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格安SIM (MVNO) 速度比較 : 2018年7月-2　LINEモバイルソフトバンク版は出足で躓いたものの、充分に速い

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MVNO・格安SIMの定期速度測定、2018年7月編その2です。

キャリアに比べて通信料金が安くて人気な「格安SIM」ですが、その種類によって速度や使いやすさ、機能は異なってきます。その中でも最もわかりやすく比較できる重要なものが「速度」です。orefolderでは月に2回、主だったMVNOのSIMをスピードテストアプリを使って実際に速度を比較しています。あくまで個人レベルでの測定になりますが、格安SIM選びの参考になれば幸いです。

今回の測定に使用したSIMは21種類です。

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ざっくりしたまとめ

このあとの記事は長いので、先にざっくりとまとめておきます。面倒な人はここだけ読めばOKです。

測定方法

測定は以下のようにして行いました。

日時 2018年7月19,20日（19日12時・18時、20日8時・12時の4回実施）
場所 茨城県つくば市
測定アプリ Speedtest.net
4Gmark
測定方法 SIMごとに3回ずつ測定し、その平均を値とする。それとは別に昼に4Gmarkでのフルテスト
使用端末とSIM BIC SIM…Galaxy S8
イオンモバイル1…ZenFone 5
イオンモバイル2…arrows Be
LINEモバイル…Xperia X Compact
OCN…AQUOS R Compact
BIGLOBE…nova lite 2
NifMo…ZenFone Max Plus (M1)
楽天モバイル…OnePlus 5T
b-mobile…Wiko View
DTI SIM…P9
ロケットモバイル…ZenFone 3（黒）
nuroモバイル…Z3 Compact
mineo-D…Essential Phone
mineo…P10 lite
UQ-mobile…AQUOS serie mini
IIJmio(A)…AQUOS Sense plus
BIGLOBE…ZenFone 3（白）
ワイモバイル…Robin
nuroモバイル(S)…Xperia XZ
b-mobile S…Nexus 5X
LINEモバイルS…Xperia X Performance

測定の正確さや意義について

さすがに端末1台で20枚のSIMを入れ替えするのは困難なので、複数の端末を使っています。違う端末を使っては比べる意味が無いとお考えの方は、そういうものとして見てください。

また、測定用アプリや測定環境など、もっと正確なものがあると考える方もいらっしゃるでしょうが、ある程度の妥協を重ねて今の形になっています。これらについても、意味が無いとお考えの方はそういうものとして見てください。
（基本的に、多くの人が使っていて自分の場合と比べやすく、またパッと見で分かりやすいものを選んでます。正確性などを考えればもっとやり方はありますし、そうやっているサイトもほかにたくさんあります。ぜひそういったより正確なデータもご覧ください。）

測定アプリについて

現在は『Speedtest.net』と『4Gmark』の2つのアプリを使って測定しています。『Speedtest.net』は広く使われているメジャーな測定アプリです。しかし、このアプリだけだと実際の利用における体感速度と離れた結果が出る格安SIMが出てきました。

『4Gmark』のフルテストはYouTube動画やウェブページなどの読み込みをテストに組み入れており、より実際の使用環境に近い形でのテストが可能です。ただし通信量も多いので、当サイトの測定では『4Gmark』は昼に1回のみ行っています。

朝：8時20分～30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
IIJ-D 2.04 4.37 90.3
イオンモバイル1 2.25 5.12 111.3
イオンモバイル2 20.00 3.12 40.3
LINEモバイルD 13.47 2.84 50.7
OCN 5.95 2.23 51.7
BIGLOBE-D 0.83 2.17 42.3
NifMo 20.43 5.08 50.3
楽天モバイル 2.44 3.83 52.3
b-mobile 14.60 1.03 43.0
DTI SIM 7.06 5.12 37.7
ロケットモバイル 3.43 3.03 60.3
nuroモバイル 1.75 7.14 74.7
mineo(D) 2.73 3.39 121.0
mineo(A) 3.57 5.04 83.3
UQ mobile 37.23 4.99 22.7
IIJ-A 1.41 7.55 103.3
BIGLOBE-A 5.05 4.02 35.7
ワイモバイル 10.96 5.07 20.0
nuroモバイルS 1.43 2.93 43.0
b-mobile S 11.10 11.50 168.0
LINEモバイルS 22.33 1.79 20.7

