XPPen Magic Note Pad レビュー:3つのカラーモード表示に16Kの筆圧対応ペン付属のノートタブレット

XPPenより、3-in-1カラーノートパッド「Magic Note Pad」をレビュー用に提供していただきました。

Magic Note Padは16384段階の筆圧対応ペンが付属し、ノートのように書き込んで利用するAndroidタブレットです。3つのカラーモードによる表示で目に優しく、紙のような感覚のディスプレイは書き味も気持ちいいくらいです。


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Magic Note Padの概要

Magic Note Padは16384筆圧に対応したペンが付属し、世界初の3-in-1カラーノートパッドを謳う11インチAndroidタブレットです。昨年のMagic Drowing Padはお絵描き特化のタブレットでしたが、今回のMagic Note Padはメモやノートといった「書く」ことに特化したタブレットです。

  • 10.95インチのAndroid 14タブレット
  • 3つのカラーモード
  • 16K筆圧対応のペンが付属
  • J notesと共同開発の専用ノートアプリ
  • Helio G99、6GB/128GB
OS Android 14
CPU MediaTek Helio G99
RAM 6GB
ストレージ 128GB
外部メモリ
ディスプレイ 10.95インチ 1920×1200 (16:10)
作業エリア:148 x 236 mm
リフレッシュレート:90Hz
リアカメラ
フロントカメラ 13MP
バッテリー 8000mAh / 20W急速受電
サイズ 182 x 259 x 7 mm
重量 約495g
生体認証
スタイラス X3 Pro Pencil 2
筆圧レベル 16384
最小ON荷重 3g
精度 ±0.4 mm(中心) 、±1.5 mm (角)
読取高さ 10mm(中心)
解像度 5080LPI
その他 スピーカー*2

外観と内容物

Magic Note Padは約11インチのAndroidタブレットです。横にペンを収納するエリアがあるので若干幅が増えています。ディスプレイはアンチグレアな加工がされているので、こうして真上から撮ってもカメラが映り込みません。

背面は真っ白でXPPenのロゴと各種認証マークなどがあります。また、見てわかるとおり背面カメラが存在しません

右側面(ペン置き場のない方)には音量ボタン。

上側面に電源ボタンとXキーにスピーカー。舌側面にスピーカーとUSBポートです。

左側面(ペン置き場のある方)には何もありません。ケースを装着した時に内側になる面ですからね。

本体ディスプレイ横のくぼんでいるところに付属ペンがマグネットでくっつきます。

カバーも付属しており、これもマグネットで本体に吸着します。ペン用のくぼみがあるので、ペンも本体にくっつけたまま持ち運べます。

内容物はMagic Note Padのほか、スタイラスペンX3 Pro Pencil 2、マグネット付きフォリオカバー、USBケーブル、電源アダプタ、替芯、ペン芯取り出しツール、マニュアル類です。

3つのカラーモードのディスプレイ

Magic Note Padの大きな特徴として3つのカラーモードがあります。いつでも電源ボタンの横にある「Xキー」を押すとモード選択画面になり切り替えられます。(もしくは長押しで切り替えも可能)なお、これはスクリーンショットには色味は反映されません。

ネイチャーカラーモードは通常の画面で色もはっきりした表示です。

ライトカラーモードはコントラストが低く柔らかい色味の目に優しいモードです。

インクペーパーモードは画面がモノクロになり紙に近い表示になります。

この3つのモードの切替画面や設定にあるNXTVISIONという項目から、このディスプレイTCLのNXTPAPERを使っているのでは?と思うのですが、特にそういったアナウンスはありません。また、後述しますがカラーモードによるバッテリー消費の差はほとんどありません。

これら3つのモードのほか、Magic Note Padのディスプレイはリフレッシュレートが90Hz、TÜV SÜDの「低ブルーライト認証」および「ペーパーライクディスプレイ認証」を取得など目に優しい仕様となっています。

