Minisforum AI X1 レビュー:Ryzen 7 255搭載、静かでオフィスワークも快適にこなせるミニPC

Minisforumミニスフォーラムより、ミニPC「Minisforum AI X1」をレビュー用に提供していただきました。

Minisforum AI X1はAMD Ryzen 7 255搭載で内蔵グラフィックはRadeon 780M、32GBのRAMと1TBのSSDを搭載したミニPCです。これまで当サイトでレビューしてきた他社のミニPCよりも僅かに大きいですが、性能は負けず劣らずでUSB4が前面背面の両方にあって使いやすさもあります。

通常10.5万円くらいですが、セールやクーポンによって8.6万円程度で購入できます。


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Minisforum AI X1の概要

Minisforum AI X1はAMD Ryzen 7 255を搭載したミニPCです。あまり聞き慣れない名前ですが、どうやらRyzen 7 8745HSをリネームしたもののようです。同じMinisforum AI X1でRyzen 7 260を搭載したものもあり、またRAMも32GBと64GBがあります。今回提供していただいたのは32GB RAMと1TB SSDを搭載したモデルです。

USB4×2とHDMI 2.1、DP 2.0によって、同時に最大4画面の表示に対応します。また、OCuLink端子で外部GPUを接続することもできます。無線はWi-Fi 7やBluetooth 5.4に対応です。

スペック

OS Windows 11 Pro
CPU AMD Ryzen 7 8845HS
グラフィック AMD Radeon 780M
メモリ 32GB(SO-DIMM DDR5-5600 MHz)最大64GB
ストレージ 1TB:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0)
空き:M.2 2280 NVMe (PCIe 4.0)(それぞれ最大4TBまで)
サイズ 128 × 126 × 52 mm
前面ポート 1× 電源ボタン
2× USB 3.2 Gen2 (Type-A)
1× USB4 (Alt PD out 15W|40Gbps)
1× 3.5 mmオーディオ端子
2× DMIC
背面ポート 1× RJ45 2.5G イーサネットポート
1× HDMI 2.1 FRL
1× DP2.0
1× USB4(Alt PD in 100W & PD out 15W)
1× OCuLink(PCIe 4.0×4)
1× USB 2.0 Type-A
背面ポート 1× ケンジントンロック
ネットワーク Wi-Fi 7
Bluetooth 5.4

外観とポート類

Minisforum AI X1はコンパクトサイズ(128 × 126 × 52 mm)のミニPCです。CDケースよりも少し大きめですね。

ケースはアルミニウム合金で天面にMIISFORUMのロゴがプリントされています。

前面には電源ボタン、USB-A(USB 3.2 Gen2)×2、USB-C(USB4)、3.5mmオーディオ端子、デジタルマイク×2があります。

背面は電源ポート、RJ45 2.5G LAN、DisplayPort 2.0、OCuLink(PCIe 4.0×4)、USB-C(USB4)、HDMI 2.1、USB-A(USB 2.0)があります。OCuLinkの部分はフタがあって、そのままでは利用できません。利用するにはケースを開けて付属のアダプタを装着します。(後述)

側面は排気用のパンチングメッシュがあり、右側面後方にケンジントンロックがあります。

内容物は本体の他にマニュアルとVESA取り付けアダプタ、電源アダプタ、HDMIケーブル、OcuLink用アダプタです。

電源アダプタは120W、PSEマークにはMICRO COMPUTER株式会社と書かれています。

メモリやストレージの交換とOcuLinkアダプタの取り付け

底面の四隅にゴム足とは別にネジがあるので、それを外すと中にアクセスできます。

開けると線が2つほど繋がっているので外さないように注意が必要です。フタの方にはヒートシンクも見えます。

メモリはcrucialのDDR5-5600で16GBが2枚刺さっています。SSDはM.2 2280 NVMeでKingstonの1TBが刺さっています。

もう1つM.2 2280のスロットがあるので簡単に増設できますが、ここにSSDの代わりに付属のOcuLinkアダプタを装着することもできます。SSDかOcuLinkかで排他になってしまうのが残念ですが、OcuLink使わない人も多いでしょうし、選べるのは良いことです。

パフォーマンス

実際にしばらく使用し、動作や快適さなどを確認してみました。

Windows 11 Pro搭載

Minisforum AI X1はWindows 11 Proを搭載してます。コマンドプロンプトにて「slmgr /dli」を入力しライセンスを確かめてみるとOEM版(OEM_DM channel)でした。

格安なミニPCだとボリュームライセンス版を使うメーカーもあるようです。ボリュームライセンス版は企業等でライセンスを一括購入し組織内で利用するものです。なのでそれを個人向けの販売PCに組み込むのはライセンス違反になる可能性があります。

日本語配列キーボード

一つ注意事項として、購入後の初期設定で日本語配列キーボードを選んでも、なぜか英字配列になります。なので初期設定のユーザー名などで@を入力したい場合はShift+2を押します。