朝は通勤時間帯ということもあり比較的混雑する時間帯です。
それでも最近は速度も上がってきています。だいたい3Mbps以上出ていれば特に不満なく通信できると思うのですが、かたくなに1Mbps台を維持するところもあります。

ドコモ系でも10Mbpsを超えてくるものがいくつかあります。逆にBIGLOBEは1Mbpsにも届かないという低い結果に。増強は定期的に行っているようですが、いまいち効果が感じられません。

昼：12時20分～30分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
IIJ-D 0.55 0.73 109.3
イオンモバイル1 0.51 1.05 102.0
イオンモバイル2 1.40 3.90 40.7
LINEモバイルD 1.44 7.38 61.0
OCN 0.92 3.59 55.3
BIGLOBE-D 0.27 2.74 52.3
NifMo 2.18 2.89 76.3
楽天モバイル 0.69 2.45 54.3
b-mobile 8.67 4.03 86.0
DTI SIM 2.11 5.33 44.0
ロケットモバイル 0.49 4.03 129.3
nuroモバイル 0.47 4.18 154.7
mineo(D) 1.11 4.49 113.7
mineo(A) 1.07 1.57 81.0
UQ mobile 34.60 4.70 23.0
IIJ-A 0.41 7.01 108.3
BIGLOBE-A 1.24 2.75 48.0
ワイモバイル 15.33 7.79 19.7
nuroモバイルS 0.51 0.69 113.3
b-mobile S 1.05 13.15 228.0
LINEモバイルS 17.80 0.57 30.0

平日の昼は、一番速度が落ち込む時間帯です。ここは速いSIMと遅いSIMがはっきり分かれますね。
スマホを使う時間帯は人それぞれですが、お昼休みの時間帯に使うことが多いのなら、この時間帯での速度を重視するといいでしょう。

だいたい3Mbps程度出ていればほぼ問題なく通信できるのですが、ドコモ系は1Mbpsに届かないものも多いです。その中でNifMoとDTI SIMは2Mbpsを超えています。これで充分とはいいませんが、ほかよりは良いところにありますね。

夕方：18時40分～50分ごろ

DOWN (Mbps) UP (Mbps) PING (ms)
IIJ-D 2.05 3.97 93.3
イオンモバイル1 2.54 4.11 90.0
イオンモバイル2 14.70 2.14 47.3
LINEモバイルD 4.43 1.99 55.3
OCN 3.95 1.75 50.7
BIGLOBE-D 1.47 1.73 39.3
NifMo 12.43 2.92 50.3
楽天モバイル 2.40 1.30 54.3
b-mobile 10.01 2.17 54.7
DTI SIM 5.72 4.76 34.0
ロケットモバイル 1.54 2.80 66.0
nuroモバイル 1.52 0.78 67.0
mineo(D) 4.12 3.98 108.0
mineo(A) 4.71 0.80 110.7
UQ mobile 37.20 8.00 23.0
IIJ-A 1.78 7.29 93.7
BIGLOBE-A 5.80 5.56 28.3
ワイモバイル 5.40 1.16 19.3
nuroモバイルS 1.14 1.43 54.0
b-mobile S 16.53 12.97 89.3
LINEモバイルS 18.97 2.35 22.3

この時間帯もやはり速度が出ません。だいたい昼と同じような傾向でそれよりは良くなっている感じです。
ここでもBIGLOBEモバイルが低い値になっています。時間帯に関係なく遅いというのは、ちょっと困りますね。

