TECLAST ArtPad Pro レビュー:ほぼ4:3の画面がイラスト作成だけでなく電子書籍でも便利なタブレット

TECLASTより、専用ペンが付属し、手書きメモやイラスト作成のできるAndroidタブレット「ArtPad Pro」をレビュー用に提供していただきました。

最近少しずつ増えてきた、ペン付属でイラスト作成等に向いたタブレット分野にTECLASTも参戦のようです。ほかに当サイトでも紹介したXPPenのMagic Drawing PadMagic Note Pad、最近ではワコムから出たWacom MovinkPad 11などがライバル機となります。

それらが5-7万円する中でArtPad Proは(2025年8月9日時点で)35,900円と激安価格です。この価格でどれだけ使えるのか、競合となり得るのか、実際に使って感じた良いところイマイチなところをレビューしていきます。

  • 販売元が(A)はTECLAST公式ストア、(B)はTECLAST JPになっていますが、どちらもTECLAST公式で問題ありません。どちらで購入しても同じです。

  • 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

概要とスペック

ArtPad Proは4:3の12.7インチディスプレイを持ったAndroidタブレットです。4096段階筆圧の専用ペンT-Penが付属しカスタマイズされたArtOSによってペン入力やイラスト作成に向いたタブレットとなっています。

ディスプレイは12.7インチで解像度は2176×1600のほぼ4:3です。SoCにはHelio G99を採用し、RAMは8GBで20GBまで拡張可能、ストレージは256GBで最大1TBでまでのMicroSDカードに対応します。

OS Android 15
CPU MediaTek Helio G99
RAM 8GB(+12GB仮想)
ストレージ 256GB
外部メモリ microSDXC (最大1TBまで)
ディスプレイ 12.7インチ 2176×1600 (4:3)
IPSフルラミネーション液晶
リフレッシュレート60Hz
アウトカメラ 13MP
インカメラ 8MP
バッテリー 10000mAh
30W急速充電
サイズ 約278 × 208 × 7 mm
重量 665g
生体認証
SIM nanoSIM×2
対応バンド
4G B1/B3/B5/B7/B8/B20/B34/B38/B39/B40/B41
3G B1/B2/B5/B8
2G B3/B5/B8
その他 Tペン

外観

ディスプレイは12.7インチで、フロントカメラが長辺にある、横向きメインのタブレットです。ベゼルは四辺均等にあって、それぞれ9mm程度。パッケージやAmazonのメイン画像だと少しベゼルが細くなってて画面の四隅のアールも端末角のものと揃えられてるので、実物とは若干印象が異なります。

背面はメタル調で反射のないタイプです。サラサラしてるのはいいのですが、指紋というか皮脂が付きやすいのでけっこう拭き取りたくなります。別売りでケースがあるので、できればそれを装着したほうが良さそう。

上側面には左に音量ボタン、右にSIMトレイとスマートボタンがあります。

左側面に電源ボタンとスピーカー、右側面にUSBポートとスピーカーがあります。

下側面には何もありません。

SIMトレイはnanoSIMが2枚入り、片方はMicroSD)カードと排他仕様です。

TECLAST ArtPad Proは12.7インチ画面で、端末の大きさが約278×208×7mmと、けっこう大きいものの、厚みは薄く感じます。重さは約665gで、ガッシリとした印象の重さです。

パフォーマンス

ベンチマーク

各種ベンチマークアプリで確認しました。

各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.5.2)が402,094点、Geekbench 6のCPUがシングルで725点、マルチで1,983点、3DmarkはWild Life Extremeで338点、PCMarkのWork 3.0 performanceは9,385点でした。

似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi
Headwolf FPad7 Dimensity 7050
8GB
533794 957 2475 617 10131
OPPO Pad Neo Helio G99
6GB
421485 712 1849 370 8125
Teclast ArtPad Pro Helio G99
8GB
402094 725 1983 338 9385
Magic Drawing Pad MT8771
8GB
398508 753 1917 331 10696
Magic Note Pad Helio G99
6GB
356867 712 1869 347 11928
  • AntutuはCPU、GPU、メモリ、ストレージの性能、GeekbenchはCPU性能、3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。

MediaTekのHelio G99はここ1,2年でかなり多数のタブレットに搭載されているSoCです。AnTuTuスコアはだいたい40万点といったところで、ArtPad Proも基本的な性能はHelio G99搭載のほかのタブレットとそう変わりません。

操作感

実際に使ってみると、通常の操作で引っかかりを覚えることはなく快適に動作します。重めのゲームを画質良くプレイするのは困難ですが、軽めのゲーム(ブルーアーカイブやGジェネエターナルなど)なら問題なくプレイできます。

タブレットで何をするかは人によると思いますが、電子書籍を読んだり動画を見たりといったことなら十分な性能があります。

ディスプレイ

ArtPad Proのディスプレイは12.7インチで解像度は2176×1600、アスペクト比はほぼ4:4です。実際の縦横の長さは長辺が約259.8mm、短辺が約191mmです。だいたいB5サイズ(182mm×257mm)を少し大きくしたくらいですね。よくあるタブレットより縦(短辺)が伸びており、アスペクト比7:5のOPPO Pad 3よりもさらに広くなっています。

