OREFOLDER

格安SIMの速度測定 2021年4月後半:BIGLOBEモバイルとnuroモバイルがかなりいい感じ!

大手キャリアに比べて月額料金が安くて人気なのが「格安SIM」です。格安SIMはたくさんの会社があり、速度や使いやすさ、機能は異なってきます。その中でも最もわかりやすく比較できる重要なものが「通信速度」です。

OREFOLDERでは月に2回、主な格安SIMをスピードテストアプリを使って実際に速度測定し、比較しています。あくまで個人レベルでの測定になりますが、格安SIM選びの参考になれば幸いです。

今回は2021年4月前半編です。実際に使用した格安SIMは20種類で、茨城県つくば市にて通勤時間帯やお昼の混雑時間帯に測定しています。なお、これらのSIMはすべて個人で実際に契約しているものであり、特定の会社等から提供を受けたものではありません。

今回のポイント

今回の測定は4月20日-21日に行いました。
今回から、ドコモのahamoを加えています。格安SIMと一緒にすべきではないかもしれませんが、比較対象としてはアリでしょう。ahamo/povo/LINEMOと比べてどれくらい出るかで速い遅い見極めましょう。

  • 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

測定方法など

測定方法

測定は以下のようにして行いました。

日時
2021年4月20,21日(20日12時・19時、21日8時・12時の4回実施)
場所
茨城県つくば市
測定アプリ
Speedtest.net
5GMARK
測定方法
SIMごとに3回ずつ測定し、(3回の合計値+中央値×2)/5を値とする。それとは別に昼に5GMARKでのフルテスト
使用端末
AQUOS sense3 basic
※今月から測定する端末を同じ機種に統一しました
使用したSIM
  • ahamo(ドコモ回線)
  • IIJmio(ドコモ回線・au回線)
  • y.u mobile(ドコモ回線)
  • OCNモバイルONE(ドコモ回線)
  • BIGLOBEモバイル(ドコモ回線・au回線)
  • b-mobile(ドコモ回線・ソフトバンク回線)
  • 日本通信SIM(ドコモ回線)
  • nuroモバイル(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線)
  • mineo(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線)
  • UQ mobile(au回線)
  • povo(au回線)
  • Y!mobile(ソフトバンク回線)
  • LINEMO(ソフトバンク回線)

※今回からahamoを追加しました。

測定の正確さや意義について

測定用アプリや測定環境など、もっと正確なものがあると考える方もいらっしゃるでしょうが、ある程度の妥協を重ねて今の形になっています。これらについて、これでは意味が無いとお考えの方もいるでしょうが、それならそういうものとして見てください。
(基本的に、多くの人が使っていて自分の場合と比べやすく、またパッと見で分かりやすいものを選んでます。正確性などを考えればもっとやり方はありますし、そうやっているサイトもほかにたくさんあります。ぜひそういったより正確なデータもご覧ください。)

測定アプリについて

現在は『Speedtest.net』と『5GMARK』の2つのアプリを使って測定しています。『Speedtest.net』は広く使われているメジャーな測定アプリです。しかし、このアプリだけだと実際の利用における体感速度と離れた結果が出る格安SIMが出てきました。

『5GMARK』のフルテストはYouTube動画やウェブページなどの読み込みをテストに組み入れており、より実際の使用環境に近い形でのテストが可能です。ただし通信量も多いので、当サイトの測定では『5GMARK』は昼に1回のみ行っています。

朝:8時05分~20分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
ahamo 61.04 8.62 35.4
IIJmio-D 66.06 17.38 35.0
y.u mobile 46.48 11.44 36.0
OCNモバイルONE 43.36 9.02 46.2
BIGLOBE-D 39.94 8.63 36.8
b-mobile-D 39.22 10.73 36.2
日本通信SIM 56.38 16.52 36.2
nuroモバイル-D 20.02 13.12 61.6
mineo-D 51.58 13.74 67.6
povo 12.36 7.55 27.2
UQ mobile 12.32 4.52 29.0
IIJmio-A 11.29 3.11 41.0
BIGLOBE-A 11.15 3.06 28.6
nuroモバイル-A 10.54 4.01 25.4
mineo-A 21.52 1.24 55.4
LINEMO 29.06 19.40 17.8
ワイモバイル 30.30 10.40 18.0
b-mobile S 31.08 9.54 20.2
nuroモバイル S 24.44 13.40 39.2
mineo-S 25.14 11.18 75.0

