ここ何日かで、「AirPodsを片方交換してGoogle翻訳を使うと翻訳機のように使える」みたいなものがTwitterなどで回ってきました。それを読んで「ほー、あー、そうね、そういうことね」とは思うものの、いまいち腑に落ちないところもあったので、確かめてみました。でもAirPodsは持ってないので別の完全ワイヤレスイヤホンで、です。
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話題の元
今回の話題の大本はTikTokのものです。ただそれは翻訳という話ではなく、学校で友人とAirPodsを片方ずつ交換し、授業中にGoogle翻訳の読み上げ機能を使っておしゃべりを楽しむ、というものでした。
(リンク切れ)
これのあと、もう1つくらい何かあった気もするのですが、その後にITmedia NEWSの速報カテゴリで「AirPodsの片方を交換し、通訳付き会話を行う方法」という記事がありました。授業中のお手紙交換の現代版のようないたずらが翻訳という実用的っぽいことになってました。
で、この記事を受け、Twitterで短編マンガも出てきました。
言葉が分からなくても大丈夫。そう、AirpodsとGoogle翻訳ならね。 pic.twitter.com/DkgEqVIryu
— 春夏アキト (@hal_akito) January 23, 2020
これらを読んで、へー、そうなんだ、そんなことできるんだねー、と。いくつか疑問もあったので、実際にやってみました。
それぞれの記事での使い方
Google翻訳でお喋り
まずはTikTokで出ていたものです。この時点ではGoogle翻訳を使っているものの、実際翻訳として使うという話ではありません。
事前準備として、お互いのスマホに『Google翻訳』アプリをインストールし、イヤホンを片方ずつ交換します。この交換というのが完全ワイヤレスイヤホンならではです。
Google翻訳では、テキストを入力して翻訳させると、その翻訳結果や元の文をスマホに読み上げさせることができます。イヤホンに接続していれば、その読み上げはイヤホンから聞こえます。
自分のスマホに接続してるイヤホンの片方は友達の耳にあります。なので友達に自分の入力した文章が読み上げ機能で伝わる、というわけです。
片方の交換ではなく全部渡してもいいのでは?と思ったのですが、おそらく自分の打った文章がちゃんと相手に聞こえてるか、それを自分の耳で確認できるという意味もあって片方ずつなのではないでしょうか。確認が必要ないのであれば、別に自分のスマホと相手のイヤホンをペアリングさせれば自分のイヤホンのままで使えるのですし。(まぁそれも面倒ですが)
通訳付き会話を行う方法
ITmedia NEWSの記事は、これを使って「通訳付き会話を行う方法」として説明したものです。ここではGoogle翻訳はテキストの読み上げではなく、「会話」モードにして自動的に翻訳→読み上げしてくれるモードを使っています。ただ文章はともかく、動画はBGMもあって自分がしゃべるのは聞こえてもそれが相手にどう聞こえたのかがまったく聞こえず(動画的には聞こえるようにカメラを近づけていたようですが…)よくわからなくなってました。
AirPods+Google翻訳で通訳
Twitterの漫画はこのGoogle翻訳の会話翻訳の読み上げが完全ワイヤレスイヤホンで聞こえるというのをわかりやすく実際のシチュエーションとして表現しています。
この漫画内でも「AirPodsのマイクが音声拾うんだな」としていて、手にスマホは持っているものの普通に会話して翻訳結果がイヤホンから聞こえてくるような描写になっています。
AirPods以外でもできるのか?
漫画に関する感想でも「AirPodsはマイクがあるから」みたいなのがありました。別にAirPodsでなくてもマイクを内蔵した完全ワイヤレスイヤホンなんて珍しくもないので、手持ちのイヤホンでやってみました。
…が、結果から言えば、イヤホンのマイクが拾った音声を翻訳はしてくれませんでした。
Android版のGoogle翻訳の会話モードでは、音を拾うと下のマイクアイコン部分からエフェクトが出て音を感知しているのかわかります。イヤホンのマイク部分をコツンコツンと叩いたりするとここが反応するので、イヤホンのマイクで音を捉えてることは捉えているようです。
ただ、スマホには聞こえないようにして(少し離れて)喋っても、それを翻訳はしてくれませんでした。スマホに向かって話せばちゃんと翻訳してくれます。いくつかのイヤホンで試してみましたが、全部同じでした。
うーん…。
AirPodsならちゃんと拾ってくれて翻訳してくれるんでしょうか。そうであるならば、たしかに「そう、AirPodsならね」になるんでしょうけど。
現実的な使い方
漫画はあくまで漫画なんだから、あれは単に漫画的表現してるだけなんだよ、と言われればまぁそのとおりなんでしょう。AirPodsを使わなくても、完全ワイヤレスイヤホンを使えば同じようなことはできます。
うーん…なんというか、目の前に相手がいるのに電話で会話してる、みたいな感じです。実際そんな見た目になるんじゃないでしょうか。翻訳で若干の遅延はありますが、まぁコミュニケーションは可能だと思います。
なぜイヤホンを使うのか
Google翻訳の会話モードでは、元の言語を自動で解析してくれる機能もあります。なので自分と相手の間にスマホを置けば、それで自動的に翻訳させることもできます。
ただ、それは静かな部屋の中でなら可能なことです。外や街なかであれば、今回の方法のようにイヤホンを使ったほうが聞き取りやすいと思います。外だとスマホのスピーカーからの音声って、よっぽどボリューム上げないと聞き取りにくいですよね。
まとめ
まぁ、最初に書いたとおり私はAirPods持ってないので、AirPodsならスマホに話しかけないでもできるのかどうかはわかりません。誰か教えてください。
ただ、やっぱりイヤホンを(目の前で拭いてくれたとしても)交換するのってちょっと抵抗ありますよね。有線イヤホンを片方ずつ使って音楽を聞く恋人体験が豊富な人ならそうでもないのでしょうか。
そういう意味では、耳に入れない骨伝導タイプの完全ワイヤレスイヤホンなら、こういう使い方も十分できそうですよね。一応あるみたいです、骨伝導完全ワイヤレスイヤホン。
まぁ、けっこう耳の内側には入ってますけど。
…
技術とガジェットの進化、そしてそれを新たな使い方で可能性を広げていく、面白いですね。