Oladanceのオープンイヤー型イヤホン「Oladance OWS Pro」をレビュー用に提供していただきました。
2023年8月に発売されたモデルで、OWS1や以前レビューしたOWS2の上位モデルに当たります。形も大きく変わり、よりスタイリッシュに。操作がボタン式になりバッテリー搭載ケースが付属するなどの違いがあります。
実際に2週間ほど使ってみてのレビューをお届けします。
目次(見たいところからチェック!)
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Oladance OWS Proの概要
Oladance OWS Proは耳をふさがないオープンイヤー型のワイヤレスイヤホンです。耳をふさがないので周りの音がそのまま聞こえ、骨伝導ではなく空気伝導なので骨に当たる部分がむず痒くなることもありません。
23*10mmの大型ダイナミックドライバーを搭載し、イヤホン本体の充電だけで最大16時間の、充電ケースを合わせれば合計58時間の音楽再生が可能です。またマルチポイント接続、アプリによる操作カスタマイズイヤホン単体での電源オンオフに対応、IPX4の防水性能もあります。
■主な機能
ノイズ |
▲※ |
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アンビエントモード | |
ワイヤレス充電 | |
着脱検知 | |
低遅延モード |
管理 |
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防水 | IPX4 |
Bluetoothコーデック | SBC |
- ノイズキャンセリングはありませんが、独自の「特定周波数ノイズ低減」技術による似たような機能の「集中モード」があります。
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.3 |
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ドライバー | 23*10mm |
対応コーデック | SBC |
サイズ | イヤホン:57 × 45 × 22.5mm 充電ケース:88 × 74 × 29mm |
重量 | イヤホン:片耳13.8g、ケース:約73.6g、充電ケース+イヤホン:約101.2g |
連続再生時間 | 約16時間(イヤホンのみ)約58時間(充電ケース併用) |
防水規格 | IPX4 |
オープンイヤー型イヤホンの特徴
Oladance OWS Proに限らず、オープンイヤー型イヤホンには以下のような特徴があります。
- 音楽を聴きながら周りの音が聞こえる
- 耳穴に入れないので長時間使用でも耳が痛くなりにくい
- 少しうるさいところだと周りの音にかき消される
- カナル型などに比べると音質は低め(特に地温が響きにくい)
- 装着感・安定感は人(耳の形)による
音楽を聞きながらでも周りの音が聞こえるというのが最大の特徴で、散歩やランニング、在宅ワークなどのときに便利です。音楽に集中すると言うよりも「ながら聴き」用のイヤホンです。
主に骨伝導式と空気伝導式があります。骨伝導は耳の前辺りの骨に当てるので人によってはムズムズしてきます。空気伝導は耳の前にスピーカーを置くようなもので比較的音漏れしやすく、また耳掛け式だと安定性が劣るという特徴もあります。
耳掛け式のイヤホンの場合、人によって装着感はかなり異なります。おそらく耳の形によるもので、耳にうまく挟み込めないとグラグラしてしまいます。
左の画像の男性は耳が比較的横を向いており、右の画像の男性は耳が比較的前を向いてます。耳が前を向いてるタイプだと、耳の後ろ側が広がりすぎて、耳掛け式のイヤホンが左右に揺れてしまいます。なので、そういう人の場合は安定感が無いことがあります。耳が横を向いてる人は耳と頭の間に差し込むような形になります。
まぁ、結局は個々人の耳の形のよるので、できれば店頭などで試してみることを強く推奨します。
外観:セラミック・スキンの光沢がカッコいい
Oladance OWS Proの箱は紙製で側面にある切り取りをペリペリと剥がしていきます。なるべくそのまま保存したい派の人にはツラい仕様ですが、正直「いざ開封!」と、テンション上がります。
中の箱をパカッと開けると下側に充電ケースに入ったイヤホン、上側にマニュアル類が入ってます。
内容物は充電ケースとイヤホン本体のほか、USBケーブル、製品保証、マニュアル類です。
USBケーブルがナイロン編みタイプなのはちょっと嬉しい。
充電ケースはだいたい88×74×29mmくらいの大きさ。背面側に充電口があります。重量はケース単体で約74g、イヤホン含めると約101gです。オープンイヤー型は耳に引っ掛けて留める部分があるためどうしても大きくなってしまいますね。