16Kの筆圧対応ペン X3 Pro Pencil 2

Magic Note Padには専用のスタイラスペンとして「X3 Pro Pencil 2」が付属します。さすが液晶ペンタブレットのメーカーということでしょうか、このペンは16384レベルの筆圧感知に対応し、カスタマイズ可能なショートカットキーも搭載します。メモ書き用レベルではなく、普通にお絵かき用として使えるようなペンですね。

キーは下側の1つだけで、デフォルトではキーを押しながら画面をタッチするとショートカットメニューが表示されます。ほかに「スクリーンショットの落書き(スクショを撮影して書き込むモード)」「戻る」「ホーム画面」「最近」「なし」が選べます。また、プリインの『XPPen Note』アプリでは専用に動作を割り当てられます。

全体的な操作も、指でやるよりもペンで操作したほうがなんとなく反応が良い気がします。

専用のノートアプリ:XPPen Notes

ノートアプリ『J notes』と共同開発の『XPPen Note』というアプリがプリインストールされています。

このアプリはペンで手書きノートを取るだけでなく、PDFを取り込んだり録音機能があり、ペンの種類も複数ありなかなかに高機能です。作成したノートはデバイスに保存されますが、そのままOneDriveやGoogle Driveにアップロードも可能です。

手書きの文字をテキストに変換する機能もあるのですが、日本語には対応していないのか、文字化けのような結果になってしまいます。もしくはなにか設定が必要なのか…?私の字が汚いせいではないですよね…?

追記(2025年3月27日):
上記のテキスト変換の日本語について、解決しました。上で書いた範囲選択からのものは「テキスト認識」であって、テキスト変換ではありませんでした。

ツールバーがスクロールでき、その右端にあるアイコンがテキスト変換です。これをオンにして文字を書くと…

ペンが離れて少し経った後に自動でテキストに変換されます。

テキスト化されたものはテキストツールでサイズを変えたり編集できます。フォントも自分で日本語フォントを追加できるのが良いですね。

お絵かきタブレットとして使えるか?

Magic Note Padは基本的にノートパッドです。しかし16K筆圧対応のペンがついてるなど、お絵かき用のタブレットとしても使えそうです。

実際に軽くお絵かき用アプリを使ってみた印象としては「軽くは使えるけど本格的にはちょっと…」といったところです。アプリの方で筆圧対応していれば反映されますし操作は問題ありませんが、若干の遅延は気になりました。このあたりはアプリによるかもしれませんし気にしなければ問題ありませんが、本格的にお絵かき用とするならMagic Drowing Padのほうが良かったかな、という印象です。

Androidタブレットとしてのパフォーマンス

Magic Note PadはAndroid 14搭載のタブレットです。ペンを使わずとも普通のAndroidタブレットとしても利用可能です。

スペックとしては、SoCにMediatek Helio G99、RAMは6GB(+6GB仮想)でストレージは128GB(MicroSDカード非対応)、ディスプレイは10.95インチで解像度は1920×1220、バッテリー容量は8,000mAhで20W急速充電に対応します。OSはAndroid 14です。

各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.4.6)が356,867点、Geekbench 6がシングルで712点、マルチで1,869点、3DmarkはWild Life Extremeで347点、PCMarkのWork 3.0 performanceは11,928点でした。

決して高性能というわけではないので高負荷なゲーム等には向きませんが、タブレットの用途を考えれば十分な性能があります。実際に操作していても、かなりキビキビ動いてくれる印象です。

似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。

SoC Antutu Geekbench 3DMark PCMark
RAM Single Multi
OPPO Pad Neo Helio G99
6GB
421485 712 1849 370 8125
Headwolf FPad6 Helio G99
8GB
402271 701 1781 337 9205
Magic Note Pad Helio G99
6GB
356867 712 1869 347 11928
Teclast P50Ai Allwinner A733
6GB
315122 620 1457 124 7586
  • 3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。