12.7インチという大きさとこの比率で、電子書籍を見開き表示で読むのにも向いています。漫画なら見開きで迫力ある絵も見られていいですね。

動画を見る場合は大抵16:9なので上下に黒帯が入ります。

リフレッシュレートは60Hzで、画面輝度の自動調整にも対応。IPSフルラミネーション液晶で画面は光沢です。ライバル機となる他社のイラスト向きタブレットはアンチグレア(非光沢)ディスプレイが多いので、この点はちょっと残念です。

面白いのは、画面のモードを標準・Ink・パステルと3つのモードで切り替えできることです。これは設定からも変更できますし、右上にあるスマートボタンでも切り替えできます。

Inkモードは白黒画面になり、電子書籍などを読むのに適しています。パステルモードは全体的に淡い色合いになり目に優しいモードです。消費電力を抑えるとも書かれているのですが、同様の機能があるMagic Note Padで試した際は差がありませんでした。

Tペン

ArtPad ProにはTペンという専用ペンが付属します。(付属しない版も販売されてます。)USI2.0対応で4096段階の筆圧感知、ペン先は交換式で予備が3本付属します。

ボタンが2つあるのですが、これはカスタマイズ設定は見当たりません。また、USB-Cで充電式となっています。

本体の上側面にマグネットでくっつきます。(磁力は弱いものの下側面にも付きます)なかなか強力なので持ち運び時に付けておけばそう簡単には取れないでしょう。

実際に使ってみると、視差はあまり気にならなかったのですが、若干のラグ(遅延)が気になります。簡単なメモ書き程度ならそう気にすることもないのでしょうが、細かいイラストを描くときには気になってしまうのではないかと思いました。

普段から絵を描いてるわけではないので、絵を描く人にとってどれほどの影響があるのかはわからないのですが、個人的には絵を描くためというよりもメモ書きやノート取り用に使ったほうがいいのでは?と感じます。

実際、プリインストールされているのはお絵描き系のアプリではなく『Art Note』というノート系のアプリだけです。これはこれで便利で、スマートボタンに登録すればいつでもすぐに起動できますし、ますますメモ・ノート系のタブレットとしての便利さが目立ちます。

バッテリー

のバッテリーは10000mAhという大容量を搭載しています。

輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで10時間4分でした。10時間を超えると「だいたい普通」くらいなので、まぁ普通ですね。悪くはありません。バッテリー容量は10000mAhと大容量ですが、画面が12.7インチと大きいのでその分だけ消費も激しい、ということなのでしょう。

充電に関しては最大30Wの急速充電に対応しています。バッテリー容量が大きいだけ充電時間もかかりますが、30Wので充電できればそこまででもありません。

システム

ArtPad ProはAndroid 15を搭載しており、UIのカスタマイズはほとんどされていません。MediaTekの機能がいくつか入っているくらいでクセもなく使いやすいですね。

設定画面はデュアルペイン式で、これは縦画面でも横画面でも変わりません。

スマートボタンの設定では、シングル・ダブル・長押しにそれぞれ機能を割り当てられます。モード切替以外にもアプリ起動ボタンにしたりできるので、さっとメモを取りたいときに便利です。

このほか、「戻る」などのボタンを割り当てられる仮想ボタンの「補助コントロール」や画面端から呼び出せる「クイックサイドバー」といった機能もあります。

TECLAST ArtPad Proの良かったところイマイチなところ

良いところ
  • 画面が大きくてほぼ4:3の比率
  • タブレットとしては十分な性能
  • 4つのスピーカーで意外と音がいい
  • 専用ペンで手書きノートも
  • スマートボタンでモードや機能の切替可能
イマイチなところ
  • 画面が光沢
  • ペンが充電式
  • イラスト作成用というよりノート向け?

TECLAST ArtPad Proは最近出始めてきたペン付きでイラスト作成に使えそうなタブレットの1つです。ほかの機種と比較するとペンが本体にマグネットで吸着するのは良いのですが、画面が光沢だったりペンが充電式だったりといった違いもあります。ペンの遅延もあり、こういったところはコストカットの結果なのでしょう。

画面が大きくてほぼ4:3という比率は、電子書籍(マンガ)を読むのに向いてます。画面のほとんどをちゃんと使えてますからね。また、スピーカーが左右に合計4つあるので意外と音も良いです。ArtPadという名前とペン付きという点に目を奪われがちですが、むしろコンテンツ視聴に向いてるのではないかと思ってしまいます。

まとめ

TECLAST ArtPad Proをしばらく使ってみました。ArtPadという名前でありペン付きなのでイラスト作成などにも使えるタブレットです。とはいえ、実際に使ってみるとむしろメモやノート用途、そして電子書籍や動画といったコンテンツ消費に向いていると思えるタブレットでした。

イラスト作成用としては、画面が光沢か非光沢か、ペンは充電式か充電不要か、そういったところも選択句潤となるでしょう。ArtPad Proはそのあたりでコストカットしているのでお財布と相談しながら選ぶといいでしょう。こういったタブレットの中では安価なのは間違いありません。

  • 販売元が(A)はTECLAST公式ストア、(B)はTECLAST JPになっていますが、どちらもTECLAST公式で問題ありません。どちらで購入しても同じです。

本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

OREFOLDERの最新情報をお届けします
author icon
orefolder

OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

⇨orefolderの記事一覧