朝は通勤時間帯ということもあり比較的混雑する時間帯です。だいたい3Mbps以上出ていれば特に不満なく通信できると思いますが、今回もすべてのSIMがそれをクリアしています。

昼:12時15分~25分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
ahamo 56.52 13.18 35.0
IIJmio-D 1.48 5.34 95.4
y.u mobile 44.02 9.53 38.2
OCNモバイルONE 53.90 11.83 50.4
BIGLOBE-D 37.10 9.12 35.2
b-mobile-D 2.96 8.89 267.0
日本通信SIM 48.86 8.51 122.2
nuroモバイル-D 30.64 12.42 39.8
mineo-D 7.16 8.05 112.0
povo 15.24 3.69 27.8
UQ mobile 8.20 2.74 23.6
IIJmio-A 11.35 3.26 43.8
BIGLOBE-A 1.60 1.56 39.0
nuroモバイル-A 18.44 4.15 28.8
mineo-A 5.05 3.08 99.4
LINEMO 36.28 8.10 18.0
ワイモバイル 37.04 4.80 18.0
b-mobile S 29.78 11.34 19.2
nuroモバイル S 29.70 6.75 41.6
mineo-S 10.65 7.34 86.6

平日の昼は、一番速度が落ち込む時間帯です。なのでこれまでであれば1Mbps前後しか出ないところが多かったのですが、今回はドコモ回線の格安SIMの多くが30Mbps以上の爆速です。

お昼は遅いものとして諦めるのも手ですが、お昼に外でスマホを使うことが多い人は、できれば昼でも3Mbps以上出てる格安SIMを選んだほうがいいでしょう。だいたい1Mbpsを切るとかなりツラいです。ここで1Mbpsを安定して超えられるかどうかで体感はかなり変わります。

夕方:18時10分~20分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
ahamo 46.56 10.03 33.4
IIJmio-D 30.84 12.26 74.0
y.u mobile 46.76 11.46 34.4
OCNモバイルONE 44.12 8.39 47.2
BIGLOBE-D 37.20 9.09 36.0
b-mobile-D 41.64 9.70 40.4
日本通信SIM 41.76 15.84 35.2
nuroモバイル-D 34.12 12.36 68.8
mineo-D 50.14 13.32 85.8
povo 6.59 1.78 25.2
UQ mobile 21.84 1.51 27.8
IIJmio-A 15.64 0.91 43.4
BIGLOBE-A 6.78 2.93 31.8
nuroモバイル-A 18.24 5.15 28.4
mineo-A 21.26 1.28 69.2
LINEMO 33.76 11.78 17.8
ワイモバイル 21.88 3.64 18.2
b-mobile S 20.62 8.56 20.0
nuroモバイル S 11.81 7.12 42.4
mineo-S 15.20 6.11 87.4

この時間帯も家に帰る人などが多く、混雑時間帯の1つでした。しかし最近はどのSIMも十分な速度が出るようになっています。だいたい朝と似たような傾向で、そこまで遅いところはほとんどありません。
逆に言えば、朝もこの時間も遅い格安SIMは速さに期待しないほうが良いです。

時間帯別グラフ

V字型になってるのが多いのは変わりませんが、これまでは昼に1Mbps程度で固まっていたものが5Mbps程度まで上がっています。どのSIMでも十分使える速度になっています。

なお、ahamo, OCNモバイルONE, y.u mobile, 日本通信SIMはどの時間帯でも40Mbpsを超えていたのでグラフ内に表示されていません。

DOWN 8時 12時 18時
ahamo 61.04 56.52 46.56
IIJmio-D 66.06 1.48 30.84
y.u mobile 46.48 44.02 46.76
OCNモバイルONE 43.36 53.90 44.12
BIGLOBE-D 39.94 37.10 37.20
b-mobile-D 39.22 2.96 41.64
日本通信SIM 56.38 48.86 41.76
nuroモバイル-D 20.02 30.64 34.12
mineo-D 51.58 7.16 50.14
povo 12.36 15.24 6.59
UQ mobile 12.32 8.20 21.84
IIJmio-A 11.29 11.35 15.64
BIGLOBE-A 11.15 1.60 6.78
nuroモバイル-A 10.54 18.44 18.24
mineo-A 21.52 5.05 21.26
LINEMO 29.06 36.28 33.76
ワイモバイル 30.30 37.04 21.88
b-mobile S 31.08 29.78 20.62
nuroモバイル S 24.44 29.70 11.81
mineo-S 25.14 10.65 15.20
左:BIGLOBE(D) 中:BIGLOBE(A) 右:nuroモバイル(S)

