OREFOLDER

格安SIMの速度測定 2021年4月前半:全体的に昼でも速い!注目のpovoとLINEMOの結果は期待はずれ!?

大手キャリアに比べて月額料金が安くて人気なのが「格安SIM」です。格安SIMはたくさんの会社があり、速度や使いやすさ、機能は異なってきます。その中でも最もわかりやすく比較できる重要なものが「通信速度」です。

OREFOLDERでは月に2回、主な格安SIMをスピードテストアプリを使って実際に速度測定し、比較しています。あくまで個人レベルでの測定になりますが、格安SIM選びの参考になれば幸いです。

今回は2021年4月前半編です。実際に使用した格安SIMは19種類で、茨城県つくば市にて通勤時間帯やお昼の混雑時間帯に測定しています。なお、これらのSIMはすべて個人で実際に契約しているものであり、特定の会社等から提供を受けたものではありません。

今回のポイント

今回の測定は4月5日-6日に行いました。
今回から、先月より始まったpovoとLINEMOを加えています。格安SIMと一緒にすべきではないかもしれませんが、比較対象としてはアリでしょう。なお、ahamoも初日に申し込んでいたのですが、測定までに届きませんでした。

  • 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

測定方法など

測定方法

測定は以下のようにして行いました。

日時
2021年4月5,6日(5日12時・19時、6日8時・12時の4回実施)
場所
茨城県つくば市
測定アプリ
Speedtest.net
5GMARK
測定方法
SIMごとに3回ずつ測定し、(3回の合計値+中央値×2)/5を値とする。それとは別に昼に5GMARKでのフルテスト
使用端末
AQUOS sense3 basic
※今回から測定する端末を同じ機種に統一しました
使用したSIM
  • IIJmio(ドコモ回線・au回線)
  • y.u mobile(ドコモ回線)
  • OCNモバイルONE(ドコモ回線)
  • BIGLOBEモバイル(ドコモ回線・au回線)
  • b-mobile(ドコモ回線・ソフトバンク回線)
  • 日本通信SIM(ドコモ回線)
  • nuroモバイル(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線)
  • mineo(ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線)
  • UQ mobile(au回線)
  • povo(au回線)
  • Y!mobile(ソフトバンク回線)
  • LINEMO(ソフトバンク回線)

※今回からpovoおよびLINEMOを追加しました。

測定の正確さや意義について

測定用アプリや測定環境など、もっと正確なものがあると考える方もいらっしゃるでしょうが、ある程度の妥協を重ねて今の形になっています。これらについて、これでは意味が無いとお考えの方もいるでしょうが、それならそういうものとして見てください。
(基本的に、多くの人が使っていて自分の場合と比べやすく、またパッと見で分かりやすいものを選んでます。正確性などを考えればもっとやり方はありますし、そうやっているサイトもほかにたくさんあります。ぜひそういったより正確なデータもご覧ください。)

測定アプリについて

現在は『Speedtest.net』と『5GMARK』の2つのアプリを使って測定しています。『Speedtest.net』は広く使われているメジャーな測定アプリです。しかし、このアプリだけだと実際の利用における体感速度と離れた結果が出る格安SIMが出てきました。

『5GMARK』のフルテストはYouTube動画やウェブページなどの読み込みをテストに組み入れており、より実際の使用環境に近い形でのテストが可能です。ただし通信量も多いので、当サイトの測定では『5GMARK』は昼に1回のみ行っています。

朝:8時05分~20分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
IIJmio-D 44.80 10.54 46.0
y.u mobile 45.52 8.17 35.8
OCNモバイルONE 53.16 13.66 45.6
BIGLOBE-D 63.08 14.72 35.8
b-mobile-D 55.60 14.28 36.4
日本通信SIM 48.38 7.47 50.0
nuroモバイル 35.76 18.62 39.2
mineo-D 46.02 13.74 49.0
povo 12.48 4.79 27.2
UQ mobile 24.86 3.67 28.0
IIJmio-A 23.62 2.80 42.2
BIGLOBE-A 8.42 3.47 24.6
nuroモバイル-A 17.96 3.73 28.0
mineo-A 10.85 2.54 40.2
LINEMO 28.26 9.18 37.0
ワイモバイル 36.88 14.48 17.8
b-mobile S 25.78 7.93 39.8
nuroモバイル S 24.62 10.62 35.0
mineo-S 35.40 8.48 62.8

