AQUOS sense3 レビュー:良くも悪くも無難で、一般人にはいいが逸般人は物足りなさを感じるスマホ

シャープのSIMフリースマートフォンAQUOS sense3を購入して3ヶ月以上経ちました。正直、じっくり使ってみた…とは言えないくらいなのですが、この3ヶ月で感じたAQUOS sense3の良いところ、イマイチなところをレビューしていこうと思います。

  • そつなくこなす無難な仕上がり
  • 防水・おサイフ・DSDVにも対応
  • バッテリーの持ちも良さげ
  • ゲーム系は快適ではない
  • 無難ではあるがそれ以上ではない

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AQUOS sense3の概要と主要スペック

AQUOS sense3はシャープが2019年11月27日に発売したSIMフリースマートフォンです。昨年かなり売れたAQUOS sense2の後継機であり、4,000mAhの大容量バッテリーと省エネ性能に優れたIGZO液晶ディスプレイを搭載し、1週間の電池持ちを実現するという特徴があります。

OS Android 9
CPU Snapdragon 630
RAM 4GB
ストレージ 64GB
ディスプレイ 約5.5インチフルHD+(2,160×1,080ドット) IGZO液晶ディスプレイ
カメラ 背面:標準1,220万画素+広角1,200万画素
前面:800万画素
バッテリー 4,000mAh
サイズ 約147 × 70 × 8.9 mm
重量 約167g
通信バンド LTE
Band1(2.0GHz)/ Band3(1.7GHz)/ Band5(850MHz)/ Band8(900MHz)/ Band12(700MHz)/ Band17(700MHz)/ Band18(800MHz)/ Band19(800MHz)/ Band39(1.9GHz)/ Band41(2.5GHz)
3G
Band1(2.0GHz)/ Band5(850MHz)/ Band6(800MHz)/ Band8(900MHz)/ Band19(800MHz)
GSM
850/900/1800/1900MHz
Wi-Fi IEEE802.11a/b/g/n/ac
テザリング 15台(Wi-Fi 10台、USB 1台、Bluetooth(PAN):4台を併用)
Bluetooth Ver.5.0
対応プロファイル:HFP、HSP、OPP、SPP、HID、A2DP、AAC、AVRCP、PBAP、FTP、PAN(PAN-NAP)、PAN(PANU)、HOGP

SoCにSnapdragon 630、RAMは4GB、ストレージは64GBとバランスの良い構成のミドルレンジモデルです。(ミドルの中では下位の方かもしれません。)

IPX5・IPX8/IP6Xの防水防塵性能があり、顔認証や指紋認証、おサイフケータイにも対応と、基本的な機能は揃っています。さらに2枚のSIMカードを使用できるDSDVに対応しているのもポイントです。

無難だが安心できる端末デザイン

AQUOS sense3はかなりベーシックな見た目をしています。ノッチもないですし、目立つほどでもないけどベゼルレスというほどでもありません。端末下部には指紋センサーを搭載しており、スマホと聞いて想像するそのもののようなイメージです。

ボディはアルミで背面と側面は一体化されています。触った時の質感と重量感(それほど重いわけではありませんが)は安っぽさを感じさせません。指紋もつかないですし、やっぱりアルミボディはいいですね。光の当たり具合で色が微妙に変化するので写真ではなかなかつらいものがありますが…。

USBポートはかなり背面側に寄っているので、このあたり中央に来てないと騒ぐ人には気になる点かもしれません。

やっぱりノッチがないというのはいいですね。上部はその分ベゼルがあるわけですが、少なくとも使っていて画面が狭いという思いはしません。

スマホをたくさん買っているような人には面白みのないデザインかもしれませんが、なんとなくホッとするようなベーシックな外観はそれはそれで私は気に入ってます。

パフォーマンスは必要十分

AQUOS sense3はSoCにSnapdragon 630を搭載しています。ミドルレンジに入りますが、その中では上位とは言えないものです。エントリーレベルよりは上で、普通に使える程度です。

いつもどおり『AnTuTu Benchmark』『Geekbench 5』『3DMark』の3つのベンチマークアプリを使ってみました。

AnTuTuの結果は119,347点、Geekbench5の結果はシングルで178点、マルチで1,045点、3DmarkはSling Shot Extreamで823点でした。

似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。

Antutu Geekbench 3DMark
Single Multi
UMIDIGI X 167331 300 1460 1188
ZenFone 5 (ZE620KL) 150122 272 1234 949
AQUOS sense3 119347 178 1045 823
Android One X2 111434 176 988 823
AQUOS Sense Plus 105680 179 1038 826

このほかのスマホのベンチマークも集めて以下のページにまとめてあります。他の機種と比較できるので、こちらも参考にしてください。
ベンチマーク結果まとめ

まぁSoCからすればこんなものなのですが、2万円程度で購入できるUMIDIGI Xよりもけっこう下で、約2年前のAndroid One X2やAQUOS Sense Plusと同等…だとすると物足りないものもあります。

