ASUSの最新ゲーミングスマートフォン「ROG Phone 6」をレビュー用にお借りして2週間ほど試用させていただきました。
Snapdragon 8+ Gen1搭載で文句なしのハイスペック機であり、様々な点が進化したゲーミングスマホです。ゲーム以外の機能でもIPX4の防水性能などで普段使いでも使いやすい端末になっています。
短い試用期間ではありますが、実際にROG Phone 6を使ってみて感じた良かったところ、イマイチだったところをレビューしていきます。
目次(見たいところからチェック!)
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概要と外観
ROG Phone 6はASUSのゲーミングスマートフォンの2022年最新版です。シリーズとして無印のROG Phone 6(16GB/512GB, 12GB/256GB)とさらに高性能なROG Phone 6 Pro(18GB/512GB)があります。今回レビューするのはROG Phone 6(16GB/512GB)です。
- 現行最上位Snapdragon 8+ Gen1搭載
- 65W急速充電対応の6,000mAh大容量バッテリー、バイパス充電可能
- 3段階の冷却性能で熱を防ぐ
- 6.78インチAMOLEDディスプレイ、リフレッシュレート最大165Hz
- デュアルフロントスピーカーの圧倒的な音質
- 様々なゲーム用機能
この背面にいろいろ書き込まれてるのがカッコよくて好きです。
側面にあるSIMスロット部分は色が変わってます。そしてこの左側面にはUSBポートがあります。下側面にもあるので、USB-Cが2つあって、どちらからも充電できます。
カメラ周りは少しだけ出ています。とはいえ、広いのもあって机の上でガタガタすることはないです。
つや消しのこの白い背面が落ち着きのある上品さがあって好きです。
Xモードをオンにすると背面の一部が光ります。光り方はカスタマイズできますよ。
付属のケースはこの光る部分を覆わない形になっています。これもカッコいいですね。
スペックとパフォーマンス
ROG Phone 6の主なスペックは以下のとおりです。
OS | Android 12 (ROG UI) |
---|---|
CPU | Snapdragon 8+ Gen1 |
RAMとストレージ | 16GB+512GB / 12GB+256GB |
ディスプレイ | 6.78インチ 2448×1080 (FHD+) AMOLED リフレッシュレート最大165Hz タッチサンプリングレート720Hz |
メインカメラ | 50MP広角(F値1.9) + 13MP超広角(F値2.2) + 5MPマクロ(F値2.0) |
フロントカメラ | 12MP(F2.4) |
バッテリー | 6,000mAh 最大65W (Quick Charge 5.0/USB Power Delivery 3.0対応) |
サイズ | 約173 × 77 × 10.4 mm |
重量 | 約239g |
生体認証 | 指紋(画面内)、顔 |
SIM | nanoSIM x 2 |
防水 | IPX4 |
対応バンド | 5G NR(Sub-6): n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n13/n18/n20/n25/n26/n28/n38/n40/n41/n48/n66/n71/n77/n78/n79 FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B13/B17/B18/B19/B20/B25/B26/B28/B29/B30/B32/B66/B71 TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42/B43/B48 W-CDMA: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 GSM / EDGE: 850/900/1,800/1,900MHz |
その他 | デュアルフロントスピーカー、3.5mmイヤホンジャック |
より詳しいスペックは公式サイトをご覧ください。
ベンチマーク
AnTuTu Benchmark(v9.4.4)での結果は3回の平均で891,689点。3回連続でテストすると1回ごとに大きくスコアが落ちました。また、端末自体もそれなりに熱くなります。持てないほどではありませんが、熱いなーと気になる程度はあります。
なお、Xモードをオフの状態でAnTuTuを起動すると自動でオンになり、またテストが切り替わるたびにオンにしようとするので都度オフにしています。
Xモードオンの状態でテストすると、スコアは3回平均で1,114,303点と大きく伸びました。111万点です。また、こちらの場合は3回連続でテストしてもスコアはほとんど変わりませんでした。安定して十分なパフォーマンスを出したいのならXモードにしたほうが良いですね。
