Earfunさんから、Earfun UA100とEH100をレビュー用に提供していただきました。UA100はESS製DACチップのES9038Q2Mを搭載したUSB DAC、EH100は2DD+1BA構成の有線イヤホンで、どちらもEarfunの5周年を記念して作られた製品です。
目次(見たいところからチェック!)
- 本記事は広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
スペック
Earfun UA100
インターフェイス | USB Type-C |
---|---|
DACチップ | ESS ES9038Q2M |
アンプIC | RICORE RT6863 ×2 |
対応オーディオフォーマット | 最大PCM 768kHz/32bit、DSD 512 |
イヤホン/ヘッドホン端子 | 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス |
出力 | 2V/32Ω(125mW、3.5㎜) 2.5V/32Ω(125mW、4.4㎜) |
クロストーク | 71dB(3.5㎜) 109dB(4.4㎜) |
周波数帯域 | 20〜40kHz / −0.5dB |
THD+N | |
S/N比 | 121dB(A特性) |
対応インピーダンス | 16Ω〜300Ω |
サイズ | 約50 × 18 × 10 mm |
重量 | 約11.5g |
Earfun EH100
タイプ | インナーイヤー型 |
---|---|
ドライバー | ハイブリッド型(同軸ダイナミック型×2 + バランスドアーマチュア型×1) |
コネクタ | 3.5mm ステレオミニプラグ |
周波数帯域 | 16Hz〜40kHz / −0.5dB |
音圧レベル | 1kHz:101dB、126mVrms |
インピーダンス | 16Ω |
ケーブル長 | 130cm |
重量(片側) | 約8.6g |
パッケージと内容物
UA100
UA100のパッケージです。白い箱がマグネットの力でとじられています。
内容物一覧です。UA100本体、USB Type-C to Cケーブル、USB Type-CからUSB Standard-Aへの変換アダプタ、取扱説明書が入っていました。
EH100
EH100のパッケージです。こちらはUA100とは対照的に、黒いパッケージになっています。
内容物一覧です。EH100本体(イヤホン本体)、ケーブル、キャリーケース、チューニングノズル1ペア、イヤーピース5つ(S,M×2,L,2L)ユーザーマニュアルが入っていました。
本体
UA100
UA100の本体です。本体はさらさらとした質感の金属でできていて、ハイレゾロゴのシールが貼られています。
上下の底面です。上面にはUSBポートがあり、下面には3.5mmと4.4mmのステレオジャックがあります。4.4mmのほうではバランス接続が可能です。
バランス接続では、アンバランス接続に比べて、一般的に以下のメリットがあります。
- 左右の分離向上
- 音の応答性が向上し、音のアタック/リリースの再現性が向上
- 左右の信号の相互干渉(クロストーク)が減少し、音の再現性が向上
なお、バランス接続を行うには、対応したイヤホン/ヘッドホンが必要です。
側面にはModeボタンがあります。これは、通常時は音楽の再生/一時停止のために、それ以外では比較的古い機器(USB Audio Class 1.0のみ対応の機器)などで使用する際にモード切り替えをするために使うボタンです。
EH100
イヤホン本体はこんな感じです。シェルは金属でできていて、なかなか高級感があります。
ケーブルは銀色で、こちらもきれいな見た目をしています。イヤホンとの接続は2pinコネクタで行います。ケーブルだけ交換できるので、リケーブルも可能です。
ケーブルにも、(かなり見にくいですが)LとRが書かれていて、これを見てイヤホンと接続します。
Android/Windows PCで使う
UA100はプラグアンドプレイに対応しているので、現在サポートされているOSの場合には、基本的には接続するだけで使えます。
Nintendo SwitchなどのUSB Audio Class 1.0にのみ対応している機器の場合には、本体側面のModeボタンを押しながら機器に接続する必要があります。
EH100はイヤホンなので、他のイヤホンと同様に3.5mmのイヤホンジャックに接続するだけで使えます。
実際に使ってみて
この記事では、UA100とEH100を組み合わせて使った音質を評価しています。
音質
WindowsのPCに接続して使ってみました。再生にはTuneBrowserとfoobar2000を使い、ASIOの排他モードで再生しています。
全体的にバランスの良いサウンドで、誰が聴いても音質の良さを実感できると感じました。駆動力も十分で、低音の量感もあります。解像度もハイレゾ音源の良さを感じられる仕上がりで、聴いていて楽しいサウンドです。
再生状態表示
UA100には、再生中のサンプリング周波数に応じて色が変わるインジケーターが上面に備わっています。
44.1/48kHzで青、88.2/96kHzで緑、176.4/196kHzで黄、352/384/705/768kHzで紫などとなっていて、DSD音源を再生している場合は白色になります。簡易的に状態をチェックできるので、これを使えば、UA100まで意図した信号が来ているかが分かります。
DSD音源
DSDは、一般的なPCMよりもなめらかな音を再現できる、音声ファイルの記録方式です。説明すると長くなるので、ここでは原理などは解説しませんが、アナログの音源に近く、なめらかだという特性を持っています。また、音声をデジタル化する際のノイズ(量子化ノイズ)を低減できるという利点もあります。
このようなメリットがあるDSD音源ですが、再生するには再生機器がDSDに対応している必要があります。UA100はDSD 512(22.4MHz)まで対応しているので、DSD音源もバッチリ再生できます。私も今回初めてDSD音源を購入して聴いてみましたが、確かにPCM音源よりも音の変化がなめらかに繋がっていて、特別な良さが感じられました。ちなみに、DSD 512の音源は、国内の配信サイトにはほとんどありません(もしくは0?)。そういった理由もあってか、DSD 256までの対応にとどまっているUSB DACも多いのですが、UA100はDSD 512まで対応しています。
これは余談ですが、UA100はプラグアンドプレイで使用できるものの、排他モードで使う場合にはドライバーをインストールしたほうが良いです。おそらくUSB DACを買うような方は、音質にもこだわっているような方だと思うので、ASIOなりWASAPI排他モードで聴きたいと思うはずですが、排他モードだとドライバを入れたほうが何かと不具合の原因が切り分けしやすかったです。ドライバは、ユーザーマニュアルのダウンロードページ(Google Drive)からダウンロードできます。
装着感
装着感は良好です。ケーブルのピンの近く(耳に触れる)部分にはスリーブが付いていて、元々曲線を描いているので、スッキリとつけられます。また、イヤホン本体も比較的小ぶりなので、対輪(耳珠の逆側)に当たって痛いなどと感じることはありませんでした。
まとめ
UA100(USB DAC)は、DSD 512まで対応し、EH100(イヤホン)は2pinでリケーブルに対応と、どちらも将来的な拡張性にも不安のない製品になっています。音質にクセはなく、音源の良さをダイレクトに感じられました。UA100で定価約9,980円、EH100で定価約12,980円と、価格もスペックに対してお手頃で、Earfun名物の高コスパも健在です。まず最初のUSB DAC/リケーブル対応イヤホンとしておすすめできる製品です。