ASUSの最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 5 (ZS673KS)」をレビュー用にお借りして1週間ほど使ってみました。
短い試用期間ではありますが、実際に使ってみての良いところイマイチなところをレビューしていきます。
- さすがの高性能で重いゲームでも安心
- 普通のスマホとしてももちろん優秀
- バッテリー制御など細かい工夫が嬉しい
- やっぱり重い
目次(見たいところからチェック!)
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ROG Phone 5の概要とスペック
ROG Phone 5はASUS史上最高性能を実現した5G対応ゲーミングスマートフォンです。現時点で最高峰となるQualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platformを搭載し、RAMは12GBと16GBの2モデル、ストレージは256GB、ディスプレイは144Hz駆動の6.78型AMOLEDディスプレイを搭載します。今回お借りしたのはRAM 16GB版です。価格は114,800円。
主なスペック
本体カラー | ファントムブラック 、ストームホワイト |
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プロセッサー | Qualcomm Snapdragon 888 5G |
メインメモリ | 12GB / 16GB |
記憶装置 | 256GB |
ディスプレイ | 6.78型AMOLEDディスプレイ 2,448×1,080ドット(フルHD+) リフレッシュレート144Hz |
カメラ | 6,400万画素広角カメラ (メインカメラ) 1,300万画素超広角カメラ (2ndカメラ) 500万画素マクロカメラ (3rdカメラ) 2,400万画素カメラ (インカメラ) |
OS | Android 11(ROG UI) |
サイズ | 高さ173mm×幅77mm×奥行き9.9mm |
質量 | 約239g |
主な付属品 | Aero Case(ファントムブラック) Transparent case(ストームホワイト) |
通信方式 | 5G:n2/5/7/12/20/25/38/40/66/71/77/78/79 LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28/29/30/32/34/38/39/40/41/42/48/66/71 3G:B1/2/3/4/5/6/8/19 GSM:850/900/1,800/1,900MHz |
デザイン
開封の様子など、外観についてはファーストインプレッションの記事もありますので、こちらもどうぞ。
持ってみるとやはり大きさを感じます。6.78インチディスプレイ、高さ173mm×幅77mm×奥行き9.9mm、重さは約239gと存在感あります。
背面がガラスなので微妙に滑って落としそうでちょっと怖いです。(実際はそんな滑らないんですが…。)
ゲーミングスマホと言うと黒いイメージがあるのですが、ROG Phone 5は「ストームホワイト」という白いカラーもあります。(黒いファントムブラックもあります。)
白をベースに黒いフレーム、ワンポイントに青が入ってるのがオシャレですよね。
SIMトレイの部分が青になっており、そこにGLHF!(Good Luck, Have Fun!)と書かれてるのがお気に入りです。
ディスプレイにノッチ(切りかけ)やパンチホールはなく、上ベゼルに前面カメラが埋め込まれています。ノッチやパンチホールを採用しなかったのはもちろんゲーム時に画面を塞ぐ邪魔をさせないためです。
それにしてもこの前面カメラ、細いベゼルの中によく入れ込んだな、と思えるほど目立ちません。
リフレッシュレート最大144Hzのディスプレイ
ROG Phone 5のディスプレイは6.78インチの有機EL(AMOLED)です。リフレッシュレートは最大144Hzで応答速度1ms、タッチサンプリングレートは300Hzです。ゲーマーな方ならこのあたりの数字には敏感でしょう。
あいにく私はこのあたりの違いに対する感度が低いのでうまく評価できませんが、パッと見の画面の発色や明るさ、見やすさはかなり良好に感じます。
聴けばすぐに分かるスピーカーの良さ
ROG Phone 5を起動してまず驚いたのが音の良さです。私自身はそんなにスマホの音やスピーカーにこだわる方ではないのですが、そんな私でも最初に聞いた段階で「違う」とわかるくらいには良いです。
端末の左右に7マグネットデュアルスピーカーが搭載され、オーディオのスペシャリストであるDirac社と共同で最適化してるとのこと。3.5mmイヤホンジャックもあるので有線イヤホンでも楽しめます。
ゲームのための機能が盛りだくさん
ROG Phone 5はゲーミングスマホということで、ゲームに特化した機能がいくつもあります。
AirTrigger 5
AirTriggerは擬似的なボタンで画面タップでの操作を置き換える機能です。横持ちしたときの左右上部の超音波タッチセンサーによるLRボタンのほか、ROG Phone 5ではスマホを傾けることで操作するモーションコントロールも追加されました。
超音波タッチセンサー
横持ちにしたときの左右上部にある超音波タッチセンサー。バージョンを重ねるごとにタップだけでなく水平/垂直方向へのスライドやデュアルパーティション、スワイプなど対応する動作が増えています。
モーションコントロール
ROG Phone 5ではジャイロセンサーを使ったモーションコントロールにも対応。本体を傾けてキャラを移動させるということも可能です。
Game Genie
ゲームをプレイ中に端から引き出せる、ゲーム用のツール群がGame Genieです。ゲーム中の着信設定や録画、マクロなんかもあります。AirTriggerの設定もここでできます。
パフォーマンス
今回お借りしたROG Phone 5はSoCにSnapdragon 888 5G Mobile Platformを搭載し、RAMは16GB、ストレージは256GBのモデルです。2021年6月時点で最高クラスのスペックを持ったスマートフォンですね。
