Xiaomi MIX 4レビュー:インカメにさようなら。筐体の質感が最高なXiaomiのフラッグシップ
中国のJD.comで、Xiaomi MIX 4を購入しました。今年夏に発表された、ディスプレイ下にインカメラが埋め込まれているXiaomiのフラッグシップスマホです。
目次(見たいところからチェック!)
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Xiaomi MIX 4のスペック
OS | MIUI 12.5(Android 11) |
---|---|
SoC | Qualcomm Snapdragon 888+ |
RAM | 8/12GB(LPDDR5,6400Mbps) |
ストレージ | 128/256/512GB(UFS3.1) |
ディスプレイ | 6.67インチ 2400×1080 120Hz AMOLED(FHD+,386ppi,Gorilla Glass Victus) |
メインカメラ | 10800万画素広角(Samsung HMX)+1300万画素超広角+800万画素ペリスコープ望遠 |
フロントカメラ | 2000万画素(Under-displayCamera) |
バッテリー | 4500mAh(120W有線,50W無線急速充電対応) |
サイズ | 約162.65×75.35×8.02mm |
重量 | 約225g |
その他 | IP53防水防塵、X軸リニアモーター、NFC、IR Blaster |
ネットワーク |
DSDV対応 5G:n1/n3/n5/n8/n28/n41/n77/n78/n79(n1、n3、n5、n8、n28については、アップデートでサポート) 4G:FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28 4G:TDD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41(2496-2690 194MHz)/B42 3G:WCDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 3G:CDMA EVDO: BCO 2G:GSM:B2/B3/B5/B8 2G:CDMA 1X:BCO 4×4 MIMOサポート、HPUE、HO RxD(国内キャリアでの対応は不明) |
Xiaomi MIX 4は中国限定モデルですが、対応バンドは割と充実しています。
実際のパフォーマンスをベンチマークで確認
今回は、Antutu Benchmark V9.2.5、GeekBench 5、PCMark for Androidでベンチマークを行ってみました。
Antutu V9.2.5では、769,586点と、最高峰の処理性能を誇るSnapdragon 888+搭載機でありながら、あまりスコアが伸びませんでした。Antutuのテストは結構長いですし、開始後割とすぐに温かくなっていたので、発熱の影響なのかもしれません。
順位では、Galaxy S21 Ultra 5G(SDM888)の下、9位につけています。…Redmi K40 Proにも負けているのは…うーん…
Geekbench 5.4.4では、Single-Core Scoreが1,118、Multi-Core Scoreが3,256でした。シングルコア、マルチコア共に、Galaxy S21 Ultraより明確に上の処理性能を見せています。テストが早く終わるGeekbench 5ではそれなりにスコアが出ているので、やはり発熱の影響という説が有力ですね。
PCMark for Androidでは、Work 3.0 performanceと、Storage 2.0を実行しました。Work 3.0 performanceでは、スコアは12,981、Storage 2.0は、スコア26,680でした。Work 3.0 performanceはSDM888搭載のMi 11i程度、Storage 2.0はMi 11X Pro程度のスコアとなりました。PCMark for Androidもパッとしないスコアですね…発熱…
もちろんハイエンドモデルなので動作はサクサク、快適そのものです。ゲームをプレイしてみましたが、性能は十分なものの発熱がすごいので、原神などで快適に遊ぶのは、冷却ファンがあっても容易ではなさそうです。まぁ、原神を遊ぶとなるとどんなプロセッサでも難しいのですが…
パッケージ、内容品など
パッケージはこのように真っ黒な箱に、金色の文字で印字がされていて、かなり高級感があります。中国限定モデルなので、当然ながら中国語と英語でしか書いてありません。
箱を開けると、まずはメッセージがお出迎え。「世上没有完美 但总有人在追求完美 全面屏开创者 再次创造全面屏」と書いており、日本語に訳すと「完璧というものはないけれど、それを求めている人は必ずいる。フルスクリーンのパイオニアが再び創り出す(DeepL)」みたいなニュアンスになります。
メッセージが書かれているのは紙の板で、取るとMIX 4が現れます。そしてさらに紙の板で区切られた下に…
アクセサリーや充電器が入っています。今どき、充電器が同梱されないモデルも多くなっていますが、Xiaomi MIX 4は後述する最大120WのXiaomi Hyper Chargeに対応しているということもあってか、充電器も同梱されています。