初期設定後に設定時刻と言語言語のオプション(日本語と書かれた右の三点メニュー)→キーボードレイアウトレイアウトを変更するで日本語キーボードを選べば、変更できます。

これはミニPCではよくあることのようですが、Minisforum AI X1ではこのあたりもマニュアルに書かれているので親切です。

ベンチマーク

いくつかベンチマークアプリを使ってみました。

Geekbench

3DMark


PCMark

CINEBENCH R23


CINEBENCH R24

ドラゴンクエストXベンチマーク


FF14ベンチマーク

Geekbench 6 CPU シングル 2532
CPU マルチ 12899
GPU OpenCL 30111
GPU Vulkan 36675
3DMARK Timespy 3223
Steel Nomad Light 2752
PCMARK10 SCORE 6639
Essentials 9560
Productivity 8919
Distal Content Creation 9314
Cinebench R23 マルチ 16337
R23 シングル 1723
2024 マルチ 945
2024 シングル 102
ファイナルファンタジーXIV
ベンチマーク
1920×1080 高品質
(デスクトップPC・ウィンドウ)
4407
普通
1920×1080 標準品質
(デスクトップPC・ウィンドウ)
5487
普通
ドラゴンクエストX
ベンチマーク
1920×1080 最高品質
フルスクリーン
11609
すごく快適
1920×1080 最高品質
ウィンドウ
10583
すごく快適

文書作成やネット閲覧など軽い作業であれば問題ありません。グラフィック関係も悪くなく、軽いゲームなら快適、FF14くらいでも設定次第でそれなりにプレイできるようです。もしグラフィックの負荷が高いゲームをやりたければ、Oculinkで外部GPUを接続という手もあります。

ストレージはKINGSTONの1TBです。

ストレージの速度はシーケンシャルリードは6123.10MB/s、シーケンシャルライトは5284.78MB/s、ランダムリードは421.13MB/s、ランダムライトは394.97MB/sでした。

動作音はほとんど気にならない

Minisforum AI X1の動作音については、かなり静かです。耳を近づければ聞こえますが、普通にデスク上に置いてると無音のように感じます。ベンチマークで負荷をかけた状態だとファンが回って音がしますが、それでもうるさいと思うようなレベルではありません。

実際に日常、仕事に使ってみて

実際に1週間と少しの間、Minisforum AI X1を使ってみました。私が普段PCで仕事できるようにセットアップして、当サイトの記事を書いたり、そのためにPhotoshopで画像編集などを行っています。この記事もそうやって書いてます。

私が使う限りではなんの問題もなく快適です。Photoshopもストレスなく使用できますし、ブラウザでタブを多く開いても問題ありませんでした。(とは言ってもタブ100個とか開く人ではないので参考にならないかもですが…。)事務的な作業であれば十分以上の性能を持っていると感じました。

Minisforum AI X1の良かったところ、イマイチなところ

良いところ
  • 豊富なポート類、USB4が前面背面の両方に
  • 事務仕事や簡単なグラフィック編集なら余裕の性能
  • 動作音がかなり静か
  • HDMIとDisplayPort両方対応
  • SSD増設かOcuLinkか選べる
イマイチなところ
  • 内部アクセスするときにフタ(底)を取るのに手間取った
  • 背面にUSB-Aが1つだけ

コンパクトでポート類も充実しており、オフィスワーク的な作業では問題ないスペックで快適に動作するミニPCです。ゲームも重めのものでなければ普通にプレイできるくらいには快適です。

個人的には、前面にUSBポートが3つ(USB-C×1、USB-A×2)があるのが便利でした。写真の取り込みにカメラとPCを繋ぐ際に、CtoCケーブルでもAtoCケーブルでもどちらでもすぐに接続できます。最近手元にCtoCケーブルばかりになってきているのでそれが使えるのが便利でした。

ただ、逆に背面のUSB-Aが1つ(しかもUSB 2.0)しかないのは不満です。USB-C(USB4)もあるのだからそれと組み合わせればいいだけの話ではあるのですが、キーボードとマウスをどちらも2.4GHz無線にすると、前面のポートを使うかUSB-Cのアダプタを使うかになるので、ちょっとだけ不満です。(実はそれもあって1つのUSBドングルでキーボードとマウスを接続できるロジクールの製品を新たに購入しました…。)

性能的にも、使い勝手としても非常に良いミニPCです。重いゲームをやりたければ追加投資が必要になりますが、普通の使い方ならこれで十分以上です。

これで(セールやクーポンで)約8.6万円ですからね。(2025年6月18日時点)また、RAMを64GBに増やしたものも10万円を切るので(2025年6月18日時点)、さらに余裕を生みたい人はそれもいいかもしれません。

10万円以下でちゃんと使えるミニPCがほしい方には、有力な選択肢になると思います。

本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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