
TECLASTより、10.1インチで低価格なAndroid 14タブレット「TECLAST P30」をレビュー用に提供していただきました。
TECLAST P30はSoCにAllwinner A523を搭載し、4GBのRAMと64GBのストレージと、かなりスペックが抑えられた10.1インチタブレットです。スペックは控えめですが、電子書籍を読んだり動画鑑賞には問題なく、最新のAndroid 14搭載ながら約1万円で購入できるという低価格が魅力の、ある程度わかってる人向けの端末です。
Amazonでの表示価格は16,900円で、4月30日時点では6,000円オフクーポンがあるので10,900円で購入できます。過去の価格推移をチェックすると、セールやクーポンでだいたいいつも10,000円ちょっとで購入できるようです。
目次(見たいところからチェック!)
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概要とスペック

TECLAST P30はSoCにAllwinner A523を搭載した、エントリークラスのタブレットです。RAMは4GBでストレージは64GB、microSDカードに対応します。RAMはストレージを仮想RAM化して+6GBまで増やせます。
ディスプレイは約10.1インチで解像度が1280×800(16:10)、WidevineはL1です。LTE通信は対応せずWi-Fi機となります。
OS | Android 14 |
---|---|
CPU | Allwinner A523 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
外部メモリ | microSDXC |
ディスプレイ | 10.1インチ 1280×800 (16:10) |
メインカメラ | 5MP+0.3MP |
フロントカメラ | 2MP |
バッテリー | 6000mAh |
サイズ | 約242.4 x 161.3 x 8.8 mm |
重量 | 約535g |
生体認証 | 顔認証 |
TECLASTにはP30Tという似た名前のタブレットがあります。P30Tの方が先に発売されており、SoCやRAMは変わらないのですが、ストレージが128GBで、P30よりも薄く軽いです。そのP30Tはの廉価版…と言ってもいいかもしれません。(P30Tも十分に安いですが…。)
外観
タブレットらしく大きめの箱に入ったTECLAST P30、内容物は本体の他にUSBケーブルと電源アダプタ、マニュアル類です。本体には最初からフィルムが貼られています。電源アダプタは10W(5V/2A)でした。

ディスプレイは約10.1インチで、フロントカメラが長辺にある、横向きメインのタブレットです。ベゼルは上下左右それぞれ12mmちょっとです。

背面はメタル調でサラサラしています。技適マークなどは透明なシールで貼られています。黒やグレーが多い格安タブレットの中で、このAzure Blueのカラーは爽やかで良いです。

カメラは5MP+0.3MPです。画質などは期待できませんが、メモ用途やQRコードの読み取りには一応使えます。
左側面にはUSBポートとSDカードスロットがあり、右側面には何もありません。

上側面に電源ボタンと音量ボタン。角にイヤホンジャックもあります。

下側面の左右にスピーカーがあります。

左上の角部分(電源ボタン近く)にイヤホンジャックがあり、上方向から挿します。

LTEには対応してないのでSIMスロットはなく、MicroSDカードはスロットイン式です。フタを開け閉めせずに簡単に抜き差しできます。
パフォーマンス
ベンチマーク
各種ベンチマークアプリで確認しました。
各種ベンチマークの結果は、AnTuTu Benchmark(v10.2.5)が160,187点、Geekbench 6のCPUがシングルで232点、マルチで863点、GPUは467点、3DmarkはWild Life Extremeで120点、Wild Lifeが454点、PCMarkのWork 3.0 performanceは5,075点でした。
似た点数のほかの端末と比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
Headwolf FPad5 | Helio G99 8GB |
390120 | 726 | 2019 | 343 | 8104 |
Blackview Tab 16 Pro | T616 8GB |
289356 | 447 | 1586 | 131 | 7966 |
Blackview Tab 60 | T606 6GB |
219885 | 365 | 1322 | 95 | 7085 |
Teclast P30 | Allwinner A523 4GB |
160187 | 232 | 863 | 120 | 5075 |
- 3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
価格が安いだけあって、ベンチマークで示された性能もかなり点数が低くなっています。
操作感
実際にタブレットとして使ってみると、やはり端々で鈍さを感じます。ただ、ちょっとスクロールするだけでカクつくだとか画面が止まるだとかではなく、ほんの少し指の動きに遅れるような感覚です。
電子書籍や動画を見る程度であれば問題なく、快適に読んだり見たりできます。逆に言えば、それ以外の用途にはあまり向いてないかもしれません。