内容品一覧です。スマホ本体、透明なケース、120W対応の充電器、充電ケーブル(USB Standard-A to USB Type-C)、USB Type-C to 3.5mm Audio Jack変換アダプタ、SIMピン(SIM Ejecter Tool)と、フルセット。
また、TPU素材と思われる保護フィルムが既に貼られています。
ちなみに、Xiaomi 11T Proの日本向け充電器でもひと悶着ありましたが、Xiaomi Mix 4に同梱されている充電器は100Vだと最大96W出力になります。充電時間については後述しますが、十分に早いですよ。
質感は最高!高級感あふれるセラミックユニボディ
高品質なセラミックボディも、Mixシリーズの代名詞。Xiaomi MIX 4は、通常のセラミックより30%軽い高純度のナノジルコニア複合材料を使用した、フルセラミックユニボディになっています。普通より軽量とはいえ、やはりセラミックですのでずっしりとした重みはあります。しかしその分、高級感はなかなかのもの。毎日眺めては悦に浸っています…
本体の4側面です。本体右側に音量ボタンと電源ボタンがあり、本体左側には何もありません。本体トップにはIR Blasterと「SOUND BY harman/kardon」の文字があります。スピーカーグリルは私が見る限り見つからないのですが、harman/kardonチューニングなのでもちろんステレオスピーカーです。
本体ボトムには、左からSIMカードスロット、USB Type-Cポート、スピーカーグリルが並んでいます。MIX 4はIP53の防水防塵に対応。ここは、次世代モデルでIP68に対応してくれないかな〜、と期待しています。一気に(日本でのいわゆる)防水にしない辺りがXiaomiらしいというか。
一体成型のユニボディなので、側面から背面にかけての繋ぎ目が一切ありません(ディスプレイとの間はある)。私はグレーを選んだのですが、単純なグレーではなく、光の当たり方によっては少しブルーっぽくも見えるカラーで、なかなか美しいです。
ツルツルで滑る上、セラミックなので割れると粉々になってしまいますし、ケース無しは自殺行為ですね。必須です。
ディスプレイ
ディスプレイは約6.67インチのAMOLED。解像度こそFHD+(2400×1080)ですが、しっかり120Hzに対応し、タッチサンプリングレートは最高480Hzです。Gorilla Glass Victusに覆われていて、フラッグシップ相応の装備になっています。HDR 10+、Dolby Visionにも対応していて、あざやかです。
肝心のフルスクリーンディスプレイですが、正直これまで使っていたRedmi K40もパンチホールが十分に小さかったので、劇的な変化…とまではいきませんでした。よっぽど大きいノッチやパンチホールでなければ、Mix 4にする必要はありません。インカメラの画質も落ちますしね。
とはいえさすがハイエンドモデル、ベゼルがめちゃくちゃ細いです。実はCUP(UDC)よりこっちのほうに感動しました。
とはいえ、直射日光下で目を凝らさなければ分からないのはいつ見てもすごいなあと思います。Geek的な視点では、世界最先端の技術を持った製品を持っているという喜びがあるので、それでいいのです、それで…
なぜこうなるのか分からないのですが、画面に強い光が当たるとカメラ部分に太陽のアイコンが表示されます。…カメラ保護みたいな意味があるのでしょうか…?
スピーカー/サウンドとバイブレーション
前述の通り、スピーカーにはharman/kardonがチューニングしたステレオスピーカーが採用されています。手持ちのRedmi K40と同じ音源(Netflixで配信されているアニメ)を聴き比べてみました。一応Redmi K40もステレオスピーカーなので、大きな差があるわけではないですが、よく聴き比べるとMIX 4のほうがよりクリアに聴こえました。
インカメラだけでなく、トップ側のスピーカーもディスプレイに内蔵されているようです。
生体認証
生体認証は光学式の画面内指紋認証と2Dの顔認証に対応しています。画面内指紋認証は初めて使ったのですが、十分に高速でいいですね。なんとなく未来感があってワクワクします。
実際に画面消灯状態から画面内指紋認証でロック解除する様子を動画にしました。TPUフィルムやガラスフィルムを貼って使っていますが、貼ったことによって認証が極端に遅くなったり、失敗するようになったりすることはありませんでした。
バッテリー
前述の通り、MIX 4に搭載された4,500mAhのバッテリーは、最大120WのXiaomi Hyper Chargeに対応しています。日本ではXiaomi 11T Proで同じ機能(機能?)がありますね。
ただ、日本版Xiaomi 11T Proには、100Vコンセントでも120W出力が可能な充電器が同梱されていますが、Xiaomi MIX 4に同梱されているものは100Vだと最大96Wになります。
実際にMIX 4に同梱されていた充電アダプタで充電(強制シャットダウン直前から100%まで)してみると、およそ30分程度で充電できました。
外出する日の朝に充電し忘れていたことがあったのですが、出かけるまでにフル充電できたので驚きましたし、助かりました。96Wでも十分に実用的ですね。
また、対応充電器を利用すれば、無線でも最大50Wで急速充電できます。Mix 4"から"無線でQi対応機器にリバースチャージすることもできます。
バッテリーは4,500mAhで割と大容量ですが、私が120Hzにしていたりするのもあってか、それほど持ちはよくありません。普通か、普通より少し悪い程度でしょうかね。