時間帯別グラフ

DOWN 8時 12時 18時
IIJ-D 2.04 0.55 2.05
イオンモバイル1 2.25 0.51 2.54
イオンモバイル2 20.00 1.40 14.70
LINEモバイル 13.47 1.44 4.43
OCN 5.95 0.92 3.95
BIGLOBE-D 0.83 0.27 1.47
NifMo 20.43 2.18 12.43
楽天モバイル 2.44 0.69 2.40
b-mobile 14.60 8.67 10.01
DTI SIM 7.06 2.11 5.72
ロケットモバイル 3.43 0.49 1.54
nuroモバイル 1.75 0.47 1.52
mineo(D) 2.73 1.11 4.12
mineo(A) 3.57 1.07 4.71
UQ mobile 37.23 34.60 37.20
IIJ-A 1.41 0.41 1.78
BIGLOBE-A 5.05 1.24 5.80
ワイモバイル 10.96 15.33 5.40
nuroモバイルS 1.43 0.51 1.14
b-mobile S 11.10 1.05 16.53
LINEモバイル S 22.33 17.80 18.97
ロケットモバイル, mineo-A, b-mobile S

もう1つ、4GMarkの結果をみてみましょう。

昼：4Gmark結果

POINT DOWN
(Mbps)		 UP
(Mbps)		 PING
(ms)		 YouTube
(s)		 WEB
(s)
IIJ-D 55 0.4 1.6 103 TO TO
イオンモバイル1 287 0.5 1.7 136 TO 6.60
イオンモバイル2 189 0.1 3.6 43 TO 9.15
LINEモバイルD 873 0.5 2.8 262 6.08 8.13
OCN 485 0.4 6.5 59 TO 11.65
BIGLOBE-D 24 0.1 1.3 65 TO TO
NifMo 1539 0.5 7.8 87 3.32 12.97
楽天モバイル 507 1.0 1 69 TO 5.60
b-mobile 1793 5.4 0.7 212 TO 6.23
DTI SIM 969 0.9 2 41 2.62 6.11
ロケットモバイル 5 0.3 3.7 163 TO 14.55
nuroモバイル 91 0.3 4.5 170 TO TO
mineo(D) 116 0.3 2.8 481 TO 11.67
mineo(A) 164 0.3 2.1 3823 TO 10.84
UQ mobile 14242 24.1 4.8 34 2.74 4.38
IIJ-A 55 0.5 5.1 113 TO EC
BIGLOBE-A 188 1.2 1.2 42 TO 11.27
ワイモバイル 6799 11.0 2.9 44 9.77 3.56
nuroモバイルS 59 0.2 3.7 179 TO TO
b-mobile S 563 0.5 4.6 193 TO 5.34
LINEモバイルS 7094 15.7 2.5 57 1.77 2.56

4Gmarkでは通常のスピードテストのほかにYouTube動画や各種ウェブサイトを読み込んでそれをポイントに反映させます。表中の「TO」はタイムアウトの略で、時間内に読み込み完了できなかったことを示します。昼の時間帯にYouTube動画を読み込みできたドコモ系SIMは少なく、ここがポイントに大きく響いているようです。

なお、この4GMarkでもその値が絶対なわけではないので、適当に考えていたほうが良いとは思います。YouTubeがTOになるかならないかでもだいぶポイント変わりそうですし。ここ数ヶ月測定してみて、お昼のポイントが4桁に届けばちゃんと使える、500以下は使えたもんじゃない…くらいの感覚で捉えています。（3桁のポイント内での優劣は誤差のようなものです。あてにはなりません。）

左：NifMo　右：UQ mobile　中：LINEモバイル ソフトバンク回線

全体的なまとめ

今回からLINEモバイルのソフトバンク回線を加えてみました。7月の初めに開始して、2週間経つ頃には一度遅くなっていたのですが、すぐに増強して復活しました。今回の測定は増強直後です。まだユーザー数と予算のバランスがうまくとれていないのでしょうね。ドコモ回線版は少し落ちている気がします。

ドコモ系においてはNifMoとDTI SIMがなかなか良くなってきているのでは？という感触。この数ヶ月ずっと微妙な良さだったので、一気に速くなることはないと思いますが、割と使えるようになっていると思います。

今おすすめできるSIM

速さではUQ mobile一強状態

やはり速さを見るのであればUQ mobileがいいと思います。安定して速いのをずっと維持していますからね。基本的に押しているプランが2年縛り前提のようなものなので躊躇してしまいますが、ちゃんと縛りのないプランやデータ通信のみのプランもあります。