朝は通勤時間帯ということもあり比較的混雑する時間帯です。だいたい3Mbps以上出ていれば特に不満なく通信できると思いますが、今回もすべてのSIMがそれをクリアしています。

昼:12時15分~25分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
IIJmio-D 1.09 9.75 114.8
y.u mobile 32.68 13.39 36.2
OCNモバイルONE 38.64 6.67 46.4
BIGLOBE-D 30.82 6.40 58.4
b-mobile-D 38.38 7.92 531.2
日本通信SIM 36.74 8.01 265.8
nuroモバイル 30.56 10.28 39.0
mineo-D 4.45 8.13 111.8
povo 12.20 3.00 28.2
UQ mobile 12.93 5.73 27.4
IIJmio-A 7.62 1.80 46.6
BIGLOBE-A 1.93 1.65 37.0
nuroモバイル-A 5.63 3.05 36.6
mineo-A 6.13 3.27 78.0
LINEMO 28.78 8.72 35.0
ワイモバイル 31.48 10.89 17.0
b-mobile S 22.90 6.07 65.6
nuroモバイル S 10.53 5.60 44.2
mineo-S 4.03 7.72 85.8

平日の昼は、一番速度が落ち込む時間帯です。なのでこれまでであれば1Mbps前後しか出ないところが多かったのですが、今回はドコモ回線の格安SIMの多くが30Mbps以上の爆速です。

お昼は遅いものとして諦めるのも手ですが、お昼に外でスマホを使うことが多い人は、できれば昼でも3Mbps以上出てる格安SIMを選んだほうがいいでしょう。だいたい1Mbpsを切るとかなりツラいです。ここで1Mbpsを安定して超えられるかどうかで体感はかなり変わります。

夕方:18時10分~20分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
IIJmio-D 43.40 10.77 99.8
y.u mobile 38.40 11.89 34.2
OCNモバイルONE 46.82 10.92 50.6
BIGLOBE-D 38.94 11.27 36.4
b-mobile-D 35.56 8.51 45.0
日本通信SIM 53.30 11.18 50.4
nuroモバイル 35.90 20.30 42.2
mineo-D 30.20 8.77 51.4
povo 10.18 4.15 27.0
UQ mobile 12.72 5.20 27.2
IIJmio-A 11.36 2.91 45.8
BIGLOBE-A 10.82 3.56 35.0
nuroモバイル-A 14.70 4.03 28.6
mineo-A 11.46 2.56 52.0
LINEMO 13.21 7.20 44.4
ワイモバイル 14.32 5.92 17.2
b-mobile S 20.48 8.61 33.6
nuroモバイル S 19.56 10.39 41.8
mineo-S 20.18 2.85 61.8

この時間帯も家に帰る人などが多く、混雑時間帯の1つでした。しかし最近はどのSIMも十分な速度が出るようになっています。だいたい朝と似たような傾向で、そこまで遅いところはほとんどありません。
逆に言えば、朝もこの時間も遅い格安SIMは速さに期待しないほうが良いです。

時間帯別グラフ

V字型になってるのが多いのは変わりませんが、これまでは昼に1Mbps程度で固まっていたものが5Mbps程度まで上がっています。どのSIMでも十分使える速度になっています。

DOWN 8時 12時 18時
IIJmio 44.80 1.09 43.40
y.u mobile 45.52 32.68 38.40
OCN 53.16 38.64 46.82
BIGLOBE 63.08 30.82 38.94
b-mobile 55.60 38.38 35.56
日本通信SIM 48.38 36.74 53.30
nuroモバイル 35.76 30.56 35.90
mineo-D 46.02 4.45 30.20
povo 12.48 12.20 10.18
UQ mobile 24.86 12.93 12.72
IIJmio-A 23.62 7.62 11.36
BIGLOBE-A 8.42 1.93 10.82
nuroモバイル-A 17.96 5.63 14.70
mineo-A 10.85 6.13 11.46
LINEMO 28.26 28.78 13.21
ワイモバイル 36.88 31.48 14.32
b-mobile S 25.78 22.90 20.48
nuroモバイル S 24.62 10.53 19.56
mineo-S 35.40 4.03 20.18
左:IIJmio(D) 中:povo(A) 右:b-mobile(S)