各種ベンチマーク結果
ベンチマークテストの結果は上図の通り。Xモードオンの状態で、AnTuTu(V9.0.8-OB)の結果は810,721点、Geekbench5の結果はシングルで1,123点、マルチで3,636点、3DmarkはWild Lifeで5,712点でした。
文句なしのハイスペック機ですね。
モード変更で最適なパフォーマンス
Armoury Crateというゲーム関連をまとめたアプリで、ROG Phone 5のパフォーマンスを変更できます。通常は「ダイナミック」ですが、ゲームなどのときにパフォーマンス優先な「Xモード」にしたり、パフォーマンスを落としてバッテリーを節約する「超省電力」といったものがあり、自分でカスタマイズもできます。
ゲームを高品質で楽しめる
実際にROG Phone 5でいくつかのゲームをプレイしてみました。とは言っても私は普段はそんなにハイパフォーマンスの必要なゲームはやっていないのですが…。
とりあえず以前からやっていた『マジカミ』や設定次第でハイパフォーマンスが必要な『原神』をプレイ。今まではどちらもグラフィックや効果をいくつか落とした状態でプレイしていのですが、さすがROG Phone 5は最高品質にしても問題なくプレイできました。
ただ、プレイしてるとけっこう熱くなりますね。バッテリーやCPUの温度はGame GenieやArmoury Crateで確認できるのですが、ゲームしてるとだいたい40℃を超えます。別売りの外付け冷却ファン「AeroActive Cooler 5」やゲームパッド「Kunai 3 Gamepad」を使えば(冷やしたり本体に触らないので)そこまで気にならないと思いますし、できればセットで手に入れたいところ。
また、本体の重さもけっこうあるので、長時間のプレイは疲れてしまうかもしれません。
カメラも妥協しない
ROG Phone 5はゲーミングスマホなのでカメラは特に際立ったものではありませんが、それでも手を抜いてはいません。メインは6,400万画素の広角カメラで、ほかに超広角カメラとマクロカメラのトリプルカメラの構成です。
ZenFoneシリーズのカメラがそのままROG Phoneにも載っているといった印象で、激しい補正はなく自然に良く見える写真になります。
これは背景をボケさせたかったのでポートレートモードで撮ってます。
こちらはマクロカメラ。
きらびやかな夜景は私の住む周辺にはないので、街を監視するカエル像の1つを。
夜の公園に猫がいました。
このほか、撮影した写真をAmazon Potosにアップしてあるので、興味ある方はご覧ください。
その他に気になった機能など
バッテリーを保護する機能
ROG Phone 5は65Wの充電器が付属しており、6,000mAhの大容量バッテリーでもかなりのスピードで急速充電できます。ただそれだけでなく、バッテリーを保護するような機能もあります。
ZenFone 7シリーズにもあった機能ですが、設定の中に「バッテリーケア」という項目があります。この中には、あえて低速で受電して発熱などを抑える「低速充電」、指定した時間に充電が完了するようにして満充電状態で充電が続くのを防ぐ「予約充電」、あえて100%にせず80%(または90%)までしか充電されないようにする「充電制限」といった機能があります。
これらの機能を使うことでバッテリーの劣化を防いで長く使えるようになります。
充電しながらゲームするときに便利なのがバイパス充電です。これはバッテリーに充電するのではなくシステム本体に直接電源を供給します。これにより発熱やバッテリーの劣化を防いでくれます。
指紋センサーと顔認証
ROG Phone 5は生体認証として顔認証と画面内指紋認証でロック解除できます。顔認証は速度も十分で、端末を持ち上げて顔を向ければすぐにロック解除されます。
画面内指紋センサーも速度は早いのですが、個人的にはやはり場所を見失ってしまったり、認証できないこともあるのでちょっと苦手ですね。
ディスプレイの表示設定が細かくていい
ディスプレイの設定ではリフレッシュレートの指定などできるのもいいですが、普通は開発者ツールの中に隠れてる「アニメーション速度」があったり、ステータスバーのアイコン表示を1つ1つオンオフできるのはポイント高いです。
まとめ:ゲームやる人もやらない人も
ROG Phone 5を使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。
- ハイスペックで性能に対する不安がない
- バッテリー劣化を防ぐ機能が多い
- カメラも悪くなく、普段使いできる
- スピーカーの音がかなりいい
- ゲームをよりやりやすくする機能の数々
- 重い&発熱がけっこうある
- AeroActive Cooler 5が別売り
- おサイフ、防水、microSDカードには非対応
- ATOKに設定の入出力がない
ROG Phone 5はゲーミングスマホですが、高リフレッシュレートのディスプレイは普段使いでも見やすいですし、バッテリーの劣化を防ぐ機能など、ゲーム以外で使っても優秀です。
ただ、重くて発熱がけっこうあるのは、長時間のゲームプレイには辛いところです。それを緩和できるAeroActive Cooler 5が別売りなのも残念です。まぁ別売りにすることで価格を抑えたのでしょう。でも使ってると、別売りオプションいろいろ欲しくなってくるんですよねぇ…。
ATOKの設定に入出力がないのはZenFoneでもそうで、もはや諦めている小さな不満です。まぁあまり気にする人もいないのでしょうね。
ゲーミングスマホと言うとゲーマーのためのスマホ、というイメージですが、その機能の数々は実は普通のスマホとして使うときにも有用なものです。実際、私も最初は「ゲームはあまりやらないんだよなぁ」と思っていたのですが、普通に使ってるときでも「あれ?これいいじゃない」と、どんどん評価が上がっていきました。
ただ、機能が多くて、それを把握しきれないのも難点ですね。付属のユーザーガイドも一般的なスマホの使い方のものなので、もっとROG Phone独自の機能について解説した冊子が欲しいですね。まぁROG Phoneを購入するようなユーザーは自分でそういった機能を開拓していくのが楽しい人達なのかもしれませんね。