パカッと開けるとイヤホン本体がお目見え。Oladance OWS Proはピンク、グリーン、ホワイト、ブラック、シルバーの5色のカラーバリエーションがあります。私は黒×白の組み合わせに弱いのでホワイトを選択しました。
ピンク、グリーン、ホワイトの3色は、Oladanceが独自に開発した「セラミック・スキン」を採用しています。これは8層の着色工程を経て、1年以上かけて丹念に磨き上げることで、温かみのある光沢を実現しました。
また、この形はメビウスリングをそのデザインに取り入れているとのことです。
内側にはスピーカー部分や充電端子などが見えます。こちら側はシリコン素材なので肌に優しくなっています。ただ細かいゴミや皮脂汚れは付きやすいですね。
左右とも上側に細長い銀色のボタンが付いてます。OWS ProはOWS1/OWS2のようなタッチセンサーではなくボタンで操作します。
内側には電源ボタンもあります。普通の完全ワイヤレスイヤホンはケースに入れると電源オフになりますが、OWS Proはイヤホン単体で電源のオンオフが可能です。なのでケースを持たないで外出したときも、必要のないときはイヤホン単体で電源をオフにしてバッテリーを節約できます。
実際に装着した図。イヤホンのフックが耳をぐるりと回って固定します。
ミニケース(別売り)
こちらは別売りのミニケースです。付属のものと違いバッテリー非搭載で、少しコンパクト(70×44×44mm)です。ファブリック素材で、Oladanceのロゴが書かれたメタルプレートが良い感じ。カラビナ付きなのでバッグに吊るしてもいいかもしれませんね。
内側はオレンジで、2つに分かれた収納場所にはL/Rの表記もあります。なお、OWS Proだけでなく、OWS1/2にも利用可能です。
安定性と装着感
実際に装着してみると上の画像のように。一見耳を塞いでるように見えますが、耳の穴には入ってないのでちゃんと外の音は聞こえます。
骨伝導イヤホンのようにこめかみを押さえる形ではないので、接触部分がムズムズするといったことはありません。骨伝導のムズムズ感が気になる人はこういった耳掛け式があってるかもしれませんね。
安定性
安定性に関しては、まずこういった耳掛けイヤホンは個人差が大きいものです。私は耳が前を向いていて、後ろ部分が若干広いタイプです。なのでこのイヤホンもそのままでは歩くだけでフラフラしてしまいます。
横方向の動きに弱く、頭を横に傾けるとそれに伴って動くのが気になります。激しく頭を振れば吹き飛ぶのでランニングには使えないと判断しました。(あくまで私の場合なので、ちゃんとフィットする人なら運動も問題ないと思います。)
装着感
装着感は、やはり人によると思います。シリコン素材なので肌さわりは良いです。耳の穴に入れないので、その部分が痛くなることはありませんが、長時間装着してるとやはり耳の当たってる部分は痛くなってきます。
音質:低音がよく聴こえて、空間に音が響くよう
Oladance OWS Proは23*10mmダイナミックドライバーを搭載します。このおかげなのか、聴き始めてすぐに音の良さに気づきます。オープンイヤー型のイヤホンは耳に入れるイヤホンに比べると低音が弱いのですが、OWS Proは低音もしっかりと聴こえてます。
耳の側でスピーカーが鳴らしてるという印象はなく、周りで普通に鳴り響いてるかのような自然さを感じます。耳に入れるタイプは音に集中するために切り取られた空間的なイメージがあるので、体感はなかなか違いがあります。
低音も含め、しっかりと色々な音が聴こえるのはいいのですが、若干クリアさというか解像感というのでしょうか、そのあたりは足りない気がします。
全体的には、オープンイヤー型の中ではかなり音が良いと感じました。ながら聴きで使うのであれば、外での散歩はもちろん静かな室内での使用でも十分満足できる音です。なお、アプリでイコライザーを設定できるので、ある程度は自分好みの音に調整できます。
操作はボタン式で反応があるのが嬉しい
OWS Proはイヤホンの上部にボタンが付いており、これを押したりスライドして操作します。押したときにはカチッと反応があるので、押せたことがちゃんと分かるのが良いです。(圧力感知なので、押し込んだと思っても実際にはボタン自体は動いてないようです。)
操作方法は専用アプリ内でカスタマイズできます。音楽再生時と通話時で別々に設定でき、1回/2回/3回タップと前後にスライドのジェスチャーに機能を割り振ることができます。ただ、後述する「集中モード」のオンオフは割り当てられません。
ちなみに、デフォルトで「前後にスライド」は音量操作なのですが、アプリ上は表記ミスで「次の曲/前の曲」という表示になってます。(2つある「次の曲/前の曲」の下の方が音量操作)