その他ベンチマークの結果(Xモードオフ)は、Geekbench 5がシングルで1,130点、マルチで3,494点、3DmarkはWild Lifeで8,877点、Wild Life Extremeで2,270点、PCMarkのWork 3.0 performanceは12,092点でした。
Xモードをオンにした状態では、Geekbench 5がシングルで1,307点、マルチで4,337点、3DmarkはWild Lifeが測定不能、Wild Life Extremeで2,800点、PCMarkのWork 3.0 performanceは17,088点でした。Xモードオフでも十分高性能ですが、オンにするとさらにスコアが上がります。
似た点数のほかのスマホと比べると以下の通り。
SoC | Antutu | Geekbench | 3DMark | PCMark | ||
---|---|---|---|---|---|---|
RAM | Single | Multi | ||||
ROG Phone 6(Xモード) | SD 8 Gen1 16GB |
1119157 | 1307 | 4337 | Maxed Out | 17088 |
ROG Phone 6 | SD 8 Gen1 16GB |
964216 | 1130 | 3494 | 8877 | 12092 |
Galaxy Z Fold3 | SD 888 12GB |
812429 | 1073 | 3196 | 5689 | 13240 |
ROG Phone 5(Xモード) | SD 888 16GB |
810721 | 1123 | 3636 | 5712 |
- GeekbenchはCPUの性能を、3DMarkはグラフィック性能、PCMarkはWeb閲覧など基本的な作業に関する性能を測るベンチマークアプリです。
ディスプレイ
ROG Phone 6のディスプレイは6.78インチ(FHD+) のAMOLEDで、リフレッシュレートは最大165Hz、タッチサンプリングレート720Hzです。前面カメラはパンチホールなどになっておらず、上下のベゼルは少し太くなっています。
画面は発色もよく見やすいです。四隅の丸みが若干大きい気もしますが、最近のアプリであればそう問題になることもないでしょう。
ディスプレイの設定ではステータスバーに表示するアイコンを細かく取捨選択できます。ステータスバーをスッキリさせたい派には嬉しい機能です。
スピーカー
ROG Phone 6のスピーカーはデュアルフロントスピーカーです。左右の側面ではなくフロントにあるため、ゲーム中でも手で塞ぐことがありません。そのためか、音がクリアで迫力があります。普段はあまりスマホで音を出さないようにしている私でも、ROG Phoneではしっかり音出しして行きたいと思うほどです。
生体認証
ROG Phone 6は指紋認証と顔認証の2つの生体認証に対応しています。
指紋認証
指紋認証は画面内タイプで、画面オフの状態からでもセンサーの場所に指を置けば反応してくれます。登録数は5つまでで、同じ指でも重複登録できます。反応速度も上々で、指を置くセンサーの場所さえ慣れれば使えます。ただ場所が少しずれると失敗することも増える印象。
ロック解除のアニメーションや表示スタイル(センサーの場所を表す指紋マーク)も変更できます。
顔認証
顔認証はジェスチャーの「端末を持ち上げてスリープ解除」と一緒に設定すると便利です。端末を持ち上げて顔の前に持ってくるだけでロック解除までいけます。
バッテリー
ROG Phone 6のバッテリーはCPUの両側に3,000mAhを2つ(合計6,000mAh)搭載します。こうすることで充電効率やCPUの熱効率を高め、ゲーム中に最も熱い部分を触らなくて済むようになっています。
充電では付属の充電器で65W急速充電に対応してます。0%の状態から100%まで僅か42分で完了するようです。
便利なのはゲーム中に使える「バイパス充電」です。これはバッテリーに充電するのではなくシステム本体に直接電源を供給します。これにより発熱やバッテリーの劣化を防いでくれます。充電しながらゲームを放置し続けた結果、バッテリーが膨らんでしまった私には必要な機能ですね。
ゲームのための機能
ROG Phone 6はゲーミングスマホですから、ゲームに特化した機能がいくつもあります。最高位のCPU性能やディスプレイのリフレッシュレートにタッチサンプリングレート、バッテリー配置などもゲームにおける勝利のための1つですが、ソフトウェア的にもいろいろあります。
Xモード
ROG PhoneにはXモードという、パフォーマンス優先モードがあります。前述の通り、このモードにするとベンチマークアプリでのスコアもグンと上がります。
AirTrigger 6
本体を横向きに持ったときの上側の左右の端に超音波タッチセンサーのAirTrigger 6を搭載しています。
AirTrigger 6はタップやスワイプで操作することができ、ゲーム内のタッチ操作などを割り当てることでまるでゲーム機のコントローラーのような操作性を提供します。
モーションコントロール
ジャイロセンサーを使ったモーションコントロールにも対応。本体を傾けてキャラを移動させるということも可能です。
