Blackviewのスマートフォン「Blackview A85」をレビュー用に提供していただきました。Blackviewといえばタフネス系のスマートフォンが目立ちますが、今回レビューするA85はもっと一般的な、どちらかと言えばスタイリッシュなイメージに寄せたシリーズになります。
AliExpressでの価格が2万円以下と非常に安価で、それでいてリフレッシュレート90Hzのディスプレイや8GBのRAMを搭載し、決して高いとはいえないけど必要十分な性能を持ったスマートフォンです。
- 2万円を切る低価格スマートフォン
- サラサラしたマット仕上げの背面
- AnTuTu22万点m8GBのRAMと128GBのストレージ
- 6.5インチでリフレッシュレート90Hzのディスプレイ
- Android 12ベースのDoke OS 3.0搭載
- 意外と持つ4,480mAhのバッテリー
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目次(見たいところからチェック!)
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概要と外観
Blackview A85は背面がマット仕上げのガラスでスタイリッシュなデザインながら激安のスマートフォンです。カラーはスカイミラー、スペースブラック、ディープシーブルーの3色あり、今回はディープシーブルーをお借りしました。
マット仕上げの背面がスタイリッシュ
Blackview A85は6.5インチのディスプレイで水滴型のノッチがあります。ベゼルはそれなりにありますが、そんなに気にならないレベルです。
背面はマット仕上げのガラスで、サラサラしており上品な雰囲気があります。指紋や皮脂はつきにくくなっています。(つかないわけではない。)なんとなくOPPO Reno7 Aなどと似た雰囲気を感じますね。私はかなり好きな触り心地です。
右側面には音量ボタンと電源ボタン。この電源ボタンは指紋センサー兼用です。
上側面には3.5mmイヤホンジャック、下側面にはスピーカーとUSBポートにマイク穴です。
左側面にはSIMスロットとサイドキーがあります。
SIMスロットはMicroSDカードとnanoSIMが2枚入るトリプルスロットです。ちゃんとMicroSDカードが使えるのは嬉しいところ。
大きさは164.3×76.1×8.65mm です。さすがに横幅76.1mmなので、片手操作はなかなかにツライです。重さは193gですが、数値以上に軽く感じます。大きさの割には…といったところでしょうか。
付属品としては、本体の他にクリアケース(装着済み)、ガラスフィルム、SIMピン、ACアダプタ、USBケーブル、マニュアル類です。ガラスフィルムが付属されるのは良いですね。
スペックとパフォーマンス
Blackview A85は2万円以下の価格ながらAnTuTuスコア22万点を超え、RAMは8GB、リフレッシュレート90Hzのディスプレイ、4,480mAhバッテリーを搭載します。
主なスペックは以下のとおりです。
OS | Doke OS 3.0 Based on Android 12 |
---|---|
CPU | UNISOC T606 |
RAM | 8GB(RAM拡張最大+6GB) |
ストレージ | 128GB |
外部メモリ | microSDXC (最大1TBまで) |
ディスプレイ | 6.5インチ 720×1612 (HD+) リフレッシュレート最大90Hz |
メインカメラ | 50MP+8MP |
フロントカメラ | 8MP |
バッテリー | 4480mAh 18W急速充電 |
サイズ | 約164.3 × 76.1 × 8.65 mm |
重量 | 約193g |
生体認証 | 指紋(サイド)・顔 |
防水防塵 | – |
SIM | nanoSIM × 2 |
対応バンド | GSM:B2/B3/B5/B8 WCDMA:B1/B8 FDD:B1/B3/B7/B8/B20 TDD: 40 |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク
AnTuTu Benchmark(v9.4.4)での結果は3回の平均で226,785点でした。3回連続で実施すると温度が21.8℃→23.6℃→25.5℃→26.2℃と上昇は少なめで、スコアにも影響はないようです。
数値としてはSnapdragon 480搭載のAQUOS wishやHelio G85搭載のBlackview BV7200よりも少し下といった辺りで、いわゆるローエンド帯になります。
その他ベンチマークの結果は、Geekbench 5がシングルで304点、マルチで1,323点、3DmarkはWild Lifeが415点でWild Life Extremeが114点、PCMarkのWork 3.0 performanceは7,386点でした。
グラフィック性能は劣りますがウェブ閲覧などの基本的な操作に関してはおもったよりも悪くありません。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
AQUOS wish | SD 480 4GB |
285207 | 502 | 1466 | 978 | 6578 |
Blackview BV7200 | Helio G85 6GB |
256183 | 344 | 1300 | 727 | 6959 |
Blackview A85 | UNISOC T606 8GB |
226972 | 304 | 1323 | 415 | 7386 |
BlackBerry KEY2 | SD 660 6GB |
202502 | 337 | 1457 | ||
Unihertz Jelly 2 | Helio P60 6GB |
192071 | 299 | 1450 | 647 | 7094 |
- GeekbenchはCPUの性能を、3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
操作感
実際に使ってみると、それなりにちゃんと動きます。サクサク、というわけではないけど大きな不満はなく普通に動きます。
ただ、なぜかホームアプリでの動作がかなり遅いのが気になります。反応が鈍いのではなく、アニメーションも含めた動きがスローです。デフォルトのホームアプリからNova Launcherに変えてみても同様でした。ほかの、ブラウザなど普通のアプリを使用する場合は普通に動くので謎です。