108MPセンサー搭載の3眼カメラ
Xiaomi Mix 4は、108MP広角(Samsung ISOCELL Bright HMX,S5KHMX)+13MP超広角(120°)+8MPペリスコープ望遠の3眼カメラを搭載しています。108MP広角と50X望遠カメラには、光学式手ブレ補正(OIS)が搭載されています。
カメラの出っ張りはかなりあり、クレジットカード4枚分くらいの厚みがあります。アシンメトリーな配置なので、ケースを付けずに平面に置くと、操作するときにガタつきます。
ここでは、実際に撮影した画像を紹介します。画像は全て長辺1200pxになるように、サイズは200KB前後を目安に圧縮しています。Mix 4の設定はAIオン、HDRオートです。(画像タップで拡大されます)
108MP広角カメラ
こんな感じです。今までメインにしていたRedmi K40に比べると、センサーサイズが大きいおかげで全体的に柔らかく、ダイナミックレンジが広く写っている気がします。椿も、Redmi K40で撮ると塗り絵っぽくなってしまっていましたが、MIX 4はグラデーションが豊かです。
ただ、被写界深度が浅いので、どうしても近接で撮ると、ボケなくていいところでもボケてしまいます。物であれば良いのですが、文字などだと中心部分以外がボケてしまって厄介です。引いてから望遠で撮るなどの対処が必要ですね。
通常は108MPのセンサーを4-in-1ピクセルビニングして使っているので、出力は27.1MPになるのですが、ピクセルビニングをしても27.1MPなので、高精細な画像が好きな私にはすごく合っていました。12MPなどでは、うーんまだ足りないかな…と思うことも多かったので。
夜景…とまではいきませんが、夕暮れのちょっとしたイルミネーションを撮影してみました。
13MP超広角カメラ
左側が超広角(0.5x)、右側が広角(1.0x)です。超広角のほうは若干色あせた感じの色合いになっています。Redmi K40の超広角に比べればマシではあるのですが…
こちらも同様に色合いがよくないですね。単体で見ればさほど違いには気づかないのですが、比較すると明らかに違うなと感じます。
8MPペリスコープ望遠カメラ
Xiaomi MIX 4にはペリスコープ(=潜望鏡)の望遠カメラもついています。最大50倍までできるようになっています。
これは、定位置から1x、5x、10x、50xの順で倍率を変えながら撮影したものです。5xまでは躊躇なく、普通に実用に耐えうるほどきれいかつ鮮明に写っています。10xも、少し厳しいかなとは思いますが、使えないこともないかというレベル。50xはどうしてもかなり劣化してしまいますが、離れた場所の文字の確認程度には使えそうです。
また、Supermoonモードを使えば簡単に月が撮影できます。これかなりすごいですね。P30 Proで話題になったと思いますが、Huaweiスマホではなくても月が鮮明に撮影できるのは何度見ても驚きます。
ちなみに、雲に隠れたりすると隠れた様子が映るので、合成…ではないと思っています。
CUP(Camera Under Panel)のインカメラ
フリー写真素材ぱくたそ の画像を、普通のA4コピー用紙に印刷して撮ってみました。1枚目(左側)がリアのメインカメラで撮影した画像、2枚目(右側)がディスプレイ下のインカメラで撮影した画像です。メインカメラで撮った画像だけ見づらかったので、メインカメラでの画像のみ、男性女性両方で明るさを上げています。
全体的にインカメの方は白っぽく、モヤがかかったような境界線が粗い画像になります。高倍率のデジタルズームをしてホワイトバランスを上げたみたいな写り方、というのが近いでしょうか。一見して分かる程度には劣化してしまいます。
Xiaomi MIX 4のメリット・デメリット
Xiaomi MIX 4を使ってみて良かったところ・イマイチだったところをまとめてみます。
- 高い品質のセラミックユニボディ
- 108MPで1/1.33の大型センサー
- CUP(Camera Under Panel, a.k.a Under Display Camera,Under Screen Camera)採用、真のフルスクリーンディスプレイ
- 最大120W対応のXiaomi Hyper Charge対応
- UDCは画質が低下
- 大きくて重い
- 中国限定モデル
- ディスプレイの解像度がフラッグシップなのに高くはない
まず、なんと言っても中国限定モデルなのが残念。せめてグローバル版があれば…と思います。有志のおかげで中国限定モデルでもなんとか使えるんですが…。
あとは重さとインカメラの画質が難点。セラミックなので重いですし、そもそもが大きいです。また、インカメラは従来より改善したとはいえどうしても劣化は避けられません。
まとめ:フラッグシップに相応しい1台!
今回初めてXiaomiのフラッグシップ機というものを手に入れましたが、フラッグシップの名に相応しい高級感と機能を備えたモデルでした。
カメラもSoCも最高峰、ボディに至ってはほぼ例のないセラミックユニボディ…。その装備でありながら、8+128GB版なら4,999CNY(約86,000円)という価格は魅力的。 何せUDCですからね。私のようにインカメラをほぼ使わないユーザーには、CUPで十分です。エッジディスプレイも、私はさほど気になりませんでしたし、かなり気に入ったスマホになりました。
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