Game Genie
ゲームをプレイ中に端から引き出せる、ゲーム用のツール群Game Genieは、ROG Phone 6のデザインに合わせてリニューアルされています。ここからAirTrigger 6の設定や各種機能の切り替えができます。
カメラ
ROG Phone 6のカメラは50MPのメインカメラのほか、13MPで125°の超広角カメラ、5MPのマクロカメラの3つです。設定ではウォーターマークを付けたり、グリッドや電子水準器を出せるのがいいですね。
カメラのモードは写真、動画、タイムラプス、スローモーション、ポートレート、パノラマ、ライトトレイル、PROモード、夜景、マクロ、PROビデオの11種類。表示する種類や順番は(写真と動画以外)自分でカスタマイズできます。
実際に撮った写真をいくつか。
ゲーミングスマホにカメラ性能をどれだけ求めるかはわかりませんが、普通にキレイに撮れる印象です。こだわる人はカメラ特化なスマホも持っているでしょうし、普通の人なら十分満足できるカメラだと思います。
ROG UI
ROG Phone 6のシステムは「Android 12 (ROG UI)」です。ROG UIといってもだいたいZenfoneのZenUIと同じです。基本的には通常のAndroidに近く、それにいくつかの便利な機能が追加されたものです。
ジェスチャー操作の1つとして、「背面ダブルタップ」があります。背面をダブルタップでスクリーンショットが撮れたり懐中電灯のオンオフができるのはなかなか便利です。
このほか、他のメーカーでもよくあるような、サイド引き出すランチャーの「エッジツール」や1つのアプリで2つのアカウントを使える「ツインアプリ」などもあります。
ROG Phone 6の良かったところイマイチなところ
実際にROG Phone 6をしばらく使ってみて感じた良いところとイマイチなところをまとめてみます。
- さすがのハイエンドな性能
- ゲームに便利な機能の数々
- 迫力あるスピーカー
- バッテリーを保護する機能
- 大きくて重い
- 本体が熱くなりやすい
ハイエンドな性能
現状最高クラスの性能はやはり良いですね。一般的な利用ではオーバースペックとも思えますが、性能は良いに越したことはありません。普段ゲームしない人でも、急にハイスペックが求められるゲームが流行ったときにすぐに手を出せますしね。
普通に性能で選んでも満足できるので、ゲームを全くやらない人でも選択肢に入れていいと思います。IPX4の防水もあるので、普段使いしやすくなりました。
わくわくさせてくれる仕組み
ゲーム関連の機能が豊富で、さらに背面が光ったりXモードで壁紙も変化するといった演出も良いです。こういったところから、ゲームをやってみようかという興味を持たせてくれる魅力があると感じました。端末自体のデザインもカッコいいですよね。
バッテリー保護機能
最近は他のメーカーでも「長く使える」を目指したスマホ作りになりつつあります。ROG Phone 6にもバッテリー寿命を伸ばす機能がいくつかあります。私は画面をつけたまま放置するゲームをやることもあるので、そういうときはバイパス充電が役に立ちます。バッテリー膨張を経験したあとだと、この機能は「かなり欲しい機能」になってます。
冷めるのも早いけど熱くなりやすい
ゲームで大容量データをダウンロードしてる最中など、けっこうすぐに本体が熱くなってきます。冷却機能によって冷めるのも速いですし、熱いと言っても持てないほどではないのですが。ゲームをプレイする時はやっぱりゲームパッドを使ったほうが良いのかな?と思います。
重いのはネック
画面とバッテリーが大きいので仕方ないのですが、本体重量が約239gと重いです。片手で支えてゲームをやっていると、いつの間にか腕が疲れてしまってます。ROG Phone 6はゲームパッドや冷却クーラーといったアクセサリもありますが、本体を支えるようなグッズも欲しいですね。
まとめ:ワクワクさせてくれるゲーミングスマホ
1年前にROG Phone 5をレビューしたときも思ったのですが、非常にワクワクさせてくれるスマホだと感じました。Snapdragon 8+ Gen1搭載のハイエンドな性能はもちろんのこと、端末デザインや光る背面、Xモードの演出などが突き刺さります。
毎年どんどん進化していくので毎年欲しくなってしまいますが、長く使うという点でも選んでいいスマホです。
ROG Phone 6 (12GB / 256GB) |
129,800円 | »Amazon | »ASUS Store |
---|---|---|---|
ROG Phone 6 (16GB / 512GB) |
149,800円 | »Amazon | »ASUS Store |
ROG Phone 6 Pro (18GB / 512GB) |
169,800円 | »Amazon | »ASUS Store |
ROG Phone 6 BATMAN Edition (12GB / 256GB) |
154,800円 | »Amazon | »ASUS Store |
なお、ROG Phone 6に対応した冷却ファンユニットやゲームパッドなども別途レビュー予定です。