ほかのHelio G99搭載機がAnTuTu40万点ほどのところ35万点と少し低いのが気になりますがRAMが少ないからでしょうか。のわりに同じ6GBのOPPO Pad Neoは40万点行っているのですが。PCMarkの値は逆にMagic Note Padが優秀ですね。

実際に使っていても、キビキビと動いてくれるので問題ありません。さすがに重いゲームなどは推奨しませんが、軽いゲームや動画鑑賞などだったら余裕です。Helio G99搭載機はみんな十分以上の動きを見せてくれます。

…とは言っても、Helio G99は採用するタブレットが昨年まで多かったSoCです。2025年のタブレットとしてはもう1ランク上もしくは新しいものが欲しかったかな、と感じます。今は十分しっかり動いてくれますが、この快適さが何年続いてくれるのか…。

バッテリー

Magic Note Padのバッテリーは8,000mAhです。輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行いました。

ディスプレイがTCLのNXTPAPERではないか?と思って調べていたところ、ライトカラーモードやインクペーパーモードでは電力消費が抑えられるというようなメディア記事もあったので、それぞれでテストしてみました。

ネイチャーカラー


ライトカラー


インクペーパー

結果としてはどれも10時間半~10時間50分で似たようなものでした。『Ampere』アプリで消費電力を見てみても、モードの違いによる差はほとんど見られませんでした。実際、TCLのNXTPAPERの紹介ページにもバッテリー消費についての言及はないのですよね…。

100%→20%が10時間くらいで「普通」という評価なので、Magic Note Padのバッテリーも普通かそれより少し良いかも、くらいです。

Magic Note Padの良かったところ・イマイチだったところ

良いところ
  • 3つのカラーモードで見やすい画面
  • 16K筆圧対応のペンが付属
  • マグネットのカバー付属
  • 必要十分なパフォーマンス
  • アンチグレアで書きやすいディスプレイ
  • 背面カメラなし
イマイチなところ
  • できればSoCや画面解像度、RAMはもう少し頑張ってほしかった
  • ノートアプリのテキスト変換が日本語非対応?

実際にしばらく使ってみると、ペンで操作したり、何か気になった時にサッとペンで画面に書き込めるというのが面白い体験でした。私は今は学生ではありませんが、学校の授業でこういったタブレットでノートを取るというのも十分にアリだろうな、と少し昔を懐かしみました。

ものすごく抽象的ですが、画面のサラサラ感やペンが、タブレットを持ってるだけで「これでなにかやってみよう書いてみよう」という気になります。ワクワク感があるのがとても良かったです。

また、3つの画面表示モードが目に優しくて良いですね。通常のネイチャーカラーモードも画面がアンチグレアなおかげか、普通のタブレットよりも目に優しい気がします。美麗な画面の動画を見るときはともかく、電子書籍を読むときなどは、このモード変更が役に立ちますね。

ただ全体的には満足できる機能や性能なのですが、できればSoCやRAMなどスペック的にもう少し上のものが欲しかったかな、というのが正直なところ。ペンが付いて少し特殊なタブレットとはいえHelio G99で6.6万円は少し躊躇してしまいます。

まとめ

XPPenのカラーノートパッド「Magic Note Pad」をレビューしました。

XPPenはもともとお絵かき用の液晶ペンタブレットなどを開発しているブランドです。そこでのノウハウや機能をノート端末に落とし込んだという点が面白いタブレットです。ノートを取るのに16Kの筆圧感知はオーバースペックですよね…。

ある意味特殊なタブレットなだけあって、よくあるタブレットに比べスペックからすると割高なのは否めません。ただこのレベルの書き味を味わえるのは、これくらいの価格は仕方ないかな?むしろ安いかな?という気持ちにもなります。

春からの新生活でノート取り用に使ってみるのも、良いと思いますよ。

参考情報

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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