もう1つ、5GMARKの結果をみてみましょう。

昼:5GMARK結果

POINT DOWN
(Mbps)
UP
(Mbps)
PING
(ms)
YouTube
(s)
WEB
(s)
IIJmio 715 1.2 1.74 167 3.6
y.u mobile 1742 0.0 7.69 102 3.2
OCN 6189 10.5 9.78 106 3.3 5.8
BIGLOBE 4083 8.6 8.75 143 4.3
b-mobile 2671 0.0 11.7 208 1.9 5.9
日本通信SIM 15158 22.8 8.29 86 1.7 2.8
nuroモバイル 15509 24.6 4.89 76 1.9 2.4
mineo-D 1316 0.4 9 135 5.2
povo 3679 6.0 1.72 54 5.4 2.7
UQ mobile 5037 7.9 3.02 38 5.7 2.7
IIJmio-A 2633 3.5 2.66 95 6.1 2.3
BIGLOBE-A 589 0.7 2.7 66 4.8
nuroモバイル-A 2266 2.9 2.88 100 6.9 2.6
mineo-A 310 0.9 2.03 133 5.2
LINEMO 10268 15.7 4.43 121 3.2 2.1
ワイモバイル 2913 0.1 9.75 56 1.5 1.7
b-mobile S 11856 17.9 4.42 54 1.6 1.9
nuroモバイル S 11125 15.9 9.26 99 1.6 2.1
mineo-S 66 0.2 1.05 101 1.8

5GMARKでは通常のスピードテストのほかにYouTube動画や各種ウェブサイトを読み込んでそれをポイントに反映させます。表中の「-」はタイムアウトで、時間内に読み込み完了できなかったことを示します。昼の時間帯にYouTube動画を読み込みできたドコモ系SIMは少なく、ここがポイントに大きく響いているようです。

Speedtest.netの結果ほどではりませんが、こちらも全体的に結果が良くなっています。

左:b-mobile(D) 中:mineo(A) 右:LINEMO(S)

なお、この5GMARKでもその値が絶対なわけではないので、適当に考えていたほうが良いとは思います。YouTubeが読み込めるかどうかでもだいぶポイント変わりそうですし。お昼のポイントが4桁に届けばちゃんと使える、500以下は使えたもんじゃない…くらいの感覚でいいでしょう。(3桁のポイント内での優劣は誤差のようなものです。あてにはなりません。)

やはりこの5GMARKで見ると速いところは速い、遅いところは遅いという差がハッキリわかります。1000ポイント以上あればそう困ることはないと思います。そのラインがだいたいの基準と思ったほうがいいでしょう。

格安SIM速度ランキング 2021年4月前半

今回の測定結果をランキング化してみました。

1位 日本通信SIM 183.05 pt
2位 OCNモバイルONE 157.22 pt
3位 nuroモバイル-D 156.76 pt
4位 b-mobile-D 141.32 pt
5位 BIGLOBE-D 131.47 pt
6位 LINEMO 122.77 pt
7位 y.u mobile 121.07 pt
8位 nuroモバイル-S 115.27 pt
9位 ワイモバイル 108.89 pt
10位 b-mobile-S 81.08 pt
11位 UQ mobile 64.14 pt
12位 povo 51.83 pt
13位 mineo-D 45.99 pt
14位 mineo-A 41.81 pt
15位 IIJmio-D 40.38 pt
16位 BIGLOBE-A 34.70 pt
17位 mineo-S 32.52 pt
18位 nuroモバイル-A 25.28 pt
19位 IIJmio-A 14.48 pt

ポイントの算出方法は以下の通りです。昼の速度を重視してます。

(朝の下り速度 ÷ 2.5) + (昼の下り速度 × 2.5) + (夜の下り速度 ÷ 2.5) + (4Gmarkのポイント ÷ 300)