UQ mobile

docomo系は速度以外で選ぼう

ドコモ系は…うーん…今はもう何とも言えないですね。速度は判断の材料にならない感じです。朝や夜で速いSIMもありますが、昼はどれも同じようなものですし、この程度なら毎回上下しているので決定的ではありません。昼の混雑時間帯の速度は諦めて、速度以外の面での特典や機能に注目したほうがいいでしょう。

エンタメ重視ならBIGLOBEモバイル

YouTubeやAbemaTV、Google Play MusicにSpotifyなど、動画や音楽を外でも楽しみたいのなら、BIGLOBEモバイルをオススメします。
これらエンタメ系サービスのデータ使用量がカウントフリーになる「エンタメフリーオプション」が魅力的です。音声通話SIM利用の場合は月額480円（税別）、データSIM利用の場合は月額980円（税別）で利用できます。

BIGLOBEモバイル

最近「通信の最適化」が再び話題となりました。BIGLOBEモバイルも通信の最適化を行っていますが、比較的簡単に最適化しない方法（専用のAPN設定）が公式に案内されています。選べるのはいいことです。

LINEがイチバン！ならLINEモバイル

外での通信の殆どがLINEなら、やっぱり格安SIMもLINEモバイルがオススメです。
月額500円～でLINEのデータ通信がカウントフリーになるプランがあります。データ容量は1GBと少ないですが、LINEがほとんどならこれでいいかも？データ容量が3GB、5GB、7GB、10GBと選べて、LINE以外にもTwitter, Facebook, Instagramの通信量がカウントフリーになるプランも月額1110円～あります。
なんだかんだ言って、ドコモ系の中では比較的速い速度を維持しているというのもポイントです。

LINEモバイル

ソフトバンク回線も始まり、こちらはまだ人が少ないのでしばらくは速い状態が続くと思います。また、LINEモバイル自体がソフトバンク傘下に入っているので、サブブランドに近い位置に行く可能性もあります。今後に注目ですね。

ユーザーコミュニティや独自機能ならmineo

mineoはほかにはない独自の機能や特徴がたくさんあります。これらの中に自分にピンとくるものがあるなら、オススメです。
機能面では、アプリで高速/低速を切り替える事ができたり、余った容量を次月に繰り越せることはもちろん、以下のようなmineo独自のサービスが用意されています。

mineo

色々見て判断を

この記事ではそれぞれの格安SIMの速度を比較していますが、格安SIMの選択の基準は速度だけではありません。なので今どれがオススメかと考えると、絶対にこれ！と言えるものはありません。個々人の使い方によるのではないかと思います。昼間使わなければ、速度がそこまで落ちることもないでしょうし。それよりも各MVNOの施策や機能を見たほうがいいかもしれません。速度比較はあくまで検討するための材料の1つです。

速度的に見れば、格安SIMで速度を重視するならドコモ系以外のほうがいいのかな、と思えるようになってきていますね。まぁau系の中でも差はあるのですが。

…

MVNOの速度はけっこう浮き沈みがあります。その時々で最新の速度測定結果は把握しておきたいですね。場所などでも変わるものなので、できれば1つの数字に一喜一憂せずに、複数の結果を眺めてなんとなくの各社の傾向を掴んでもらえばと思います。

当サイト以外でも定期的に計測しているサイトがありますので、そちらも参考にしてみてください。

格安SIM（MVNO）23社の通信速度比較　2018年7月版　期待のLINEモバイルSBプランと上昇傾向のOCN系 | クリエイタークリップ

また、こうしたブログ等での計測報告以外でも、独自アプリで自動速度計測して掲載しているサイトもあります。

格安SIM (MVNO) の通信速度計測 | mobile by keisoku.io

こちらは毎日1時間ごと（お昼は15分ごと）に計測して公開しています。すごい！

orefolderでは今後も月2回程度で測定していきたいと思っています。

過去1年の速度測定記事は以下からどうぞ。

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