ゲームの中ではそう高負荷とは言えない『ブルーアーカイブ』をプレイしてみても、画面切り替え時の読み込みに時間がかかったり、コマ落ちのような動きがよく見られます。できないことはないけど快適には遠い、といったところ。
ディスプレイ

TECLAST P30のディスプレイは約10.1インチで解像度は1280×800、アスペクト比は16:10です。実際の縦横の長さは長辺が約21.76cm、短辺が約13.60cmです。だいたいA5サイズ(210mm×148mm)に近いですね。
解像度がHDしかないので、やはり粗さが気になります。10インチの画面にHDだと、微妙に粒状感が出てきますね。

電子書籍を読むときは、横向きで見開き表示でもマンガ等なら問題なく読めます。ただやはり解像度の問題で、細かい文字は拡大したくなりますね。
Widevine

WidevineのセキュリティレベルはL1です。なので各種動画アプリで高画質再生が可能です。最近のこの手のタブレットは当たり前のようにL1ですね。プライムビデオの場合はそのままではHD再生できず、ベータ版のプライムビデオアプリならHD再生できました。
システム

TECLAST P30はカスタマイズ少なめで余計なアプリも(Google系以外は)ほとんど入ってません。

通知領域は横向きにするとクイック設定パネルと通知で左右に分かれたレイアウトになってます。

設定画面は縦向きでも横向きでも2列表示です。素のAndroidで日本語化されてる部分は大丈夫ですが、独自部分は英語で表記されるものも多くあります。
OSは2024年4月時点で最新のAndroid 14です。セキュリティパッチレベルは2023年11月5日。この手の端末は今後のアップデートは期待しないほうが良いです。

3ボタンナビゲーションにすると、画面下部にタブバーが表示されます。よく使うアプリを配置するなどで便利に使えます。

10インチ以上のタブレットだと画面分割もかなり実用的です。
バッテリー
バッテリーは6000mAhです。タブレットにしては少し容量が小さいですね。
輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで8時間15分でした。バッテリーの持ちは若干悪いですね。実際使っていても減りが早く感じます。
バッテリー容量 | PCMark | |
---|---|---|
Headwolf HPad6 | 8,800mAh | 12h 40min |
Headwolf FPad5 | 5,500mAh | 9h 17min |
Blackview Tab 16 Pro | 7,700mAh | 11h 38min |
Blackview Tab 60 | 6,050mAh | 8h 23min |
TECLAST P30 | 6,000mAh | 8h 15min |
また、充電に関しても2A/5Vなので急速充電とならず、なかなか時間がかかります。
TECLAST P30の良かったところイマイチなところ

- 約10.1インチのちょうどいいサイズ
- Android 14搭載、タスクバー採用
- 約1万円で買える安さ
- スペックは必要最低限
- 顔認証が微妙
- 明るさの自動調整がない
- バッテリーの持ちや充電速度が良くはない
TECLAST P30は性能は必要最低限といったところですが、約1万円で購入できる安さは魅力です。まぁ、価格なり…ですね。
様々なことを1台で済ますというのには向いてません。電子書籍専用の端末にする(ストレージ不足はMicroSDカードで補う)など用途を絞った運用で価値がでてくる端末です。
「エントリークラス」と言われる性能帯ではありますが、「初めてのタブレット」には向いてません。自分がなにをやりたいか、なにに使うのかちゃんとわかっている人が2台目などで安く手に入れる、というパターンが良いでしょう。
また、同じTECLASTで似た性能のP30Tもあります。こちらはストレージが128GBあって薄く軽いので、もう数千円出せるのであれば比較検討してみたほうが良いでしょう。
参考情報
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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。