実際の動作としては、普段の使い方では特に引っかかりや重さを感じることはあまりありません。ただゲームなど少し負荷のあるものをやると微妙に性能不足を感じます。ゲームはやらない、ウェブブラウジングとSNSくらいしかやらない、というのならいいのですが、あまり長期間使えるかどうかは、正直微妙なところです。

カメラは夜が苦手

AQUOS sense3のアウトカメラは約1,200万画素でF値2.0の標準カメラ(広角83°焦点距離24mm相当)と、約1,200万画素でF値2.4の広角カメラ(超広角121°焦点距離18mm相当)のデュアルカメラです。

いくつか実際に撮ったものを載せます。(クリックで拡大します)

左:標準 右:超広角

明るいところの写真はくっきりしていてきれいに撮れます。室内では若干暗いので食べ物系は明るさに気をつければ美味しそうに撮れると思います。ただ夜は若干苦手なようで、なかなかピントが合わなかったり白飛びしてしまったりします。

全体的に、そこそこ撮れるけどカメラ自慢の多い最近の機種の中では見劣りする、といった程度でしょうか。いや悪くはないんですけどね。

このほか、撮影した写真をGoogleフォトにアップしてあるので、興味ある方はご覧ください。

バッテリーは良さげ

AQUOS sense3の特徴の1つでもあるバッテリーの持ち。これは言うだけあってなかなかのものです。具体的な数値でのデータはありませんが、使っていても他のスマホに比べ減りは少ない気がします。まぁ、めちゃくちゃもつ!というほどでもありませんが。

指紋認証と顔認証

AQUOS sense3は生体認証として「顔認証」と「指紋認証」があります。

顔認証は、端末を持ち上げると画面点灯する機能もあるので、組み合わせると「端末を持って顔の前に持ってくるだけでロック解除」となります。ただ、そのスピードはそれほど速くありません。なかなか認識してくれなかったりしますし、持ち上げる→画面がつく→顔認証するというプロセスがそれぞれ一呼吸置くので、待ち時間があります。一応設定はしてあるのですが、ほとんど使ってません。

指紋認証については、精度やスピードも特に問題ないレベルなので有用です。センサーが前面下部にあるので、机の上においたままロック解除できますし、持ったときも使いやすい位置にあるのが良いですね。

性能以外の魅力が多い

先に書いたとおり、AQUOS sense3はベンチマークなどの数値としてはイマイチです。バッテリーが多少いいですが、それいがいは無難ではあるけどグッドポイントとなるほどのものではありません。

ただ、目立つものではありませんが良い機能はいくつも備わっています。

  • おサイフケータイ対応
  • DSDV対応…再販系SIMと組み合わせて激安超大容量スマホも可能です
  • 防水・防塵…条件付きですがお風呂もいけます
  • ARCore対応
  • 発売から2年間、最大2回のOSバージョンアップに対応

防水については、普通は真水での場合のみですが、AQUOS sense3は一応お風呂での使用についても「浴室温度40℃以下、湿度99%以下で連続使用2時間以内の範囲」で使用できます。(注意書きはそれなりにあり、特に充電については2回もやるなと書かれています。)

こういった点はスマホの特徴としては大きく打ち出しにくいものですが、実際の使い心地には大切なことです。このあたりがしっかり対応してるのはさすがシャープといったところですね。これでスペックがあともう少しあれば…という人には上位モデルも有るのですし。

まとめ:無難に使いやすいけどちょっと物足りない

AQUOS sense3、昨年かなり売れたAQUOS sense2の後継機だけあって、無難で悪くないスマートフォンです。他のサイト等での評価も悪くないですし、普通の人ならこれで十分…というのが共通してる評価ですね。

スマホをあくまで情報収集や電話、SNS用途として使うくらいならいいのですが、もう少しの何かをプラスして楽しみたいと考えると、少し物足りない気がします。ゲームなどをやるならもう少しスペックがあれば快適になるでしょうし、カメラも(求めればきりがないですが)評価の高いものが他にあります。もちろん予算とも相談になるので、なかなか難しいところですね。

そういったことを考えても、「はじめてのスマートフォン」にピッタリなのかもしれません。大抵のことは無難にこなせるのでストレスを感じることは少ないですし、そんな中で不満を感じることがあれば、それが次のスマホ選びの指標にもなります。もちろんこのスマホのまま2年程度使って同じような後継機に乗り換えてもいいでしょう。

良くも悪くも無難、AQUOS sense3はそんなスマートフォンですね。

ちなみに、購入するのなら格安SIMとのセットでセール価格になっているものを狙うといいでしょう。goo Simsellerなどで頻繁にセール対象となっているので、それを使うのがいいと思います。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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