アプリ:ログイン無しで利用可能
Oladance-
制作: Oladance価格: 無料
Oladanceの専用アプリでは、操作方法のカスタマイズのほかに集中モードのオンオフやイコライザーの設定が可能です。イヤホン機能だけならユーザー登録なしでも利用できます。ファームウェアのアップデートもあるので、一度はインストールして利用したほうがいいでしょう。
イコライザーの変更(自分のカスタム可)や、左右の音のバランス調整などもアプリから可能です。
集中モードで周りの音を減少
OWS Proには「集中モード」という、ノイズキャンセリングに似た機能があります。これは独自の「特定周波数ノイズ低減」技術により、パーソナルなオーディオ空間を作るというものです。
実際にオンオフしてみると、PCの駆動音など一部の音がカットされるのがわかります。通常のイヤホンにあるようなノイズキャンセリングとは若干違うのですが、似たような効果を確かに感じます。
ただ、何も音を出さない状態で集中モードにすると、左のイヤホンからジー…という音が聞こえ、全体的にホワイトノイズが聞こえてきます。これについては今後のアップデートで対応されるとのことなので、それを期待したいところです。
バッテリー:イヤホン単体で16時間ケース込で58時間と長持ち
OWS Proは150mAの大容量バッテリーを搭載しており、1回の充電で16時間連続使用が可能です。オープンイヤー型のイヤホンとしてはかなり長い方です。(同じOladanceのOWS2は19時間なのでさらにすごいです。)
これだけあれば、1日の外出で使ってもバッテリー切れの心配はないですね。私も2週間使っていてバッテリー切れの心配になることはありませんでした。
充電
以前レビューしたOWS2はケースがバッテリー非搭載で、充電するにはケーブルに接続するか別途バッテリー内蔵ケースを購入する必要がありました。OWS Proはデフォルトでバッテリー内蔵ケースが付属します。単体で16時間持つので心配いらないとはわかっていても、充電できるケースがあるのは安心感あります。
なお、急速充電にも対応し、15分間充電で6時間使用可能となります。
Oladance OWS Proの良かったところ・イマイチだったところ
Oladance OWS2を実際に使ってみて良かったところ・イマイチだったところをまとめます。
- オープンイヤー型で上位の音の良さ!低音も出る
- 耳をふさがないので外の音が聞こえる
- ボタン操作なので押した感がある
- 集中モードで周りの音を減少できる
- イヤホン単体で16時間、ケース合わせ58時間の大容量バッテリー
- イヤホン側で電源オフできる
- フィット感は人による部分が大きい
- 微妙にクリアさに欠ける
- ワイヤレス充電は非対応
外の音が聞こえることの良し悪しはほかと変わらない
まずオープンイヤー型としての良いところ悪いところはだいたいそのままです。音楽を聞きながら周囲の音が聞こえるので散歩や在宅での仕事中など、「ながら聴き」に便利です。買い物のレジで外したりアンビエントモードに切り替える必要もありません。
その一方で交通量のある道路脇では外のうるささで音楽が聞こえなかったり、同じ価格帯のカナル型に比べれば音が軽かったりといったデメリットはあります。
音は十分に良い
音質は低音も聞こえるし良いです。オープンイヤー型イヤホンの中では間違いなく上位にあるでしょう。若干クリアさに欠けるかな?という気はしますが、ながら聴きであれば気にするほどでもないです。少しでも音質を諦めたくない、という人にオススメです。
IPX4防水、マルチポイント対応
今回大きくは取り上げませんでしたが、IPX4の防水(生活防水)やマルチポイント接続に対応しています。これらは普段の生活の中でのイヤホンとして使い勝手が良くなります。
できれば実物を試してから購入した方がいい
OWS Proに限らずですが、耳掛け式のイヤホンはフィットするかどうかが人によります。耳の形によっては私のように左右に揺れてしまうので、できれば実際に装着して試してから購入したほうが良いです。
とはいえ、ではどこで試せるんだ?というのが一番の問題ですね。家電量販店に行けばOWS Proがなくても、同じような形のイヤホンがあるかもしれないので、一度は試してみることをオススメします。
まとめ
Oladance OWS Proはオープンイヤー型でありながら音が良く、バッテリーも長時間持つ使い勝手の良いイヤホンです。オープンイヤー型でも少しでも音質が良いものを求める人にオススメです。
価格が3万円以上と、上位モデルらしく高いので誰にでも勧められるわけではないのですが、他のオープンイヤー型を使っていて音質に不満が出ているようであれば、ちょうどいい選択肢でしょう。