ゲーミングスマートフォンREDMAGIC 8 Proを実際に使ってみてのレビューをお届けします。
REDMAGIC 8 Pro はSnapdragon 8 Gen 2を搭載したゲーミングスマートフォンです。前面カメラが画面下でその姿を隠し、真のフルディスプレイを実現。さらに65Wの急速充電に対応した6,000mAhの大容量バッテリーと冷却システム ICE 11.0 を備えています。
スペックとしては十分すぎるほど高性能なのですが、やはりゲーミングスマホは人を選びますね。そういった引っかかった部分も含め、レビューしていきます。(ゲーマーではない視点からのレビューです。)
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外観
REDMAGIC 8 Proは外箱も内箱もSFチックなのが良いです。
箱の側面にはSFコミックのようなイラストが描かれています。REDMAGICのマスコットキャラクターのMora(モーラ)もいます。
内容物は本体の他にマニュアル類と透明な硬質ケース、USBケーブル、充電器、SIMピンです。
SIMピンはΦ型です。
本体はかなり「四角い」デザインです。ディスプレイもフラットで、側面もフラット、四隅の丸みも最低限です。なんというか、持った印象としては、とても無骨な試作品かのようです。
背面のデザインが数字などの雰囲気がZenfone 9と似ていて好きです。オタク臭くて一般受けはしないようですが、私は好きです。
右側面。こちらには電源ボタンと(見えにくいですが)左右端にショルダートリガーがあります。赤いのはゲームブーストボタンです。
左側面には音量ボタン。左右側面にある換気口がなかなかいい味出してますね。
上側にはイヤホンジャックとサブノイズキャンセリングマイク。下側にスピーカーとUSBポート、SIMスロットがあります。
背面のカメラは中央で3つが縦に並んでます。なかなか存在感ありますね。画面の左右端を強く押すとガタガタしますが、通常のタップ程度ではガタガタしません。
背面は写真ではザラザラしてるのかと思ったのですが、これはノイズ模様のようなもので感触はサラサラです。マットで指紋もつかないのがいいですね。
実際に持ってみると、やはり角が手の腹に当たって痛いです。四角くてまさにフルディスプレイ!といった感はありますが、なんだか「落としたらどうしよう」という不安がほかのスマホに比べて大きいです。なぜそう感じるのか、いまいち言語化できていないのですが、妙な不安感があります。
前面カメラが全く見えなくてすごい
REDMAGIC 8 Proの前面カメラは画面内埋込式です。そのため、カメラの上にもちゃんと画面表示されているので、ぱっと見ではそこにカメラがあることに気づきません。
いや、画面内埋込式でも、たいていは(特に白い画面では)そこに丸い何かがあるというのがわかるのですが、REDMAGIC 8 Proは見ようという意識があっても発見が難しいです。
前面カメラを使う機会があまりない私にとっては、その存在を忘れさせてくれるこの前面カメラはかなりの好評価です。すごい。もちろん、ゲームする際にも、前面カメラのパンチホールやノッチが画面を邪魔しないので真のフルディスプレイでプレイ可能です。
スペックとパフォーマンス
REDMAGIC 8 Proの主なスペックは以下のとおりです。
OS | REDMAGIC OS 6.0 Android 13.0 対応 |
---|---|
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 |
RAMとストレージ | Matte: 12GB+256GB Void: 16GB+512GB |
外部メモリ | – |
ディスプレイ | 6.8インチ 1116×2480 (FHD+) 20:9 AMOLED リフレッシュレート:120Hz(60Hz/90Hz/120Hz可変式) タッチサンプリングレート:最大960Hz マルチポイント 輝度:最大輝度1300ニト |
メインカメラ | センサー:Samsung GN 5 sensor 1/1.57″ 解像度: 50MP+8MP+2MP レンズ画角: 82°+120°+78° 絞り:F1.79+F2.2+F2.4 |
フロントカメラ | 16MP, 第二世代のUDC(画面下カメラ)技術 ピクセルサイズ: 1.12μm 絞り: 2.0 |
バッテリー | 6000mAh (デュアルセルバッテリー) 65W高速充電 |
サイズ | 約163.98 × 76.35 × 8.9 mm |
重量 | 約215g |
素材 | 金属(ミドルフレーム)、ガラス(バックカバー) |
生体認証 | 指紋、顔 |
SIM | nanoSIM×2 |
対応バンド | 2G: GSM 2/3/5/8 3G: WCDMA B1/3/6/8/19 4G: TTD-LTE Band 34/41 FDD-LTE Band 1/3/8/18/19/26/28 5G NR SA:n78/ /n77 DC_1A-n78A (20MHz/100MHz) DC_28A_n78A DC_1A_n77A, DC_3A_n77A, DC_8A_n77A, DC_18A_n77A |
その他 | 3.5mm イヤホンジャック ショルダートリガー:520Hz タッチサンプリングレート ゲームスペーススイッチ:ゲームモードを切り替え RGBライト:カスタマイズ可能なRGBムードライト |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク
AnTuTu Benchmark(v9.6.2)での結果は3回の平均で1,277,884点。3回連続でテストしてもスコアはほとんど変わりません。温度は27.0℃→32.1℃→32.9℃→33.9℃と変化し、最高は35.3℃まで上がりました。遠心式ファンなど、いくつもの冷却システムが搭載されていることもあり、温度上昇は抑えられています。
なお、AnTuTu Benchmark(v10.0.3-OB3)での結果は1,565,065点でした。