もう1つ、5GMARKの結果をみてみましょう。

昼:5GMARK結果

POINT DOWN
(Mbps)
UP
(Mbps)
PING
(ms)
YouTube
(s)
WEB
(s)
ahamo 29494 48.0 3.81 52 0.9 2.1
IIJmio-D 1224 0.4 6.19 123 3.7
y.u mobile 2448 0.0 9.42 85 2.2
OCNモバイルONE 1873 0.1 6.88 103 5.2 2.5
BIGLOBE-D 14765 31.7 5.98 66 1.8 5.2
b-mobile-D 1974 0.0 9.43 231 10.1 5.2
日本通信SIM 3219 2.3 7.32 555 1.6 3.3
nuroモバイル-D 16824 25.8 6.92 70 1.6 2.4
mineo-D 368 0.6 2.21 126 6.2
povo 8430 12.8 3.77 50 3.4 2.0
UQ mobile 5025 7.4 3.54 46 6.5 2.1
IIJmio-A 6573 10.9 2.03 59 5.0 2.3
BIGLOBE-A 5316 9.5 3.82 234 10.8 3.6
nuroモバイル-A 1232 0.1 4.53 75 6.2 2.3
mineo-A 556 0.0 2.57 134 3.5
LINEMO 32053 52.4 5.8 56 3.0 1.9
ワイモバイル 20776 33.1 4.15 43 1.8 1.9
b-mobile S 16461 25.4 5.68 49 1.8 2.1
nuroモバイル S 14161 23.0 4.51 54 1.7 2.8
mineo-S 2077 0.2 11.19 105 3.5

5GMARKでは通常のスピードテストのほかにYouTube動画や各種ウェブサイトを読み込んでそれをポイントに反映させます。表中の「-」はタイムアウトで、時間内に読み込み完了できなかったことを示します。昼の時間帯にYouTube動画を読み込みできたドコモ系SIMは少なく、ここがポイントに大きく響いているようです。

Speedtest.netの結果ほどではりませんが、こちらも全体的に結果が良くなっています。

左:ahamo(D) 中:nuroモバイル(A) 右:mineo(S)

なお、この5GMARKでもその値が絶対なわけではないので、適当に考えていたほうが良いとは思います。YouTubeが読み込めるかどうかでもだいぶポイント変わりそうですし。お昼のポイントが4桁に届けばちゃんと使える、500以下は使えたもんじゃない…くらいの感覚でいいでしょう。(3桁のポイント内での優劣は誤差のようなものです。あてにはなりません。)

やはりこの5GMARKで見ると速いところは速い、遅いところは遅いという差がハッキリわかります。1000ポイント以上あればそう困ることはないと思います。そのラインがだいたいの基準と思ったほうがいいでしょう。

格安SIM速度ランキング 2021年4月後半

今回の測定結果をランキング化してみました。

1位 ahamo 282.65 pt
2位 LINEMO 222.67 pt
3位 ワイモバイル 182.73 pt
4位 OCNモバイルONE 175.99 pt
5位 BIGLOBE-D 172.82 pt
6位 日本通信SIM 172.14 pt
7位 y.u mobile 155.51 pt
8位 nuroモバイル-D 154.34 pt
9位 nuroモバイル-S 150.00 pt
10位 b-mobile-S 135.95 pt
11位 povo 73.78 pt
12位 BIGLOBE-A 61.72 pt
13位 mineo-A 61.06 pt
14位 mineo-D 59.82 pt
15位 UQ mobile 50.91 pt
16位 mineo-S 49.68 pt
17位 IIJmio-D 46.55 pt
18位 b-mobile-D 46.33 pt
19位 nuroモバイル-A 31.60 pt
20位 IIJmio-A 28.89 pt

ポイントの算出方法は以下の通りです。昼の速度を重視してます。

(朝の下り速度 ÷ 2.5) + (昼の下り速度 × 2.5) + (夜の下り速度 ÷ 2.5) + (4Gmarkのポイント ÷ 300)

実感とそれほど違いは無いと思います。

このグラフは上位10個を抜き出したものです。BIGLOBEモバイルやnuroモバイルが最近になって急に上がってきたのがよくわかります。というか最近は上位10位が近い値でゴチャゴチャになってますね。