また、AnTuTuでもそうでしたが、本体があまり熱くならないのは良いですね。
ディスプレイ
Blackview A85のディスプレイは6.5インチで720×1612のHD+解像度です。個人的にはそこまで気にならないのですが、目のいい人だとフルHD+以上に比べての粗さなど気になる人もいます。
リフレッシュレートは最大90Hzで、デフォルトでは自動で60Hzと切り替わるようになっています。90Hzにすることで画面が滑らかになっている…のかもしれないのですが、これが原因で動きが遅くなってる部分もあります。60Hz固定にすると先述のホームアプリのスローな動きが緩和されました。
リフレッシュレートを取るか、動作のキビキビさを取るか、選ばなければならないのは難しいところです。今後のアップデートでどうにかなってくれるといいのですが。
このほか、個体の問題かもしれないのですが、「明るさの自動調節」がどうもうまく動作してくれません。明るい外にいるのに急に画面が暗くなったり、同じ場所で使っているのに明るくなったり暗くなったりと安定しません。これはオフにして都度自分で調整したほうが良いです。
生体認証
Blackview A85の生体認証は顔と指紋に対応します。
■指紋認証
■顔認証(持ち上げて画面オンと併用)
どちらも微妙に間が空いたり反応ないことがあります。まぁエントリークラスの端末なのでこんなものでしょうか。
カメラ
Blackview A85のカメラは50MPのメイン(広角)と8MPの超広角(120°)のデュアルカメラです。グリッドや水準器表示もあります。
画面下に表示されるモードは、基本の写真(Capture)と動画のほか、ポートレート、Pro、More(パノラマ、低速度撮影、50MP、マクロ、ナイトプロ)です。
設定画面は日本語化されてない部分も多いですね。スマホのカメラでよくあるAI補正はデフォルトではオフになっています。
実際に撮った写真をいくつか掲載します。
撮った後にスマホ上で確認したときはきれいに見えたのですが、その写真をPCで確認するとちょっと色あせてるようにも見えます。
また、全体的にピント合わせが苦手な印象。マクロにしても近くのものになかなかピントが合わなかったり、合わせた後にノロノロしてると外れてしまったり。
ポートレートは人間を認識して機能するタイプで、フィギュアなどには効きませんでした。
ナイトモードは、暗い中で明るく照らされてるものは良い感じに浮かび上がってくれるのですが、全体的に低照度の場合はかなり暗いです。これもスマホ上で確認したときは「明るくはならないけど肉眼に近いくらいの暗さかな」と思っていたのですが、あとから見直すとまるっきり暗くなってました。
バッテリー
画面の輝度を100-105ルクスに調整し、『PCMark』のバッテリーテストを行ったところ、100%→20%まで11時間34分でした。めちゃくちゃいい…とまでは行きませんが、普通よりちょっと良い、くらいですね。ディスプレイがHD+なので、そこが効いているのでしょう。
いくつかの端末で比べてみると以下の通り。(輝度は同じく100-105ルクスに合わせましたが、必ずしも新品ではないのでただの参考です。)
バッテリー容量 | PCMark | |
---|---|---|
Blackview BV7200 | 5,180mAh | 13h 24min |
Pixel 6a | 4,410mAh | 13h 5min |
Blackview A85 | 4,480mAh | 11h 34min |
Zenfone 9 | 4,300mAh | 10h 49min |
Galaxy S20 | 4,000mAh | 8h 25min |
Doke OS
Blackview A85はAndroid 12ベースのDoke OS 3.0を搭載します。素のAndroidに近いといえば近いですが、様々な改良もされています。プリインストールアプリはわりと多め。
Android 12ベースですが、クイック設定パネルのボタンは丸形です。
テーマやアイコンのカスタマイズで外観を自分好みに変更できます。
左側面にあるキーに様々な機能を割り当てられます。クリック、ダブルクリック、長押しで3つの動作を設定できます。割り当てられるのは以下の7つ。
- サウンドレコーディングを開始
- フラッシュライト点灯
- スクリーンショット
- インターホンを開く
- SOSをONにする
- ゲームモード
- アプリの起動
Blackview A85の良かったところイマイチなところ
Blackview A85をしばらく使ってみての良かったところ、イマイチだったところをまとめます。
- 安い
- サラサラした背面は好み
- 意外と軽い
- ローエンドながら最低限以上の性能はある
- 電池持ちは悪くない
- 90Hzでスクロールが鈍いことがある
- 明るさの自動調節が挙動不審
- 価格なりの全体的な性能
2万円を切るローエンド端末なので、多くを求めてはいけません。カメラや生体認証など、どれも「あるのは良いし最低限はあるけどもう一歩頑張ってほしい」なのですが、価格を考えればそれも仕方ないか、と。
一方、背面のデザインや大きさの割に軽く感じる点などは価格以上のものを感じました。この背面デザインでミドルレンジくらいのスペックを持った端末があれば、それも触ってみたいと思わせてくれます。
まとめ:
性能は高くありませんが、最低限の仕事はしてくれるスマートフォンです。2万円を切る低価格なので、スマホに多くを求めない、最低限の事ができればいい、という人にちょうど良い端末です。
使い所は難しいですが、低価格でもう1台スマートフォンが欲しいという人にはちょうどいいかもしれません。
本記事に記載された内容は記事公開時点のものであり、必ずしも最新の情報とは限りません。記事をご覧いただく際には、最新の情報を確認するようお願いいたします。
OREFOLDER編集長。
1979年静岡県清水市生まれ、現静岡市清水区在住。
様々な巡り合わせから、このサイト1本で生活してる氷河期世代の一人。ガジェットに限らず広く浅く様々なものに興味があります。
スマートフォンは2010年にXperia SO-01Bを買ったのが最初。同時にb-mobile U300で格安SIMも始めました。これまでに数百台のスマホを手にし、格安SIMも常時20種類以上契約しています。