その他ベンチマークの結果は、Geekbench 5がシングルで1,483点、マルチで5,064点、Geekbench 6ではシングル893点、マルチ4,647点、3DmarkはWild Life Extremeで3,640点、PCMarkのWork 3.0 performanceは13,282点でした。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
REDMAGIC 8 Pro | SD 8 Gen2 12GB |
1275154 | 1483 | 5064 | 3640 | 13282 |
ROG Phone 6(Xモード) | SD 8 Gen1 16GB |
1119157 | 1307 | 4337 | 2800 | 17088 |
Zenfone 9 | SD 8+ Gen1 8GB |
1077264 | 1306 | 4173 | 2797 | 16989 |
Xiaomi 12S Ultra | SD 8+ Gen1 12GB |
1048448 | 1308 | 4108 | 2749 | 13433 |
ROG Phone 6 | SD 8 Gen1 16GB |
964216 | 1130 | 3494 | 2270 | 12092 |
- GeekbenchはCPUの性能を、3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
発熱と冷却システム
REDMAGIC 8 ProにはICE 11.0 冷却システムが搭載されています。20,000 RPMの高速冷却ファン、画面下グラフェンシート、3D VC液冷プレート、超熱伝導銅箔、高熱伝導性ゲルなどです。
AnTuTu Benchmarkを回したときの温度上昇もわずかだったように、ゲームをプレイ中でも本体が熱くなったと感じることはありませんでした。(ほんのり温かくはなります。)
放熱ファンはゲーム起動時や急速充電時にも起動します。効果は確かなのですが、ちょっと音が大きいのがデメリットです。クイック設定パネルからオンオフできるので、場面によって使い分けるのがいいでしょう。
豊富なゲーミング機能
私自身はあまりスマホでゲームをやらないので使いこなしてるとはいい難いのですが、REDMAGIC 8 Proには様々なゲーム向け機能があります。
- ショルダートリガー
- REDMAGIC Studioでモニターやテレビにミラーリング
- マウスなどを接続
- ヘルプラインの表示
- ストップウォッチ
- エイミングアシスト
- マクロ
- 充電分離
- パフォーマンス監視
- モラライブ
充電分離
「充電分離」は、充電ケーブルを接続した際に、バッテリーではなくシステムに直接給電する機能です。これによりバッテリーが無くなることを気にせず、バッテリーの劣化も気にせずに給電しながらプレイできます。放置系のゲームをやってるときにも重宝します。
モラライブ
「モラライブ」は配信向けの機能です。画面上にREDMAGICのマスコットキャラクターのMora(モーラ)を表示します。
このMoraは実際にプレイしてる人の頭の動きや口の開きと連動して動きます。顔出し無しで配信するときに使うと面白いかもしれません。まぁ(透明度の調整ができるとはいえ)画面の一部を覆ってしまいますし、その部分の操作も聞かなくなるので使い所は難しいかもしれませんが…。
日本語訳がちょっとわかりにくい
REDMAGIC 8 Proは公式サイトに日本語もあって、本体の中身も日本語表記できます。ただ、一部の翻訳がおかしかったり意味が分かりにくかったり、またフォントも一部がいわゆる中華フォントだったりします。
設定の構成がわかりにくい、とまではいいませんが、変な日本語もあいまって使いにくさを感じます。英語ができる人は言語設定を英語にしたほうがいいかもしれませんね。
カメラ
REDMAGIC 8 Proのカメラは50MPのメイン(F1.79/82°)と8MP超広角(F2.2/120°)、2MPマクロ(F2.4/78°)のトリプルカメラです。ゲーミングスマホとはいえ、普通にきれいな写真は撮れます。
カメラのUIはシンプルです。シャッターボタンに水準器が付いており真俯瞰も撮りやすくなってるのは良いですね。
あまり外に持ち出す気がしなかったので撮影枚数は少ないのですが、いくつか載せておきます。
超広角でけっこう色味が変わってしまうのは残念です。
REDMAGIC 8 Proの良かったところイマイチなところ
REDMAGIC 8 Proを使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。
- ゲーム向けのハイスペック
- 冷却機能やゲーム向けの各種機能
- 前面カメラが気づかないほどに目立たない
- 角ばってるので持つ手が微妙に痛い
- 日本語表記がいまいちな箇所がある
- いつのまにかホームアプリが標準に戻ってる
スペックや性能的には文句ないです。高負荷なゲームをやらない私にはオーバースペックだとは思いますが、あって困るものでもありません。ゲーム関連の機能や、とくにマスコットキャラのMoraについては一緒に写真を撮れる機能など思った以上に豊富で面白いです。
ただ普段使いで、と考えるとあまりメインにしたいとは思わないです。日本語の表記などの点もありますが、角ばっていてそれなりに重いので、小さなストレスが溜まりそうです。角ばってることと関係あるのか、どうにも画面端からのスワイプ(戻るなど)がやりにくい印象もあります。
また、デフォルトのホームアプリを別のものに変えていても、いつのまにか初期のnubiaのものに切り替わってしまいます。
同じゲーミングスマホでも、ROG Phoneシリーズは持った感触も良くて普通にメインスマホとしても使えそうでした。REDMAGIC 8 Proはゲーム専用機だったり、スマホ使用の中でゲームの比率が高い人向けですね。
まとめ
ゲーミングスマホはゲーミングスマホでした。前面カメラがわからないくらいに目立たないこと、真のフルディスプレイを味わえたので買った甲斐はあったとは思うものの、not for meな印象がずっとあります。
便利さや面白さが自分に合うと感じる人が買うべきスマホです。自分がスマホに何を求めているのか、どう使うのか、よく考えて買った方がいい、と再認識させられました。
前面カメラの目立たなさはめちゃくちゃいいので、これをもっとベーシックなスマホにも採用してほしいと強く思います。