なお、これはあくまで速度のみのランキングなので、それぞれの格安SIMにある速度以外の魅力も忘れないようにしてください。

2021年4月、気になる格安SIM

ahamo

8時 12時 18時 5Gmark
ahamo 61.04 56.52 46.56 29494

今回からドコモのahamoを追加してみました。ドコモ系の格安SIMはこれを基準にすると良いですね。

ahamo
公式サイトはこちら >

ワイモバイルとLINEMO

8時 12時 18時 5Gmark
ワイモバイル 30.30 37.04 21.88 20776
LINEMO 29.06 36.28 33.76 32053

ワイモバイルは一般的な格安SIMとは違いますが、やはり速さと価格のバランスが取れています。

一方、先月より始まったLINEMOは、5GMARKでは差がありますがSpeedtest.netではワイモバイルとかなり似ています。まだ始まったばかりですが、だいたいワイモバイル相当と思っておけば良さそうです。

Y!mobile
公式サイトはこちら >

LINEMO
公式サイトはこちら >

UQ mobileとpovo

8時 12時 18時 5Gmark
UQ mobile 12.32 8.20 21.84 5025
povo 12.36 15.24 6.59 8430

こちらも似たようなものです。UQ mobileのほうが速いという話もちらほら見ますが、大きく見ればまぁ同じくらいかな?と。今後どうなっていくか、見ものです。

UQ mobile
公式サイトはこちら >

povo
公式サイトはこちら >

OCNモバイルONE

8時 12時 18時 5Gmark
OCNモバイルONE 43.36 53.90 44.12 1873

今回も速かったOCNモバイルONEです。ドコモ系の中では一番オススメできる格安SIMですね。速さを1年以上維持しています。端末セットでかなりお得になることもあるので、乗り換え先としてはかなり良い候補だと思います。

OCN モバイル ONE
公式サイトはこちら >

nuro mobile

8時 12時 18時 5Gmark
ドコモ回線 20.02 30.64 34.12 16824
au回線 10.54 18.44 18.24 1232
ソフトバンク回線 24.44 29.70 11.81 14161

nuro mobleは最近また速くなってきてます。au回線はそれほどでもないのですが、ドコモ回線とソフトバンク回線はかなり良さげです。4月からの新プランも業界最安値級で期待が持てます。

nuro mobile
公式サイトはこちら >

BIGLOBEモバイル

8時 12時 18時 5Gmark
ドコモ回線 39.94 37.10 37.20 14765
au回線 11.15 1.60 6.78 5316

BIGLOBEモバイルも、前回に続きドコモ回線が速いです。そういえばBIGLOBEモバイルは3月末から通信の最適化を廃止しています。以前から「最適化しないAPN」があり、そちらの方が速いという話はありました。ただそれはそちらの利用者が少ないからだろうと言われていました。それが通常のAPNでも最適化しなくなったら速くなってきたので、もうよくわからないですね。

BIGLOBEモバイル
公式サイトはこちら >

全体的に速いです。昨年の緊急事態宣言が出ていた頃を思い出しますね。茨城県はテレワークが進んでるのかもしれません。

色々見て判断を

この記事ではそれぞれの格安SIMの速度を比較していますが、格安SIMの選択の基準は速度だけではありません。なので今どれがオススメかと考えると、絶対にこれ!と言えるものはありません。個々人の使い方によるのではないかと思います。昼間使わなければ、速度がそこまで落ちることもないでしょうし。それよりも各MVNOの施策や機能を見たほうがいいかもしれません。速度比較はあくまで検討するための材料の1つです。

MVNOの速度はけっこう浮き沈みがあります。その時々で最新の速度測定結果は把握しておきたいですね。場所などでも変わるものなので、できれば1つの数字に一喜一憂せずに、複数の結果を眺めてなんとなくの各社の傾向を掴んでもらえばと思います。

当サイト以外でも定期的に計測しているサイトがありますので、そちらも参考にしてみてください。

また、こうしたブログ等での計測報告以外でも、独自アプリで自動速度計測して掲載しているサイトもあります。

こちらは毎日1時間ごと(お昼は15分ごと)に計測して公開しています。すごい!


OREFOLDERでは今後も月2回程度で測定していきたいと思っています。

過去1年の速度測定記事は以下からどうぞ。

モバイルバージョンを終了