実感とそれほど違いは無いと思います。

このグラフは上位10個を抜き出したものです。BIGLOBEモバイルやnuroモバイルが最近になって急に上がってきたのがよくわかります。日本通信SIMは相変わらず上下してますし、y.u mobileはだんだんと落ち着いてきた感あります。

なお、これはあくまで速度のみのランキングなので、それぞれの格安SIMにある速度以外の魅力も忘れないようにしてください。

2021年4月、気になる格安SIM

ワイモバイルとLINEMO

8時 12時 18時 5Gmark
ワイモバイル 36.88 31.48 14.32 2913
LINEMO 28.26 28.78 13.21 10268

ワイモバイルは一般的な格安SIMとは違いますが、やはり速さと価格のバランスが取れています。

一方、先月より始まったLINEMOは、5GMARKでは差がありますがSpeedtest.netではワイモバイルとかなり似ています。まだ始まったばかりですが、だいたいワイモバイル相当と思っておけば良さそうです。

Y!mobile
公式サイトはこちら >

LINEMO
公式サイトはこちら >

UQ mobileとpovo

8時 12時 18時 5Gmark
UQ mobile 24.86 12.93 12.72 5037
povo 12.48 12.20 10.18 3679

こちらも似たようなものですが、基本的にUQ mobileのほうが上を行ってます。SNSなどでもpovoよりUQ mobileのほうが速いという話もちらほら見ます。今後どうなっていくか、見ものです。

UQ mobile
公式サイトはこちら >

povo
公式サイトはこちら >

OCNモバイルONE

8時 12時 18時 5Gmark
OCNモバイルONE 53.16 38.64 46.82 6189

今回も速かったOCNモバイルONEです。ドコモ系の中では一番オススメできる格安SIMですね。速さを1年以上維持しています。端末セットでかなりお得になることもあるので、乗り換え先としてはかなり良い候補だと思います。

OCN モバイル ONE
公式サイトはこちら >

nuro mobile

8時 12時 18時 5Gmark
ドコモ回線 35.76 30.56 35.90 15509
au回線 17.96 5.63 14.70 2266
ソフトバンク回線 24.62 10.53 19.56 11125

nuro mobleは最近また速くなってきてます。au回線はそれほどでもないのですが、ドコモ回線とソフトバンク回線はかなり良さげです。4月からの新プランも業界最安値級で期待が持てます。

nuro mobile
公式サイトはこちら >

BIGLOBEモバイル

8時 12時 18時 5Gmark
ドコモ回線 63.08 30.82 38.94 4083
au回線 8.42 1.93 10.82 589

BIGLOBEモバイルも、今回はドコモ回線がかなり調子良くなりました。これが続くのかは、まだわかりませんけど…。

BIGLOBEモバイル
公式サイトはこちら >

全体的に速くなりすぎて、なにがあったんだ!?と驚きます。また、注目のpovoとLINEMOはけっきょくそれぞれのサブブランドと同じくらいという結果に。これだと選択基準に速さは入らなくなってきますね。

色々見て判断を

この記事ではそれぞれの格安SIMの速度を比較していますが、格安SIMの選択の基準は速度だけではありません。なので今どれがオススメかと考えると、絶対にこれ!と言えるものはありません。個々人の使い方によるのではないかと思います。昼間使わなければ、速度がそこまで落ちることもないでしょうし。それよりも各MVNOの施策や機能を見たほうがいいかもしれません。速度比較はあくまで検討するための材料の1つです。

MVNOの速度はけっこう浮き沈みがあります。その時々で最新の速度測定結果は把握しておきたいですね。場所などでも変わるものなので、できれば1つの数字に一喜一憂せずに、複数の結果を眺めてなんとなくの各社の傾向を掴んでもらえばと思います。

当サイト以外でも定期的に計測しているサイトがありますので、そちらも参考にしてみてください。

また、こうしたブログ等での計測報告以外でも、独自アプリで自動速度計測して掲載しているサイトもあります。

こちらは毎日1時間ごと(お昼は15分ごと)に計測して公開しています。すごい!


OREFOLDERでは今後も月2回程度で測定していきたいと思っています。

過去1年の速度測定記事は以下からどうぞ。

モバイルバージョンを終了