総務省は12月16日、令和4年度第2四半期(9月末)の電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データを公表しました。
この中には移動系通信(携帯電話等)のシェアやMVNOのシェアといったデータもあります。MVNOサービスの契約数は2,757万(前期比+2.6%、前年同期比+5.3%)、SIMカード型の契約数における事業者別シェアは、前回と同じくインターネットイニシアティブ(IIJ)がトップでした。
データの中から気になるものをいくつか紹介します。
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3G/LTE/5G/PHS/BWAの各契約数の推移
各キャリアとも停波が決まってる3Gは順調に契約数が減ってます。LTEも緩やかに下っており、代わりに5Gがどんどん伸ばし、2022年9月では5,736万契約となってます。
ドコモ | 2026年3月31日 |
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au | 2022年3月31日 |
ソフトバンク | 2024年1月31日 |
携帯電話の契約数における事業者別シェアの推移
携帯電話の契約数でのシェアです。KDDIグループにはUQ mobileも入ってます。前期に引き続き楽天モバイルが0.1ポイントの減少となりました。ほかは大きく変わってるところはありませんね。
今期 | 前期比 | 前年同期比 | MVNOを含め | |
---|---|---|---|---|
NTTドコモ | 36.4% | -0.1ポイント | -0.5ポイント | 41.9% |
KDDI | 27.0% | +0.1ポイント | ±0ポイント | 30.4% |
ソフトバンク | 20.9% | -0.2ポイント | +0.1ポイント | 25.5% |
楽天モバイル | 2.2% | -0.1ポイント | +0.1ポイント | 2.2% |
MVNO | 13.5% | +0.3ポイント | +0.3ポイント | 13.5% |
MVNOサービスの区分別契約数の推移
MVNOサービスといっても実は色々あるのですが、いわゆる「格安SIM」はこの中の「SIMカード型」と見ていいでしょう。2022年9月では1,524万契約となっています。減少傾向だったものが2022年3月を底に、また上がりつつあります。
なお、このグラフは契約数が3万以上のMVNOからの報告を基に作成されているので、実際の数はもっと多くなります。
MVNO(SIMカード型)の事業者別シェア
契約数が3万以上のMVNOサービスの区分別契約数は、SIMカード型が1,524万(前期比+1.9%、前年同期比-0.7%)、通信モジュールが982万(前期比+5.9%、前年同期比+18.8%)でした。
SIMカード型の契約者数における事業者別シェアは、インターネットイニシアティブ(IIJmio)が最も高く19.0%(前期比+0.2ポイント)、次いでNTTレゾナント(OCN モバイル ONE)が10.1%、オプテージ(mineo)が9.1%(前期比-0.2ポイント)、富士通が5.6%(前期比-0.1ポイント)、ビッグローブ(BIGLOBEモバイル)が5.1%(前期比+0.4ポイント)となります。
また、MVNOとしての楽天モバイルがついに(総務省発表の)5位以内から姿を消しました。新規受付はだいぶ前に終了していましたが、それでも長い間シェアがありました。
2020年 | 2021年 | 2022年 | ||||||
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9月 | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 |
楽天 (15.2%) |
IIJ (14.4%) |
IIJ (15.2%) |
IIJ (15.8%) |
IIJ (16.6%) |
IIJ (17.3%) |
IIJ (18.1%) |
IIJ (18.8%) |
IIJ (19.0%) |
IIJ (14.0%) |
楽天 (13.7%) |
NTT (11.5%) |
NTT (11.8%) |
NTT (12.2%) |
NTT (12.8%) |
NTT (14.0%) |
NTT (14.5%) |
NTT (10.1%) |
NTT (11.0%) |
NTT (11.3%) |
楽天 (11.4%) |
mineo (9.0%) |
mineo (9.0%) |
mineo (9.0%) |
mineo (9.3%) |
mineo (9.3%) |
mineo (9.1%) |
mineo (8.9%) |
mineo (8.7%) |
mineo (8.9%) |
楽天 (8.9%) |
楽天 (7.8%) |
楽天 (6.9%) |
楽天 (6.2%) |
富士通 (5.7%) |
富士通 (5.6%) |
LINE (6.4%) |
LINE (6.7%) |
LINE (6.7%) |
LINE (6.1%) |
BIGLOBE (5.9%) |
BIGLOBE (5.8%) |
BIGLOBE (5.8%) |
楽天 (5.5%) |
BIGLOBE (5.1%) |
なお、2022年7月にOCNモバイルONEがNTTコミュニケーションズからNTTレゾナントに事業移譲されました。当サイトによる上記グラフでは2022年6月までがNTTコミュニケーションズ、2022年9月からNTTレゾナントとして繋げています。いきなり落ちたように見えますが、これはNTTレゾナントに移譲されたものが「コンシューマ向けOCNの事業」であって、法人向けと分離されたからだと思われます。
このほか、前回辺りから「富士通」が5位以内に入っています。個人向けだとピンときませんが、FENICSという法人向けサービスがあるようで、おそらくこれのことかな、と思います。
総務省のこれらの調査データは過去のものも含め公開されてるものです。なかなか興味深いものもありますし、遡って調べてみたり、MMD研究所の格安SIMサービスの利用動向調査と比べてみるのも面白いでしょう。
参考情報
- 総務省|報道資料|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和4年度第2四半期(9月末))
- 総務省|報道資料|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和4年度第1四半期(6月末))
- 総務省|報道資料|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和3年度第4四半期(3月末))
- 総務省|報道資料|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和3年度第3四半期(12月末))
- 総務省|報道資料|電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (令和3年度第2四半期(9月末))
- 総務省 2022年度Q1(6月末)電気通信サービスのデータ:楽天モバイルのシェアが初の減少、MVNOのシェアにも動きが – OREFOLDER