1MORE PistonBuds Pro レビュー:ANCと低遅延モードがグッドな1MOREの1万円切りエントリーモデル

1MOREのノイズキャンセリング搭載ワイヤレスイヤホン「1MORE PistonBuds Pro」をレビュー用に提供していただきました。

2023年3月に発売されたイヤホンで、1MOREとしては1万円を切る価格のエントリーモデルという位置づけです。2種類のノイズキャンセリングモードや豊富なイコライザ設定、90msまで抑えられる低遅延ゲーミングモードと、十分な機能があります。

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1MORE PistonBuds Proの概要

■主な機能

ノイズキャンセリング (38dB)
アンビエントモード
ワイヤレス充電
着脱検知
低遅延モード
管理アプリ
操作方法カスタム
防水 IPX5
Bluetoothコーデック SBC, AAC
■主な仕様
Bluetoothバージョン Bluetooth 5.2
対応プロファイル A2DP, AVRCP, HFP
最大動作範囲 10m
対応コーデック SBC, AAC
サイズ イヤホン:17 × 18 × 21.4 mm、充電ケース:58 × 23 × 37.7 mm
重量 イヤホン:片耳4.5g、充電ケース:約30.5g、充電ケース+イヤホン:約39.5g
バッテリー容量 イヤホン:38mAh×2、充電ケース:410mAh
最大再生時間
(ノイキャンON時)
約5時間(イヤホンのみ)約20時間(充電ケース併用)
最大再生時間
(ノイキャンOFF時)
約7.5時間(イヤホンのみ)約30時間(充電ケース併用)
充電時間 1時間(イヤホン) 2時間(充電ケース)
防水規格 IPX5

1MORE PistonBuds Proの外観と付属品

内容物は本体とケースのほか、USBケーブルとサイズ違いのイヤーピース、マニュアル類です。イヤーピースは最初から装着済みのものが上から2番目の大きさで、全4種類です。

ケースの天面はスピン加工で高級感があります。

ケースは比較的コンパクト(58 × 23 × 37.7 mm)で、全面には充電ランプがあります。

背面側に充電用のUSB-Cポート。隣の丸い部分はペアリング用のボタンです。

ケースを開けるとイヤホン本体。こちらもスピン加工でカッコいいですね。1MOREのロゴも良い感じです。

イヤホンの内側にはL/Rの表記と充電用の接点、装着検知用のセンサーも見えます。

ノズル部分は円形で、市販のイヤーピースとも交換可能です。

アプリ

Google play1MORE MUSIC
1MORE MUSIC
制作: 1MORE Shen Zhen Acoustic Technology Co., Ltd.
価格: 無料

ダウンロード

1MORE PistonBuds Proはそのままでも使えないことはないのですが、1MOREのアプリを使うともっと便利です。

アプリではイヤホンのバッテリー残量だけでなくケースのバッテリー残量も確認できます。そのほか、ノイズキャンセリングやスマート再生(イヤホン着脱での再生)、低遅延モード、イコライザーなどの設定があります。また、ファームウェアのアップグレードもアプリから可能なので、購入後はまず確認しておくと良いでしょう。

操作方法のカスタマイズ

1MORE PistonBuds Proの操作はタッチセンサー式で、それぞれの割り当ては以下の通り。

L R
1回タップ
2回タップ 再生/一時停止 再生/一時停止
3回タップ 音声アシスタント 音声アシスタント
長押し ノイキャン切替 ノイキャン切替

ただし、これはあくまでデフォルトのもので、アプリから自分でカスタマイズできます。

ただし設定できるのは「2回タップ」と「3回タップ」だけで、選べる機能は「再生/一時停止」「前/次のトラック」「Vol -/+」「音声コントロール」の4つです。ノイキャン切替は長押しで固定ですし、低遅延モードを設定することもできません。また、左右の機能はペアになっており、Lのダブルタップを「前のトラック」にするとRのダブルタップは「次のトラック」になります。

ここはもう少し柔軟に設定できると嬉しいですね。

スマートバーンイン(エージング)

アプリ内にスマートバーンインという機能があります。これはいわゆる「エージング」を行ってくれる機能です。エージングは普通の音楽再生でもできますが、専用の機能を使うことでより効果的になるとのことです。

ただ、スマートバーンインは4フェーズあり、最初の2回がそれぞれ12時間、3回目は72時間ほど必要だったため、ここで心が折れました…。今回のレビューは第3フェーズを20%ほど消化した時点で音質などをチェックしています。

音質

1MORE PistonBuds ProはAACとSBCに対応しています。10mmダイナミックドライバーを搭載し、全体的には柔らかで優しい音に感じられました。

低音に関しては無駄に響くわけでもなくしっかり聞こえますが、どうもボーカルがぼやけて聞こえる印象があります。パッと聞いた時点では「クリアでいい音」とはまったく逆の印象です。バーンイン(エージング)を進めるとこれが若干薄れてはきましたが、傾向としては変わらないようです。聞く音楽を選ぶイヤホンかな、と思います。

イコライザー

イコライザー機能はアプリから可能です。ただし12個のプリセットから選ぶのみで自分でカスタマイズはできません。

ノイズキャンセリング

1MORE PistonBuds Proのノイズキャンセリングはイヤホンの長押しまたはアプリから切り替えます。「パススルー(外音取り込み)」「ディープ」「風切り音低減」の3種類があります。

ディープと風切り音低減はノイズキャンセリングの強弱と考えてOKです。ディープにしたときは最大38dBの効果ということです。1万円を切るイヤホンでも同じくらいの数値のイヤホンはありますが、それらよりもよく効いています。外で全くの無音になるというわけではありませんが、仕事に集中するための静かな空間は生み出してくれます。

ただ、一度接続を切るとノイキャンオフ状態に戻ってしまうので、使うたびに設定しなくてはならないのは少し面倒です。

低遅延のゲームモード

Bluetooth接続だとどうしても有線に比べ遅延が発生しますが、1MORE PistonBuds Proには低遅延モードがあります。(アプリからの切り替えしか対応しておらず、接続のたびにオフに戻ります。)

実際に『ワイヤレスヘッドフォンディレイテスト』アプリを使って遅延具合を調べてみました。(使用機種:Pixel 7a)

左:通常 右:低遅延モード

まず低遅延モードオフの状態で聞くと300msを超えるくらいで、明らかに遅れを感じます。低遅延モードオンで公称90msまで減らすとしており、実際に(あくまで目測ですが)90ms~100msくらいで聞こえました。シビアなゲームには向いてませんが、動画をみるくらいなら十分です。

1MORE PistonBuds Proの良かったところ・イマイチだったところ

1MORE PistonBuds Proを実際に使ってみて良かったところ・イマイチだったところをまとめます。

良いところ
  • 耳に優しい装着感
  • 思ったよりもよく効くノイキャン
  • アプリの機能が豊富
  • 低遅延モードもバッチリ
イマイチなところ
  • ワイヤレス充電非対応
  • 操作方法のカスタマイズがもう一歩
  • 音は価格なりで音楽を選ぶ

致命的にダメな部分はなく、機能も揃っているので全体的には悪くない、価格なりのイヤホンという印象です。個人的にはイヤホンはワイヤレス充電で充電するのが当たり前になっているので非対応なのが残念。

1万円を切る価格でノイズキャンセリングがしっかりと機能して使えるのは嬉しいポイントです。装着感も優しく長くつけていられるので、作業に集中したい時に使うのも良いかもしれませんね。

本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。

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OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。

様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。

スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。

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