格安SIMの多くでは、契約したプランのデータ量を超えると通信速度に制限がかかります。この超過時の速度はプランにより変わり、1Mbpsのところもあれば300kbps、128kbpsのところもあります。
数字で示されても、それがどの程度の遅さなのか理解するのはなかなか難しいものです。わざとデータ量を超過して試したり比較したブログ記事や動画もありますが、Android 14であれば自分の端末でデータ量を無駄に消費せずに簡単に体験できます。
追記:公開当初、Android 14からの機能としていましたが、どうやらAndroid 13以前でも利用できるようです
この記事では、Androidスマートフォン単体でダウンロード速度を制限して、格安SIMのデータ量超過時の速度を体験する方法を解説します。
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ダウンロード速度を制限する方法
ダウンロード速度を制限する方法の基本的な条件は1つ「開発者向けオプションをオンにする」です。基本的には隠された、開発者向けの機能として、ダウンロード速度の制限があるのです。
Android端末には「開発者向けオプション」という隠し機能があります。その名の通り開発者向けの機能があり、Android 14ではこの中にダウンロード速度の制限があります。
開発者向けオプションは「設定の中にあるビルド番号を7回タップ」で出てきます。これで設定メニューの中に「開発者向けオプション」が出てきます。より詳しくは以下の記事を参考にしてください。
開発者向けオプションはあくまで「開発者向け」です。通常の使用とは異なるので、最新の注意を持って、よくわからない項目については下手に手を出さないようにしましょう。
まず開発者向けオプションを使用のスイッチをオンにし、下にスクロールしてネットワーク ダウンロード速度の制限をタップします。そしてリストの中から制限したい速度を選べばOKです。
制限できる速度は以下の通り。
- 制限なし
- 128kbps
- 256kbps
- 1Mbps
- 5Mbps
- 15Mbps
これで制限されるのはダウンロードのみで、アップロードは制限されません。また、モバイル通信とWi-Fiと区別なく制限されます。なので体験だけであればWi-Fi接続のままで大丈夫です。
本当に制限されているか確認
実際に機能のオンオフで変わるのかスピードテストアプリで確認してみました。
Ookla Speedtestで速度測定し、その測定中のダウンロード速度を通信速度モニターでリアルタイム監視します。
まず制限のない状態で速度測定したところ、測定中は175Mbps程度で、Ookla Speedtestの結果もダウンロードが175Mbpsでアップロードが10Mbpsでした。
続いて256kbpsに制限して速度測定すると、通信速度モニターでのリアルタイム監視では256kbpsを超えることもありましたが、Ookla Speedtestの結果では最終的にダウンロードが0.12Mbpsでアップロードが11Mbpsでした。
何回か試してみても同じような結果でした。厳密に256kbpsで制限しているわけではないけどだいたいそのくらいに収まる、くらいの感覚でしょうか。
低速環境でウェブやアプリのテストができる
制限された状態でウェブサイトを見たり各種アプリを使うと、低速環境での動作がどんなものなのかわかります。これで、格安SIMの検討をする際に、超過時の速度に耐えられるか事前に確認できます。
まとめ
開発者向けオプションを使用してダウンロード速度を制限、格安SIMの「データ量超過時の速度」を体験する方法をまとめました。
- 開発者向けオプションに「ダウンロード速度の制限」機能
- 制限できる速度は128kbps/256kbps/1Mbps/5Mbps/15Mbpsの5段階
- 瞬間的には制限以上の速度になることも?
- 格安SIMの「データ量超過時の速度」を体験できる
- おそらく本来はウェブやアプリの低速環境での動作確認用
この機能、本来はアプリの開発者が、自分のアプリが低速環境でちゃんと動作するのか確認するためのものだと思われます。ウェブサイトの開発者であれば自分のサイトの重さも体感できますね。
格安SIMのデータ量超過時の速度を体感するというのは本来の用途外の利用だとは思いますが、一度体験してみるのも悪くないと思いますよ。