1つである「フリータンク」の残容量がヤバイことになっていると最近話題になっています。この仕組みができてから約1年、とうとうこの時が来たか、という状態です。
フリータンクとは
mineoのフリータンクというのは、全国のmineoユーザーでパケットを共有する機能です。
ユーザーはそれぞれの契約によって毎月一定量の高速データ通信が可能ですが、人によってこれが余ったり足りなかったりします。余った人は任意の容量を「フリータンク」に入れ、足りない人は月に1GBまでそこから引き出せる(期間は毎月21日以降)というものです。
通常の格安SIMでは、毎月の高速データ容量が足りない場合は追加で購入することになり、mineoでも150円/100MBで購入することができます。ですが、フリータンクを使えば無料で1GBまで引き出すことができます。これに対するペナルティなどはありません。引き出す際にコメントが必須なくらいです。
フリータンクの現状
このフリータンクについて、2017年1月24日にmineoのコミュニティサイト「マイネ王」のスタッフブログに現在の状況と今後の方針についてが掲載されました。
簡単に書くと以下の通り。
- これまでは月末に引き出されたとしても月初に約20TBの残容量を維持していたものが最近減っており、2017年1月初めには10TBほどにまでなった。
- 1月24日時点で残容量が3TBを下回った。このままで行くと26日には枯渇してしまう。
- フリータンクはmineoユーザー間のつながり・助け合いの場である。
- たとえ枯渇してもmineo運営からは補充は無し。
- 今後はルールの改修を実施。(2月上旬に詳しい内容をお知らせ)
- フリータンクで「1GBもらえる」というようなパケットの引き出しだけを助長するようなプロモーションをmineoとしては今後しない。
フリータンクは1人1GBまで引き出すことができるので、24日時点であと3,000人が1GB引き出したら終わり、という所まで来ました。もちろんこれから入れてくれる人もいますし全員が1GB引き出すわけでないのですが、終りが目の前に近づいているということです。
残量枯渇は間近
フリータンクの残量についてはmineoの公式サイト内で公開されています。
⇒公開データ – mineoの情報公開中(マイネなう) | マイネ王
20日時点での残量は16.7TB(16,767GB)ほどでした。これが21日は9.2TB(9,196GB)ほどまで減りました。25日時点で1.7TB(1,705GB)まで減っています。僅か5日間で15TB、少なくとも15,000人が引き出しているということです。このままでは26日にも1TBを割り、27日はゼロになってしまうでしょう。また、運営からの補充は無いということもあり、焦って今のうちに引き出そうとする人が増えれば今日中にゼロになる可能性もあります。
コミュニティサイト「マイネ王」の中でもしばらく前から話題になっており、これを受けてなるべく使わないようにしよう、頼らないようにしよう、もっと入れよう、といった動きも見られます。ですが引き出す側の勢いには勝てません。
なぜこのような状態になったのか
mineo運営も行っているように、フリータンクはユーザー間のつながり・助け合いで成り立っています。実際、mineoはマイネ王を中心にユーザー間の交流が活発で、仲間意識のようなものもあります。内輪感とも言えますが。
しかしそれらはあくまで一部です。コアユーザーだけなら助け合いも成り立つでしょうが、mineoは今や50万回線あります。それだけの人に仲間意識を浸透させるのは無理があるというものです。
フリータンクのページを見ると、期間ごとにパケットを入れてくれた人のランキングがあります。そこは月に15GBを超えて入れてくれる人ばかりです。この人達は確かに凄いですが、そもそもプランの選択が間違っているのではないか?とも言えます。(もちろん、毎月のように高速データ容量が足りずに引き出している人も間違っているのですが。)
ちなみに、毎月のデータ容量が余っている人の中でも、フリータンクに入れることもなく、消滅させることもなく、パケットギフトを利用して翌月に繰り越し続けている人たちもいます。私もその一人ですが、契約上は月3GBのプランでも繰り越し続け残容量が10GBを超えている人も多いです。それだけ繰り越してどうするの?どうせ使わないでしょ?とも思うのですが、どうせ使わなくてもそれが無くなることには恐れを抱きます。使わないのであればフリータンクに入れて人の役に立たせればいいのに、とも思うんですけどね。私も含めて。
今後はどうなる?
mineoには他にはない独創的な仕組みがありますが、それによってユーザーの考えも様々です。一般ユーザーが増えれば増えるほど、内輪的なノリが求められるユーザー間の無償の助け合いは難しくなっていきます。フリータンクという仕組みを続けたいのであれば、パケットを入れる側に何かしらのメリットを作るのがいいのではないでしょうか。
IIJmioでは一部プランで、余ったデータ容量分を利用料金から割り引くといった仕組みを初めています。これと同じようにパケットを入れればそれに応じて利用料金が割り引かれるようにすれば入れる人は増えると思います。ただそれはそれでmineoの利益が減るわけですし、そもそもフリータンクの仕組み自体利益を減らすようなものなので、これ以上は難しいと言うのもあると思います。
どうなるにせよ、現状のルールでは限界が見えているので、ルールの改修は決定事項のようです。2月にはそれが発表されるようなのでそれを待ちたいところです。今現在の注目点としては、本当にフリータンクは枯渇するのか、枯渇が近いと話題になることで「助けよう!と入れる人」と「無くなる前に引き出せ!と引き出す人」どちらが多いのか…といったところでしょうか。
フリータンクの容量は毎月末日には「もう使わない分を入れる」という人のおかげで増加する傾向にあるので、それに多少は期待したいものです。
参考情報
- フリータンクに対する運営事務局の方針と今後について | スタッフブログ | マイネ王
- 公開データ – mineoの情報公開中(マイネなう) | マイネ王
- フリータンク – mineoユーザーみんなでパケットシェア | マイネ王
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。